「只在」
福島原発から半径20km以内に住むKさんと、さっき電話でお話をして。
一時県外に避難されていたのに、自宅に戻られたと伺い・・。
「避難されなくていいんですか?」 と、びっくりして聞いてしまった。
遠く離れた関東では、東電の「間違えました」会見に始まり、
IAEAの発表と政府の発表の食い違いに、何を信じたらいいのか分からないことが、
放射能の不安を煽っているわけで。
それでも当地では、一時避難していた避難区域外から、少しづつ自宅に戻る人が増えていると。
そこにはそれぞれに色々な事情があり。
もしや停電で、情報が入っていないのでは?と、慌ててしまったのだけど
電話の向こうからは、「だいじょうぶよ~。」と。
「洗濯物も干しているし、水道水も飲んでるのよ。
枝野さんはなるべく避難って言ってるけど、毎日長年浴びたら危ないんだから、
そんなに心配することないのよ。だから普通に生活してるから心配しないで~」って。
けれど今も物資不足は変わらず、週に2回の配給には、3時間並んでも、
「紙四角入りのジュース2個とカップ麺1個、野菜は家族数だけを人参か玉葱、バナナ、
青菜の中から選んで・・・私はバナナ2本と玉葱1個だけ貰いました。
他に缶詰1個、トイレットペーパー3個などを頂いて来ました。」 と。
でも、もらえるだけでありがたいことだし、それよりも全国的に町が有名になってしまって、
隣町の人からも近くに来ないで・・と言われた人もいるってことの方が、悲しい、と。
その地域への配達はなんとか再開したようだけど、荷物は営業所止まり。
その営業所への足は、ガソリン不足で行けるかどうか・・
「知ってる? このあたりは東北電力なのよ。 あの原発の電気は東京へ送るものなのよね・・
あ、でもね、ほんと何もいらないからね。」と言われて電話を切ったあと、
不用意に、避難しないんですか?と聞いてしまった自分に、胸が張り裂ける思いがした・・。