東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050901001921.html)。
自らの責任を回避するために、検察は奥西勝さんという冤罪死刑囚の死を持っているとしか思えない。裁判所がそれに加担しているのだから、全く冷酷な人たちである。
『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪』
『●『創(2009年5月号)』』
『●『冤罪File(No.10)』読了』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚』
『●冤罪: 筋弛緩剤事件の守大助氏』
『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・』
『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』』
『●「希望にすがるな 絶望せよ」/
『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号)についてのつぶやき』
『●愚挙: 検察の異議が認められて福島事件の再審開始が取り消しに』
『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」
『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)』
『●『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203)についてのつぶやき』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050901001921.html】
奥西勝元被告が一時危篤に 名張毒ぶどう酒事件
2013年5月9日 22時12分
1961年3月に農薬入りのぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で死刑が確定し、再審開始を求めている奥西勝元被告(87)の鈴木泉弁護団長らが9日、名古屋市で記者会見し、奥西元被告が収容先の八王子医療刑務所(東京)で今月2日に一時危篤となっていたと明らかにした。現在は人工呼吸器などを装着し、小康状態という。
鈴木弁護団長によると、元被告は昨年6月に名古屋拘置所から八王子医療刑務所に移送された後、肺炎を繰り返すなどしていた。
(共同)
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神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/on-demand/621630/002750.php)。
林眞須美(林真須美)氏に関して、警察・検察・裁判所・マスコミが一体となって「「目撃」証言も非常に恣意的、曖昧であるにもかかわらず、そんないい加減な「状況証拠」だけで」死刑にしようとしている。
『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』』
『●『創(2009年6月号)』(2/2)』
『●『創(2009年7月号)』』
『●『ドキュメント死刑囚』読了(1/2)』
『●『創(2009年11月号)』読了』
『●『創(2010年4・5月号)』読了』
『●『創(2010年8月号)』読了』
『●『創(2010年9・10月号)』読了』
『●冤罪(その1/2): どんな力学が働いているのか?』
『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
和和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度』
一方、元大阪〝ト〟知事に罵声を浴びせられ、マスコミから死刑廃止論者と烙印を押され、警察や検察に忌み嫌われている『死刑弁護人』安田好弘さん。
『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』:
バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)』
『●『特捜検察の闇』読了(1/3)』
『●『だまされることの責任』読了(1/3)』
『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評』
『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?』
唯一と言っても良い証拠らしきものも揺らいでいるらしい。
「カレーにヒ素を混入するために使われたとされる紙コップに付着していたヒ素と林さん宅にあったヒ素をより詳細に検証した結果、両者の間には明らかに異なる不純物が見つかったという。河合教授は両者を「別のものであったと結論できる」としている」。
「しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。/今回の新事実を、司法はどう判断するのか」? 司法の哀しい状況を見れば、再審開始など望めそうもない・・・・・・。冤罪被告を死刑にするようなことがあれば、・・・・・・裁判所やマスコミの責任はあまりにも大きい。
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【http://www.videonews.com/on-demand/621630/002750.php】
マル激トーク・オン・ディマンド 第628回(2013年04月27日)
やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)
和歌山カレー事件で新たな事実が明らかになった。もしかすると、これは決定的な新証拠になるかもしれない。
夏祭りの炊き出しで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、4人の死者と63人の負傷者を出した「和歌山カレー事件」は、林眞須美被告が否認・黙秘を続ける中、2009年4月に最高裁で死刑が確定している。今回、その死刑判決の重要な判断材料の一つだった「亜ヒ酸の鑑定」において、新たな事実が明らかになったのだ。
今回問題となっている証拠は、犯行に使われたとみられる紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)と、林氏宅で見つかったヒ素とが同じ組成のものだったとする鑑定結果。林真須美氏の夫の健治さんがシロアリ駆除の仕事をしていたことから、林氏の自宅には普段からヒ素が保管されていたという。この鑑定結果は林真須美氏を有罪とする上で最も重要な証拠の一つだった。
亜ヒ酸の鑑定については、当時最先端の大規模研究施設「SPring-8(スプリング・エイト)」を使った鑑定によって、科学な裏付けがなされたと考えられてきたが、今回、それを否定する新たな検証論文が京都大学の河合潤教授によって発表された。河合教授が『X線分析の進歩44号』に発表した論文によると、カレーにヒ素を混入するために使われたとされる紙コップに付着していたヒ素と林さん宅にあったヒ素をより詳細に検証した結果、両者の間には明らかに異なる不純物が見つかったという。河合教授は両者を「別のものであったと結論できる」としている。
この事件はもともと物証に乏しく、犯行に至った動機も解明されていない。林氏の弁護人を務める安田好弘弁護士によると、主な間接証拠も詳細に検討していくと必ずしも信頼性の高いものばかりではないという。安田氏はこの事件は最初から警察による事件の見立てに間違いがあったのではないかと言う。そして、メディアによるセンセーショナルな報道などもあって、捜査当局もそれを修正できないまま殺人事件として突っ走ってしまったとの見方を示す。
安田弁護士は最高裁判決の直後から林氏の裁判の再審を求めているが、今回明らかになったヒ素鑑定の結果を追加した再審補充書を早速提出したという。確かに、今回明らかになった新事実を前にすると、最高裁が判決で述べているような「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に(林さんが犯人であることは)証明されている」と言えるのかどうかは明らかに疑わしくなっているように見える。しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。
今回の新事実を、司法はどう判断するのか。事件の新事実をもとに、再審の問題、司法の裏側などについて、ゲストの安田好弘弁護士とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第420回(2009年04月25日)
和歌山カレー事件はまだ終わっていない
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林真須美被告主任弁護人)
インタビューズ (2013年04月27日)
裁判所はなぜ決断できないのか
インタビュー:木谷明氏(弁護士)
インタビューズ (2009年04月25日)
「ヒ素は自分で呑んだ。真須美はやっていない」
真須美被告の夫・健治さんが最高裁判決の不当性を訴え
プロフィール
安田 好弘やすだ よしひろ
(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)
1947年兵庫県生まれ。75年一橋大学法学部卒業。77年司法試験合格、80年司法修習修了。オウム真理教麻原彰晃被告の主任弁護人、山口県母子殺害事件・被告少年の主任弁護人、和歌山カレー事件・林真須美被告の主任弁護人などを務める。著書に『死刑弁護人生きるという権利』など。
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050502000119.html)とasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201305050237.html)。
『●第三報: 福島第一原発に潜入したジャーナリスト』
『●続報: 福島第一原発に潜入したジャーナリスト』
以前から噂にはなっていましたが、移染作業に暴力団が介入しているようだ。東京電力に投入された税金が暴力団に流れているなんて、由々しき事態である。
一方、一番目の記事。東京電力原発人災の処理にあたる作業員の言葉はなかなか伝わってこない。「◇まるで戦場」「◇命は二の次」「◇コスト優先」など、見出しだけでも憂鬱になる言葉が並ぶ。
『●寄ってたかって「中抜き」とは・・・・・・人間性を疑う ~危険手当不払い問題~』
『●原発を稼働させるということ = 誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会』
『●ある原発労働者のつぶやき』
『●原発労働者: 労働とは何か?』
『●名著『原発ジプシー』復刻』
『●被爆労働者なくして成り立たない社会の正当性とは?』
『●原発銀座の被爆労働者』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050502000119.html】
つぶやく福島作業員 政府・東電に振り回された2年間
2013年5月5日 朝刊
東京電力福島第一原発事故の発生当初から収束作業に従事し、現場の様子をツイッターでつぶやき続け、その内容を七万超の人が注目している「ハッピー」さん。福島第一の近くに家があり、作業員としてここで長年働いてきた。このほど本紙の取材に応じ、二年間を超える収束作業で感じた疑問などを語った。 (片山夏子)
◇まるで戦場
二〇一一年三月十四日昼、3号機原子炉建屋で水素爆発が起きた時、ハッピーさんは近くで作業をしていた。突き上げる衝撃、すさまじい爆音に襲われ、がれきがバラバラ降ってきた。
「ここで死ぬかもしれない」
まるで戦場だった。建屋から煙が上がり、すすで全身が真っ黒になった人、防護服が血に染まった人もいた。怒号が飛び交う様子はとても現実とは思えなかった。
ハッピーさんがツイッターを始めたのは水素爆発から六日後の二十日のこと。
理由は二つあった。一つは情報が錯綜(さくそう)し、不安をあおる報道もあったこと。もう一つは、福島県南相馬市に小さな子どもと住む知人に、現場で起きていることを冷静に伝え「必要以上に心配することはないよ」と伝えるためだったという。
つぶやきの中で自分のことを「オイラ」と書き、「です」ではなく「でし」で結ぶことが多い独特のメッセージ。初めのころ、読み手は子どもがいるお母さんが多かった。「助けられました」「救われました」というお礼や温かい言葉が寄せられた。
◇命は二の次
ハッピーさんのつぶやきには現場で感じる政府や東電への率直な疑問が多い。
政府や東電が、根拠のない楽観的な見通しを示したり、きちんと説明しない発表をするたびにいらついた。事実をありのまま伝えないことで、かえって不安をあおっていると感じたという。
事故発生当初、作業工程の調整がなされないまま、現場に指示が飛んだことにも閉口させられた。電気系と配管系の作業が同じ場所で同じ時間にぶつかり、片方の作業ができなくなるなどの混乱が起きた。
混乱の跡は、二年たった今も福島第一の各所に残る。ほぼ同じ場所に汚染水の移送ホース、電源ケーブルや機器を制御するケーブルが乱雑に設置されている点などがそうだ。緊急作業だったとはいえ、誤作動や漏電の恐れがあり、今後の不安要因になっている。
「総理が二十四時間作業しろと言っているから何とかしろ」。
こんな指示が現場に飛んだこともあった。無理やり二十四時間体制のシフトを組んだが、作業効率が落ちた。
現場の状況も考えず毎月発表された工程表にも悩まされた。「政府がやるって発表しちゃったから作業を急いでくれ」と言われ、準備もできていないのに夜中に駆り出されたこともあったという。
特に、防護服を着ての夏の作業では何度も倒れそうになった。「休め」とは言われるが、工程表はそのまま。作業員の命や安全は、二の次になっていると感じた。
◇コスト優先
一一年九月、ハッピーさんの耳に、政府と東電が「冷温停止」に「状態」をくっつけて新語をつくり、年内にも福島第一が「冷温停止状態」になったと宣言する、との情報が入ってきた。
だが、溶け落ちた核燃料の状態もわからない。原子炉の冷却にしても、ポンプ故障だけでなく、配管の詰まりや破損などで止まる可能性がある。原子炉の温度計が不安定な動きをし始める中で、炉内が一〇〇度以下と言えるのかどうか…。「冷温停止なんてあり得ない」と思った。
さらに十一月ごろには、「事故収束」まで宣言するらしい、との情報が入ってきた。
「まさか」と思ったが、十二月に実施する予定だった2号機の格納容器の穴開け作業が年明けに延びるなど、宣言の妨げになるかもしれない危険な作業は延期され始めた。
これまでも「選挙があるから、それまで危険な作業はするな」「担当大臣が明後日、海外に行くから今日中にやれ」と現場で指示されるなど、政治の動きに振り回されてきたが、まただった。
収束宣言後、事故現場では、コスト優先の契約が目立つようになり、危険手当や給与の削減など作業員の雇用条件が悪化した。事故後に福島第一に導入された設備類は、保守管理のことを十分考慮していない仮設のものが多い。耐久性のあるものに交換すべきだと東電に提案しても、「予算がない」と却下されることも増えた。
ハッピーさんは、東電が会社再建を急ぎながら、事故収束も進めることに大きな疑問を感じている。コスト優先では、経験豊かな作業員も雇用が安定しないため集まらず、廃炉作業も進まない、と危機感を抱いている。
「国がいくら税金を投入しても、東電の借金になるだけ。東電が民間企業である以上、コストを優先するのは当然。これでは廃炉は遅々として進まない。世界を揺るがした原発事故なのだから、国と東電は収束作業を専門に担う組織をつくって強力に進めるべきだ」
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【http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201305050237.html】
2013年5月6日11時37分
除染に群がる暴力団 給料ピンハネ、税金を資金源に
福島県内の除染を暴力団が狙っている。山形県の暴力団幹部が作業員を送り込んで給料をピンハネした事件で、除染に使われる税金を資金源にする実態が初めて浮き彫りになった。
■人手不足「チェック甘いと思った」
「震災復興に税金が投入されていることは、わかっていますよね」
元暴力団幹部A(40)は検察官の質問に淡々と答えた。「はい、なんとなく」
3月5日、山形地裁。審理は初公判のこの日で終了し、検察は懲役8カ月を求刑した。約3週間後、地裁はAが派遣業の許可を持たずに福島県伊達市の除染現場に7人を派遣したと認定し、懲役8カ月執行猶予3年を言い渡した。賃金を中抜きした「悪質な犯行」と断じたものの、事件後に暴力団を辞めたことを考慮して実刑は避けた。
政府が復興の柱に位置づける除染に、なぜ暴力団が介在したのか。
・・・・・・。
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[付記(140521): ブログ主にとっては意外な結果になりました・・・・・・『●PC遠隔操作”冤罪”事件: 意外な結果に・・・・・・ブログ主自身の無能さを痛感』]
[※ブログ主注(130824): 5月29日に、「・・スミマセンhttps://twitter.com/ActSludge/status/339364755481432065 …こちらのご発言について、「拘留」は刑事罰用語で「勾留」とは全く異なります。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%BE%E7%95%99 …片山クンの名誉にもかかわりますので、ご認識いただけましたら幸いです」というダイレクトメールを〝ぺんてるはインテルに勝るんじゃ〟様より頂いていることに今頃気づきました。お知らせ、有難うございます。勾留(「カギこうりゅう」)と拘留(「テこうりゅう」)(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%98%E7%95%99)が全く異なることを、恥ずかしながら知りませんでした。改めて、以下のブログの「拘留(「テこうりゅう」)」を「勾留(「カギこうりゅう」)」に修正しました]
東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050101001237.html)と、神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/press-club/0804/002754.php)。
なんでさっさと起訴して、裁判を開始しないのだろう? 何度逮捕を繰り返し、一体全体こんなに長期勾留([※])するのはなぜなのか。裁判所は機能しているのか? 検察や警察の言いなり? 「隠し撮りか何か知らないがあれだけ浮かれた報道をしたマスコミ」は、犯人であろうとなかろうととんでもない人権侵害をしておいて、容疑者や弁護士の言い分にどこまで耳を傾けた報道をしているだろうか?
『●PC遠隔操作事件でまたしても暴走?』
『●遠隔操作ウィルス冤罪事件: 「2人は自白まで」させられた』
『●『週刊金曜日』(2012年10月19日、916号)についてのつぶやき』
『●「自民圧勝の憂鬱」: 『週刊金曜日』
(2012年12月21日、925号)についてのつぶやき』
『●「「3.11」から2年 封じ込められる福島」
『週刊金曜日』(2013年3月3月1日、933号)』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050101001237.html】
片山容疑者「なぜ逮捕繰り返す」 遠隔操作事件、3度目の法廷
2013年5月1日 12時47分
パソコン(PC)遠隔操作事件で、東京都内の幼稚園などに襲撃予告メールを送ったとして威力業務妨害と脅迫の疑いで再逮捕されたIT関連会社社員片山祐輔容疑者(30)の勾留理由開示の法廷が1日、東京地裁で開かれた。
片山容疑者は「事件は全く身に覚えがない。何のために意味のない逮捕を繰り返すのか疑問だ」と無実を訴えた。逮捕から約3カ月が経過し、少しやつれた様子で、声に力はなかった。
片山容疑者の勾留理由開示の法廷は3度目。小泉健介裁判官は「罪を犯したと疑う理由があり、証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と説明した。
(共同)
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【http://www.videonews.com/press-club/0804/002754.php】
プレスクラブ (2013年05月01日)
検察が確たる証拠を持っていない疑いがますます濃厚になった
佐藤博史氏(弁護士・遠隔操作ウィルス事件弁護人)
遠隔操作ウィルス事件で逮捕勾留中の片山祐輔容疑者に対する3度目の勾留理由開示公判が5月1日開かれ、それを受けて佐藤博史弁護士ら弁護団が会見を行った。
佐藤氏は裁判官から提示された勾留理由の中に、犯行場所が「東京都内またはその周辺において」、「被疑者が使用するインターネットに接続したコンピュータから」としか書かれていなかったことを明らかにした上で、「もし彼が犯人であるという嫌疑がはっきりしているのなら、これは十分特定できなければ論理的におかしい」と指摘。その点を裁判官に質したところ、「その点については捜査の秘密に属するので話せない」との回答しか得られなかったという。
その上で佐藤氏は「結局、その意味するところは、派遣先のコンピュータから『したらば掲示板』へそういう指令が書き込まれたという証拠は見つかっていないからではないか」と、検察側が片山氏の犯行を裏付ける明確な証拠を得られていないとする従来の見方を改めて強調した。
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『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、佐高信さん【風速計 本屋大賞の男】と、モンサントについての矢崎泰久さん【発言2013】。
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■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 今到着。「安倍晋三「国土強靭化計画」のインチキさ ダムを壊したら魚がもどってきた」。丸山重威氏【安倍内閣の閣僚参拝、首相の言動に批判集中 「日本の右傾化」欧米も懸念】。平和なアジアの井戸を掘る気はあるの(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/975446a99c5476c45cf69ecc680a08c1)?
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 明石昇二郎さん【福島原発告訴団が総会 「検察は厳正な捜査と起訴を」】。川名英之氏【放射性廃棄物最終処分場の立地条件 ドイツの超党派が合意】、「具体的な場所・・・フィンランド、スウェーデン、フランスの三カ国だけだ」。オンカロ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eaccb73cc24fed66d6df28305e0591f8)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 豊田直巳さん【狭山事件50年で集会と現地調査 再審開始に期待】、石川一雄さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fe69df87768e384d0dc92660e70426bd)。高田健さん【今週の憲法審査会 改憲めざす自民党の空席目立つ】、壊憲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/03bfe72215b7029df1b422887ccec868)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 佐高信さん【風速計 本屋大賞の男】、「百田はそこで「戦後レジームからの脱却」ではなく「自虐史観からの脱却」と主張・・・「橋下徹大阪市長については大変、期待しています」・・・書店員たちは、こんな百田の実像を知って選んだのだろうか?」
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 【大藤理子の政治時評/安倍ちゃんの何がコワイって 生活に疲れた人々の頭を祝い事で空っぽにするところ】、「・・・アホ丸出し・・・原発売り込んで・・・ドヤ顔決めて・・・趣味わるぅ」、いや~全く同感。「コワイって・・・世の中を金でメッキし祝祭ムードで包み込んでしまうところ」
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 本誌取材班【沖縄と東京の「四月二八日」 「屈辱の日」は「主権回復の日」ではない】。祝う神経を疑う(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/63cab80d06fcfa7b7021bad9aeb5b71f)。内原英聡氏【「脱原発候補者」を支援する政治連盟「緑茶会」が発足 選挙資金や脱原発有権者名簿を提供】、雨宮処凛さんや宇都宮健児さんら
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / つる詳子氏【熊本・荒瀬ダム、ゲート開放から3年 ダムを壊すと魚が戻ってくる】。渡部睦美【民族系団体が初めて抗議声明を発表 強まる在日排外デモへの包囲網】。暴言に「痴性」が滲んでいる(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f00bcec5ab16103b4852ed458cc72bf3)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 【伊藤千尋の国際時転/ボストン・マラソン爆破事件の背景にロシアのチェチェン人抑圧と米国移民の不満】。古い朝日新聞の記事、伊藤千尋さんと松下竜一さん、洋子さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/70c378192253f4260e895245968276e5)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 宇都宮健児さん【黒風白雨23 最高裁までが対米従属なのか】、砂川事件、「田中耕太郎最高裁判長が、上告審の公判日程や裁判の見通しを駐日米大使館関係者に対して漏らしていた事実・・・最高裁は、はっきりと釈明すべきであろう」
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「『モンサントの不自然な食べもの』を観た・・・ベトナム戦争・・・「枯葉剤」・・・TPP・・・日本はモンサント漬け・・・もう二度と純度の高い農作物は蘇ることはない」。種子支配(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9aa9a37ce141e31cb36346e06c01b27b)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 矢崎泰久さん、「第二弾『世界が食べられなくなる日』が・・・公開・・・原発と遺伝子組み換えというテクノロジーは同一なものと思って間違いない」。モンサントは水も支配しようとしているようだ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0dda79fbce5c7be135d142c1043b20bd)
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / モンサント(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b84081c3ea2123ad5da179c93a5448c1)。矢崎泰久さん、「こどもの日に実に不快な政治ショーを見た。国民栄誉賞の受賞セレモニーで・・・」。アンチG・アンチ自公政権でもあるし、そんなもの覗く気になどなれません
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 山口正紀さん【〈安倍壊憲〉翼賛新聞は少数派 憲法記念日の各紙社説】、「「立憲主義」にふれない『読売』『産経』の改憲賛成論・・・「96条改正」に反対・危惧を表明したブロック紙・地方紙」。正に壊憲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/80ddda71c58dabc237ddde7a7eb375f7)。改正でなく、壊悪
■『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号) / 浅野健一さん【被疑者逮捕をショーにしたメディア ボストン爆弾事件】。田島泰彦氏【『産経新聞』が表現の自由制限する改憲案を提示】。天に唾する行為(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f00bcec5ab16103b4852ed458cc72bf3)
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『WEB RONZA+』(http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/special/2013042600007.html?iref=webronza、http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/special/2013042600008.html?ref=comtop_fbox_d2)。
誰にも言論の自由があるはずだけれども、逆にそれを脅かす言論の自由の行使じゃないだろうか。天に唾する行為で、自らの言論の自由を狭めている。「奇声」などというレベルの発言ではない。「犯罪教唆の暴言」。
『●「言論の暴力」の一線を超えた暴力を行使する〝とある暴力集団〟』
『●「日本の恥と呼ぶべき存在」』
『●「言論の自由」と、「言論の暴力」をも超える行為』
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【http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/special/2013042600007.html?iref=webronza、http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/special/2013042600008.html?ref=comtop_fbox_d2】
ヘイトスピーチに抗する市民の政治(上)――デモの形を借りて人種差別を行う者たち
五野井郁夫(高千穂大学経営学部准教授/国際基督教大学社会科学研究所研究員)
2013年04月27日
「信念が薄れていくにつれ、みせかけの憎悪の対象を広げていった。労働者やユダヤ人やフランス人を罵倒するだけでなく、カトリックとローマ教会をも痛罵した。」(ヨーゼフ・ロート作、池内紀訳「蜘蛛の巣」『聖なる酔っぱらいの伝説他四篇』所収、岩波文庫、2013年、67-68頁)
上の文章はナチス台頭前夜の1923年にユダヤ系オーストリア人作家のヨーゼフ・ロートが当時の状況を描写した小説の一節である。
ロートはのちに迫害を受け亡命を余儀なくされた。ロートが表現するところの「みせかけの憎悪」、すなわち、さしたる考えもなく軽い気持ちでの人種差別を入り口にしてさまざまな差別の「蜘蛛の巣」へと人々を絡め取っていく現象が、徐々に現在の日本でも広がりを見せつつある。
この数年来、日本ではインターネット内にくすぶっていた差別主義者らが路上の現実間に出て目立つようになった。人種や国籍、ジェンダーなど特定の属性を有する集団や個人をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動であるヘイトスピーチをあたり構わずわめき散らすデモや、「右翼」の名を借りた行政・企業・個人への脅迫はその過激さを増しつつある。
なぜ、近年ヘイトスピーチと排外主義がデモという形を借りて、リアルな空間に登場してきたのか。こうした草の根からふくれあがった差別主義者の集団化に対して、わたしたちの社会はどう向き合い、是正していけばよいのだろうか。
差別主義者による路上でのヘイトスピーチの横行は何も今に始まったことではない。2009年の子どもたちを狙った京都朝鮮学校への嫌がらせや、2011年の水平社博物館前差別街宣事件、韓流に偏向しているとしフジテレビやスポンサー企業の花王に対し行われた抗議デモ、竹島問題が一般に顕在化した2012年にテレビCMでキム・テヒを起用したロート製薬本社に脅迫をし、逮捕者も出た事件など、枚挙にいとまがない。
2013年に入ってからはさらに勢いづいた。象徴的だったのは今年2月9日以降の新大久保での差別主義者らによる外国人排撃デモ参加者が掲げていた「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」「朝鮮人ハ皆殺シ」という殺人教唆を指示する内容のプラカードであろう。
デモの最中も「殺せ、殺せ、朝鮮人」などと奇声を発し、路上から沿道のコリアンタウンを行き交う人々に罵声を浴びせたほか、さらに3月24日の大阪・御堂筋のデモでは「朝鮮人の女はレイプしてもいい」という犯罪教唆の暴言まで飛び出すようになった。
けだし、反社会的であり、こうした暴言がまかり通る危機の時代を再び迎えつつある。
もちろんこれまでもインターネット上では、ネット右翼(いわゆるネトウヨ)らによるあからさまなマイノリティ差別やヘイトスピーチを目にすることはあったし、現在でも野放し状態だ。
だが匿名性の空間であるネットとリアルを区別できず、現実の社会でも顔をマスクで被うなどして素性がばれないよう工夫をした上で群れになって大勢でヘイトスピーチを行う者たちが、近年、路上に多く出現するようになった。
通常、街中で1人ないし少数の人間たちが差別発言やレイプ容認発言、そして何よりも「殺せ、殺せ」などと公言すれば周囲から注意のみならず、警察にも通報される。くわえて正義感の強い心ある人々と、物理的に衝突することも覚悟せねばならないだろう。
だが、たとえネット上以外では一人で何もできない差別主義者たちも、ひとたびデモ申請をして集団になれば気が大きくなり、警官隊に守られて安全な場所から「デモ」の形を悪用して好き放題にヘイトスピーチを叫び散らすことが出来るのである。
2011年の東日本大震災をひとつの契機として一連の脱原発デモなどが巻き起こり、日本も「デモが出来る社会」の復活を遂げて、デモ行為が日常の風景になった。とまれ、この「デモが出来る社会」への変化は、なにも良識ある市民たちのみに開かれているわけでない。
これまでは既存の右翼団体のマネをして情宣を主たる活動としてきた差別主義者たちは、今日ではデモという手段を逆手にとり、警察に護衛されて大勢で群れ、反社会的な主張をウェブ上ではなく路上でも行うようになった。むろん、参加者の大半がその反社会性を理解しているからであろう、顔を隠して匿名性を担保しなければ参加出来ないことは変わりないのだが。わたしたちの社会では、こういう輩を「卑怯者」という。
この差別主義者によるデモの形を借りた公共の場でのヘイトスピーチの横行を煽動している中心が――在日特権を許さない市民の会――通称、在特会という団体だ。これまでの伝統的な保守や右翼のような主張はなく、信念の薄いただの差別主義者団体である。同会の設立は2007年であり、歴史は浅い。とまれ「行動する保守」としてネット上動画投稿サイトや掲示板を中心に加入者が増えており、会員数は1万人以上と裾野が広い。
彼らはインターネットの生放送等で視聴者に差別を娯楽として提供し、映像を消費させ寄付を募る手法をとっている。いうならば彼らの情宣やデモは・・・・・・・・。
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ヘイトスピーチに抗する市民の政治(下)――法規制に先だって今わたしたちにできることは何か
五野井郁夫(高千穂大学経営学部准教授/国際基督教大学社会科学研究所研究員)
2013年04月27日
ヘイトスピーチをまき散らす差別団体の活動に対して、いったいわたしたちには何ができるだろうか。
在特会らのヘイトスピーチについては、日本国内でもすでに3月16日の朝日新聞をはじめ、多くのメディアが警鐘を鳴らす意図のもとに報道を行っている。
またすでに東京・新大久保などでは韓国のKBSやMBCなどが現場取材をしてニュースになっているとともに、CNNにも取りあげられ、在特会の醜態は、文字通り世界中にまで拡散された。さらには3月31日での大阪・鶴橋の排外デモでは太極旗に鉤十字を描いたプラカードを掲げた在特会の画像がKyodo News Koreanで紹介され問題となるなど、東京オリンピック招致など到底出来ないような国益を損ねる事態に発展している。
だが、もっとも憂慮すべきは、在特会会長の桜井誠氏(本名を使用していない)が4月6日のインターネット生放送番組で視聴者からの「半島での有事の際には在特会は何をしますか? 自警団結成とか」という質問に対し「万が一テロが起きたときには、絶対に鮮人狩りやりますからね、誰がなんと言おうとやりますからね」という発言であろう(13:50-14:10)。この発言は明らかに常軌を逸しており、すぐさまCNNでDeclaration of ”Korean Hunting”として報道された。
諸外国にはヘイトスピーチや差別に対する規制法もあるが、恥ずべきことに日本では野放しである。集団化する差別主義者にたいして、政府に頼って法制化を待ち望むこともひとつの選択肢だろう。だが「お上」の助けの前に、わたしたち一般の市民に出来ることもまだ多く残されているのではないか。
そこでさまざまな対抗的な路上の政治の試みが、市井の人々によって現在なされつつある。在特会による新大久保デモに対して、社会人大学生の木野寿紀さんがネット上で「反韓デモに対する意思表示」を呼びかけ「仲良くしようぜ」と書かれたプラカードを掲げて、ヘイトスピーチ反対を訴えた。
2月17日には150人規模で行われた差別主義者のデモに対し最初は30人ほどだった参加者は、その後の3月17日には150人、そして3月31日には400人へと増加し、レイシストのデモ隊側を圧倒的に数で凌駕するようになった。
新大久保の韓流商店街による案内サイトである「新大久保コリアンタウンホットガイド」も木野さんの提案に賛同し、ネット上でバナーを出して応援をするようになった。
さらに同じ31日には、1ネットユーザーである岡田ぱみゅぱみゅ氏らが私財を投じて、新大久保のK‐PLAZA街頭ビジョンで津田大介氏ら知識人9人による「排外主義に対するメッセージ」の広告を、在特会のデモが通過する時間帯に合わせて放映することで、街全体で排外主義に対するNOを突きつけた。
在特会による路上の罵詈雑言に対してはさらに先鋭的な試みもなされるようになる。公道のヘイトスピーチ自体を街頭からの声と音でかき消して物理的に無効化し、ネトウヨが「娯楽」として楽しめないようにすることを試みる「レイシストをしばき隊」も結成され、ストリートからの音の力によるカウンターを開始した。
これら勇気ある一般市民らによる反差別の取り組みは、韓国のMBCでも大々的に報道された。
くわえて宇都宮健児前日弁連会長をはじめ、首都圏の弁護士12名が周辺住民、外国人の安全を守るため警察が適切な行政警察権限を行使するよう東京都公安委員会と警視総監に申し入れるとともに、東京弁護士会に対しても人権救済の申し立てを行った。
政治家たちの側でも民主党の有田芳生参院議員ら11人の国会議員が呼びかけ人になり、3月14日には「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」が行われるようになった。次回は5月7日に開催される予定である。
そしてついには、・・・・・・・・・・・。
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、4月16日)。
『●最近のつぶやきから: 「原発」「沖縄」「戦争」「教育」「改憲」』
『●(国会)記者クラブ、まだこんなことやってます』
『●情けなき、お抱えメディア ~原発人災現場の非公開な取材公開、検閲・選別付~』
『●『創(2011年3月号)』読了』
『●マスコミへの発表のいい加減さ』
『●『記者会見ゲリラ戦記』読了』
『●『「朝日」ともあろうものが。』読了 (1/2)』
国会記者会に関する最近のつぶやきから。
「■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号) / 中嶋啓明さん
【「自治体・警察・検察が人権つぶしていいのか」
堅川弾圧裁判が判決へ】。岩本太郎氏【国会記者会館の
使用拒否問題で会計検査院に審査要求】。高嶋伸欣氏
【情報隠しを黙認? 気概のなさ疑われる文科省記者クラブ】」
「■(1)三宅勝久(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%BB%B0%C2%F0%BE%A1%B5%D7 …)さん
ブログの記事 『差別社会としての日本』(http://ameblo.jp/loansharks/entry-11502422782.html …)
/「寺沢有氏から・・フリーランスに対し、国会記者会館の敷地内で
反原発デモを取材させないことについて、佐藤裕一さんと畠山理仁・・・」」
「『週刊金曜日』(2012年10月26日、917号)/岩本太郎さん
「依然として続く国会記者会館相手の施設使用求める交渉」。
OurPlanet-TVが国と国会記者会相手の国賠裁判。寺澤有さんも
その使用を求める。「編集長後記」・「金曜日から」、「ハシシタ」など、
朝日サイドの脇の甘さ」
地裁・高裁・最高裁がダメなら、会計検査院! ほんとに役立たずな最高裁。
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、4月16日】
2013/04/16
国会記者会VSフリーランス――フリーランス側が今度は会計検査院に対し、審査要求書を提出
執筆者: Yamaoka (5:56 pm)
国有財産である国会記者会館(東京都千代田区永田町1-6-2)を、記者クラブが独占利用してよいのか――。脱原発を求める首相官邸前抗議行動の取材・撮影からフリー記者が閉め出されたことを契機に始まったこの問題、本紙も注目して来た。
昨年12月7日、「政府・東京電力統合対策室共同記者会見フリーランス連絡会」(フリーランス連絡会)が国会記者会に対し、取材妨害禁止の仮処分申立てをしたものの東京地裁は却下したことまでは本紙でも報告したが、その後、東京高裁に即時抗告したが却下、さらに最高裁に特別抗告を申し立てたが、これも今年3月11日に棄却決定。
そして4月4日、フリーランス連絡会は今度は会計検査院に対し、審査要求書を提出、同日記者会見もした(ちなみに、裁判で係争中の事件は審査要求することができない)。
寺澤有氏らフリーランス連絡会は審査要求書のなかで、会計検査院法第35条に基づき、「国会記者会は、本件会館全体を無償使用しており、財政法9条1項(『国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない』)に違反する」とし、会計検査院に対し是正措置をとるよう求めた。
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東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013041402000144.html)とカラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013041402000143.html)。
東京新聞は本当にまともな新聞だ。読売や産経は置いといて、朝日なんて足元にも及ばない。「日本の食卓を地道に支えてきた農家が、ばっさり切り捨てられる恐れがあるTPP参加だ。「国益」という言葉は、早のみ込みするには、余りに危険なシロモノだ」、全く同感。FECこそ。
『●「「希望はTPP。」なのか」『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)』
『●TPP、米韓FTAという先達に学ばないと・・・・・・』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013041402000144.html】
【社説】
週のはじめに考える 攻めの農業と言う前に
2013年4月14日
環太平洋連携協定(TPP)の不安をかき消すように“攻めの農業”が叫ばれます。だがその前に、農家と消費者が守るべきものがあるはずです。
愛知県半田市の北村真也さん(24)は、一年間の研修期間を終えて、間もなく地元で就農します。
サラリーマン家庭の長男。祖母が家庭菜園で育てた野菜を食べて「おいしい」と感じたのをきっかけに、市内の農業高校から東京農大へ進み、有機野菜を育てるサークル「緑の家」に所属した。四年生になる前に一年間、南ドイツの農場で働いて、「大丈夫、農業で食べていこう」と決めた。
◆必要とされる存在に
研修に通うのは、同じ愛知県の江南市にある佐々木正さん(66)の農園です。
佐々木さんは元教師。四十五歳で専業農家に転じ、十五年ほど前から新規就農希望の研修生を受け入れて、農薬や化学肥料を使わない有機農業の栽培技術を教えています。「自立すること。現場で工夫することを教わりました。もう何も不安はありません」と北村さんはこの一年を振り返る。
農林水産省の青年就農給付金などを元手に、近所のつてで二反(二十アール)の畑を借りられるめどがついています。一年に何度も収穫できる軟弱野菜(葉物)から始め、五年後には一町歩(一ヘクタール)に広げ、法人化をめざす。できた野菜は宅配します。
身の丈を超えた大規模化には反対です。一人で一町歩耕して百二十世帯に売るよりも、二人で五反ずつをよく活用して、百四十世帯によいものを届けるべきだと考えます。
日常に食べられるものを作る。地域に必要とされる存在になる。安全安心を求める地元消費者と結び付く。地域の農業者同士がネットワークを結んで支え合う-。これが、北村さんの“農業”です。
「今農業に必要なのは、人づくり。そして、消費者との関係づくり。人のつながりを強くして地域の農業を守ること。攻めの農業? あまりピンと来ませんねえ」と、佐々木さんは苦笑します。
畑の隅でブロッコリーが黄色い小さな花をつけ、ミツバチとモンシロチョウがとまったり、離れたり。穏やかな春の午後でした。
◆救世主にはなれない
そもそも、“攻めの農業”って何だろう。まず例に挙げられるのが輸出です。農水省の資料には、こうあります。
<今後十年で倍増が見込まれる世界の食市場に、日本の農林水産物・食品が評価される環境を整備し、日本の「食文化・食産業」の海外展開と日本の農林水産物・食品の輸出促進を同時に推進する>
政府は、例年五千億円前後で推移している農林水産物の輸出額の倍増を考えました。もちろんそれ自体、容易ではありません。
一昨年の輸出額四千五百十一億円のうち約半分が加工品、四分の一が盆栽や真珠といった非食料品でした。食料品の多くは、サケ、マスなどの水産物が占め、純粋な農産物は百八十億円分しかありません。農業の救世主とは言い難い。
農地を集約し、経営の大規模化を図るにしても、地平線のかなたまで続く大農園に飛行機で種をまくような国々に、結局は太刀打ちできません。
TPPという名の黒船は、こと農業に関して言えば、成長至上主義の終焉(しゅうえん)を告げに来たのかもしれません。
作り手は規格にあった品物を効率良く育てて淡々と送り出す。買い手の側は値段の安さをひたすら求め、消費する。その繰り返しでは農業の持続可能性が、もう保てないということを。
二月の終わり、第七十二回中日農業賞授賞式のあいさつで、審査委員長の生源寺真一・名古屋大学教授が言いました。
「世界一鋭敏だった日本人の食べる力、味わう力が、衰えているような気がします」
農学者が消費者の心配をしています。
◆持続可能性の問題だ
食べる力、良いものを選ぶ力が弱まれば、食べ物を作る力も衰える。埼玉県の面積に等しい耕作放棄地があることは、よく知られるようになりました。それを除いても農地の利用率は約九割にとどまっています。
手入れのよい水田や畑がつくり出す景観美は、確実に衰退しています。
勇ましく海外へ打って出るのもいいでしょう。だがその前に守りを固める必要がありそうです。
環境、防災、水循環、それにエネルギーなど食料生産以外の機能も含め、地域に不可欠な農業という価値をどうやって維持していくか。総合的には持続可能性が実現できるかどうか、に帰着するでしょう。農家、消費者それぞれに、考え直す時なのです。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013041402000143.html】
【コラム】
筆洗
2013年4月14日
ボクシングの試合になぞらえれば、こんな感じだろうか。さぁ殴り合いと思ったら、まず相手から注文が付いた。「ちょっと君の右のパンチ強すぎるから、グローブはとりあえず、もう少し重いものを使って」「…」▼「うーん、君の左のガードがある辺り、こっちが打ちたいと思っているところなんだよね。邪魔だからガード下げて…うん、いい感じだ。さて、正々堂々と殴り合おうじゃないか」▼これで、本当にまともな勝負になるのか。首を大きくかしげざるをえないのが、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に向けた日米の事前合意だ。だが、安倍首相は、よほど前向きな人なのだろう。「合意は国益を守るもの」「本当の勝負はこれから」と言った▼米国が日本からの輸入車にかける関税は、当面維持されることになった。他国も「米国に倣え」となれば、日本の自動車産業にどんな利点が見込めるのか▼かんぽ生命保険ががん保険に参入することは、政府が当面認めないとの約束もさせられた。米国系保険会社が強い分野だからだ。この調子だと米国は、日本が誇る国民皆保険制度にも手を出すのではないか。そんな危惧を持った人も多かろう▼日本の食卓を地道に支えてきた農家が、ばっさり切り捨てられる恐れがあるTPP参加だ。「国益」という言葉は、早のみ込みするには、余りに危険なシロモノだ。
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NHK(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/130427.html)より。
NHKの『SONGS』のサカナクションの回を視た。余り評判にならなかったけれども、前クールで最も面白いと感じたドラマ『Dinner』のエンディング曲「ミュージック」。その曲ができた背景が知れて、とても興味深かった。「「音楽の力」を信じて これからも」(山口一郎)。次は「Aoi」。
『アイデンティティ』(http://www.youtube.com/watch?v=1awua0YrSRs)
『ミュージック』(http://www.youtube.com/watch?v=iVstp5Ozw2o)
『夜の踊り子』(http://www.youtube.com/watch?v=6AozElbRnTM)
『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(http://www.youtube.com/watch?v=tZbXHt3xPr8)
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【http://www.nhk.or.jp/songs/archive/130427.html】
サカナクション 第257回 2013年4月27日(土)
北海道出身の5人組バンド・サカナクション。
ニューアルバムは、デビュー6年目にして音楽チャートで初の首位を獲得。
名実ともに今最も注目を集めるバンドといえる。
今回、SONGSでは、スタジオパフォーマンスでその音楽の魅力を伝えるととも
に、地元・札幌で行われた凱旋ライブ、さらに山口一郎の故郷・小樽を訪ねた。
「北海道の景色やそこで得た感覚や哲学が自分の創作を支える」と話す山口。
サカナクションの音楽が生まれた足跡をたどる。
プロフィール
2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビュー。
2010年「アルクアラウンド」や「アイデンティティ」を発表し、話題を集める。
生演奏とエレクトリックサウンドが融合する独特の音楽性と
ボーカル・山口一郎の文学性あふれる歌詞で人気を集める。
セットリスト
「アイデンティティ」 |
山口一郎(Vo& Gt) |
「ミュージック」 |
山口一郎(Vo& Gt) |
「Aoi」 |
山口一郎(Vo& Gt) |
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『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
最も注目の記事は、「森達也さん【第86回つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?】、衆院選ポスター「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、「高田渡(故人)が歌っていた「値上げ」の歌詞・・・」。
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■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / 森達也さん【第86回つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?】、衆院選ポスター「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、「高田渡(故人)が歌っていた「値上げ」の歌詞をとりあげる。写真と併せて読んでほしい」
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / 大田昌秀氏【日本政府の対沖縄構造的差別政策の根源を問う】、「沖縄はヤマトの政治的質草か」、「大多数の都道府県知事にとっては他人事」。【菅原文太×樋口陽一対談】、「20年後の東北はどうなっているのか?」、「過激なナショナリストの政権だ」・・・
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / ・・・「独裁のような図式が出来ている」、「危険なのは政治家の軽挙妄動」。鶴田由紀氏【進行する原子力ルネサンス*】、「原発推進の共同声明」、「CO2温暖化説の背後にあるもの」(*:地球温暖化対策における原子力の役割が強調されたため起きた原子力を再評価する動き)
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / 花烏賊康繁氏【山形のJAは「TPP断固反対」を堅持! 交渉参加表明は主権放棄の「売国」】、「・・・国民への裏切り」、「「TPP賛成」世論調査の不思議」、「農民連は「TPP断固阻止」で不動」、「TPPで得るのは「酷益のみ」」
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / 藤末衛氏【日本の医療を狙うアメリカ企業 TPPの背後で進む健康保険制度の形骸化】、「米国企業にとって邪魔な「薬価制度」」、「手術の技術にも特許権を」、「混合医療禁止の原則」、「儲かるところは民間保険で」、「規制緩和路線の復活」、「お金のあるなしで治療が変わっていいのか」、「アメリカンルールの押しつけ」
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / 粟野仁雄さん【「違法な決定」で再び閉じた開かずの扉 福井女子中学生殺しで再審開始取り消し決定】、福井事件(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c6faa6b8e84cba0ca659950eda725bc8、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ca83f2704bc78a7bb761bce9ac5e4877)
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / ・・・「酷似する毒ぶどう酒事件と福井女子中学生殺害事件」、「判例無視した独自解釈の決定」、「「疑わしきは罰する」の揺り戻し」、「終わらぬ父子の戦い」。【大谷昭宏の言いたい放題 日本維新の会の綱領の裏に隠された本音は、強力な軍事国家】・・・
■『自然と人間』(2013年5月号、Vol.203) / ・・・「自民党の理念と重なる富国強兵的な意味」、「「自立する個人」、透けて見える自己責任論」、「日本国憲法は破棄してしまえ、ということ」、「96条を変えてやりたい放題か」。http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/19631ae7dca6c7c04c6d52ab21e89b9e
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神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/on-demand/621630/002755.php)。
押し付けられた憲法、らしいですよ。帝国憲法だって、軍部の押しつけでしょうに。番犬様・アメリカに尻尾振りながら、押しつけもヘッタクレもないと思うけれども。
ツイッターで見かけましたが、「96条」を使って「96条」改悪って法的に大丈夫なのか? 自らの縛りを国民の縛りに改悪しよう、というとんでもなさですから、何でもアリ?
『●トンデモな両元〝ト〟知事がリーダーの「維新」を支持する価値はあるのか?』
『●改憲などしている場合か? ~壊憲派に勝たせてはならない~』
『●教育壊革!? ~忠魂碑と教育塔~』
『●「9条が危ない! 自民党の暴走」『週刊金曜日』(2013年4月26日、941号)』
『●・・・であるのならば、壊憲派を勝たせてはいけない
~「“悪魔”を阻むハードル」を下げてはならない~』
『●壊憲: 自らの鎖を解放ち、その鎖を国民に巻こうとしている』
憲法9条破壊は、もはや国内問題ではないようだ。
「ジャン・ユンカーマン監督は「日本国憲法、特に憲法9条は
国際的に日本の平和に対する姿勢の現れとして見られている。
だから日本の憲法改正論議は国内問題ではなく、国際的な問題だ」
と話す。その先駆けとなった日本が平和条項を改正すれば、
それは日本の国際的な信用を損ねるのみならず、
日本に倣って平和憲法を作った国々にも大きな落胆をもたらすだろう。
ユンカーマン氏は、今日の日本の政治家たちにその視点が
欠けていることに大きな危惧を抱くという」
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【http://www.videonews.com/on-demand/621630/002755.php】
マル激トーク・オン・ディマンド 第629回(2013年05月03日)
世界は日本国憲法をどう見ているのか
ゲスト:ジャン・ユンカーマン氏(映画監督・ジャーナリスト)
憲法改正を目指す政権の下で5月3日、日本は66回目の憲法記念日を迎えた。
世論調査などの結果を見ても、憲法改正への抵抗感は明らかに弱まってきているようだ。安倍首相はまず、憲法改正のために衆参両院の3分の2以上の賛成を求めている第96条の国会発議の要件を引き下げ、過半数の賛成で可能にする改正の意向を示している。しかし、言うまでもなく安倍首相、そして自民党の目指す憲法改正の最終目標は第96条ではない。自民党は既に、基本的人権条項などを削除した独自の日本国憲法改正草案を発表しているし、戦争放棄を謳う憲法第9条の改正が自民党の長年の念願であることも周知の事実である。
日本国憲法の「平和条項」は1947年の施行当時は画期的なものだった。世界中を巻き込んだ悲惨な戦争の直後に、戦争の当事国だった日本が平和条項を含む憲法を持ったことの意味は、その後に新たな憲法を制定する国々や独立する国々の憲法にも大きな影響を及ぼした。日本に続いて憲法に平和条項を盛り込む国が相次ぎ、今では世界の約200カ国のうち150カ国の憲法に何らかの平和条項があるという。
その日本が今、憲法第9条を改正した場合、国際的にはどのような意味を持つのか。
『映画 日本国憲法』の中でジョン・ダワー氏やノーム・チョムスキー氏ら世界の知識人12人のインタービューをしたジャン・ユンカーマン監督は「日本国憲法、特に憲法9条は国際的に日本の平和に対する姿勢の現れとして見られている。だから日本の憲法改正論議は国内問題ではなく、国際的な問題だ」と話す。その先駆けとなった日本が平和条項を改正すれば、それは日本の国際的な信用を損ねるのみならず、日本に倣って平和憲法を作った国々にも大きな落胆をもたらすだろう。ユンカーマン氏は、今日の日本の政治家たちにその視点が欠けていることに大きな危惧を抱くという。
改憲論者の多くは、現在の日本国憲法は占領下でアメリカから押し付けられた憲法だから、改正をして独自の憲法を作らなければならないと主張する。しかし、現実はわれわれ日本人が自ら進んでこの憲法を受け入れ、寄り添い、その理念を懸命に護ってきた。ユンカーマン監督の映画に登場する識者たちも、日本がこの憲法が謳う崇高な理念を体現できるかどうかに、世界中が注目していると語る。
また、アメリカの核の傘に護られながら、憲法9条を掲げるのは一国平和主義ではないかとの指摘もある。しかし、『映画日本国憲法』の中でジョン・ダワー氏は「なぜ日本はもっと自信を持ってアメリカに向かって自己主張をしないのか」と苦言を呈する。せっかく憲法の中で崇高な理念を掲げながら、アメリカに対する精神的な隷属から抜け出せないことこそが、戦後の日本の悲劇であり、またそれが昨今の浅薄な改憲論議の根底にあるのではないかと言うのだ。
いま日本は憲法を変えるべき時なのか。変えるとすれば、どのような改正が求められるのか。われわれは憲法を変えても大丈夫なのか。改正した憲法によってわれわれはどんな社会を実現しようとしているのか。『映画日本国憲法』を通じて「世界の目」という視点から日本国憲法に焦点を当てたジャン・ユンカーマン氏と、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
今週のニュース・コメンタリー
ロシア: 政権批判のロックバンドの収監続く
米: グアンタナモ収容所で100人超がハンガースト
EU: ネオニコチノイド系農薬の使用を禁止へ
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プロフィール
ジャン・ユンカーマンJohn Junkerman
(映画監督・ジャーナリスト)
1952年米国ミルウォーキー生まれ。74年スタンフォード大学東洋文学語科卒業。ウィスコンシン大学大学院修士課程修了。監督作品に『劫火 - ヒロシマからの旅-』(88年・米国アカデミー賞記録映画部門ノミネート)、『夢窓~庭との語らい』(92年・エミー賞受賞)、『チョムスキー9.11』(02年)など。
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asahi.comの三つの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0504/TKY201305030315.html、http://www.asahi.com/politics/update/0503/TKY201305030295.html、http://www.asahi.com/politics/update/0503/TKY201305030283.html)。
「選挙で審判を受けた後に、国民会議を設ける必要があるでしょう。もちろん国民会議は、96条改正賛成派で固めます」(日本維新の会の橋下徹共同代表」)だそうです。
『●トンデモな両元〝ト〟知事がリーダーの「維新」を支持する価値はあるのか?』
『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?』
『●国会議員にしてしまった自称〝勝海舟〟氏や元〝ト〟知事の危うさと胡散臭さ』
元大阪〝ト〟知事は、「安倍晋三首相と首相官邸で会談し、96条改正を目指す考えで一致。数日後、自身のツイッターで「96条改正賛成派は国民を信じる。反対派は憲法が悪い方向に進むと懸念し、国民投票を避ける」とつぶや」いてもいるそうだ。「小選挙区のマジック」(森達也さん)でこんな壊憲派が多数を握るようでは、「戦争をしたくてしょうがない人たち」によって壊憲派議員やその関係者ではなく、多数の無関心な人たちや護憲派の人達が「戦争をさせられる」ことになる。
読まなくても普段の壊憲派の言動からよく分かりますが、志位和夫共産党委員長は「ぜひ、自民党の改憲案をよく読むことをお勧めしたい。とにかく読んでみてください。一読すれば、どなたも背筋が必ずぞっとします」と訴えています。
また、福島瑞穂(福島みずほ)さんは、「自民党の憲法改正草案は国民にたくさんの義務規定をおいている。国防、国歌国旗尊重、公益及び公の秩序に従う義務などだ。家族の助け合いにまで規定している。憲法にこんなことを書くなんて大きなお世話だ」とも。立憲主義についても明確な訴え。同じ弁護士でも元大阪〝ト〟知事とは大違いである。「現在の日本国憲法は総理大臣、国務大臣、公務員、天皇、摂政などに憲法の尊重擁護義務を規定している。憲法は、国民が政府に対し「表現の自由を侵害するな」「戦争するな」と国を縛っているものだ。/しかし、自民党の憲法改正草案は国民を明確に縛るもの。為政者の為政者による為政者のための憲法だ。いや、憲法ですらない。どこの世界に国民をしばる憲法などあるのか。憲法もどきだ。自民党に憲法を語る資格など無い」
壊憲派は、自らの鎖を解放ち、それを国民に巻こうとしています。
「(金に群がるハゲタカでもある)タカの爪をを巧妙に隠し、まずは改憲・壊憲のためのハードル「“悪魔”を阻むハードル」(東京新聞社説『憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖』)を下げようとしている。その先には、多くの国民の望まない「戦争を出来る国」にするために」。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0504/TKY201305030315.html】
2013年5月4日3時59分
(憲法はいま)改憲、手続き論先行 与党内から異論も
【石松恒】「選挙で審判を受けた後に、国民会議を設ける必要があるでしょう。もちろん国民会議は、96条改正賛成派で固めます」
日本維新の会の橋下徹共同代表は4月23日、同党の国会議員らにこんなメールを送った。維新は、国会での改憲の発議要件を定めた憲法96条改正を実現しようと、有識者による「国民会議」の設置を提唱。夏の参院選で改憲勢力が3分の2以上集まれば、国民会議で結論を出し、一気に96条改正に進みたいと意気込む。
その2週間前の同9日には安倍晋三首相と首相官邸で会談し、96条改正を目指す考えで一致。数日後、自身のツイッターで「96条改正賛成派は国民を信じる。反対派は憲法が悪い方向に進むと懸念し、国民投票を避ける」とつぶやき、早速反対派を牽制(けんせい)した。
96条改正では昨年12月の衆院選で議席を倍増させたみんなの党も足並みをそろえる。渡辺喜美代表は「憲法のみが一度も改正がないのは日本を覆う閉塞(へいそく)感の大きな要因。改正手続きの簡略化を図ることも大事だ」。
首相は3日、訪問先のトルコでの記者会見で、「維新の会、みんなの党も96条に賛成している。多数派を形成していく上でも、96条(改正)に協力をお願いしていきたい」と両党と連携していく考えを強調した。
だが、改憲案の発議要件を3分の2以上から過半数に引き下げることには、与党にも異論がくすぶる。
自民党と連立を組む公明党。弁護士の山口那津男代表が憲法記念日の3日、東京都内の街頭演説で「憲法96条はすべての議員の3分の2以上の賛同がなければ、改正を発議することができないという高いハードルを定めている。憲法の大事な性格を考えれば、高いハードルを保っていくことが必要だ」と訴え、96条の先行改正に疑義を唱えた。
自民党憲法調査会長を務め、改憲論議を牽引(けんいん)してきた船田元・党憲法改正推進本部長代行も「過半数では一般の法律の採決と変わらない。憲法は最高法規。それでよいのかと(党内で)議論したことがある」と明かし、「96条だけ先行して憲法改正や国民投票をやってよいのか。改正のための改正と国民に警戒感も出る。まだ議論が尽くされていない」と指摘。「党内で声をあげない人たちの考えや意見にも聞く耳を持たないといけない。このまま、いけいけどんどんにしてはいけない」
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【http://www.asahi.com/politics/update/0503/TKY201305030295.html】
2013年5月4日0時11分
「自民党案、読めば背筋ぞくっと」 志位・共産党委員長
■志位和夫・共産党委員長
米国のロサンゼルス・タイムズ紙が自民党の憲法改正案を痛烈に批判している。自民党は軍国日本に向けた基礎を築くための提案をしているのであり、世界中の人権擁護グループは自民党による憲法に関する革命に反対する世論を喚起すべきだ、と書いてある。
自民党はよく「日米は価値観を共有している」と言いますね。しかし、すべての人間は生まれながらにして不可侵の基本的人権を与えられているという思想の世界的な源流はどこか。1776年のアメリカの独立宣言じゃありませんか。自民党案はその条項を丸ごと削ってしまった。ぜひ、自民党の改憲案をよく読むことをお勧めしたい。とにかく読んでみてください。一読すれば、どなたも背筋が必ずぞっとします。(東京都内で開かれた護憲派の集会で)
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【http://www.asahi.com/politics/update/0503/TKY201305030283.html】
2013年5月4日0時8分
「自民党改正案は憲法もどき」 福島瑞穂・社民党党首
■福島瑞穂・社民党党首
自民党の憲法改正草案は国民にたくさんの義務規定をおいている。国防、国歌国旗尊重、公益及び公の秩序に従う義務などだ。家族の助け合いにまで規定している。憲法にこんなことを書くなんて大きなお世話だ。
極めつきは「これらの憲法を尊重せよ」と国民に憲法尊重擁護義務を規定していることだ。現在の日本国憲法は総理大臣、国務大臣、公務員、天皇、摂政などに憲法の尊重擁護義務を規定している。憲法は、国民が政府に対し「表現の自由を侵害するな」「戦争するな」と国を縛っているものだ。
しかし、自民党の憲法改正草案は国民を明確に縛るもの。為政者の為政者による為政者のための憲法だ。いや、憲法ですらない。どこの世界に国民をしばる憲法などあるのか。憲法もどきだ。自民党に憲法を語る資格など無い。(東京都内で開かれた護憲派の集会で)
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〝壊憲〟についての朝日新聞の世論調査を受けての識者のコメント記事(http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html)。東京新聞のコラム『筆洗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html)。すぐに消えてなくなるasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、5月3日)。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html)、社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html)、そしてコラム『筆洗』をもう一つ(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html)。
自らを律することができない自民党タカ派や元東京〝ト〟知事・元大阪〝ト〟知事を縛るために国民が持っている鎖を、資格のない国会議員が自ら断ち切ろうとしている。(金に群がるハゲタカでもある)タカの爪をを巧妙に隠し、まずは改憲・壊憲のためのハードル「“悪魔”を阻むハードル」を下げようとしている。その先には、多くの国民の望まない「戦争を出来る国」にするために。
「ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。・・・ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです」。「政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダー」に壊憲させてはならない。「政治家が歴史に学ばない国は危うい」、そう我が国はとても危うい状況。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.html】
2013年5月2日0時14分
改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査
憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.html】
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.html】
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html】
5月3日は憲法記念日。朝日新聞社が憲法をテーマに行った全国郵送世論調査の回答を見て、作家の雨宮処凛(かりん)さんは不思議がった。「もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて……」。映画監督・作家の森達也さんは、9条を変えないという人が多かったのは「意外だった」と驚いた。神戸大名誉教授の浦部法穂さんは、今の国会議員は「憲法をいじる資格はない」と手厳しい。好調アベノミクスと同時進行する改憲の動き。3人の識者が語る憲法と日本社会とは――。
雨宮処凛さん「人間1人の思考なら矛盾」 憲法世論調査
■作家の雨宮処凛さん
「いまの憲法を変える必要がある」という人が半数を超え、その理由で最も多かったのが「国防の規定が不十分だから」だという。それでいて「9条を変えないほうがよい」が半数を超える。もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて、どんな人間かわからない。
しかし、ある意味、いまの日本を象徴しているのかもしれない。
「戦争」とか「国防軍」とか「軍隊」という言葉には強い嫌悪感を示す。9条は守るべきだという人は多い。けれども、参院選で投票するとき、重視する政策を聞けば「憲法」は最下位。かなりの国民は、本気でどーでもいいと思っている気がする。自民党の憲法改正草案を読んでいる人が一体どれだけいるのでしょうか。
浦部法穂さん「今の議員に憲法いじる資格ない」世論調査
■神戸大名誉教授の浦部法穂(のりほ)さん
憲法9条を変えない方がよいという人も、96条の改憲手続きを緩める自民党案に反対という人も5割を超えた。改憲賛成が5割を超えたといっても理由は非常に散らばっていて、最も多くの人が理由に挙げた「国防の規定が不十分」でも全体の3割にとどまっている。国会の論調だけをみると改憲ムードが非常に強いが、国民は割合冷静に見ているのではないか。
そもそも憲法改正権は国民にあるのだから、改憲は国民の側から「国会で案を作れ」という声が起きてから初めて国会が議論するものだ。ところが、憲法で行動を制約され、命じられる側の国会、まして統治権の中枢の内閣が今の憲法では都合が悪いからといって改憲を主導するのは本末転倒でおかしい。
森達也さん「9条変えない意見多いのは意外」 世論調査
■映画監督・作家で明治大特任教授の森達也さん
憲法9条を変えない、という意見が多かったのは、意外だった。
総選挙では予想通りというか、予想を上回るほどの自民党圧勝だった。小選挙区のマジックを差し引いても、自民党や安倍政権への支持が強いのは間違いない。票を入れた人の多くは、憲法9条改定にも賛成なのだろう、と思い込んでいた。だが、調査結果では、景気浮揚策への期待から政権を支持しても、憲法9条改定までは支持していないことが浮かび上がる。自民党や安倍晋三首相には、軌道修正を期待したい。
ただし僕は、がちがちの護憲派ではない。半世紀以上たっているのだから、時代に合わない要素があればマイナーチェンジしてもいい。でも9条も含め、基本理念は安易に変えるべきではない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html】
【コラム】
筆洗
2013年4月29日
<遺棄死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし>。昭和十五年、日中戦争の報道写真を見て、新聞記者で歌人の土岐善麿がつくった歌である▼命を二つ持つ者はいない、と生命の尊さを詠んだだけなのに右翼から攻撃され、戦時下は隠遁(いんとん)生活を送る。敵国の兵士に同情したと思われると、袋だたきに遭う時代だった▼その時代に戻ることはないと信じているが、「嫌中・嫌韓」が声高に語られる風潮には危うさを感じる。それを政治家があおっているのだから尋常ではない▼閣僚の靖国参拝に対する中韓両国の抗議を安倍晋三首相は「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と突っぱね、「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と過去の侵略戦争や植民地支配を正当化するような発言を重ねた。経済優先の「安全運転」に徹してきた首相の「地金」がむき出しになってきた▼その歴史認識に米国側から反発も出てきた。米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは「歴史を直視していない。これまでの経済政策の成果も台無しにしかねない」「敵対心を無謀にあおっているように見える」と社説で批判した▼<あなたは勝つものとおもつてゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ>。戦時中は好戦的な歌もつくった善麿の昭和二十一年の歌だ。戦争は遠くなり、勇ましい声が再び戻ってきた。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、5月3日】
2013年 5月 3 日(金)付
憲法を考える―変えていいこと、ならぬこと
憲法には、決して変えてはならないことがある。
近代の歴史が築いた国民主権や基本的人権の尊重、平和主義などがそうだ。時代の要請に合わせて改めてもいい条項はあるにせよ、こうした普遍の原理は守り続けねばならない。
安倍首相が憲法改正を主張している。まずは96条の改正手続きを改め、個々の条項を変えやすくする。それを、夏の参院選の争点にするという。
だがその結果、大切にすべきものが削られたり、ゆがめられたりするおそれはないのか。
いまを生きる私たちだけでなく、子や孫の世代にもかかわる問題だ。
■権力を縛る最高法規
そもそも、憲法とは何か。
憲法学のイロハで言えば、権力に勝手なことをさせないよう縛りをかける最高法規だ。この「立憲主義」こそ、近代憲法の本質である。
明治の伊藤博文は、天皇主権の大日本帝国憲法の制定にあたってでさえ、「憲法を設くる趣旨は第一、君権を制限し、第二、臣民の権利を保全することにある」と喝破している。
こうした考え方は、もちろん今日(こんにち)にも引き継がれている。
憲法99条にはこうある。「天皇又(また)は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」。「国民」とは書かれていないのだ。
立憲主義は、国王から市民が権利を勝ち取ってきた近代の西欧社会が築いた原理だ。これを守るため、各国はさまざまなやり方で憲法改正に高いハードルを設けている。
米国では、両院の3分の2以上の賛成と4分の3以上の州議会の承認がいる。デンマークでは国会の過半数の賛成だが、総選挙をはさんで2度の議決と国民投票の承認を求めている。
日本では、両院の総議員の3分の2以上の賛成と、国民投票での過半数の承認が必要だ。
自民党などの改正論は、この「3分の2」を「過半数」に引き下げようというものだ。
■歴史の教訓を刻む
だが、これでは一般の法改正とほぼ同じように発議でき、権力の歯止めの用をなさない。戦争放棄をうたった9条改正以上に、憲法の根本的な性格を一変させるおそれがある。
私たちが、96条改正に反対するのはそのためである。
日本と同様、敗戦後に新しい憲法(基本法)をつくったドイツは、59回の改正を重ねた。一方で、触れてはならないと憲法に明記されている条文がある。
「人間の尊厳の不可侵」や「すべての国家権力は国民に由来する」などの原則だ。
ナチスが合法的に独裁権力を握り、侵略やユダヤ人虐殺につながったことへの反省からだ。
日本国憲法は、97条で基本的人権を「永久の権利」と記している。これに国民主権と平和主義を加えた「三つの原理」の根幹は、改正手続きによっても変えられないというのが学界の多数説だ。
かつての天皇制のもとで軍国主義が招いた惨禍の教訓が、その背景にある。
特に9条は、二度と過ちを繰り返さないという国際社会への約束という性格もある。国民の多くは、それを大切なことだとして重んじてきた。
自民党が96条改正の先に見すえるのは、9条だけではない。改憲草案では、国民の権利への制約を強めかねない条項もある。立憲主義とは逆方向だ。
■政治の自己改革こそ
首相は「国民の手に憲法を取り戻す」という。改正のハードルが高すぎて、国民から投票の権利を奪っているというのだ。
これは論理のすり替えだ。各国が高い壁を乗り越え、何度も憲法を改めていることを見ても、それは明らかだろう。
改めるべき条項があれば、国民にその必要性を十分説く。国会で議論を尽くし、党派を超えて大多数の合意を得る。
そうした努力もせぬまま、ルールを易(やす)きに変えるというのは責任の放棄ではないか。
憲法に指一本触れてはならないというのではない。
例えば、国会の仕組みである。衆院と参院は同じような権限を持つ。このため多数派が異なる「ねじれ」となると、国政の停滞を招いてきた。
いずれ憲法の規定を改め、衆参両院の役割分担を明確にするなどの手直しが必要になるかもしれない。
もっとも、いまの国会の怠慢は度し難い。
ねじれによる政治の停滞を嘆くなら、なぜ衆参両院の議決が異なった時に話し合う両院協議会の運用を見直さないのか。
最高裁に違憲状態とされた一票の格差問題では、司法が口出しするのはおかしいといわんばかりの議論が横行している。これでは、憲法を語る資格などはない。
まずなすべきは、そんな政治の自己改革にほかならない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html】
知らず改憲 危険 読者からの手紙
2013年5月3日 朝刊
改憲が、政治の場で声高に語られる中で迎えた憲法記念日。本紙が四月十九日から連載した「『憲法と、』第1部 50年代の攻防」には読者から、憲法への思いなどをつづった手紙やメールが寄せられている。憲法について人々がよく知らないまま、変えられてしまうのではないか。そもそも今の社会で憲法の理念がないがしろにされているのではないか-。文面からは危機感がにじむ。 (上條憲也、樋口薫)
「改憲が動きだす前に、『憲法は権力を縛るもの』という認識が当たり前のことになっていなければ、危険すぎると思います」。そうメールにつづった千葉県鎌ケ谷市の塾講師村松真理子さん(55)を訪ねた。
憲法に関心を持ったのは一九八二年、小学館の「日本国憲法」を手に取ったことがきっかけだったという。当時も改憲が取り沙汰され、異例のベストセラーとなっていた。
戦力不保持をうたった九条を改正し、国を「気概をもって自ら支え守る責務」を盛り込んだ二〇〇五年の自民党の憲法改正草案を知人に見せたときに「知らなかった。怖い」と言われた。
知らせることの重要性を感じた村松さんは〇七年から勉強会を始め、小冊子「みんなの憲法」の発行を続ける。会の仲間とは、主にメールで意見交換。学ぶことが大事なので立場は改憲でも問わない。
ただ、輪を広げようとしても憲法に拒否反応を示す人もいる。村松さんは最近、知人に憲法について意見を募るメールを一斉送信した。「憲法の話を送ってこないで」という返信もあったという。
メンバーの一人で、青森県八戸市で空襲を体験した松倉要正さん(80)は「フランスでは青年たちが昼間からカフェで自国の憲法論争をしているのに…」ともどかしさを感じている。村松さんは「問題意識を持つことは面倒なこと。でも考えることで憲法は自分たちのものになる」。
個人を尊重し、幸福追求権を定めた一三条を村松さんは「憲法が憲法である性質を表している」と言う。憲法の大前提は権力から国民を守るためのものであり、国家の意図を国民に押し付けるものではない。
「憲法を分かろうと個々がアンテナを研ぎ澄ますことが大事。それが(憲法一二条が定める)自由と権利を保持するための『国民の不断の努力』になる」と村松さんは考える。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html】
【社説】
憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖
2013年5月3日
憲法改正を叫ぶ勢力の最大目的は、九条を変えることでしょう。国防軍創設の必要性がどこにあるのでしょうか。平和憲法を守る方が現実的です。
選挙で第一党になる、これは民主的な手法です。多数決で法律をつくる、これも民主的です。権力が憲法の制約から自由になる法律をつくったら…。
ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。国民主権を採用し、民主主義的な制度を広範に導入した近代憲法でした。ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです。
◆熱狂を縛る立憲主義
日本国憲法の役目は、むろん「権力を縛る鎖」です。立憲主義と呼ばれます。大日本帝国憲法でも、伊藤博文が「君権を制限し、臣民の権利を保障すること」と述べたことは有名です。
たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を濫用する恐れがあるので、鎖で縛ってあるのです。また、日本国民の過去の経験が、現在の国民をつなぎ留める“鎖”でもあるでしょう。
憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は「確かに国民が自分で自分の手をあらかじめ縛っているのです。それが今日の立憲主義の知恵なのです」と語ります。
人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されたりします。そんな移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法で、われわれの内なる愚かさを拘束しているのです。
民主主義は本来、多数者の意思も少数者の意思もくみ取る装置ですが、多数決を制すれば物事は決まります。今日の人民は明日の人民を拘束できません。今日と明日の民意が異なったりするからです。それに対し、立憲主義の原理は、正反対の働きをします。
◆9条改正の必要はない
「国民主権といえども、服さねばならない何かがある、
それが憲法の中核です。例えば一三条の『個人の尊重』などは
人類普遍の原理です。近代デモクラシーでは、立憲主義を用い、
単純多数決では変えられない約束事をいくつも定めているのです」(樋口さん)
自民党の憲法改正草案は、専門家から「非立憲主義的だ」と批判が上がっています。国民の権利に後ろ向きで、国民の義務が大幅に拡大しているからです。前文では抽象的な表現ながら、国を守ることを国民の義務とし、九条で国防軍の保持を明記しています。
しかし、元防衛官僚の柳沢協二さんは「九条改正も集団的自衛権を認める必要性も、現在の日本には存在しません」と語ります。旧防衛庁の官房長や防衛研究所所長、内閣官房の副長官補として、安全保障を担当した人です。
「情勢の変化といえば、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出でしょう。
いずれも個別的自衛権の問題で、たとえ尖閣諸島で摩擦が起きても、
外交努力によって解決すべき事柄です。九条の改正は、中国や韓国は
もちろん、アジア諸国も希望していないのは明らかです。米国も
波風立てないでほしいと思っているでしょう」
九条を変えないと国が守れないという現実自体がないのです。米国の最大の経済相手国は、中国です。日中間の戦争など望むはずがありません。
「米国は武力が主な手段ではなくなっている時代だと認識しています。
冷戦時代は『脅威と抑止』論でしたが、今は『共存』と『摩擦』が
テーマの時代です。必要なのは勇ましい議論ではなく、むしろブレーキです」
柳沢さんは「防衛官僚のプライドとは、今の憲法の中で国を守ることだ」とも明言しました。
国防軍が実現したら、どんなことが起きるのでしょうか。樋口さんは「自衛隊は国外での戦闘行為は許されていませんが、その枠がはずれてしまう」と語ります。
「反戦的な言論や市民運動が自由に行われるのは、
九条が歯止めになっているからです。国防軍ができれば、
その足を引っ張る言論は封殺されかねません。軍事的な価値を
強調するように、学校教育も変えようとするでしょう」
安倍晋三首相の祖父・岸信介氏は「日本国憲法こそ戦後の諸悪の根源」のごとく批判しました。でも、憲法施行から六十六年も平和だった歴史は、「悪」でしょうか。改憲論は長く国民の意思によって阻まれてきたのです。
◆“悪魔”を阻むハードル
首相は九六条の改憲規定に手を付けます。発議要件を議員の三分の二から過半数へ緩和する案です。しかし、どの先進国でも単純多数決という“悪魔”を防ぐため、高い改憲ハードルを設けているのです。九六条がまず、いけにえになれば、多数派は憲法の中核精神すら破壊しかねません。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html】
【コラム】
筆洗
2013年5月3日
集団自決の場で何人もの子どもを手にかけながら、自らは死に切れなかった人がいる。約四百人の孤児を引率して命からがら引き揚げてきた人がいる。百人の子どもが途中で亡くなった。先月二十四日、長野県阿智村に開館した満蒙(まんもう)開拓平和記念館には、国策で満州に渡った人たちが味わった地獄が刻まれている▼二十七万人の満蒙開拓団のうち、全国最多の三万二千九百九十二人を送り出したのは長野県だった。帰国できたのは一万六千九百四十九人。千百三人が残留孤児や残留婦人になった▼阿智村のある下伊那・飯田地方からは県内でも最も多い八千三百八十九人が渡満した。この地に平和記念館を建設することは、地域の引き揚げ者たちの悲願だった▼関東軍に見捨てられた開拓団は、日ソ中立条約を一方的に破棄して侵攻してきたソ連軍に襲われた。集団自決の悲劇もあった。栄養失調や伝染病でさらに多くの犠牲者を出した。移民ではなく、棄民だった▼きょうは憲法記念日。改憲が具体的な政治日程に上がってきたのは、戦争のおびただしい犠牲者の上に立つ憲法から「血の色」があせてきたことと無縁ではない▼政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダーがいる。戦争の記憶を伝えようと、戦後七十年近くなって記念館を建てる人たちがいる。政治家が歴史に学ばない国は危うい。
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魚住昭さんの『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた記事(http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2722)。
「国民の6割が脱原発を望んでいるというのに自民党が大勝した理由」って何だ? 自公支持者は、「原発無反省、原発推進」、「公約無視、ウソツキTPP推進」、「戦争するための壊憲」・・・いまの現状をどう見ているのでしょう?
『●山岡俊介さんによる反原発若手〝活動家〟インタビュー』
『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず』
『●絶望を禁じ得ない』
『●東京都、反原発デモの日比谷公園使用を認めず』
『●『DAYS JAPAN』(2012年8月号)読了』
『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判』
『●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない』
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【http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2722】
わき道をゆく第19回 新年に、あのデモを想う
2013 年 4 月 4 日 魚住 昭
昨年12月21日、久しぶりに官邸前デモに行った。寒風の吹くなか官邸前と国会正門前の各スピーチエリア周辺に数百人ずつ、合わせて1000人余りが集っていた。
夏の最盛時に比べれば数十分の一の規模である。それに若い女性や子供連れの姿も減った。以前のように心が浮き立つ祝祭気分もまったく感じられない。逆に5日前の総選挙での自民党圧勝に衝撃を受け、沈鬱な面持をした人びとの姿ばかりが目立った。
官邸前のスピーチ台に立ったベレー帽の老女は「残念です。でもこれが日本人の現実です。私は40年来、原発反対に賭けてきましたが、闘いはこれからです。これを出発点として、この愚かな国に命を吹き込もうではありませんか」と自分に鞭打つように訴えた。
白い ワイシャツ姿の中年男性は「一つ聞きたい。皆さんどこへ(票を)入れましたか。私は『みんな』と『未来』です。まずは我々がどこに投票するのか、ひとつに絞るべきだと思う。そうしないと勝てっこないですよ。参院選までにそこを考えましょうよ」と呼びかけた。
たしかに国民の6割が脱原発を望んでいるというのに自民党が大勝した理由の一つは、小党乱立で脱原発票が割れたからだろう。では、どの党にどういうふうに分散したのか。担当編集者のN君らに手伝ってもらってデモ参加者にアンケートした。
質問項目は以下の4つである。「投票にいきましたか」「小選挙区と比例代表でどの党に入れましたか」「その党を選んだ理由は」「都知事選は誰に入れましたか」。
まずは投票率から 。質問に答えてくれた56人(男性39人、女性17人)のうち投票所に行かなかった人はわずかひとり。残り55人が足を運んでいた。総選挙の投票率が戦後最低の59・3㌫だったのに比べると、デモ参加者の選挙への関心は極めて高かったようだ。
次に小選挙区の投票先を多い順から紹介しよう。①日本共産党19人②日本未来の党14人③みんなの党8人④社会民主党6人⑤民主党3人⑥山本太郎2人。
比例代表は①未来23人②共産16人③社民11人④みんなと新党日本が各1人だった。
お気づきだろうか。石原新党と合併するまでは脱原発を目玉に掲げていた日本維新の会に入れた人がひとりもいない。さすが官邸前デモの参加者である。政策のブレを見逃さない。
ちなみに小選挙 区で民主、比例で未来に入れた自営業の男性(42歳)からは「週刊現代は維新を持ち上げるだけ持ち上げておいて、どう落とし前をつけるつもりなのか。脱原発メディアとして恥ずかしくないのか」と叱られた。やはり読者は侮りがたい。
小選挙区でトップの共産票を分析してみよう。比例も共産に入れたというコアな支持者が19人中14人もいた。これは3・11以来、赤旗が充実した原発報道をつづけ、共産が党を挙げて反原発運動をしてきた結果を反映していると考えていいだろう。
同じ左派でも社民はちがう。小選挙区で社民に投票した6人のうち、比例でも入れた人は2人しかいない。つまりコアな支持者が共産に比べるとかなり少ない。その割には比例で11人も入れているから、党に対する何らかの期待感はまだあるということか。
未来は比例でダントツのトップ(23人)だった。しかも、うち10人が小選挙区でも未来に入れているから、にわか作りの「卒原発政党」にしては支持率が高い。もし民主が大飯原発の再稼働を中止し、原発ゼロへの道筋を明確に示していたら、これらの票の大半を吸収できていたろう。野田政権は起死回生のチャンス をみすみす逃したのである。
都知事選は56人中27人が千葉県などの都外住民で、残り29人のうち28人が宇都宮健児氏に投票していた。猪瀬直樹氏に入れたのはひとりだけ。しかも「猪瀬さんは何をするにもどうしてあんなに偉そうなのか。偉ぶるのは小物の証拠」(50代男性)「猪瀬さんは人柄が嫌な感じ。悪口を楽しそうに言 う人」(30歳女性)とすこぶる評判が悪かった。
と言っても、現実に選挙で大勝したのは原発推進・改憲を目指す自民党と猪瀬氏である。暗澹とした気持ちを引きずりながら、帰りしなにN君と日本のこれからについて話し合っていたら、彼が不意に思いがけないことを言い出した。
「実は、僕の中学・高校時代の同級生のうち5人が3・11後の
日本に見切りをつけて海外に脱出してしまったんです。
ひとりふたりならまだしも5人というのは多くありません?」
N君によると、昨年4月ごろ、法科大学院を出て就職したばかりの同級生のN子さん(30歳)は年4月ごろ、「こんな国民の命を守るつもりのない国にはいられない。私は法律を勉強して国民の生命財産を守る仕事につきたかったが、 すべて虚しくなった」と言ってさっさとオーストラリアに移住してしまった。
もう一人のU子さん(30歳)は昨年秋、証券マンの夫とともに「私たちは子供がほしい。だけどこの国では産めない」との理由で米国に移住。夫は米国の投資銀行に移籍した。
メーカー勤務の技術者K君(30歳)は「原発も政治も経済も、日本にいてもいいことはひとつもない。海外経験を積んで、いずれは海外メーカーに移籍したい」と、会社に東南アジア勤務を申し出て異動した。他の2人も同じような理由で米国と英国に移り住んだという。
若くて能力のある人たちにとって日本はもう希望のない国らしい。実は、私もまだ幼い自分の子どもたちを海外に脱出させたいと考えている。原発も怖いが、それ以上に戦争が怖いからだ。真面目な話、石原慎太郎=猪瀬コンビが火をつけた尖閣諸島をめぐる日中間の対立は極めて深刻だ。いつ武力衝突が起きても不思議ではない。
幸いにして”尖閣海戦”を回避できたとしても、数年後には改憲で国防軍が創設され、やがて徴兵制を含む戦時体制が構築されていく恐れが強い。私は自分の子を兵隊にとられたくない。非国民と言われようが、卑怯者と罵られようが、いざとなったら子供たちを国外に逃がしたい。
しかし、私には悲しいことに、彼らを逃がしてやるだけのカネがない。では、いったいどうしたら彼らに平和な暮らしを与えてやれるだろうか。私は今年からその答えを真剣に探し求めるつもりである。(了)
(編集者注・これは週刊現代連載「わき道をゆく」の再録です)
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東京新聞の社説二つと記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022302000060.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022802000035.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022802000064.html)。
出そうと思ってて、機を逸した記事。
先ごろ40%程度の低投票率の下、「圧勝」したそうだ。名古屋には、優れた人物、政治家はいないのでしょうかね?
元東京〝ト〟知事や元大阪〝ト〟知事や自民党のタカ派議員の皆さんも含め、歴史を鏡にできない政治家ってどういう人? 井戸を濁らしてどうするの? 近隣諸国とどんな関係を築こうとしているのか?
『●「日本の恥と呼ぶべき存在」』
『●『追われゆく坑夫たち』読了(2/3)』
『●『「反日」とは何か ~中国人活動家は語る~』読了(3/3)』
(※「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」)
『●隣国と一体どんな関係を築きたいの?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022302000060.html】
【社説】
河村市長発言 歴史認識はしっかりと
2012年2月23日
「虐殺はなかった」とする名古屋市長の発言に反発し、南京市は公の交流の一時停止を決めた。南京事件については、日中共同の歴史研究がある。市長としての発言にはもっと慎重であるべきだ。
河村たかし市長は、友好都市である南京市の共産党幹部が訪問した際に「南京大虐殺は無かったのではないか」と発言した。その問題意識について、市長は記者会見で「子孫のため(歴史認識を)真実へと正すのは六十三歳のじいさま(市長)の社会的、政治的使命だと思っとります」と述べた。
だが、市民を代表する市長として友好都市の訪問団に会った際に、歴史認識に食い違いのある問題で自らの見解を一方的に公にしたことは配慮が足りなさすぎる。
二〇〇六年の安倍晋三・胡錦濤首脳会談の合意を受けてスタートした日中歴史共同研究委員会は二年前、南京事件について「虐殺行為に及んだ日本側に責任があるとの認識では一致した」との報告を公表した。一方、犠牲者数は、中国側の「三十余万人」、日本側の「二十万人を上限に四万人、二万人などさまざまな推計がある」と両論を併記した。
小泉純一郎首相の靖国神社参拝で悪化した日中関係を改善しようと、双方が歩み寄った知恵が共同研究である。それを両国で共有しながら、今回の市長発言である。個人の信念と公職者としての発言はおのずと違う。
市長は「謝罪や撤回のつもりはない」と話した。日中間の討論会を呼びかけてはいるが、どれほどの実現可能性をともなっているのか。市として行うのか、一政治家としての呼び掛けか。
南京市は「市民の感情を傷つけた」と反発している。会談の場で反論しなかった訪問団に、「弱腰だ」との批判がネットで相次いでいるという。市長の言葉がもちろんきっかけである。
歴史をひもとけば、名古屋生まれの松井石根陸軍大将は終戦後、極東国際軍事裁判で南京大虐殺の責任を問われ処刑された。一九七二年の国交回復後、名古屋市は当初、天津市との提携を望んだが、中国の提案に応じる形で、南京市との提携をあえて決めた。
七八年の平和条約締結の年の友好提携となった。まさに、歴史を鑑(かがみ)に前に進もうとした当時の日中関係者の英断であった。こうした歴史を踏まえながら、一歩ずつ着実に関係改善に努めるのが、政治家の本当の使命であろう。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022802000035.html】
大虐殺否定 河村市長撤回せず 都知事エールが後押し
2012年2月28日 朝刊
名古屋市の河村たかし市長は二十七日の定例記者会見で、「いわゆる南京大虐殺はなかった」との発言が中国側の反発を買ったことに触れ、「三十万人もの非武装の市民を日本軍が大虐殺したことはない。撤回はしない」と従来の主張を繰り返した。
河村市長は「象徴的に三十万人とされるような組織的な大虐殺はなかったのではないか、という趣旨。伝わらなかったとすれば残念」と述べた。
中国で批判報道が過熱した二十四日には、火消しに必死な市内部で「非礼を陳謝」する趣旨のコメントが用意された。市長も、発言の悪影響を懸念し「市民生活を守るのが市長の責任」と記者団に語り、軌道修正を示唆していた。
しかし、市長が出した結論は「謝らない」だった。引くか、進むかで揺れる市長の背中を押したのは、「河村君は正しい」と述べた石原慎太郎東京都知事。次の衆院選での連携も取り沙汰される相手からのエールに気を良くしているところに、考え方の近い市議から「ここで引くのは、政治的な死を意味する」と説得された。
南京市と連絡を取りながら事態収拾に動いてきた国際交流を担当する市幹部は「火に油を注ぐ選択だ」。観光業など経済活動への悪影響を懸念する声も強まりそうだ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022802000064.html】
【社説】
河村市長発言 なぜ素直に撤回しない
2012年2月28日
名古屋市長は「南京事件はなかった」との発言を撤回せず、訪問団にも非礼ではなかったとの考えを、きのう述べた。率直な議論で「ノドのトゲを抜こう」と主張するが、その土台は一体あるのか。
河村たかし市長は会見で「いわゆる南京事件はなかったのではないか」という発言が「南京大虐殺はなかったという持論を展開」と報道され、「南京では何もなかった」と誤解されたと釈明した。
市長は「象徴的に三十万人とされるような組織的大虐殺はなかったとの趣旨」と説明。「友好団に面と向かって三十万人の大虐殺と申し上げるのは言葉がいかにも残虐なので、あえていわゆる南京事件と申し上げた」と釈明した。
当初の発言は、市長が南京大虐殺はなかったと公にしたと受け止められる言葉である。報道により南京市民の誤解を招いたというのは、とんでもない責任転嫁だ。
南京で虐殺がなかったという研究者はほとんどいない。日中歴史共同研究の日本側論文も「集団的、個別的な虐殺事件が発生し」と明記する。市長自身「非戦闘員の殺害はあっただろう」と認めており、日中で隔たりがある被害者数を問題にする意図であったのなら、そう明言すべきであった。
市長は共同研究を「学者の個人的見解」と批判するが、国や政治レベルで埋まらぬ歴史認識の溝を、少しでも客観的に埋めようとの知恵であった。中国主張の「三十万人」を市長が真っ向から否定しては、南京市側は率直な議論のテーブルにはつけぬだろう。
敏感な問題でも、政治家が主義主張を掲げるのは結構だ。だが、首長は政治家であるとともに自治体のリーダーでもある。歴史的な米中、日中国交正常化の扉を開いたピンポン外交の舞台である名古屋のトップの公式発言としては不適切だった。日中四十周年の記念すべき年に、友好都市が公の交流を停止し、記念行事や経済活動にも影を落とす。苦しい釈明ではなく、素直に撤回できないものか。
昨年春、南京市の公園で日中の百人以上が友好の桜を植えた。南京出身で十五年以上も名古屋に住む韓金龍さんが中心となり、過去五年で千本余を植えた。韓さんは「手を携えて桜を守り、友情の証しにしたい」と話した。
「公の交流停止」と言う南京市のシグナルを、敏感に受け止めてほしい。民の交流の根は深く、広い。民の交流を支えてこその市長であろう。
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