The Thinking Man's Trombone/Al Grey
(Argo LP677)
ベニー・カーター、ジミー・ランスフォード、ラッキー・ミリンダー、ディジー・ガレスピー等幾多のジャズバンド、一時的なR&Bバンドへの参加などを経て御大ベーシーバンドのボントロセクションを支える名プレイヤーに成長したアル・グレイは多くのサウンドカラーを経験したことによる豊富な知識から"Thinking Man"トして知られています。個人的には、ベイシー没後にフランク・ウェスが率いて来日したベイシーオールスターバンドでの快演を思い出します。本日はアーゴに録音された"Thinking Man"をタイトルに冠したアルバムをアップいたします。
演奏はベイシーバンドの経験者で固められ、カラーもベーシーバンドに近いですが本家よりもアンサンブル部分がやや少なめでビッグコンボでのソロを重視した構成になっています。録音は60年。場所はシカゴ(アーゴですからね)。メンバーはAl Grey, Benny Powell(tb), Joe Newman(tp), Billy Mitchell(ts), Charlie Fowlkes(bs), Ed Higgins(p), Freddie Green(g), Ed Jones(b), Sonny Payne(ds)のノネットです。やっぱりミディアムファストのグレイのオリジナル曲、A-1の"Salty Papa", B-1の"King Bee"の2曲が圧倒的ですね。他にもベイシーバンドの音楽監督として活躍したフランク・フォスター、サド・ジョーンズの曲がセレクトされています。グレイのカップミュートを使ったボントロを全編で楽しむことができます。そしてグリーンのザクザクも効いてますし、ヒギンズのスウィンギーなピアノが光っていますね。
所有盤はパンチホールがありますが、アーゴのグレイラベルのモノラル盤です。ベイシーファンには是非聴いていただきたい一枚ですね。