1月5日の記事「まだ2か月も先の京都遠征を準備」他にも書きましたように、私は今週土曜日(3月19日)に開催される(予定だった)「OCN Presents THE TOUR OF MISIA JAPAN SOUL QUEST」の京都公演に行くつもりでした。
ところが、予感どおり、MISIAの公式サイトに、
として、今週末の神戸・京都・大津公演は延期、4月初めの広島・倉敷公演は検討中という告知が載っていました。
東北地方太平洋沖地震と津波で多くの方々が亡くなり、まだ安否不明な方々が大勢いらっしゃる段階で、エンタテインメントのイベントを差し控えるのは仕方ないというか、当然のことかもしれません。
でも、少なくとも、阪神淡路大震災の被災地となった神戸に限っては(私は参加しない予定でした)、今回の災害の被災者の皆さんとの共感や連帯を深めるため、開催する意義があったのではないかと思っています。
「こんな非常時に歌舞音曲は不謹慎」という感覚は自然かもしれません。でも、私は、すべてを「自粛」することが正しいことだとは思えません。
深く考えもせず、「周りが…」「みんなが…」と、「自粛」に流れていることが多いのではなかろうか?
こんな中、吉本興業が今月18~27日に「第3回沖縄国際映画祭」を開催するというニュースが流れていました。
毎日jpによれば、
大崎洋社長は、震災についての「思いと取り組みについて」とした所感を発表。その中で、「映画祭のようなお祭り的色彩の濃いイベントについては、開催を自粛するべきだという批判が寄せられるかもしれない」としながら、「吉本興業の先人たちは、関東大震災や戦争などで傷ついた方々の救援のため、先頭を切って現地に飛び、困難に立ち向かう活力を支えるさまざまな活動してきた。しかし、阪神大震災の折には、ただただ劇場公演の中止、イベントの自粛、テレビ出演の自粛をするのみで、タレントが個々にボランティア活動を行っているだけの無力な存在となってしまい、じくじたる思いを抱いていた。今度こそ『自粛する』ことではなく、『行動する』ことで被災者のお力になりたい」と説明している。
だそうです。
一つの見識としてすばらしいと思います。
このニュースを見て思い出したのは、数年前にいとこが亡くなり、荼毘に付して、葬儀場に向かうマイクロバスの中でのできごとでした。
しんみりした車内では、はしゃぐ幼児の声だけが響いていました。
と、その時、同乗していたお坊さんがマイクを手にとり、こんなお話を始めました。
皆さんが故人を偲んでいる中で、お子さんが笑っていらっしゃる。「無邪気だなぁ」とお思いでしょう。「無邪気」とは、「邪気が無い」という意味です。幼いお子さんは、あれこれ考えず、自分の思いのままです。そして、皆さんはそれがかわいらしく感じられることでしょう。
きっと、故人も、かわいらしく感じていらっしゃるはずです。
故人は、自分が亡くなったことを、皆さんがいつまでも悲しんでいらっしゃることを望んではいらっしゃいません。皆さんが悲しみからのがれ、早く笑いを取り戻すことを望んでおられるはずです。
皆さんが悲しみから立ち直ることが、故人への供養になるのです。
私は、この即興の法話を一生忘れることができないと思っています。
さて、「今週末に予定していた京都遠征をどうしようか?」と、しばし考えました。
そして出した結論は、「京都遠征」を「京都旅行」に名称変更して、予定どおり決行 です。
ホテルの予約も新幹線のチケットも、キャンセル料は発生しませんが、予定どおり京都・奈良に行き、私の家の菩提寺の本山他にお参りし、亡くなった方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の方々が一日も早く立ち直られることをお祈りしてきたいと思っています。
首都圏での節電にも協力できますし…。