Lee Konitz Plays With The Gerry Mulligan Quartet/Gerry Mulligan
(World Pacific PJM-406)
(World Pacific PJM-406)
マイルスのクールの誕生で共演した経歴のあるコニッツとマリガンはその後トリスターノのグループで活躍するコニッツと自己のピアノレスカルテットを立ち上げたマリガンと違った道を歩みましたよね。マリガンは終始一貫してアドリブと独自のアンサンブルで人気を博して行きましたが、コニッツはクールジャズの極右的な形ともいえるトリスターノの許での統制された中でのプレイに終始して行きました。勿論、この時代のコニッツこそ最高というファンも多いですが、個人的にはこのマリガンとの共演以降のトリスターノの呪縛からとけたコニッツが好きですね。
録音は53年といいますから、スタンケントン楽団でプレイしたコニッツが変化を見せ始めた過渡期ともいえます。Mulligan、Chet、Konitz、Joe Mondragon(b)【B面はCarson Smith】、Larry Bunker(ds)の五重奏団です。A面がスタジオ録音、B面がコニッツをフィーチャーしたライブ録音ですね。特にB面のプレイにはコニッツの素晴らしさが凝集しています。これぞアルトいうべき美しい音色、滑らかなフレージング、バックでなるマリガンとチェットの低いサウンドでのアンサンブルとの調和が実に美しいですよね。ミストーンなど全くない卓越したテクニックに魅了されてしまいます。Too Marvelous For Words", "Lover Man", "I'll Remember April", "These Foolish Things", "All The Things You Are"という誰もが知っているスタンダードをコニッツスタイルで聞かせまくる構成が嬉しいです。この演奏を聴いていると、コニッツはやはりアルトがベストということを再認識してしまいますね。
所有盤はWorld Pacificのモノラルオリジナル、ブルーラベルです。契約の関係からマリガンのリーダー盤ですがあくまでも主役はコニッツといえると思います。