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バトル・オブ・ブリテンを戦った当時の戦闘機と後年それを記念した特別塗装の現用戦闘機を並べてみたいじゃないですか。この場合は、ホーカー・ハリケーンとCF-18ホーネットの組み合わせです。以前CF-18は作ったので第2弾となる今回はハリケーンMk Iを作ります。
ハリケーンというのは戦闘機界では名の知れた存在ですから、古今東西あらゆるキットが存在します。そんな中でも今回はポーランドの新進気鋭メーカー「アルマホビー」のキットを作ります。前評判は良いと聞いています。楽しみです。
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部品のほとんどはこの1枚のランナーに収まっています。タミヤキットのような小気味よいパーツ数です。表面は目の細かいシボがかけられています。
ハリケーンにはいくつかのサブタイプがありますが、これはMk Iという初期型の模型です。その気になればバリエーション展開を見越した部品配置もできそうですが、Mk Iに専念した配置となっているわけですな。
部品形状は近作だけあり精密さがあります。特に胴体後部の鋼管羽布張りの外観形状は目を見張るものがあります。
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風防ランナーと少パーツランナー。尾翼や車輪はどうしてもバリエーション展開上分ける必要があったんでしょうか。
風防はやや厚めですが透明度は十分です。風防の開閉状態で別の部品が用意されています。形状に正確なのは閉状態ですが、風防を開けた状態を再現しようとすると干渉してしまうようです。なので、形状が悪くなるのを承知で干渉を避けた形状の開状態の風防を専用に設計したんだと思います。アルマホビーは設計へのこだわりが強いんですが、ここでもそれを感じられる部分だと思います。
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デカールはテクモッドという会社で印刷されたものを使っています。テクモッドのデカールは発色良し、薄さよし、位置決めしやすさよし、成形品への馴染みやすさ良しといいところしかありません。日本製のデカールよりも上質ですよ。
デカールは3種類分が収録されています。その中でもカナダ空軍の機体を作れるのがこのキットを選んだ決め手です。
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ただ個体固有の不良なのか、台紙の剥がれた跡が・・・。印刷剥がれというわけではなかったので、デカール貼付け時に水でふやかして紙のかすを取り去って解決しました。
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主脚の収納庫から作ります。ちゃんと壁の形状を部品として分割して再現していて感心します。
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こんなんになりました。ちょっと合わせが悪く、減点でした。ただし後に作ったMk IIのキットではこの難点が解消されていて、ちゃんと改良されているんだとやはり感心してしまいました。
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プロペラは1枚ずつ独立していて、スピナーに接着する方式。位置決めはちゃんとしているので安心。
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スピナー覆いは3種類用意されています。どの機体を作るかで間違えないよう選びましょうや。
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覆いをつけると、ちょっと段差ができます。スピナーを削ってすり合わせして段差をなくします。
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操縦席部分の鋼管も再現されていて、充実の内容です。組み立ての煩わしさはあまり感じませんでした。最初の脚庫以外に組み立て上ストレスな部分はありません。優秀なキットだと思います。
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水平尾翼は左右一体で動翼部は別部品化されている1/72では珍しい分割です。
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こんなふうになります。
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主翼と胴体を接着します。操縦席の床面は主翼側に彫刻されているこれまた珍しい方式です。たぶん実機がそうなっているんですかねえ。
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塗装です。下塗りとかなしでいきなり本塗装です。まずは下面にダックエッググリーンを塗り塗り。
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上面はダークグリーンとダークアースの迷彩塗装です。まずダークアースを全面に塗った後、テープでマスクしてダークグリーンを塗ります。
マスクするときは説明書にある塗装図を拡大複写して原寸大にします。それを型紙にしてマスキングテープの上に固定して、テープを型紙に沿って切っていけば型紙の形をしたマスクができます。
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塗装を終えた状態。今回は汚しは無しで、きれいな完成品を目指します。
なんだかこれだけだとうそっぽいなあ。
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デカールを貼るとイギリス機っぽくみえてきますな。
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アルマホビーの成形品には驚かされぱなしですが、一番感心したのは着陸灯と航行灯の形状です。
これらは透明部品の無垢の形状ですが、着陸灯のレンズと航行灯の電球を凹形状として彫刻することでレンズと電球が中空でそこにあるように見えるのです。こういう形状のない他のキットでも基本的に穴を開けるだけで再現可能ですから、この考えはいただきと思いました。
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各部品の最終組立です。
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下面はこんな感じ。スジボリはどちらかというとくっきり目です。
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そんなこんなで完成です。なんだか心地よい組み立て体験をしたような気がしました。同社の他のキットも作ってみたい気が増しました。
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レシプロ戦闘機の部品分割はもう完成の域に達しているのですが、まだこういう割り方があるのかと思い知らされました。
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今回の趣旨であるところのハリケーンとCF-18の並び。おそらく実機でも実現していない並びです。現実にはありえない並びこそプラモデルの醍醐味です。
完成させて気づいたのですが、この2機のマーキングの文字は同じ部隊であることを示していました!偶然にも同じ舞台をモチーフとしたプラモデルを作っていたのです。なんというめぐり合わせでしょうか。
完成品はギャラリーにて。
<使用塗料>
機体上面1:H72ダークアース
機体上面2:H73ダークグリーン
機体下面:C26ダックエッググリーン
排気管:C61焼鉄色
操縦席:C364エアクラフトグレーグリーンBS283
脚・脚庫:C8シルバー
プロペラ:C33つや消しブラック