新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

東京都美術館「日本の美術館名品展」の図録

2009-05-23 12:50:20 | 美術館・博物館・アート

5月21日の「東京都美術館「日本の美術館名品展」グッズ」の続編です。

私が展覧会の図録(カタログ)を買うのは、展覧会がかなり気に入った時、かつ、図録そのものが良さげな時だけです。映画のプログラムやコンサートのパンフレットと違って、かさばる&重いものが多いですから、1年に2回買うかどうかくらいの頻度です。

そんな私ですが、「日本の美術館名品展」の図録は迷わず買ってしまいました。

090523_1_1

ほぼA4サイズで、厚さは3cmの上製本。激しく重く、試しに量ってみたところ、1450gもあります。
図録の内容は後に回して、まず驚いたのが「造本」です。普通の上製本は、表紙を開くと表紙の裏打ちを兼ねた「見返し」があって、本体とつながっているものです。

ご参考までに、「本」の部分の名称については、大阪府立中之島図書館のHP(こちら)が優しく説明してくれています。
で、この図録の場合はこんな風になっています。

090523_1_2

見返しが背の裏を廻って、本体の「のど」を通り、そうして本体を包んでいます。
「喉布」が切れて、本体が表紙からはずれかかったようにも見えます。
どうしてこんな造本になっているのでしょうか?
それは、実際にこの図録を開いてみると判ります。とくに、真ん中からはずれたページを開くと…。

090523_1_3

普通の造本だと、片方のページを押さえておかないと勝手に本が閉じてしまうものですが、この図録の場合は大丈夫です。

また、真ん中あたりのページだと、ごく普通に開けます。
上の写真と下の写真とで、左右の見返しの見え方(特に左側)にだいぶ違いがあることにご注目

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本棚にしっかりと垂直に立てるか、はたまた横積みにしておかないと、造本がガタガタになってしまいそうですが、読むには非常に便利な造本だと思います。

   

さて、この図録が気に入った一番の特長は、掲載された全作品それぞれに1ページが割り振られていること。きっと作品を貸し出してくれたすべての美術館に、わけへだて無く敬意を表してのことだろうと思いますが、観る側にとっても主導権が与えられたようないい気分です。

090523_1_5    

加えて、この図録には付録がついていました。
「美連協加盟館ガイドブック」です。
このガイドブックは、


美術館連絡協議会(美連協)に加盟する公立美術館124館の概要、代表作品、基本情報(開館時間、休館日、入館料など)、交通アクセスを掲載しています。
各館へは、美連協ホームページからもリンクできますので、あわせてご覧ください。


だそうです(見返しに書かれた説明文を引用しました)。

美連協の活動は、これまたガイドブックから引用しますと、


大きくふたつあります。ひとつは展覧会の企画・運営です。年20から30の企画を50から60会場で開催しています。<中略>もうひとつは学芸員を対象にした奨励制度の実施です。当初から実施しているものが海外研修制度で、これまで110人以上を海外の美術館、研究機関、大学等に派遣しています。そのほか優れたカタログ論文を顕彰したり、美術館の教育普及活動や調査研究活動への助成を行っています。


だそうな。読売新聞社(事務局)、ライオン清水建設大日本印刷(スポンサー)は良い事業をしているなぁ。

で、ガイドブックの中味はこんな具合。
090523_1_6

このガイドブック、旅行の準備にかなり重宝しそうです。

コメント
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