これもトレーニング

社会的、身体的、心理的に健康でありたい!日々、転んでも立ち上がるトレーニングを綴ります。

旅は道連れ

2009年05月05日 16時42分48秒 | Weblog
東京行き『新幹線のぞみ』

隣の窓側に座っている60代女性は『太極拳』の本を持っていた。

「太極拳をされているのですか?」
まったく面識の無い人に、思わず声をかけてしまった。

「ええ。もしかしたら教えていらっしゃるの?」
反対に質問される。

「いいえ…。私は健康維持増進の簡単な運動指導をしています。」
それをきっかけに話が弾む。

「私が太極拳を始めたのは、体調を崩してからなの。運動というよりリハビリみたいなもの。周りの参加者は何処か痛みを抱えているわ。」

長年かけ習得した技術を生かし、最近まで太極拳の指導者をされていたとのこと。

たしか…5年以上前に一度だけ、太極拳の体験レッスンを受けたことがある。M見ちゃん…もとはエアロビクスダンス・インストラクター!
『振り付け』を覚えるのは早い。
「ちがいますよ。もっと力を抜いて身体を連動させなきゃ。」
太極拳は、静かなゆったりとした動きに見えるが、骨盤を後傾させ臍下丹田に力を入れ、中腰になり基本的な振りを覚えて力まず流れるように動く。
「全身ガチガチに凝ってしまい、非常に疲れました。ギブアップです!」
80才、90才の方が、流れるように動き続ける姿が衝撃的であった。

「太極拳は、武術なの。剣など道具を持って舞うのもあるのよ。ただ動きを真似ているだけでは、敵から身体の一部を押されたら簡単に転んでしまう。太極拳の動きというのは、反射的にそれを押し返すのよ。」

「お、奥が深い…。今は太極拳の指導をされてないのですか?長年極めた素晴らしい事を是非、色んな人に伝授してあげて頂きたい。」

「年を重ねると自分だけじゃなく、自分を取り巻く環境も変わるの。病気や親の介護だったり…。指導者となると、責任があるからちょっと抜けて…なんてできない。だから今は気楽な生徒に戻ったの。まだまだ太極拳を知らない若い先生だとしても、これはこういうものと思って習っているの。」

旅は道連れ。
新幹線の中の2時間あまり、あっという間に過ぎた。

長年かけて経験しないと習得できないものは沢山ある。
たとえば、この太極拳…
しっかり理論を勉強したパワフルで熱心な若い指導者も魅力的だが、M見ちゃんが体験レッスンをギブアップした後も流れるように舞っていた80代、90代のような方に、是非伝授願いたい。

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