階下にYoさんという、私とほぼ同年配の方がお住まいです。
60代の若さで脳梗塞を患ったそうで、今も歩行障害の後遺症に苦しんでいます。
私がそのことを知ったのは定年退職後、毎日自宅にいるようになってからでした。
Yoさんの歩行障害は、両手で杖に縋らなければ歩けない程度。
以前は、マンション敷地内で、杖を突きながら歩行練習をよくしていましたし、
デイサービスの送迎車が来たときも、まだ自力で歩けていました。
が、それからほぼ10年経った最近は、フレイル状態が一層進んだようです。
歩行練習はおろか、ほんの20~30歩の距離を歩くのもシンドイらしく、
マンションの出入り口からデイサービスの送迎車までの僅かな距離も、
もっぱら車椅子を使うようになっています。
築30数年になる我がマンション、出入り口が複数あるオープン構造です。
エレベーターの止まる階は2階おきで、階段を使っての上り下りが基本です。
バリアフリーにはほど遠い構造ですが、手摺りだけは階段の両側に付いています。
ちなみに、1階の出入り口にもたったの3段ですが階段があります。
件のYoさんは1階の住民なので、やはりその3段の上り下りが必須です。
先日、私が目撃したのはまさにその3段を下りようとしていた場面でした。
階段の手摺りを両手でしっかり掴み、震える足を一歩一歩慎重に下ろして
いました。
そのときふと頭に浮かんだのは、AAの年長仲間のYu さんです。
恐らくYu さん、古疵が痛む膝の所為でしょうか、
僅かな段差であっても階段の上り下りを極力避けるようにし、
バリアフリーの身障者用スロープを必ず通るようにしていました。
片や目の前で、覚束ない足取りで歩く脳梗塞後遺症のYoさん。
彼の後ろ姿は、AAの年長者Yu さんのヨタヨタ姿に被って見えました。
さほど間を置かず、かくも似たような光景を二度も見た私です。
現実の厳しさを目の当たりにして、すっかりうろたえてしまいました。
私の住まいはマンション2階にあり、地面まで17段の上り下りが必要です。
この程度の僅かな段数なら、寝たきりとなって動けなくならない限り、
終の棲家はここで楽勝、と思い込んでいました。
が、階段の上り下りができなくなるだけでも、寝たきりと本質的には違わない、
そう気づかされました。
思いがけない突発的な事故で脚・腰を怪我してしまったら、
バリアフリーの住まいに転居せざるを得ない事態も十分にあり得るのです。
そんなときに物を言うのはお金。
今ある僅かな貯蓄が運命を左右するやもしれません。
貯蓄には出来るだけ手を付けずに、まとまった額を温存しておかなければ・・・。
あ~ぁ、お金の心配はやはり、死ぬまで続きそうです。ガンバラナクッチャ!?
以上、あたかも焦点がズレてぼんやりしていた眼に、
初めてピントが合ったような気持ちであります。
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以前と比べると楽になりましたよ。
なるほど、バリアフリーの賃貸ですか、
ありがとうございます。
サ高住というのも聞いてますし、大いに参考になりました。