ここ数年、湯たんぽがブレイク中のようです。
沸かしたお湯を湯たんぽに詰めて、フトンの中はぬっくぬく。そして朝になれば、顔を洗うのに適度な温度と、かなりエコっぽい昔ながらの道具です。
真冬の寒い朝、適度な温度のお湯って、激しく気持ちいいですよね。
冬の朝の洗顔で思い出しました。それが、これ。
去年の12月に札幌遠征した時に行った「北海道開拓の村」の「旧来正旅館」で見た「湯沸かし器」です。風呂桶のミニチュアか、大振りの「湯豆腐桶」に見えますけど、湯沸かし器です。
真冬の北海道、旅館で目覚めると外は吹雪。寒いぞ、とおもいながら、湯沸かし器のコックをひねると、温かいお湯が…、なんて、想像するだけで温かくなってきます。
今朝から読み始めた岩波文庫版「久生十蘭短編選」、ページの間に「しおり」が入っていました。
片面は、右の写真のとおり、岩波書店の至宝とも言うべき「広辞苑」の広告で、反対の面には「『広辞苑』を散歩する⑱」と題して、次のようなのが書かれていました。
ゆたんぽ 湯湯婆
漢字で書くと、湯の字が二つ重なるのはなぜだろうか。中国渡来の道具で、タンポという音もいっしょに伝わってきたが、タンがお湯を指すことが分かりにくいため、わざわざ「ゆ」の字を重ねたもの。「婆」は、老女ではなく妻・女房の意で、暑中に寝るとき涼をとるための「ちくふじん(竹夫人)」と同様の発想による名付け方らしい。
湯(ゆ)+湯婆(たんぽ)なんですね。
手もとの中国語辞典を引くと、湯⇒tang、婆⇒po、湯婆⇒たんぽぉ、です。
湯⇒tangは、「たんめん」とか「パイタンスープ」でお馴染みですね。
ただ、今の中国語の「湯」は、日本語の「お湯」ではなく、スープを意味するんじゃなかったかな。
再度、中国語辞典によれば、
①煮汁、②スープ、③[漢方の]煎じ薬、④湯
だそうな。日本語の「お湯」は中国語では「熱水」と表記するのが一般的だと聞いたか読んだ気がします。
また話がズレました。
岩波文庫の「しおり」の説明、かなり不親切ですよね。
暑中に寝るとき涼をとるための「ちくふじん(竹夫人)」と同様の発想による名付け方らしい
と書かれても、「竹夫人」って何?です。
例によって調べると、「竹で編んだ円柱形の抱き枕」らしいです。
なんでも、暑い夜に「竹夫人」を抱いて寝ると、竹のひんやりした感触が心地良いんだそうな。(通販で買えるみたい)
寒い冬は嫁さんで暖をとり、暑い夏は嫁さんで涼を得るっつうこと?
う~む、です。
この記事は「R-15指定」だな。
この記事を書いていて驚きました。
ATOKだと、「ゆたんぽ」を「湯湯婆」に、「ちくふじん」を「竹夫人」に、すんなりと変換できる!
さすがです。