Brubeck & Rushing
The Dave Brubeck Quartet featuring Jimmy Rushing
(Columbia CL1553)
The Dave Brubeck Quartet featuring Jimmy Rushing
(Columbia CL1553)
テイクファイブなど変拍子ジャズで独特のスィング感を醸し出すデイブ・ブルーベック・カルテットはソフトで甘いサウンドで魅了するポール・デスモンドのアルトの参加もありジャズ史上に輝く名グループであろうと思います。彼らの共演アルバムもいくつかありますがボーカリストとの共演でカーメン・マクレェとならび有名なのが本日アップのブルースシンガー、ジミー・ラッシングとの共演であろうと思います。
ここではブルーベックはタイムアウトな表現は一切みせず、ラッシングのゆったりとしたスウィンギーかつブルージーなボーカルに見事な調和をみせる演奏に徹しています。デスモンドのオブリガートが全編を通じて非常に効いていますね。ラッシングのシャウトとのデスモンドのスィートなサウンドは好対照ですがすばらしいミスマッチと言えるのでないでしょうか?!ブルーベック自身のパーカッシブなピノも聞き逃せませんよ。勿論、ブルースナンバーを聴かせるラッシングはいいですが、あえて古いスタンダードを唄うラッシングに注目したいものです。特にA-2の"My Melancholy Baby"の出来がすばらしいですね。ひょっとしたらラッシングがピアノをひいているのではなんて雰囲気も感じてしまうのは自分だけでしょうか?A-4の"I Never Knew", A-5の"Ain't Misbehavin'", B-2の"All By Myself", B-4の"You Can Depend On Me", B-5の"Am I Blue"等も同じ傾向の演奏で気に入っています。
所有盤はコロンビアSix Eyeのモノラルオリジナル盤です。ブルースピアノもビビッドですしデスモンドの甘いサックスもとても艶やかでいい録音ですね。聞き逃せないブルーベックの他流試合の一つと思います。