東京マラソンが終わって…

「あんさん、猫ひろしにタイム負けてる。3時間18分だってさ！」

東京マラソン出場で上京中のM見ちゃんの携帯にコボン(息子)からのメールが入る。

練習してもしなくても、最近どのマラソンを走っても不思議と同タイムでゴール。
きっと、今のM見ちゃんの力はこんなもんなのかもしれない。

弟は大都会の真ん中で働く企業戦士。
朝5時に起床、6時頃に出勤して帰宅は深夜11時をまわるらしい。
休日も仕事をしているという。

そんな忙しい中、週末にジョグをして東京マラソンを完走したのだから、M見ちゃんなんかより、すごいのである。

二泊三日の旅から帰り、一夜あけた今朝、いつも朝食後は自室に戻るコボンちゃん…。
しかし、なかなか席を立たないで、ひたすら楽しそうにアルバイト先での出来事を喋り続けている。

「きっと、久々にM見ちゃんが帰ってきたから嬉しいんだろぅ…♪」

勝手に想像し、にやにやするM見ちゃん。
もしかして自意識過剰？

アルバイトへ行くコボンの夕食のデザートに、手作りスイーツ『林檎蜂蜜ケーキ』を作る。

何やかんや言いながらも、淋しかったのはコボンではなく、M見ちゃんの方だった事は事実のようである。