新型コロナ第3波で崩壊の危機と言われている医療現場、今、看護師不足が叫ばれています。
その看護師という職業が専門性の高い割に過酷な雑務を強いられ、それでも報酬の少ない仕事だということ、ここに至って再認識した人が少なくないのではないでしょうか?
夜勤専門の派遣看護師? 私の入院したK 整形外科・神経外科クリニックに、そんな派遣看護師がいました。40代の女性 T さんです。
術後3日目の晩、交代の挨拶に来た彼女が夜勤専門と自己紹介したのをきっかけに、こんな中味の濃い話になってしまいました。以下は、その中のほんの一コマです。
「夜勤専門なんて、ナゼまた、そんなシンドイ仕事を?」
「実は私、夫に逃げられたシングルマザーなんです。
昼夜逆転だから自律神経なんてズタズタですよ。
でも、中三の子どもがいて、やりたいことをさせて上げたくて、
それでこんなふうに頑張っているんです」と、彼女。
中学・高校時代の長男には散々手を焼き、何度も裏切られてきた私です。確認もせずに私は、てっきり彼女の子どもは男の子だと思い込んでしまいました。
そんな勝手な思い込みから、ついついこんなことを彼女に口走っていました。
「中三なんて、反抗期で心が不安定な時期ですよ。夢はあっても、
その夢を実現させようなんて、どこまで本気かわからないでしょうに。」
さらに続けて、
「子どもは、親の思うようにはなりませんよ。
そのうち余計なお世話と憎まれるだけですよ。
子どもは親のものじゃない。自分とは別人格として、
少し突き放して接することも必要じゃないですか?
下手すると憎しみ合っても離れられない関係、
どうにもならない悲惨な共依存になりかねませんよ」と、決めつけた言い方の私。術後のイライラが募っての言葉だったかもしれません。
「私、母と娘の女3人で暮らしているんです。
だからこそ病院を掛け持ちしてでも
夜勤専門でやっていけているのかも。
そんな頑張る私の姿を見て、娘が看護師になりたいと
言ってくれているんですよ!!!」さらに続けて彼女は、
「それに私、他所と比べ始めたら切りがないので、
人とは比べないようにしてるんです。
それで何とかやって行けてます。」
「これは失礼しました。てっきり男の子だと思っていました。
母親の仕事の辛さを見ていながら、それを継ごうなんて
何とも見上げたものですよ。立派なお嬢さんですね!」
何と、私の方こそ大きなお世話だったのです。
“母は強し” 少し言い古された言葉ですが、人の嫌がる夜勤を健気にこなし、こんなふうに懸命に生きているシングルマザーもいるのです。
今日はクリスマス。彼女の家族に幸あれと、心からエールを送りたい気持ちで一杯です。
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「夜勤専門なんて、ナゼまた、そんなシンドイ仕事を?」
「実は私、夫に逃げられたシングルマザーなんです。
昼夜逆転だから自律神経なんてズタズタですよ。
でも、中三の子どもがいて、やりたいことをさせて上げたくて、
それでこんなふうに頑張っているんです」と、彼女。
中学・高校時代の長男には散々手を焼き、何度も裏切られてきた私です。確認もせずに私は、てっきり彼女の子どもは男の子だと思い込んでしまいました。
そんな勝手な思い込みから、ついついこんなことを彼女に口走っていました。
「中三なんて、反抗期で心が不安定な時期ですよ。夢はあっても、
その夢を実現させようなんて、どこまで本気かわからないでしょうに。」
さらに続けて、
「子どもは、親の思うようにはなりませんよ。
そのうち余計なお世話と憎まれるだけですよ。
子どもは親のものじゃない。自分とは別人格として、
少し突き放して接することも必要じゃないですか?
下手すると憎しみ合っても離れられない関係、
どうにもならない悲惨な共依存になりかねませんよ」と、決めつけた言い方の私。術後のイライラが募っての言葉だったかもしれません。
「私、母と娘の女3人で暮らしているんです。
だからこそ病院を掛け持ちしてでも
夜勤専門でやっていけているのかも。
そんな頑張る私の姿を見て、娘が看護師になりたいと
言ってくれているんですよ!!!」さらに続けて彼女は、
「それに私、他所と比べ始めたら切りがないので、
人とは比べないようにしてるんです。
それで何とかやって行けてます。」
「これは失礼しました。てっきり男の子だと思っていました。
母親の仕事の辛さを見ていながら、それを継ごうなんて
何とも見上げたものですよ。立派なお嬢さんですね!」
何と、私の方こそ大きなお世話だったのです。
“母は強し” 少し言い古された言葉ですが、人の嫌がる夜勤を健気にこなし、こんなふうに懸命に生きているシングルマザーもいるのです。
今日はクリスマス。彼女の家族に幸あれと、心からエールを送りたい気持ちで一杯です。
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