言語化作業

2021-05-30 13:19:55 | 司法試験関連

予備試験論文受験予定の方や、これから論文対策頑張るぞ!という方へ。定期的に話題に持ち出している、知識の「言語化作業」についてです。

「言語化作業」とは、自説・規範・制度趣旨・問題提起・理由付けなど,「何も見ないで口に出して言う」という作業のことを言います。大事なことは,実際に「言語化する」という作業です。頭の中で「ああ,分かる分かる」というのは,色んな勘違いを惹き起こしやすいのです。読みながら「分かる分かる」,「そうそう」,なんていうのはむしろ当たり前で,一読して分からないこと,つっかかるところがあるようでは困ります。

上記の作業の際,注意点があります。「単にテキスト読んで確認しているだけ」で終わっていると、「記憶できない」という悩みの元になります。いわゆる「単なる読書」に陥っている場合です。やっていることはテキストを「読む」ことであって,「覚える」ことにはなっていないからです。「中々覚えられない」という悩みを持つ人は,この「勘違い」をしている人が大半です。

また,実際に記憶はしていても,「いざ答案に」と言うときにスラスラ出てこない,書けない,ということがよくあります。その原因は、頭の中で「何となく」わかっている状態止まりなので,まだ言語化できていない点にあります。「答案を書く」という作業は,「思考を言語化する」という作業に他なりません。ですので,この言語化のプロセスが普段の勉強の中に組み込まれていないといけないのです。冒頭の「口に出してみる」というのは正にこの言語化のプロセスの実践と言うことなのです。口で言葉に出せないことは文字では書けません。

日常生活でも,自分の考えを上手く伝えられない人は,考えそのものがまとまっていない(自分でも良く分かっていない)か,思考を言語化する作業ができていないかだと思います。脳内のイメージを実際に具体化する、それが「言語化作業」です。

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