5月21日の「東京都美術館「日本の美術館名品展」グッズ」の続編です。
私が展覧会の図録(カタログ)を買うのは、展覧会がかなり気に入った時、かつ、図録そのものが良さげな時だけです。映画のプログラムやコンサートのパンフレットと違って、かさばる&重いものが多いですから、1年に2回買うかどうかくらいの頻度です。
そんな私ですが、「日本の美術館名品展」の図録は迷わず買ってしまいました。
ほぼA4サイズで、厚さは3cmの上製本。激しく重く、試しに量ってみたところ、1450gもあります。
図録の内容は後に回して、まず驚いたのが「造本」です。普通の上製本は、表紙を開くと表紙の裏打ちを兼ねた「見返し」があって、本体とつながっているものです。
ご参考までに、「本」の部分の名称については、大阪府立中之島図書館のHP(こちら)が優しく説明してくれています。
で、この図録の場合はこんな風になっています。
見返しが背の裏を廻って、本体の「のど」を通り、そうして本体を包んでいます。
「喉布」が切れて、本体が表紙からはずれかかったようにも見えます。
どうしてこんな造本になっているのでしょうか?
それは、実際にこの図録を開いてみると判ります。とくに、真ん中からはずれたページを開くと…。
普通の造本だと、片方のページを押さえておかないと勝手に本が閉じてしまうものですが、この図録の場合は大丈夫です。
また、真ん中あたりのページだと、ごく普通に開けます。
上の写真と下の写真とで、左右の見返しの見え方(特に左側)にだいぶ違いがあることにご注目
本棚にしっかりと垂直に立てるか、はたまた横積みにしておかないと、造本がガタガタになってしまいそうですが、読むには非常に便利な造本だと思います。
さて、この図録が気に入った一番の特長は、掲載された全作品それぞれに1ページが割り振られていること。きっと作品を貸し出してくれたすべての美術館に、わけへだて無く敬意を表してのことだろうと思いますが、観る側にとっても主導権が与えられたようないい気分です。
加えて、この図録には付録がついていました。
「美連協加盟館ガイドブック」です。
このガイドブックは、
美術館連絡協議会(美連協)に加盟する公立美術館124館の概要、代表作品、基本情報(開館時間、休館日、入館料など)、交通アクセスを掲載しています。
各館へは、美連協ホームページからもリンクできますので、あわせてご覧ください。
だそうです(見返しに書かれた説明文を引用しました)。
美連協の活動は、これまたガイドブックから引用しますと、
大きくふたつあります。ひとつは展覧会の企画・運営です。年20から30の企画を50から60会場で開催しています。<中略>もうひとつは学芸員を対象にした奨励制度の実施です。当初から実施しているものが海外研修制度で、これまで110人以上を海外の美術館、研究機関、大学等に派遣しています。そのほか優れたカタログ論文を顕彰したり、美術館の教育普及活動や調査研究活動への助成を行っています。
だそうな。読売新聞社(事務局)、ライオン、清水建設、大日本印刷(スポンサー)は良い事業をしているなぁ。
このガイドブック、旅行の準備にかなり重宝しそうです。