新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

阿修羅さまに再会♪<上>

2009-05-16 22:42:02 | MISIA

夕方から上野に行ってきました。目的は二つありまして、一つは会期も残すところ3週間となった「国宝 阿修羅展」をもう一回観ること、もう一つは東京都美術館で開催中の「日本の美術館名品展」を観ることでした。
国宝 阿修羅展」が連日大勢の観客を集めているらしい(混雑状況はこちら)ので、まずは東京都美術館の閉館時刻(17:00)ギリギリまで「日本の美術館名品展」を観て、それから東京国立博物館(こちらの閉館時刻は20:00)に行き、まだ「国宝 阿修羅展」が混んでいるようならば、久しぶりに東京国立博物館の平常展を観てみようという作戦をたてました。

   

今日の昼前、日テレが「ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画-」の番組を放映していました。
私は、床屋で、鏡に埋め込まれたTVでこれを観ておりまして、「この番組を観て『上野に行ってみようか』なんて人が増えたらちょいとイヤだな」と、セコイことを考えておりました。しかも、番組の終わり頃になって、まさに私が出かけようとしている「日本の美術館名品展」の紹介までするではありませんか(日テレと読売新聞がこの展覧会の主催者に名を連ねていたんですね)。
うわぁ~って感じです。

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さて、東京都美術館に私が到着したのは、予定よりちょいと遅めの16:00でした。
この展覧会のチラシや看板に使われているのは、藤田嗣治の「私の夢」、新潟の万代島美術館(5月5日のブログ「瀬戸内&四国ツアー旅行記(その2)呉編<下>」にも登場させましたっけ…)のコレクションです。

日本の美術館名品展」は、その名のとおり、日本の公立美術館100館が所蔵する名品を一堂に集めて披露するという、ありそうでなかなかない企画展です。
西洋画で言えば印象派以降の巨匠の作品がズラリ、日本画も彫刻も同様でした。
よくぞここまで集めたものだと思います。

そんな中で、私が気に入った作品を上げておきますと、

エゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルトの肖像」(豊田市美術館)
イヴ・クライン「人体測定 ANT66」(いわき市立美術館)
藤田嗣治「私の夢」(新潟県立美術館 万代島美術館)
岡田謙三「花」(秋田市立千秋美術館)
安田靫彦「赤星母堂像」(平塚市美術館)
佐藤忠良「帽子・夏」(宮城県美術館)

といったところでしょうか。
なんて書きながら、何と言っても最も印象的だった(圧倒的だった)のは、

片岡球子の「面構 徳川家康公」と「面構 等持院殿」(どちらも神奈川県立近代美術館)

でした。
なんでしょうか、この迫力、この個性…。今度、絶対に神奈川県立近代美術館に行くぞ

   

妙なたとえかもしれませんが、この展覧会、MISIAのアルバム「SINGER FOR SINGER」のような印象でした。「まとまりはないけれど、それぞれの作品は素晴らしい」という意味で…。

SINGER FOR SINGER SINGER FOR SINGER
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2004-12-08

   

この展覧会でとても面白いと思ったのは、それぞれの作品に、所蔵する美術館のコメントがタイトルと並べて掲示されていたことでした。
ひたすら冷静に作品の説明に終始するコメントがあるかと思えば、「○○が所蔵するものよりもサイズが大きい」のような自慢系のコメントがあるし、サー・エドワード・コーリー・バー=ジョーンズ「フローラ」について「当館の“看板娘”」という郡山市立美術館の微笑ましいコメントとか、ピカソ「ドラ・マールの肖像」について「県民から"化け物のようだ"との手厳しいご意見をいただきました」という徳島県立近代美術館(同館の渾身の解説はこちら)の「おいおい」的コメントとかもあって、これはなかなかの企画でした。

また、さすがに公立美術館だけあって、地元と縁のあるアーティストの作品をコレクションにしている美術館が多いという印象を持ちました。
やはり、議会の同意を得るためにはそうならざるを得ないんでしょうね。というよりも、世界的に有名な作家の作品のコレクションも特徴づける手段でしょうけれど、「地元重視」が公立美術館の目指すべき道だと思いますよ。

   

「国宝 阿修羅展」だけでなく、東京国立博物館のことも書きたいところですが、そちらは明日にでも…。
つなぎとして、東京都美術館から東京国立博物館に向かうまでに撮った東京芸大の「奏楽堂」「旧東京音楽学校奏楽堂」の写真を載っけておきます。
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【追記】記載に誤りがありましたので修正しました。(2012/11/24 07:20)


つづき:09/05/17 阿修羅さまに再会(下)
ある意味「つづき」:09/05/21 東京都美術館「日本の美術館名品展」グッズ

コメント
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