3月6日の「なんとも凄いお屋敷でした(その2)」のつづきです。
2月15日の「『二引』が二連発(その2)」にありますように、埼玉県比企郡川島町にある「遠山邸」は、日興證券(現・日興コーディアル証券、まもなくSMBC日興証券)の創業者の遠山元一さんが、母親の住まいとして建てた豪邸です。
さすがに、昭和初期に、現役の大企業トップが都心からこんなに遠い場所に住んでいたはずもなく、元一さんの本邸は西麻布(当時は麻布区笄町)にあったようです。
それにしても、母親のために建てたにしては広すぎる
「普通の豪邸」3つ分はあります
何人もの使用人がいたとしても、母上は寂しかったのではないかと思います。
近所にお友だちや知人がいたとしても、これほどの豪邸に頻繁に訪問するのは気が引けそうな気がします。
ちなみに、1948年に母上が亡くなられて以降は、元一さんの「迎賓館」として使われたようです。
恐らく、元一さんが個人的に俗世間から離れてのんびりする別荘としても使われたのではないでしょうか(とでも考えないと、もったいない…)。
さて、「その2」で紹介した農家風の東棟の隣りは「いかにも昭和初期の豪邸」な中棟。
この佇まい、どこかで観た記憶がある…と思ってPCのHDDを探してみると
、、、ありました
こちらのお屋敷の風情と似ていませんか?
こちらは、小金井市の江戸東京たてもの園(ここ、大好き)に移築されている三井八郎右衛門(三井財閥総領家のご当主)邸(1952年竣工)です。
話を遠山邸の中棟に戻しまして、化粧室こと「パウダールーム」。
6畳もある和風のパウダールームです。
そして、1部屋おいて隣りにあるトイレが、これまた…
当然のように、観覧にやって来た人はこのトイレを使用できません
のでご注意ください
また、廊下だって、、
高級旅館や高級料亭と見まごうばかり(どちらも利用した経験なし…
)
幅1間で畳敷きですぞ
そして、中棟のメインルームは18畳敷の大広間 で、そこには「お品書き」のように、用材が示されていました。
付書院の木目がきれいです
また、欄間の細工と障子紙を七宝(花菱)模様で合わせるなど、かなぁ~り、凝っています
あ、そうだ、「その1」で紹介した雛飾りは、中棟の10畳間をまるごと占領して展示されていて、大広間から観覧するようになっていました。
中棟から最後にお送りするのは、大広間から眺めたお庭
花の季節にはさぞかし美しいことでしょうなぁ。