Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、致命的欠陥対策にドブ金か?

2013年09月15日 00時00分14秒 | Weblog


gendai.netの記事【馬淵澄夫氏が指摘 安倍政権の汚染水「抜本対策」に致命的欠陥】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144425)。

 五輪誘致なんて浮かれている自民党、安倍首相。東京電力原発人災の被災者や避難者に、猪瀬直樹 東京〝ト〟知事らを始め、ずいぶんと失礼な言動が続いた。そして、最終的なスピーチでは、「コントロールされた状態」「完全にブロック」というウソまで。
 心入替え、原発再稼働も原発輸出もきっぱりと止め、廃炉に向けた作業に邁進し、東京電力原発人災の対策に専心する、というのならわかるが・・・。汚染水漏れに集中して対処するというのならわかる。東電は、東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、さらに、汚染水漏れに対する対策費を「ケチ」ったあげく、例え税金が投入されても、致命的欠陥対策にドブ金か?

   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144425

馬淵澄夫氏が指摘 安倍政権の汚染水「抜本対策」に致命的欠陥
2013年9月7日 掲載

なぜ吉田所長も認めた工法を取らないのか

 世界が懸念している福島第1原発の汚染水問題。安倍首相は「国が前面に出て抜本的な措置を講じる。五輪招致に問題がないことを説明する」と言っているが、まったく説得力がない。なぜなら、安倍政権がやろうとしている抜本対策の目玉、「凍土方式」は、原発事故直後に却下された不適切工法なのである。

 民主党政権は当時、汚染水対策を馬淵澄夫首相補佐官に委ねた。馬淵は横浜国大工学部卒、建設会社技術職研究員の経歴を持つ。土木に詳しく、当時から地下水が汚染されることを問題視、吉田所長と対策を練ったという。馬淵に改めて、当時の経緯や凍土方式の問題を聞いてみた。

   「凍土方式は完成まで2年間もかかるだけでなく、工法自体にも
    問題があります。首相補佐官時代の2011年5月、私は
    遮蔽プロジェクトチームの責任者として、4種類の工法を検討しました。
    その結果、『凍土方式』ではなく、チェルノブイリで実績がある
    『鉛直バリア方式』を選定しました。凍結管を入れて土を凍らせる
    『凍土方式』はそもそも永久構造物ではなく、地下水流出を抑えて
    工事をしやすくするために一時的に設置するものです。これによって、
    地下鉄工事でトンネルを掘削しやすくなるなどの効果はあります。
    しかし、大きな汚染区域を取り囲んで地下水を遮蔽できるかというと、
    そんな実績はなかった。しかも、真水を凍らせるわけではないのです。
    地中の水分量の分布はバラバラだし、不純物の混ざり具合など、
    ありとあらゆる自然界の条件の中で、大規模の凍土壁を造って、
    地下水を完璧に遮断できるのか。非常に怪しいと思います」

 だから、「鉛直バリア(ベントナイトスラリーウオール)方式」が採用されたのだ。

   「これは地下30メートルの難浸透層まで掘り下げて地下遮水壁を造り、
    原子炉建屋の四方を囲んで完全に遮断しようという案です。壁の材質は、
    クラック(ヒビ)などが入るコンクリートではなく、ベントナイトと呼ばれる鉱物が
    入った粘土を使うことになった。これで原子炉建屋の放射性物質を封じ込め、
    地下水流入も防げる。私は2011年6月11日、国会議員として初めて
    原発のサイトに入って、吉田所長とともにこの地下遮水壁の境界を
    確定する仕事をやりました。吉田所長は当初、『他の工事と干渉する』
    という理由で地下遮水壁建設に反対した。当時は、粉塵を封じ込める
    飛散防止剤散布や建屋を覆う工事などが並行して進んでいたからです。
    それでも吉田所長を説得して、地下遮水壁を進めようということになった。
    ところが、6月に記者発表をする段階で、東電からストップがかかった
    『(地下遮水壁工事で)新たに1000億円の費用が発生すると、
    株主総会に影響を与えるから待ってくれ』というのです」

 結局、地下遮水壁のプランは、馬淵がその後、首相補佐官を外されたこともあって、立ち消えになっていく。大甘の東電は海側にだけ遮水壁を造ることにして、お茶を濁し、これが目下の惨状を招いたのだ。

 当時から遮水壁建設に取り組んでいれば、今頃、汚染水であわてることはなかった。五輪招致でつっつかれることもなかったわけだ。

   「これからベントナイトスラリー方式をやっても完成まで時間がかかる。
    緊急対策として鋼鉄製の矢板を打ち込んで、山側の地下水の流入を
    止めるべきです。今後はそれを提案しています」

 無責任東電泥縄安倍政権に任せていても、どうにもならない。

(取材協力・横田一
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●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・

2013年09月14日 00時00分41秒 | Weblog


東京新聞の記事【首相強弁「汚染水問題ない」 IOC委員質問に回答 実際は外洋漏えいも】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090802000137.html)。

 世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・。無責任自民党の本領発揮である。
 安倍晋三首相は「汚染水の影響は、福島第一原発の港湾内の〇・三平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と断言し、福島第一原発事故について「状況はコントロールされている」、さらに、近海のモニタリングの結果、「数値は最大でも世界保健機関(WHO)の水質ガイドラインの五百分の一」とアピールしたそうだ。この三つの発言、一体どんな根拠があるのだろうか? 例えば、最後の発言、近海の魚介類の体内での濃縮について、どんなデータを持ち、どんな認識を持っているのか? 加えて、「健康問題については、これまでも今も将来もまったく問題ないことを約束」した。

   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●五輪誘致に浮かれ、原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国

 ネズミ・タコ・イタチに次いで、米マスコミから「モグラ叩き」と懸念が示されたが、汚染水の漏出について、東電が対策費を「ケチ」った凍結方式に拘るのだろうか? 効果は低いという噂だが・・・。

   『●「危機感が伝わらない」: 東京電力原発人災後の漏水問題
   『●所詮机上の空論、原発など動かさないことが最良の道
   『●ネズミ騒動、それともタコの足か? 原発の想定不適当事故!?
   『●東京電力原発人災処理、計画性もヘッタクレもなく

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090802000137.html

首相強弁「汚染水問題ない」 IOC委員質問に回答 実際は外洋漏えいも
2013年9月8日 朝刊

 二〇二〇年夏季五輪の開催都市を決めるIOC総会で、安倍晋三首相は東京電力福島第一原発の汚染水漏えい問題について、「まったく問題はない。汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調した。 

 安倍首相はプレゼンテーションで「東京は世界で最も安全な都市の一つ」とアピール。福島第一原発事故について「状況はコントロールされている。東京にダメージを与えることは許さない」とした。この発言に対し、IOC委員が質疑応答で、東京に影響がない根拠を尋ねた。

 首相は「汚染水の影響は、福島第一原発の港湾内の〇・三平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と断言。近海のモニタリングの結果、「数値は最大でも世界保健機関(WHO)の水質ガイドラインの五百分の一。日本の食品や水の安全基準は世界で最も厳しい基準だ」とアピールした。

 だが、福島第一原発では毎日汚染水を含む大量の地下水が漏えいしている。先月には地上タンクから約三百トンの処理水が漏出。外洋につながる排水溝に沿って、処理水と同じ特徴を示す高濃度の放射性ストロンチウムなどを含む水が確認され、外洋に漏れた可能性が極めて高い。港湾内の水についても、東電は、外洋と完全にブロックされた状態ではなく、水が行き来していると説明している。

 首相は「日本のどの地域でもこの基準(食品や水の安全基準)の百分の一であり、健康問題については、これまでも今も将来もまったく問題ないことを約束する」とし「抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」と強調した。

 プレゼンテーションを終えた安倍首相は、報道陣に「汚染水については完全にブロックされていると伝わったと思う。(汚染水問題は)数日前から私の口からはっきり伝えようと思った」と話した。
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●柏崎刈羽原発再稼働を画策するような東電は十分に責任を果たしたのか?

2013年09月13日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞の記事【東電、費用公表に難色 「四方遮水壁 1000億円規模」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090302000238.html)。

   『●不必要・無駄・危険な原発再稼働を許してはならない
   『●「馬」や「鹿」の耳にどうすれば大飯原発再稼働反対の「声」は届くのか?
   『●東電には柏崎刈羽原発再稼働など口にする資格はない
   『●東京電力に再稼働なんてさせてはならんでしょ
   『●原発施設と断層、驚きを通り越して呆れる
   『●原発稼働は経営だけの問題なのか?
   『●当事者能力がなくなっても原発を動かしたいという中毒症状
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?

 もちろん内在的価値の喪失等、幾ら東電がお金を出したとしても償いようは無い。でも、柏崎刈羽の再稼働画策など許されることじゃない。そんなヒマとカネがあるのなら、すべてを東京電力原発人災に集中すべき。ここに「ケチ」ったり、自民党のために情報を隠蔽するなんて許されない。

   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

 「地下の四方に造るはずだった遮水壁は海側にしか造られず東電側はこの設置費も公表していない。・・「・・決して予算面での判断ではなかったと強調していた」そうだか、必要な情報も公表せず、信じろと言われても。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090302000238.html

東電、費用公表に難色 「四方遮水壁 1000億円規模」
2013年9月3日 夕刊

 東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民らでつくる福島原発告訴団は三日、東電が汚染水対策として原発地下の四方に遮水壁を造るのが「最も有力」と位置付けながら、一千億円規模の費用や着工時期を公表しない方針を記していた内部文書を入手したと発表した。遮水壁は結局、海側にしか設置されていない。 

 告訴団は同日、汚染水漏れは管理のずさんさが招いた公害だとして、この内部文書のコピーなどを添え、公害犯罪処罰法違反容疑で東電幹部らの告発状を福島県警に提出した。

 告訴団によると、入手したのは原発事故から約三カ月後の二〇一一年六月に、東電から政府側にあてた内部文書という。発電所の四方に壁を造って遮水する「地下バウンダリ」という対策について、基本仕様や記者発表の対応方針が書いてある。

 このうち「基本仕様について」と表題のある文書は、1~4号機原子炉建屋などの地中の四方を囲む遮水壁の工事は設計がまとまり次第、着手する予定とし、「高濃度の滞留水(汚染水)をこれ以上海洋に流出させないために、『後追いにならない備え』とする」と明記している。

 だが、併せて作成されたとみられる記者発表に関する文書では、遮水壁は設計次第で一千億円規模の工事費がかかる可能性があり、「仮に一千億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいたとの厳しい評価を受ける可能性が大きい。是非回避したい」と記述。発表する際は着手時期や費用を「今後の調査・設計次第で不明」とする方針を伝え、政府側に理解を求めている。

 地下の四方に造るはずだった遮水壁は海側にしか造られず東電側はこの設置費も公表していない。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は先月の会見で「建屋地下の汚染水は地下水位との微妙なバランスで管理している。不用意に陸側に壁を造ると、バランスを崩す恐れがあった。技術的側面の判断で、決して予算面での判断ではなかったと強調していた。

 東電はこの文書について本紙の取材に回答せず、告発状については「コメントは控える」としている。
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●すぐさま廃炉作業に着手を!

2013年09月12日 00時00分42秒 | Weblog


マガジン9(http://www.magazine9.jp/)に出ていた記事【時々お散歩日記(148)】(http://www.magazine9.jp/osanpo/130821/)。

   『●電気代比較の脅しと詐欺: 比べるべきは「2倍か、1.7倍か?」、だった・・・
   『●電気料金値上げ論: 「1倍か、2倍か」じゃなく、「2倍以上か、1倍以下か」

 つくづく、すぐにでも原発廃炉作業に取り掛かるべきで、原発再稼働や原発輸出なんて検討することさえおこがましい、と思います。
 それにしても費用は一体いくらになるのか? 記事が云うように、
  
   「しかも、白々しく断っているように「原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の
    恒久処理・隔離・管理に関しては未定」なのである。つまり、その費用が
    いくらかかるか分からないので、廃炉費用には入れていない、
    ということを意味する」
  
本記事の引用箇所では、
   
   「原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理に
    関しては未定。数千~数万年が必要
   
とある。「数千~数万年」・・・って、平気で書けることが信じられない。

   『●100万年間核のゴミを管理するなんて言うことはおこがましい
    「(日本政府の云う)100万年どころか(オンカロの)10万年間、
     核廃棄物核のゴミを管理するなんて、原発推進派は傲慢である。
     遺伝子レベルでヒトを分類・解析した結果は、一見全く関係の無い
     話のようではあるけれども、そういうことに気づかせてくれる。
     それほど長大な期間だ。100,0000年10,0000年後なんて、
     核のゴミを生み出している我々の世代の誰一人として、
     責任の取りようもない。無責任極まる。」
   
   『●リラッキングとオンカロ
   『●まずは第一歩目かな・・・??
   『●10万年という数字に慄く

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http://www.magazine9.jp/osanpo/130821/

2013-08-21up
時々お散歩日記(148)
鈴木耕

廃炉作業の費用と期間に隠されている
原発の真っ黒な現実
廃炉だけに特化した「廃炉庁」を早急に作れ!

 毎日新聞(8月19日付)の特集記事が興味深い。イギリスの原発廃炉作業に関する2面にわたる特集だが、それを日本の場合と比較して調べているところがなかなかいい。
 まず、イギリスの例ではこんな具合だ。

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解体先進国」英の原発
稼働26年 廃炉90年


 世界で最も廃炉作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。1993年の作業開始から20年。責任者は「既に99%の放射性物質を除去した」と説明するが、施設を完全に解体し終えるまでになお70年の歳月を要する。(略)
 65年に運転を開始し、91年に停止した。原子炉の使用済み核燃料(燃料棒)は95年に取り出されたが、圧力容器周辺や中間貯蔵施設内の低レベル放射性物質の放射線量は依然高い。このため2026年にいったん作業を停止し、放射線量が下がるのを待って73年に廃棄物の最終処分など廃炉作業の最終段階に着手する。(略)
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 なんとも気が遠くなるような話だ。これまでに20年間を費やして廃炉作業を行ってきたが、最終処理まであと70年かかるという。つまり、合計で90年の歳月が必要ということになる。しかも、これは深刻な事故を起こしたわけでもなく、普通に運転をして普通に廃炉作業に入った原発で、なおかつ23.5万キロワットという小さな原発である。それでもこれだけの時間が必要なのだ。
 問題はそれだけではない。大きくのしかかるのが「廃炉費用」だ。このトロースフィニッド原発の廃炉にかかる総費用は約6億ポンド(約900億円)になるという。だがこれは、現段階での試算あと70年間に、それがどうなるかは実は誰にも分からない
 この費用問題について、同記事は次のように書く。

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(略)事故を起こした東京電力福島第一原発1~4号機を除けば、国内の商用原発で廃炉作業が実施されているのは、日本原子力発電 東海原発(出力16.6万キロワット、炭酸ガス冷却炉)と中部電力浜岡原発1号機(54万キロワット、沸騰水型)、同原発2号機(84万キロワット、同)の計3基にとどまる。
 日本原電は、東海の廃炉費用を計850億円と見込み、2020年度までに終了させる予定。中部電は浜岡1、2号機の2基で841億円かかると想定し、36年度までに終える計画だ。(略)
 一方、福島1~4号機の廃炉費用は「青天井」になっている。東電は4基の廃炉処理にこれまで9579億円を投じたが、放射性汚染水問題については収束のめどが立たないうえ、溶けた燃料の回収・保管には新たな研究開発費用が必要となる。(略)
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 だいたい、この廃炉費用の各電力会社の概算が怪しい。ほんとうに、こんな見積もりで廃炉は可能なのか?
 イギリスは「廃炉先進国」と言われている。その先進国が「廃炉には計90年かかる」と想定しているのに、日本の場合、例えば東海原発ではこんな工程表が作成されている。

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原子炉領域解体前工程  1998~2013年(16年間)
原子炉領域解体撤去   2014~2019年(5.5年間)
原子炉建屋解体撤去   2019~2020年(1.5年間)
原子炉領域以外の撤去  2001~2020年(18.3年間)
放射性廃棄物の短期処理 1998~2020年(23年間)
原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理に関しては未定数千~数万年が必要(2020年~)。
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 この工程表を、前出のイギリスの例と比べてみるがいい。その楽観的見通しに愕然とする。東海原発は2020年までに、つまり、作業に入ってから23年間ですべての廃炉処理が終了するとしているが、イギリスの場合は90年間を要する、と言っているのだ
 出力はほぼ同じ程度だし、炭酸ガス冷却炉方式も同じ。ならば、なぜこんなにも処理期間に差があるのか。日本の廃炉技術がイギリスと比べ、3分の1ほどに期間を短縮できるほど進んでいるというのか。

 東海原発の場合はともかく、東電福島事故原発の最終的廃炉に、いったいどのくらいの期間が必要なのか。東電によれば、こんな具合だ(NHK6月27日配信)。

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 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた工程表の改訂を、政府と東京電力は、27日の会議で正式に決定しました。(略)
 溶け落ちた核燃料の取り出しを始める時期について、1号機から3号機の号機ごとに差をつけているのが特徴で、最も早いケースでは、1号機と2号機でこれまで目標としていた平成33年(=2021年、注・NHKはなぜか西暦を使わない)度末より1年半、前倒しするとしている一方、現場の状況によっては、すべての号機で反対に遅くなるおそれもあるとしています。そして、核燃料を取り出したあとの原子炉建屋の解体など、廃炉の作業は最長40年に及ぶとしています。(略)
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 ほとんど絵に描いた餅だろう。
 安定的に冷却停止し、スムーズに廃炉作業に入った小規模の原発でさえ、イギリスの場合は90年が必要といっているのだ。溶融核燃料がどこにあるかさえ分からず、現在も大規模な高濃度汚染水の漏出を止めることすらできていない東電や政府が、廃炉作業は「最長で40年」…。よくもこんな工程表を恥ずかしげもなく発表できるものだ

 廃炉費用にいたっては、本政府(経産省)の試算のいい加減さは目に余る
 東海原発は廃炉費用を885億円と見込んでいるが、それはあくまで23年間で終えるという想定上でのこと。この期間が延びれば、当然のように費用も増えていく。しかも、白々しく断っているように「原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理に関しては未定」なのである。つまり、その費用がいくらかかるか分からないので、廃炉費用には入れていない、ということを意味する。
 要するに、数万年かかるはずの処理・隔離・管理の費用はまるでここには含まれていないということだ
 こんな無責任な話があるだろうか。ツケはすべて未来の世代へ遺しておく。「いくらかかるか知らないが、あとはよろしく」というわけだ。これがこの国の「原発行政」の実態なのだ。

 さらに廃炉作業を難しくしている事情がある。それは「初期に建設された原発は将来の廃炉を想定して設計されていない。初めて経験することが多く、手探りの作業だ」と記事の中でイギリスの作業計画部長が語っている点だ。
 実は同じことが、日本の原発にも言えるのだ。
 福島原発が爆発したとき、現場は大混乱に陥った。その大きな原因のひとつに、基本設計図が見当たらなかったことが挙げられている。福島第一原発1号機は1971年に運転開始という古い原発だ。その設計・建設は、ほぼ米GE社の主導で行われた。このときの基本設計図は、GE社が特許権等をたてに全面開示しなかったといわれている。
 そんな事情なのだから、この当時の設計思想に将来の廃炉計画が反映されていたとはとても思えない。まさに、手探りで廃炉作業を進めていくしか方法はないのだ。
 しかも、例の「安全神話」に象徴されるように、当時の設計思想に「過酷事故後の処理方法」などが盛り込まれていたとは考えられない。であれば、過酷事故処理費用など、これまで世界中の誰も試算したことはないということだ。

 東電はこれまでに、1兆円近くの廃炉費用を、福島事故原発に投入しているが、これがどこまで膨らむか、東電内部でも試算不能との声も挙がっていると聞く。最近の高濃度汚染水の海洋漏出の惨状を見れば、もはや東電は当事者能力を完全に失っているとしかいえない。
 そのため、ついに政府が費用投入して、汚染水対策に乗り出さざるを得なくなった。ここに、いったいどれだけの我々の税金が投入されるのか、多分それは天文学的数字になるだろう。
 しかも破廉恥なことに、東電は「柏崎刈羽原発を再稼働しなければ、電気料金の再値上げも考慮せざるを得ない」と、またしても電気代を人質にして我々消費者を脅迫している。政府は我々の税金を汚染水処理に投入、さらに東電は電気代値上げで我々消費者からむしりとる。これが「原発事故処理」ということなのだ。

 前出の記事によれば、2007年に経産省が試算した廃炉費用は、全原発(54基)廃炉の場合は、総計で3兆円だったという。
 これは、全原発が安全に冷温停止し、すんなりと廃炉作業に入れた場合の試算だ。福島原発事故などのような想定は一切ない。それでも3兆円。しかし、この試算もそうとうにおかしい。前述したように、廃炉に伴う最終処理、すなわち「高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理」費用が、ここには一切含まれていないのだ。数万年単位の気が遠くなるほどの時間が必要とされる維持管理に莫大な金がかかるのは、それこそ小学生にだって分かる。
 それを、経産省も電力会社も学者も、みんな目をつぶって無視してきたわけだ。

 前出の記事を繰り返すが、イギリスの場合はもっと費用も大きく見積もっている。

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(略)一方で廃炉のコストは国民に重くのしかかっている。英国政府は発電効率が悪い初期の原発は民営化できないため早期に停止させることを決定。こうした旧型原発については政府が保有し、廃炉費用も政府負担と決めている。政府が負担することになる費用の総額は約590億ポンド(約8兆8500億円)と見込まれているが、さらに膨らむ可能性もある。(略)
 トロースフィニッド発電所の場合も、05年度時点で約3億ポンド(約450億円)と見積もられていた廃炉費用は作業過程でコストがかさみ、12年度の見積もりでは約6億ポンド(約900億円)と7年間で2倍に膨らんだ。稼働中に引き当てられていた積立金は新規原発建設などに回されたため十分でなく、廃炉コストは最終的に税金で穴埋めされる予定だ。(略)
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 イギリスでは29基の原発の廃炉が決まっている。その廃炉費用も含めた政府負担が8兆8500億円だという。ところが日本の経産省試算では54基廃炉でも3兆円ほど。この試算がおかしいと思うほうが、普通の感覚だろう。
 むろん、福島原発廃炉費用を含めたら、一体いくらになるのか、見当もつかない

 原発はよく「トイレのないマンション」といわれる。
 もし本気で「原発トイレ」を造ろうとすれば、それは数万年単位の維持管理が必要で、凄まじい金額をかけ続けなければならない究極のトイレ」だ。しかもそのトイレは入ったら最後、どんな悪影響を身体に受けるか分からない危険この上ない「地獄のトイレ」なのである。
 これほどに難しい危険なものを、なぜまた再稼働させようとするのだろうなぜこれからも外国へ売り込もうとするのだろう

 僕は「デモクラTV・本会議」などで「廃炉庁を作れ」と主張してきた。
 汚染水処理ひとつまともにできない東京電力に、もはや「廃炉」を任せておくわけにはいかない。原子力規制委員会も足許がふらついている。つまり、責任を持って「廃炉」を行える組織が、こんな事態になってもどこにもないのだ
 ならば、他のことには一切関わらず、ひたすら「廃炉」だけを目的とした「廃炉庁」が必要なはず。政府からも電力マフィアからもどこからも影響を受けず、完全独立した「廃炉庁」を早急に作らなければこの国の未来はないと、僕は強く思うのだ。
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●『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207)についてのつぶやき

2013年09月11日 00時00分54秒 | Weblog


自然と人間』(2013年9月号、Vol.207)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 最も注目の記事は、やっぱり、粟野仁雄さん【小出裕章氏にインタビュー それでも原発全廃しかありえないのです】。

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■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 森達也さん【第90回つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?】、「ピースボート・・キプロス・・壁に描かれていた落書き。銃より音楽。・・人々は平和を求めている。でも政治がそれを許さない」。この国も同様(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a331ae6c3befbcaa0c0d970863a3d635

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 半田滋氏【安倍政権の防衛政策 他国への武力行使容認に踏み出す】、「法制局長の首のすげ替え」「クーデターに等しい安倍政権の暴走」「国の形が変わる」「専守防衛の国是がとろけ始めた」「3年間の白紙委任状を与えてしまった」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/894e490b6fcc1055646841b25155b510

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 村田くみ氏【国民が知らぬ間に改悪される社会保障制度 数の力を崩すには反対の声の結集しかない】、「消費税を上げるのに、社会保障給付は減」「介護の分野も弱者も切り捨て」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c007564828f64859e07763882b08f63c

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 花烏賊康繁氏【山形の農協がカルテル? 公取委が立ち入り検査】、「農協の要望は一切聞かない」(安倍首相)、「TPP断固反対の農協への嫌がらせか?」「公取委もしょせん国家権力、権力の思惑で動く」。横田一さんも同じような指摘(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/729cf23ac0b95c5874f18c1102093165

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 森田実さん【安倍極右政権による独裁的反平和政治の危うさ】、「「野党なき」政治状況の危うさ――極右・反平和政治の暴走のおそれ大」。「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/894e490b6fcc1055646841b25155b510

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 粟野仁雄さん【小出裕章氏にインタビュー それでも原発全廃しかありえないのです】、ビジョンなき「再稼働」の動き」「はじめから汚染水は漏れ出ていた」「祈るしかない 4号機の危機的状況」「規制委員会も原子力ムラだ!」「危険な被ばく限度基準」「絶望的でも諦めない」

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 濱一己氏【日高原発の建設を止めた漁師たちの闘い】、「反原発の科学者らが勉強会」「原発推進派をつくる手口」「脱原発後の日高町に活気が」。熊取6人組http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f4618f1153c07bdf5eb2472912d7c270

■『自然と人間』(2013年9月号、Vol.207) / 【大谷昭宏の言いたい放題/参院選圧勝の自民党 アベノミクス成功の如何にかかわらず憲法改正に向かう】、「野党は「憲法を変えない」一点で協力を 国民も巨大政党の横暴に目が覚めるときがくる」
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●「O・ストーン&P・カズニック 戦争と歴史を語る」 『週刊金曜日』(9月6日、958号)

2013年09月10日 00時00分55秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年9月6日、958号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、明石昇二郎さん【汚染水漏れ東電の責任を問う 公害罪容疑で告発】と横田一さん【放射能汚染水漏れ対策より五輪招致を優先? 後手の対応で、リスク管理能力の欠如を国際社会に印象付けた安倍政権】。

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■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 「オリバー・ストーン&ピーター・カズニック 戦争と歴史を語る」「社会保障は自己責任論 特集超高齢化社会の恐怖」。雨の中到着。桐島瞬氏【東京オリンピックの候補会場で測定 放射線量の高い競技場が複数】。原発回帰(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/331069cb868332f14faa2fcd56f3f917

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 片岡伸行氏【全国の税理士一三八人がアピール 消費税増税は中止を!】。斎藤貴男さん『消費税のカラクリ』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d435ba4950c1d381994c047fc001d0d9)を読めば読むほど消費税増税なんて絶対にダメ!

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 渡辺仁氏【東京高裁「」値下げ禁止圧力は違法 セブン-イレブンに賠償命令】、「原告オーナー四人に損害賠償金「一一四〇万円」を支払うよう命ずる判決」。古川琢也さんら『セブン-イレブンの正体』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7e309ae417490bc5365050e446161ce6

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 明石昇二郎さん【汚染水漏れ東電の責任を問う 公害罪容疑で告発】。「汚染水モニタリングを怠ったばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」も(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 片岡伸行さん【黒塗りの手紙とファシズムの今 辺見庸さんが講演】、「確定死刑囚の大道寺将司さんから届いた手紙に「初めて黒い塗りつぶしがあった」ことを明かし」た。大道寺さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/35b4a5e3100d5fe0b0005ac7fcbf5f59

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 横田一さん【放射能汚染水漏れ対策より五輪招致を優先? 後手の対応で、リスク管理能力の欠如を国際社会に印象付けた安倍政権】、「東電が工事費を出し渋り」「国会審議を先送り」。要は「ケチ」った訳だ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e149f5cdde7b7362657ff5f22eb98e29

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 【大藤理子の政治時評耐用年数5年のその場しのぎ 5年後のことは不明。つまり日本社会自体が「フランジ型」】。ネズミ・タコ・イタチ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2a91ca570da7cc1fe3d1de9bcc6997c5)につづいて、米メディアから「モグラ」叩きとも

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 浅野健一さん【「逮捕時の実名」問う初の裁判 冤罪・名古屋「契約偽造」】、「・・氏によると、県警中署の・・警部補は「お前の悪行情報を得るために新聞発表したんだ。悪事の報告が毎日寄せられているぞ」と取調室で恫喝し、再逮捕を匂わせたという」

■『週刊金曜日』(2013年9月6日、958号) / 岩本太郎氏【ネットで本音漏らし 「しばき隊」の戦術で原発推進デモが失敗】、「本欄で事前告知を「してあげた」・・「原発推進デモ」だが、実質的にこれは壮絶な失敗に終わった・・個人攻撃が本音なのを主催者側がネット上で漏らして・・批判が続出」
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●五輪誘致に浮かれ、原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国

2013年09月09日 00時00分48秒 | Weblog


mainichi.jpの記事【福島第1・汚染水:海外メディア辛辣報道】(http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c.htmlhttp://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c2.html。gendai.netの記事【元スイス大使が緊急提言「IOCは原発事故の真相を知っている」】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144409。asahi.comの記事【(康介が斬る)汚染水漏れは敗因になるのか】(http://www.asahi.com/special/2020hostcity/articles/TKY201309050403.html?ref=comtop_fbox_d1)。東京新聞の記事【大飯、再稼働審査へ 活断層否定 根拠のデータ示さず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090602000150.html)。

   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

 2020東京五輪が決まった。東京「に」(さえ)影響なければ、それでよいのだろうか・・・。汚染水は完全にブロックされているのだろうか・・・。
 五輪に浮かれ、あろうことか、原発再稼働・輸出を目指している我国。目指すべき道は、廃炉しかないはずなのに。
 五輪誘致に浮かれているドサクサに紛れて、原子力「規制」委員会原子力「推進」委員会となり、大飯原発に再稼働のお墨付きを与えようとしている。活断層が在ろうが無かろうが知ったことか、という訳である。これで「規制」委員会だとさ、呆れかえる。

   『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●私的原子力「推進」委員会に「規制」などできる訳がない
   『●ムダ首相・ムダノ経産相の二枚舌にウンザリ
   『●不断の監視が必要な原子力「推進」委員会
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス
   『●パブリックコメントで一般市民の「反原発」意思は集約済み

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http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c2.html

福島第1・汚染水:海外メディア辛辣報道
毎日新聞 2013年09月04日 11時20分(最終更新 09月04日 13時15分)

 東京電力福島第1原発の汚染水事故で、海外メディアが日本政府や東電に厳しい目を向けている。2020年夏季五輪の開催地決定を前に470億円の国費投入を打ち出したことも「東京の集票目的」とみなされ、反応は極めて辛辣(しんらつ)だ。後手に回った汚染水事故が、五輪招致のみならず、日本政府の信用に影を落としている。【朴鐘珠、ベルリン篠田航一】

 猪瀬直樹東京都知事が国際オリンピック委員会(IOC)総会のためブエノスアイレスに乗り込んだ2日、都内の日本外国特派員協会で原子力規制委員会の田中俊一委員長が記者会見に臨んだ。記者席は満席、立ったままの記者もいた。

 田中氏が、汚染水の放射性物質の濃度を基準値以下に薄めて海へ放出するのもやむなしと発言すると、仏AFP通信は「福島の(汚染)放水避けられず」と速報。オーストラリアの全国紙は「海を核の捨て場に」の見出しを掲げ「環境保護論者や漁業関係者、近隣諸国の激しい怒りを買うだろう」と伝えた。

 会見で田中氏に質問したフランスRTL放送の記者、ジョエル・ルジャンドル氏は3・11以前から日本で取材している。フランスも原発大国。同氏は原発への賛否以前の問題として、東電の企業体質に嫌悪感を抱いていると語る。「報を公開せず、疑惑が浮上するとまず全否定する。ほとぼりが冷めたころに事実を認めるので非常にずる賢い。日本人や日本メディアの忘れやすい気質を利用している

 マドリードに本社を置くスペイン通信社の東京支局の男性記者、アンドレス・サンチェス・ブラウン氏(33)は、震災後に宮城でボランティアをしながら、福島の被災者を取材してきた。参院選直後に汚染水漏れが発表された背景に意図的なものを感じており「東電をウソつきとまでは呼ばないが、事実を矮小(わいしょう)化させ発表しているのが分かる」と言う。

 外国人記者の東電への不信感は、世界各地の報道に反映されている。独紙フランクフルター・アルゲマイネは「東電は外国人記者に『原発は制御下にあり危険は全くない』と説明したが、汚染水は太平洋に流れ込んでいた。こうしたウソと隠蔽(いんぺい)工作で、東電が本当に事故から学んだのかと国民は疑念を深めている」と非難した。

 批判の矛先は、原発再稼働と輸出に突き進む安倍晋三政権にも向かう。米紙ニューヨーク・タイムズは「安倍首相が事故処理に積極的な役割を果たすと約束した2週間後に汚染水漏れが発覚した。約束に対する首相の真剣味が問われる」と指摘。政府が3日発表した470億円の汚染水対策費について、米AP通信は「大部分が発表済みのもので、五輪開催地の投票を前に安全性の宣伝との見方が大勢」と伝えた。4日付の韓国有力紙、朝鮮日報は論説委員のコラムで「(IOC総会を意識した対策ということが)事実だとすれば、日本は原発を安全に管理する能力も良心もない国だ」と書いている。

 サンチェス・ブラウン氏は、五輪候補地のライバル、スペインでは汚染水という「敵失」を歓迎するような報道は見当たらないとしつつも「五輪には海の競技もある。東京湾が福島から離れているとはいえ、汚染水が選考委員に良くない印象を与えているのは確か」と厳しい見方を示す。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/144409

元スイス大使が緊急提言「IOCは原発事故の真相を知っている」
2013年9月6日 掲載

最終情勢

<「もはや日本に勝ち目はない」>

 欧米メディアが福島原発の汚染水を問題にしはじめている。国際社会は日本をどうみているのか、東京五輪はどうなるのか――。原発問題に詳しく、公述人として国会にも出席した元スイス大使の村田光平氏に話を聞いた。

 2020年五輪の開催地に東京が選ばれる可能性はかなり低いでしょう。いまからでも日本は、五輪招致を辞退すべきです。

 日本政府は福島原発の問題を国際社会から隠そうとしてきました。でも、とっくに世界は原発事故の深刻さに気づいています。欧米メディアが一斉に取り上げているのをみれば明らかでしょう。海に汚染水を流し続けているのだから、もはや日本だけの問題ではないということです

 ドイツの「キール海洋研究所」が昨年、福島原発事故によって太平洋がどうなるか、6年後の放射能汚染をシミュレーションしています。太平洋は真っ赤になっている。当然、IOC委員のメンバーも、シミュレーションの中身を知っているでしょう。

 また「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)は6月上旬、「原発事故は解決から程遠い」と声明を出しています。

 アメリカでは福島原発について、1億人の署名運動が始まりつつある。日本政府に任せていては不安だから、アメリカ政府が解決に乗り出すべきだと、オバマ大統領に直訴するそうです。

 世界中が危惧しているように、もはや民間の東電に汚染水問題を解決できないことはハッキリしています。残念ながら日本政府も解決できないでしょう。いま安倍政権がやるべきことは、国家を挙げても処理できない事実を国際社会に正直に公表することです。そのうえで、国際協力を仰ぐしかありません

 いま日本は、福島原発事故を収束できず、国際社会に不安感を与えている。この先、世界中に協力を求めなくてはいけない。なのに、オリンピックを開催しようというのは、あまりに無責任だし不道徳です。

 もはや、東京に勝ち目はないと思います。もし、東京開催が決まったら、IOC委員会は存在価値や見識を問われるでしょう。IOCは原発事故の現実を知らないのか、と必ず批判される。でも、IOCはそれほどバカじゃないと思う。

 五輪招致のために安倍総理がブエノスアイレスに行くのは、国家の危機である事故処理よりも、オリンピックを重視したと捉えられても仕方がない。総理はブエノスアイレス行きを断念すべきです。

▽村田光平(むらた・みつへい) 61年東大法卒。外務省入省。セネガル大使、スイス大使などを歴任。東海学園大名誉教授。
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http://www.asahi.com/special/2020hostcity/articles/TKY201309050403.html?ref=comtop_fbox_d1

2013年9月5日20時46分
(康介が斬る)汚染水漏れは敗因になるのか

 【編集委員・稲垣康介】アルゼンチン・ブエノスアイレスで日が暮れようとしていた4日午後6時すぎ、私はヒルトンホテルのロビーにいた。

 高円宮妃久子さまが到着し、2020年五輪招致をめざす東京の招致委幹部たちも勢ぞろい。一見なごやかなムードにも映る。

 しかし、一人ひとりをつかまえると、東京招致委の午前中の記者会見での「失態」が、暗い影を投げかけていた。

 「disastrous(破滅的な)!

 記者会見が終わった直後、知り合いのAFP通信記者が私に投げかけた感想は辛辣(しんらつ)だった。私の思いも同じだった。「ひどすぎる」

 前夜の動きから振り返ってみる。

 東京の招致委幹部は3日夜、支持を取りつけているアフリカの国際オリンピック委員会(IOC)委員に怒られたという。

 「せっかく応援しているのに、ホテルの部屋でテレビを見たらがっかりだ。イスタンブールは招致委員会の記者会見、マドリードはバルセロナで活躍するサッカー・アルゼンチン代表のメッシがマドリード支持を訴える話題が報じられている。だが、日本は福島の原発の汚染水漏れのニュース。話にならない」

 東京にとって名誉挽回(ばんかい)のチャンスが4日、ブエノスアイレスでの初の公式記者会見だった。想定問答集で用意すべきテーマは一つで良かった。

 「東京電力福島第一原発の汚染水漏れの不安をどう振り払うか」

 IOC委員は、この問題をどれほど気にしているのか。3日夕、ヒルトンホテルのロビーで何人かに聞いた。最も的を射ていたと感じたのは、副会長セルミャン・ウン(シンガポール)の助言だった。「東京が票を伸ばすのに一番効果があるのは、あなたたち記者が汚染漏れについて尋ねないことだ。委員の脳裏に刻まれるから」

 一方で、日本政府の対応には手厳しかった。

 「安倍首相が最終プレゼンに参加するなら、きちんと原発問題について触れるべきだ。質問が出たら答える、という形ではなく、先取りして、震災後2年以上たち、なぜ今のような状態にあるかを説明すべきだ」

 4日の記者会見。質疑応答で出た質問は六つ。汚染水漏れについてが四つを占めた

 招致委理事長の竹田恒和は「何も心配することはなく、安全だと繰り返した。満足いく回答が得られない記者から似た質問が続く。「IOC委員の投票への影響は?」と角度を変えた質問を投げかけられても竹田は自らの主張を繰り返した。

 最初は英語で答えていたが、4度目の質問で日本語に切り替えた。でも、残念ながら中身に変化はなかった。

 「さきほど申し上げましたように水、食料、全く問題なく、3500万人の市民が首都圏に住んでいます。放射能の問題は全くないこれまで一人の問題もない。ロンドン、パリ、ニューヨークとほぼ同じレベル福島とは、ほぼ250キロ離れている

 私が最も違和感を覚えたのは、ここだ。福島から250キロ離れているから大丈夫だと言うけれど、「東京だけ安全ならそれでいい」と受け取られかねない。福島に暮らす人々が、避難を余儀なくされた人々が、この発言を聞いてどう感じるだろう

 実は、こうした発言は初めてではない。招致委専務理事の水野正人が海外メディアのインタビューに「東京は福島と違う」といった趣旨の答えをしたことがある。

 容赦なく畳みかけてくる外国メディアの攻勢を真正面から受け止めたことで傷口を広げた面もある。何ごとも誠実に対応しようとする日本人の美徳なのだが、取材対象の弱みを逃さず突いてくる外国人記者には、格好の標的となってしまった。

 私の脳裏に、白髪交じりの長髪がトレードマークの、小柄な英国人の顔が浮かんだ。

 マイク・リー。2012年大会のロンドン招致、16年大会のリオデジャネイロ招致、22年サッカーW杯ではカタールを招致成功に導いた腕利きのPR戦略アドバイザーだ。彼が記者会見を半ば強引に切り回し、危機を救ってきた場面を幾度も目撃してきた。

 4年前のIOCコペンハーゲン総会のリオデジャネイロには「犯罪率の高さ」「公共交通網の未整備」などの弱点があったが、英語が不得意なルラ大統領に答えさせるのではなく、自らデータを示し、その後の質問を遮ったりもした。記者からすれば迷惑な存在だが、英語が母国語ではない国の立候補都市には心強い防波堤になる。

 ただ、ネックなのは法外とも言える契約金。4年前に取材したとき、「私は1日5000ドル(約50万円)以下では契約しない」とリーが語っていたのを耳にした記者がいて、評判になったのを覚えている。

 実は、リーとの契約を東京の招致委が検討していた時期があった。5月末、ロシア・サンクトペテルブルクで開かれたスポーツ国際会議でリーと接触を持ち、さほど割高ではないオファーを受けていた。

 しかし、強引な手法を押しつけるリーがチームに加わることで不協和音が生まれる恐れがあり、「真摯(しんし)なイメージを貫いてきた東京にそぐわない」などの理由で契約に至らなかった。

 4日、竹田の記者会見での失態を知った東京招致委幹部はリーとの契約に至らなかったことを悔やんだ。

 今回の招致レースで立候補3都市は、スポーツとは直接関係がない外的要因に苦慮している。東京は汚染水漏れ、イスタンブールは隣国シリアを巡る国際情勢、マドリードは経済危機と失業率の高さ。

 イスタンブール招致委は3日の記者会見でシリア情勢を聞かれ、ハサン・アラト会長が「それはグローバルな問題で、トルコだけが抱える問題ではない」とかわした。

 4日、マドリード招致委の記者会見では欧州屈指の失業率の高さへの懸念が出たが、「経済は回復基調にある」と主張。東京に比べ傷口は広がらなかった。

 投票日まで、あと2日。招致レースは最後まで何が起こるかわからない。

 06年冬季五輪の開催都市を決めた1999年ソウル総会では、本命視されたシオン(スイス)が投票日前夜に盛大な「祝勝会」を開いたことが広まり、トリノ(イタリア)が勝った。

 「IOC委員はプライドが高い。勝手に勝った気でいるな、という反感を買った」。当時、IOC理事だった猪谷千春の証言だ。

 12年五輪招致でロンドンが勝ったときは、決定翌日にロンドンで同時爆破テロが起きた。「テロが決定の前だったら違った結果になった可能性もある」。当時、IOC委員だった岡野俊一郎は語っていた。

 「安心・安全・確実」を旗印に掲げてきた東京が、皮肉にも汚染水漏れという「国家的な自責点」で安全・安心にひびが入ったことは、どう響くだろうか。〈敬称略〉
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090602000150.html

大飯、再稼働審査へ 活断層否定 根拠のデータ示さず
2013年9月6日 朝刊

 原子力規制委員会は五日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働審査を始めると決めた。断層を調べる専門家チームは二日に「活断層ではない」と一致したが、まだ規制委へ報告していない。規制委は正式な結論を得ないまま、再稼働への手続きを進めることになる。

 再稼働審査は五日の定例会合の議題になく、田中俊一委員長が終了前に突然、「(断層調査の)見解がまとまったと理解したと持ち出した。規制委で調査を担当する島崎邦彦委員長代理が、結論に至った経緯を口頭で説明。判断の根拠にしたデータは示されなかった

 続いて、田中氏が「活動性のある断層ではないとなれば、審査に入ってはどうかと提案。委員から異論は出ず、審査に取りかかることが決まった

 田中氏は会合後の記者会見で「活断層ではないという見解が一応まとまり、審査を進めた方がいいという私自身の判断で提案した」と説明。一方で「突然で戸惑いがあるかもしれない」「今日の委員会に諮って、まだ早いと言われたら引っ込めようと思っていた」と述べ、拙速との批判を予測していたこともにおわせた。

 規制委は今年三月、断層調査が済んでいない原発の再稼働は、「断層かどうか規制委としての一定の見解の取りまとめ」をした上で、審査すると決定。関電が七月に大飯原発の再稼働審査を申請したが保留、チームの結論を待っていた。

 専門家チームは今後、「活断層ではない」との結論を文書にとりまとめ、第三者の専門家の査読を受けて規制委に提出する。規制委としての議論はその後になるため、審査の前提の「一定の見解」も示されていない。 (大野孝志、岸本拓也)
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●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

2013年09月08日 00時00分56秒 | Weblog


「ジャーナリスト・金平茂紀 変えてはいけないもの」の記事【筑紫さんの死から6年目の誕生日に】(http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404)、ちょっと時機を逸していますけれども。レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】(http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku)。nikkansports.comの記事【汚染水対処、五輪控え政府主導演出か】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html)。gendai.netの記事【ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身】(http://gendai.net/news/view/110558)。東京新聞の記事【「想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html)と、社説【原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html)。最後に、asahi.comの【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin)。

 記事の羅列で、すいません。「あろうこうとか」、の連続。

 東京電力原発人災にはケチり、一方、五輪をカネで買うという。世界とフクシマは危機意識を持ち、首都東京や日本政府、原子力ムラは「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」と「科学的」に安全を喧伝。3.11以前の「安全神話」に逆戻り。「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」・・・こういった発言を福島の被災者や避難者の人達はどう思っているのだろう・・・?

   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

 【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】の記事に、何とか希望を見出したい。

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http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404

#23 筑紫さんの死から6年目の誕生日に
2013/06/23

死から6年目の誕生日に

6月23日、沖縄慰霊の日が誕生日だった筑紫さんは
この日はお祝いできないんだよな、と 
生前よく笑いながら言っていたことを思い出す
生きていれば 今日で78歳を迎えていた
「ニュース23のDNA」だと 遺言のように 
最後の「多事争論」で言い残していったことばは
今、見事なほどに裏切られ、忘却され
かつその状態が放置されている
去る者は 日日に疎し、か?
なかでも耐えがたいのは、ウォッチドッグの役割の喪失
強い権力に擦り寄り、プードルと化した仲間たちを眺め、
引き攣った笑いを顔面に張り付けながら 生きていく
からだをはってたたかうものは もはや絶滅寸前だ(けれども まだいる)
忘却とイナーシアが支配する世界
ほら、僕らはもう原発過酷事故がまるで収束したかのように忘れている
ほら、僕らは大震災の被災地がまるで復興したかのように
「絆」とか「ひとつ」とか言って カラオケを歌っている
むかしの通りにやればいいんだよ
経済成長なくして日本は立ち行かない、と
株価をみて、まるでわが身の一大事であるかのように 一喜一憂している
彼ら彼女らは、ほんとうは何もわかっていない
底堅い動きだの、透明感のみえない展開だの
まるでバクチを打っているかのような出来事にうつつを抜かし、
あろうことか 原発を輸出だとさ
僕ら日本人は、広島、長崎に原爆を見舞われようと
第五福竜丸が水爆実験に巻き込まれようと
福島第一原発で未曽有のメルトダウンが起きようと
忘れるのだ  忘れるのだ
経済成長なくして日本はない、と
うち棄てられているのは誰か

誕生祝いはもう言えません。
ただ
僕らはあなたたち死者とともに生きていきます。
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http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku

もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050

9月1日、「さようなら原発講演会」が東京・千代田区の日比谷公会堂で開かれ、定員を超える人々が座席を埋めつくした。(主催・「さようなら原発」一千万署名市民の会)。福島第一原発の止まらない汚染水漏れに、東電も国も何ら有効な対策を打てない深刻な事態が続いている。焼けつくような暑さのなか、予定の午前11時を待たずして整理券が配られはじめ、12時過ぎには早くも入場が開始された。

もう一度 力を合わせて

午後1時、木内みどりさんが司会を務めて開会。呼びかけ人の鎌田慧さんが登壇した。「関東大震災から90年が経った。当時は戒厳令下で大杉栄伊藤野枝ら社会主義者が虐殺され、戦争に向かっていった。外には軍備拡張、内には弾圧体制。今の安倍政権の動きと重なっている。脱原発運動は命を守る運動だ。この秋からもう一度力を合わせてがんばっていきましょう」。

チンドン太鼓とクラリネット、チューバ、ギターなどを融合させた独特の音楽で観客を魅了したのは「ジンタらムータ」。アジアから南米の街頭音楽に脱原発のメッセージを織り交ぜて力強い演奏を披露した。

いわき市議会議員の佐藤和良さんは、「再び関東大震災が起これば、首都圏こそ原発災害の現地になる」と警告し、原発関連死を約1400人と告発。仮設住民の厳しい実態を伝えた。また参院選後に汚染水漏れを公表した東電の態度を、「はじめから出来レース」と糾弾。国と東電の責任を問うために「被害者は絶対にあきらめない。みなさんとつないだ手を離さない」と力を込めた。

新しいモラルに希望を

大江健三郎さんは、小説家のいとうせいこうさんの作品が芥川賞を逃した経緯について話した。死者の声を代弁するヒューマニズム、センチメンタリズムが選考委員に批判されたが、それがなぜいけないのか。むしろそれが文学行為だと反論した。また、作家の故井上ひさしさんと評論家・加藤周一さんとのエピソードにも、時間を割いた。井上さんが旅先で色紙サインの依頼を自分に譲ったこと。そこに書かれた言葉に、ウイットを加えた大江さんの思い出話に、会場は沸いた。

加藤さんとのフランスでの出来事に触れ、原発の是非をめぐる同国の市井の論争を紹介。「日本人は60年間平和憲法を守ってきた。『原発ゼロ』で日本人の新しいモラルが問われる。それに希望を持とう」と、まとめた。木内さんが安倍晋三首相を紹介した。「ザ・ニュースペーパー」のものまねコントにホールは爆笑の連続。懐かしい小泉純一郎氏も駆けつけた。

原子力から抜け出そう

京都大学の小出裕章さんは、スライドを使って原発事故の汚染実態を告発。「戦争が終わった後、国土は荒廃しても人々はそれを再建した。しかし原子力災害は違う」。「他者を犠牲にして成り立つ、原子力的なものすべてから抜け出すこと」。 憲法前文が投影されたスクリーンを差しながら「憲法は素晴らしい。人生は、命は一度きりだ」と語ると、大きな共感の拍手が起きた。

作家の澤地久枝さんは「こんなに猛暑が続くのに停電しないじゃないですか。未来の子供たちのために、原発は止めるべき」だと語った。

評論家の内橋克人さんは、これまでの運動を振り返った。私たちはかつて「福島から学ばない人間を国会に送るなと心から訴えたところがまったく逆のことが起きた。「有権者はいったい何を考えているのか。民主党政権時代のヒアリングを、民意を一顧だにしない現政権の手法にだまされず、新しい安全神話を見破らなければならない」。内橋さんの言葉からは、抑えきれない憤りがにじみ出ている

はじめの一歩から声をかけて

集会の最後に落合恵子さんが発言した。「銀座でショッピングを楽しむ人をつかまえて聞かせたい」と切り出した。全国を講演でまわりながらも、まだまだ真実を知らない人が多いという。この会場にいれば心地いい。でもしばらくは、政治は変わらない。福島の70代の女性は「こんな無念の思いのまま死ねるものか」と口にした。あきらめない。ここにいない人にこそ、声をかけたい。

非暴力主義を貫いた落合さんが、「武闘派になろうか」と口にする。「私は外に出てノックをし続ける。あいつを変えてやる」。焦りやもどかしさが、そして変革への強い意志が伝わってくる。「東京五輪に使う金を福島に注ぎ込め」――この呼びかけに、参加者は渾身の拍手で応えた。

「つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災」をサブタイトルに掲げた4時間にも及ぶ長丁場。2050人の聴衆は、最後まで集中力と一体感を維持して集会を成功させた。1千万人をめざす署名は現在、830万筆超に達している。(Y)
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html

汚染水対処、五輪控え政府主導演出か

 政府は3日、東京電力福島第1原発の汚染水漏えいに対処するための基本方針を公表し、国費の投入を決めた。「政府一丸で解決に当たる」(安倍晋三首相)と政府主導を強調するが、東電任せの汚染水処理が後手に回って破綻し、国民負担を迫られたのが実態だ。目新しい対策はなく、2020年の夏季五輪の開催地決定を控え、国際社会の懸念を意識した政治的パフォーマンスの色合いが濃い。

 ▽戦犯

 「(五輪の選考に落ちたら)われわれが戦犯になってしまう」。8月末、東電を所管する経済産業省は危機感を募らせた。

 第1原発で止まらない汚染水の漏えいを、海外メディアも大きく報道。五輪開催地を決める9月7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会への影響が現実味を帯び始める。あるIOC幹部は「(漏えいを)非常に重大と受け止める委員もいる」と明かす。

 政府は「五輪とは関係ない」(菅義偉官房長官)と平静を装うが、招致に失敗すれば、批判の矛先は政府に向かいかねない。関係省庁幹部は「とにかく今週中は悪い話はするなというのが官邸の意向だ」と、対策を急きょ取りまとめた背景を説明する。

 ▽つけ

 基本方針では、原子炉建屋の周囲の地中を凍らせて壁をつくる凍土遮水壁に320億円程度の国費を投じる。資金面で東電を後押しすることで、完成は当初予定の15年度から14年度に前倒しできる想定だ。汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備の増強も含め、総額は470億円程度となった。

 ただこれらの対策の実現は数年先で、目先の漏えいを食い止める決定打にはほど遠い。国際的な環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、基本方針は抜本対策には不十分で、タンクからの漏えい防止の具体案もないとして「巨額の税金を垂れ流しするものだ」と批判する。

 鋼板の接合部をボルトで締める「フランジ型」タンクは以前から危険性が指摘されていたが、低コストで工期も短い。東電は増設を重ね、300基を超えたころ、汚染水漏れが相次いで発覚した。

 4月には地下貯水槽からの漏えいが見つかっており、巨額の赤字に苦しむ東電による作業の限界が明らかになりつつあったが、安倍政権は数十年かかるとされる廃炉工程の前倒しなど「遠い未来」の議論に傾注。与党自民党からも「危機感が薄い」(塩崎恭久元官房長官)と批判が上がっていた。

 ▽お祭り騒ぎ

 「今、東京はオリンピックだ、何だ、とお祭り騒ぎと聞く。(五輪より)国の威信にかけて、事故を収束しなければいけなかった」。

 3日午後、福島県相馬市の相馬双葉漁業協同組合の高橋通さん(58)は、汚染水対策を説明する経産省の担当者に迫った。

 相馬双葉漁協は8月、汚染水問題の深刻化を受け、9月以降の試験操業を見送った。県南部のいわき地区の漁協も、9月に予定した事故後初の試験操業を断念した。

 「国は危機感がなく、もっと前から対策をしてほしかった」(相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長)。五輪招致の旗印に掲げる被災地の復興は遠のきつつある。(共同)

 [2013年9月3日21時2分]
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http://gendai.net/news/view/110558

ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身
2013年09月04日 23:39 更新

 東京五輪招致委員会の竹田恒和理事長(65)が、IOCの委員らに宛てた「みっともない手紙」(外国メディア関係者)をAP通信にスッパ抜かれてしまった。

 APが入手した竹田理事長の手紙は先月27日付で、現地時間2日、ロンドン発の記事で内容を詳細に報じた。見出しは〈東京招致のリーダーはIOC委員に福島は大丈夫と保証する〉。竹田理事長は汚染水漏れの懸念を打ち消すのに必死で、IOC委員に手紙を送りつけたのだ。

 APの記事によると、手紙の内容は一方的な“安全宣言”ばかりだ。

   〈東京の生活これまでと変わったこともなく、安全なまま。
    空気も水も影響を受けていない〉

   〈皆さんも、福島原発の状況をニュースで見たかもしれませんが、
    もう一度、言わせて欲しい。東京全く影響を受けていない、と〉

   〈東京の空気と水は毎日計測されており、何か問題があるという
    根拠は全くない。それは日本政府によっても確認されている〉

 そして竹田氏は手紙の最後をこう締めくくっている。

   〈世界中が政治的にも経済的にも不安定な中、東京極めて安全。
    地震や津波から復興するうえで、五輪招致を国の魂を
    高揚させるチャンスにしたい〉

 手紙を読んだIOC委員たちは、竹田氏が泣きすがる姿を想像したのではないか。

 竹田氏はAPの電話取材にも応じ、どんな根拠があるのか「東京の放射能濃度はニューヨークやロンドンと同レベルだ」とまで言ってのけた。

 いくら東京の安全性を強調したいとはいえ、ちょっとやりすぎじゃないのか。

   「開催地決定の最終投票直前に、実際に票を投じるIOC委員に
    汚染水漏れに関する手紙を送りつけるのは逆効果でしょう。
    寝た子を起こすような話で、汚染水漏れの恐ろしさを想起させる
    だけです」(前出の外国メディア関係者)

 AP通信は世界各国の約5000のテレビ・ラジオ局、約1700の新聞社と契約し、記事を配信している。竹田理事長は世界中に赤っ恥をかいてしまったか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html

想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発
2013年9月4日 朝刊

 「汚染水対策の失敗はまさに『想定内』。今度こそ『想定外』の言い訳は許されない」。東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民による福島原発告訴団が三日、広瀬直己社長ら東電幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で福島県警に告発した。県民たちは真相解明の役割を、同じく原発事故の被害者でもある地元の警察官たちに託した。

 代理人の河合弘之弁護士は東京都内で会見し「安全よりお金を優先して原発事故を起こした東電の体質や構造は、事故後もまったく変わっていない」と批判した。

 告訴団は昨年六月、原発事故をめぐり東電幹部らを業務上過失致死傷容疑で福島地検に告訴。検察当局の捜査に、東電幹部たちは「大津波は想定外だった」と過失を否定し、告訴団が求めている家宅捜索もいまだに行われていない。

 告発の理由を、河合弁護士は「被害を受けた人と暮らしている県警なら、被害者に寄り添った捜査をしてくれると思った」と話す。

 告訴団は告発に合わせ、汚染水対策に関する東電の内部文書を公表した。文書には、東電が事故の三カ月後の時点で、原発地下に遮水壁を造るのが「最も有効」と位置付けながら、費用や着工時期を公表しない方針が書かれていた

 団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らないと大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず。文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る。

 東電広報部は三日、本紙の取材に対し、告訴団が入手した文書が「社内に存在する」と認めた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html

【社説】
原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ
2013年9月4日

 政府が、東京電力福島第一原発の汚染水対策への関与を強める方針を決めた。遅きに失した感はあるが、政府も東電も、この問題は国の緊急事態だとの危機意識を持ち、対策に全力を挙げるべきだ。

 「汚染水問題は、東電任せにせず、政府が前面に立って解決に当たる。廃炉が実施できるかには世界中が注視している」。安倍晋三首相はきのう、政府の原子力災害対策本部でこう語った、という。

 その決意は多とするが、安倍内閣がこの問題を甘く見て、本腰を入れるのが遅れたのなら、民主党前政権と同罪だ。

 東電の汚染水対策はこれまでも度々「後手後手」「場当たり的」との指摘を受けてきた。

 八月には約三百トンもの高濃度汚染水がタンクから漏出したことが発覚し、原子力規制委員会は国際的な原子力事故評価尺度による評価を上から五番目のレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。

 東電の当事者能力に疑問符を付けざるを得ない現状を考えれば、政府はもっと早く汚染水対策に力を入れるべきではなかったか。

 安倍内閣がこの時期に国の関与強化を決めたのは、二〇二〇年夏季五輪開催都市決定を控え、東京招致への影響を抑えようとの思惑が働いたのかもしれない。

 東京招致委員会の竹田恒和理事長は、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に「東京全く(汚染水の)影響を受けていない」などと訴える手紙を送った、という。

 東京五輪への影響があろうがなかろうが、汚染水問題は一刻も早く収拾すべき問題だ。東京が安全ならいいものでもない。福島第一原発周辺は国土が失われたと同然だ。その回復には、国を挙げ、最優先で取り組むべきだろう。

 首相は海外に原発を売り込むよりも先に、汚染水問題の深刻さを自覚すべきだった。災害に強い国土づくりは大切だが、公共事業をばらまくくらいなら、汚染水対策に振り向けるべきではないか。

 今年は八月から九月にかけ、東日本大震災以降、自粛傾向にあった海外視察に、多くの国会議員が出掛けるという。

 切迫した事情があるのならまだしも、原発事故や汚染水の現状、いまだ避難生活を強いられている被災者の辛苦を、自分の目で確かめるのが先ではないのか

 それを国会での論戦に生かし、政府に対策を迫る。そんな基本的な仕事もできないのなら、国会議員として存在価値もない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html

【コラム】
筆洗
2013年9月4日

 <母と子は/存在の岸辺に/佇(たたず)んでいた/現代の業が/滝のように/水俣の海に流れ込むのを/見つめていた/そしてそれが/自分自身に流れ込み/わが子に流れ込んだことをさとった/わが子は/現代の業苦に/焼けて苦しむ小さないのちだった>▼熊本県水俣市の水俣病資料館の館長を務めた坂本直充さんの詩集『光り海』から引いた。父はチッソの社員。ようやく立てるようになったのは六歳の時だ。自分も患者では…。疑問を抱きながら、差別を恐れ水俣病を引き受ける勇気がなかったという▼大卒後、市職員になり、二〇一一年に資料館長に。震える手を見た来館者に「館長も患者ですか」と何度も問われた。もう逃げてはいけない。水俣病と向き合い、認定申請することを決めた▼<人は高度成長と呼んだ/人は繁栄と呼んだ/もっとほしい/もっといいものを/もっとうまいものを/もっともっとのために/資源を掘りつくし/資源を使い尽くし/限りない欲望の道を/疾走していた/繁栄のために/少女は死んだ>▼水俣に何を学んだのか。福島第一原発は「収束宣言」を嘲笑するように放射能汚染水を垂れ流す。五輪招致の妨げになってはならぬと、レベル3を前に見えないふりを決め込んだ政府は、世界中から批判を浴びた▼きょう四日は、公害の原点である足尾鉱毒事件を告発した田中正造の没後百年。
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin

2013年9月4日(水)付
天声人語

 時の流れに色あせてしまう偉人もいれば、いよいよ輝きを増す傑物もいる。田中正造は後者である。公害の原点とされる栃木県・足尾銅山の鉱毒事件で民衆の先頭に立ち闘った。〈真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし〉という至言を残して没し、きょうで100年になる▼明治の半ば、鉱毒は清流を死の川に変え、山や田畑を枯らした。しかし銅は国の経済を支える産品で、政府は人を救うより富国強兵を優先した。そのさまは昭和の水俣病、今の原発にも重なってくる▼衆院議員だった正造は議会で質問を繰り返す。運動を組織し、死罪を覚悟で天皇に直訴した。官権に抗し、幾多の妨害を受けつつ人々を引っ張った。不撓不屈(ふとうふくつ)の四文字が、これほど似合う人はまれだ▼正造を高く買っていた勝海舟が、冗談ながら、この者は末は総理大臣だという証文を、閻魔(えんま)様や地蔵様あてに書いたという逸話が残る。原発事故のあと正造が総理だったら、困っている人、弱い立場の人を、何をおいても助けるに違いない現実の総理は、早々と収束宣言を出し(民主)経済のためには再稼働が必要と唱え(自民)、なお15万人にのぼる避難者は忘れられがちだ。事故処理より外国への原発セールスに熱心というのでは、ことの順番が違う▼冒頭の「真の文明は」の後には、こうした文が続いている。〈……今文明は虚偽虚飾なり、私(し)慾(よく)なり、露骨的強盗なり〉。1世紀が流れて、古びないのがやりきれない。
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●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」

2013年09月07日 00時00分24秒 | Weblog


asahi.comの記事【ドイツぶれない「脱原発」 日本の回帰「理解できぬ」】(http://www.asahi.com/international/update/0825/TKY201308250045.html?ref=com_top_pickup)。

 東京電力原発人災を経験した我が国がやらずに、一体どの国がやるのでしょう、脱原発を、そして廃炉を。ドイツから、原発への「日本の回帰「理解できぬ」」と言われて当たり前である。さらに、「レヴェル3=重大な異常事象」を引き起こしており、またしても大人災である。

   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

 しっかり責任をとってもらわねば。

   『●次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね?
   『
●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

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http://www.asahi.com/international/update/0825/TKY201308250045.html?ref=com_top_pickup

2013年8月25日16時2分
ドイツぶれない「脱原発」 日本の回帰理解できぬ

【ベルリン=松井健】東京電力福島第一原発の事故を受け、「原発ゼロを目指す方針を決めたドイツ再稼働に向けて動き出した日本とは対照的に、9月の総選挙ではこの目標に争いはなく、与野党ともに自然エネルギーの推進を訴えている。ただ、自然エネの普及に伴って電気料金は値上がりが続いており、対策に苦労している。

自然エネルギー、最近の動き


■総選挙、与野党とも自然エネ推進

 ドイツは福島事故後に超党派で脱原発を決めた。事故前に17基あった原発のうち8基を閉鎖し、残る9基を2022年までに順次閉鎖。自然エネルギーによる電力の比率を20年までに35%、30年までに50%へ増やす目標を立てた。

 自然エネは想定以上のペースで拡大し、事故前の10年に電力の22・4%をまかなっていた原子力の比率は12年に16・1%まで低下。一方、自然エネは16・4%から22・1%まで増えた。

・・・・・・。
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●予算編成から見えてくるもの: 投票者の責任

2013年09月06日 00時00分19秒 | Weblog


東京新聞の記事【概算要求青天井 14年度予算過去最大】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013083102000137.html)と社説【概算要求の膨張 古い自民党に逆戻りか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013083102000140.html)。

 まず、ムダな歳費の削減、東京電力原発人災への手厚い対応でしょう。消費税増税、法人税減税、防衛費増大・・・市民が苦しみ、大企業が喜ぶことしかやっていない。それに、原発推進や輸出なんて、アホ丸出しである。自公議員に投票するから、こんなことになる。

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
         「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●騙されること・騙されたフリの責任: 何度でも騙される
  
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね?
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013083102000137.html

概算要求青天井 14年度予算過去最大
2013年8月31日 朝刊

 二〇一四年度予算編成に向け財務省は三十日、各省庁からの概算要求提出を締め切った。一般会計の総額は九十九兆二千億円程度で、要求額としては過去最大。特別会計に計上する東日本大震災の復興費用と合計すると百兆円を超える。仮に消費税増税が決まれば、税収増を背景に予算額はさらに膨らむ見通しだ。復興予算の流用問題などで国費の使い方が問われる中、野放図な財政出動に拍車がかかる恐れがある。 (石川智規


 要求額が過去最大となった背景には、要求に上限を決めなかった青天井方式と成長戦略や防災関連に使う特別な枠を作ったことがある。

 概算要求は通常、シーリング(天井)と呼ばれる歳出額の上限が定められる。だが、今回は消費税増税が未定で税収額を見積もることができず、上限を定めない異例の形を取った。さらに、他の予算を減らして安倍晋三首相が進める成長戦略などに使う場合、通常よりも多く要求できる「優先課題推進枠」を設けた。

 省庁別で見ると、最大の要求は厚生労働省の三十兆五千六百二十億円で、一三年度当初予算に比べ3・8%増加した。年金や医療費などの社会保障関連費用が膨らんだと説明している。財務省では、国の借金返済のための国債費が約二十五兆円と過去最大となった。

 国土交通省は公共事業などを増やし、同16・3%増の五兆八千五百九十億円を要求。農林水産省は土地改良のための農業農村整備事業などを盛り込み、13・6%増の二兆六千九十三億円を要求した。

 今後、財務省は要求額を査定して予算額をいかに絞り込むかが課題になる。さらに、与党内などでは消費税増税の影響に備えた補正予算を求める声もあり、旧来型のバラマキ予算となる懸念は消えない。


原発推進軒並み増

 二〇一四年度予算の概算要求で、経済産業省は、原発の維持・拡大に向けた事業費を軒並み、一三年度当初予算から増額した。東京電力福島第一原発で深刻化する汚染水問題に解決の見通しが立たない中での増額要求は、国民の納得を得られそうにない

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の技術を活用した高速炉の技術開発で、経産省は一三年度当初予算比56%増となる五十億円を計上。増額の理由を、今年六月の日仏首脳会談で両国が協力して高速炉を推進することで合意したことを受けての措置と説明している。しかし、もんじゅではずさんな点検漏れが見つかり、原子力規制委員会が運転再開準備を禁じる命令を出すなど、日本では高速炉への信頼は地に落ちている

 原発再稼働に向けた布石も次々に打っている。原発で重大な事故が起きても動き続ける原発内の計器類の開発など安全対策の高度化に、57%増の八十五億円を要求した。新規事業として、原発がある十七地域の経済活性化に十三億円を計上。この予算は、地域の特産品のPRや雇用対策の専門家の派遣などを行うとしている。

 一方、福島第一原発の汚染水対策は予算額を示さない「事項要求」とした。政府は原子炉建屋の周囲の土を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」などの対策を想定するが、具体策が固まっていないためで、年末にかけての予算編成過程で金額を詰める。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013083102000140.html

【社説】
概算要求の膨張 古い自民党に逆戻りか
2013年8月31日

 二〇一四年度予算に対する各省庁の概算要求は、一般会計の要求総額が過去最大の九十九兆円台に膨張した。自民党が政権復帰して初の本格的な予算編成だが族議員の跋扈(ばっこ)する古い自民に逆戻りか。

 消費税増税の判断前で税収が見通せないため、不確定要素が残る概算要求ではある。しかし、国民に財政再建が必要だと増税を突き付けながら、同時に大盤振る舞いの予算を組もうというのは到底理解することができない。ここまで財政を悪化させた張本人は、長期にわたって政権にいた自民党ではなかったのか。

 今回、政府が決めた概算要求基準では、公共事業や防衛費など一般的な政策予算(裁量的経費)は本年度(一三・二兆円)より10%削減を求めた。代わりに「優先課題推進枠」という特別枠を設け、成長戦略や防災、地域活性化などの名目であれば、どんな予算要求でも受け付けるようにした。事実上の「何でもあり」である。

 国土交通省はこの枠を目いっぱい使い、道路整備や新幹線、治水などすべての項目で、本年度をそれぞれ17%上回る上限額まで要求した。これではメリハリも工夫もない、単なる「一律増額要求」である。

 公共事業の中では、土地改良のための農業農村整備事業も膨張し、「建設族」に負けじと「農林族」も予算に群がった旧来の族議員政治に逆戻りしたといわれても仕方あるまい。

 二〇〇〇年代以降、公共事業費は削減傾向が続いてきたが、安倍政権発足に伴って大幅増に転じている。大胆な金融緩和と機動的な財政出動というポリシーミックス(金融・財政政策の組み合わせ)で景気浮揚を図るアベノミクスは常識的な経済政策であり、一時的な公共事業の拡大はやむを得ない面はある。

 だとしても、度を越したバラマキや、費用対効果の低い事業など「何でもあり」の余裕はないのである。財政規律を失ったと市場に判断されれば、金利高騰というアベノミクスが最も恐れる事態に陥りかねない。

 国土強靱(きょうじん)を掲げて国政選挙で勝利したとはいえ、国民は古い自民の復活を期待したわけではないかつて自分たちが財政赤字の山を築いたことを忘れてもらっては困る。それは財務省とて同類である。増税ばかりに頼るのではなく、膨張した概算要求を切り込み、歳出削減で財政再建を実現するぐらいの気概を示してほしい。
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●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?

2013年09月05日 00時00分21秒 | Weblog


gendai.netの記事【海江田民主代表が暴露 汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144257)とasahi.comの記事【安倍首相「政府が責任持つ」 汚染水漏れ、レベル3に】(http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201308290002.html)。

 東電は、柏崎刈羽原発再稼働を画策したりしているが、「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか? 

   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

 被爆者や被災者、避難者への補償もケチり、原発人災の後始末も十分にせずに、その他の電力会社も含めて、原発の再稼働や輸出なんて許されるわけがないでしょう。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144257

海江田民主代表が暴露 汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因
2013年8月28日掲載

 大新聞はまったく無視したが、今月26日、民主党の海江田万里代表が定例記者会見で、聞き捨てならない事実を明らかにした。なぜ、福島第1原発の汚染水がここまで深刻化したのか。実は2011年当時、吉田昌郎・福島第1原発所長と総理補佐官だった馬淵澄夫・元国交大臣らの間で「地下遮水壁」方式が検討されたのに、東電が財政的理由を口実に実行しなかった、というのである。東電の大罪民主党政権の甘さ自民党政権の無責任は断罪されるべきである。

 海江田氏は会見で、2011年に作成された「ロードマップ」(事故収束に向けた工程表)に「遮水壁の検討」が明記されていることを明らかにした。

 このロードマップはその後、改訂され、同年12月の改訂版にはさらに踏み込んで、「遮水壁を作る方向でいく」と書かれていた。

 海江田氏は「(改訂版の表の)矢印は『二〇一四年度には遮水壁ができる』と書いてある」と強調。この工程表通りに対処が進んでいれば、今頃、汚染水でバタつくことはなかった、という見方を示した。

 この時に具体化した「遮水壁」は鋼矢板(鉄製の長細い板)を使った方式で、いま東京電力が進めようとしている「凍土方式」とは異なる。当時も、凍土方式は検討されたが、結論は「実現可能性は低い」だった。広い範囲での工事実績がなかったためで、「凍土方式ではなくて、馬淵補佐官が提案した矢板を入れて地下水を遮水する方式になった」(海江田氏)そうだ。

 それがなぜ、実行に移されなかったのか

 「工事費が1000億円かそれ以上かかるという財政問題だった」と海江田氏は暴露した。
 「東電は『費用がかかりすぎる』と、一貫して後ろ向きで腰が引けていたその傾向は今も続いていて、それが結果的に今日の非常にずさんな監視体制になっているのではないか」


<安倍政権も半年間放置>

 改めて、とんでもない会社だが、民主党政権だって、コトの重大さは分かっていたはずだ。首に縄をつけてでも、汚染水の抜本処理に乗り出させるべきだった。それはもちろん、今の安倍政権にしたって同様だ。

 3月の予算委員会で海江田は「汚染水対策は最重要である」と質問した。答弁を求められた安倍首相は経産大臣に丸投げして、涼しい顔をしていた汚染水処理の重大性がてんで分かっていなかったのである

 しかも、今ごろになって、税金を投入して、一度、無理とされた凍土方式を持ち出している。なぜ、再び、凍土方式が出てきたのか。利権がらみか、とささやかれている。東電と安倍政権に任せていたら、絶対に汚染水問題は解決しない。
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http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201308290002.html

2013年8月29日3時14分
安倍首相「政府が責任持つ」 汚染水漏れ、レベル3

 東京電力福島第一原発のタンクから放射能汚染水が漏れた事故をめぐり、安倍晋三首相は28日、カタールでの記者会見で、「政府を挙げて全力で取り組んでいく。政府が責任を持って対応し、国内外にしっかりと発信していく」と述べた。

 首相は「福島の事故は東京電力任せにせず、汚染水対策を含めて国として緊張感を持ってしっかり対応していく必要がある」とも強調した。一方、茂木敏充経済産業相はこの日、汚染水から放射性物質を取り除く装置(ALPS)について「増設が必要なら、国が責任を持つ」と述べ、国費投入を検討する考えを明らかにした。福島県の佐藤雄平知事との会談で伝えた。

 汚染水漏れ事故については、原子力規制委員会がこの日、国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、これまでの「レベル1」(逸脱)から「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げた。レベル3は8段階の上から5番目。福島第一原発事故そのものは最悪のレベル7(深刻な事故)になっている。

     ◇

 安倍晋三首相がカタールのドーハで28日行った記者会見の要旨は次の通り。

・・・・・・・・・。
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●消費税増税ありきのヒアリングに何の意味があろうか?

2013年09月04日 00時00分50秒 | Weblog


gendai.netの記事【出席の有識者が暴露 「消費税ヒヤリング」のフザけた実態】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144310)。そして、asahi.comの二つの記事【来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了】(http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310264.html)、【来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了】(http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310233.html)。

 そりゃ~「有識者」サマの人選でいくらでもヒアリング内容を誤誘導できるでしょうよ。7割がた消費税増税に無批判賛成派を集めたんですから、ヒアリング内容もお望みどおりの消費税増税賛成になって当たり前。「大企業の代弁者=労働者の敵」米倉弘昌 経団連会長が「消費増税反対」なんて、金輪際、言うはずもない。だって、平然と「企業も消費者も増税を前提に経済活動している。ここで覆ると株安、通貨安、債券安のトリプル安の恐れ」なんて言うことがいえる有識者サマなんですから。こんなヤラセヒアリングに一体何の意味があるのだろうか? 市民の意識を反映しているとはとうてい思えない。「×」の人も、将来の「消費税増税」には賛成で、この最悪の税制そのものへの批判ではないようだ。

 自公議員など、消費税増税派に好き勝手やらせてて、何の怒りも、疑問も感じないなんて・・・・・・。一度でいいので、斎藤貴男さんの『消費税のカラクリ』を読んでくれないかな、きっと気づくはずだから。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●消費税増税: フリーハンドを渡してはならない
   『●内部留保と消費税増税: 雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144310

出席の有識者が暴露 「消費税ヒヤリング」のフザけた実態
2013年8月31日 掲載

やはり壮大なガス抜きに終わった

<1人の持ち時間は8分、政府からの質問なし

 消費増税の是非を有識者に聞く、安倍政権の「集中点検会合」が31日に終了。6日間ぶっ通しで総勢60人から意見を聞いたが、大半は「増税やむなし」反対派の声は数えるほどだ。人選を任された甘利経財相は「職業・年齢・増税の考え方について、バランスよく配置した」と言っていたが、フタを開ければ、やはり「結論ありきの壮大なガス抜きだった。出席した有識者のひとりも、ヒアリングのあきれた実態を打ち明ける。

 6日間の会合とも報道陣に公開されたのは、各大臣の冒頭のあいさつまで。麻生財務相が会合の意義をテキトーに語り、甘利大臣が出席者の肩書を紹介すると、報道陣は会場から閉め出された。増税を巡って、どのような議論が交わされたのか。真相は出席メンバーにしか分からない

   「ヒアリング後、数分ほど質疑応答の時間が用意されましたが、
    政府側からの質問はほとんどなかった。誰も何も言わないから、
    私の方から『財務省は誤ったマクロ経済指標をいつまで使う気なのか』
    と逆に質問させてもらったほどです」

 そう会合のシャンシャンぶりを振り返るのは、出席者のひとりで、筑波大名誉教授の宍戸駿太郎氏(経済学)だ。学者やエコノミストを招いた2日目の会合に参加し、「当面は増税を凍結して経済成長を優先すべきだ」という持論を展開した。宍戸氏が続ける。

   「私どもの対面には、麻生・甘利両大臣がテーブルの中央にデンと
    席を構え、経済財政諮問会議の民間議員が横を固めていました。
    私の参加日は、有識者9人が横一列に座らせられ、順に意見を
    述べましたが、1人の持ち時間はたった8分だけ。参考資料を
    あらかじめ配布していたとはいえ、これだけの短時間で意見を
    伝えきるのは至難のワザ。政府側に十分に伝わったのかも疑問です」

 残る8人のうち、宍戸氏のほかに「増税反対」をハッキリと唱えたのは、エコノミストの片岡剛士氏のみ。エール大名誉教授の浜田宏一氏と、クレディ・スイス証券の白川浩道氏が「毎年1%ずつ上げていくべき」と主張したが、増税自体には賛成だった。

   「いま増税すれば、経済成長の腰折れを招くのは自明の理。私は
    経済学者として当然の意見を言っただけで、今回の有識者たちの
    意見が『増税賛成』に傾いているのは信じられません。結局、政府が
    都合の良いメンバーを選んだに過ぎず、専門家の総意は反映されて
    いないのです。政府は私を『反増税の代表格』のように扱っていますが、
    私以上に激しく増税に反対している専門家は大勢います。なぜ、
    経済評論家の三橋貴明氏やエコノミストの菊池英博氏、
    産経新聞編集委員の田村秀男氏などは選ばれなかったのか。
    政府は『バランスを重視した』と言うなら、彼らの意見も聞くべきです」
    (宍戸氏)

 今回の会合はしょせん増税に向け、議論を尽くしましたよという安倍のポーズだ。見え透いたアリバイ工作に利用された有識者たちは、怒った方がいい。
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http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310264.html

2013年8月31日22時8分
来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了

 安倍政権が、各界代表や経済専門家ら60人から消費増税について意見を聴く「集中点検会合」が31日、6日間のヒアリングを終えた。朝日新聞の取材では、7割を超える43人が来年4月から消費税率を8%に引き上げることに賛成した。一方、反対や慎重な意見は14人いて、「先延ばし」「毎年1%ずつ」「2015年10月に一気に10%に」という提案が出た。3人は「首相に任せる」など賛否を明らかにしなかった。

消費増税賛否 60人の意見

 麻生太郎財務相や甘利明経済財政相らが60人の意見を聴いた。意見は報告書にまとめ、3日にも安倍晋三首相に提出する。

 消費増税法では、消費税率を来年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる予定だが、景気状況などをみて約半年前に最終判断する。予定通りの増税には、米倉弘昌・経団連会長らが賛成し、医療や介護、子育てに関わる人たちも「社会保障の財源のために増税が必要だ」と訴えた。

 これに対し、増税に反対したのは、主婦団体の代表、若者の就職を支援している人など5人。くらしの負担増で貧困や格差が広がりかねないと訴えた。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310233.html

2013年8月31日22時8分
消費税ヒアリング 60人の増税への賛否と主な発言

(「来年4月に消費税率を5%から8%に引き上げること」に、○は賛成、×は反対、―は無回答や態度保留など。会議後の取材などから)

来春消費税8%、賛成7割超


■第1日 総論

岩田一政・日本経済研究センター理事長・×
 経済へのショックを和らげるには、来年4月から毎年1%ずつ増税していくのが望ましい

加藤淳子・東大院教授(政治学)・○
 軽減税率には反対。何を(軽減の)対象にするかで政治的議論になる(甘利経済財政相の発言紹介から)

古賀伸明・連合会長・○
 所得税や資産課税の累進制(所得・資産が多いほど税率が高い制度)で所得再分配機能を強化するべきだ

古市憲寿・東大院博士課程(国際社会科学)・○
 若者や現役世代に目が向いていない。教育や社会保障など、人々が再生産できるようお金を使うべきだ

増田寛也・東大公共政策大学院客員教授、前岩手県知事、元総務相・○
 景気へのマイナスの影響を避けるために補正予算が必要。安易な公共事業ではなく、将来につながる予算を

山根香織・主婦連合会長・×
 消費増税は断固反対。給料も上がらない今の状態で増税を強行すれば、貧困や格差が拡大すると思う

米倉弘昌経団連会長、住友化学会長・○
 企業も消費者も増税を前提に経済活動している。ここで覆ると株安、通貨安、債券安のトリプル安の恐れ



■第2日 経済・金融(1)

伊藤隆敏・東大院教授(国際金融)・○
 増税してもデフレ脱却に失敗することはない。(先送りなど)代案には政治的、時間的コストが大きい

稲野和利・日本証券業協会長・○
 増税の延期は、株安や金利上昇などの混乱を招くおそれがある。補正予算などで景気の腰折れを防ぐべきだ

片岡剛士・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員・×
 黒田日銀総裁は2年で年2%の物価上昇を達成しようとしている。達成するまで消費増税は先送りすべきだ

熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミスト・○
 景気の下支え策を講じたうえで増税すべきだ。法人減税や住宅(販売)の激変緩和策、給付金、公共事業を

宍戸駿太郎・筑波大名誉教授(経済政策)・×
 7年後まで増税を凍結すべきだ。2020年に(失業者がほとんどいない)完全雇用を達成してからでも遅くない

白川浩道・クレディ・スイス証券チーフエコノミスト・×
 1%ずつ5年にわたって上げる方が望ましい。デフレ脱却の確率が高まり、より税収も増える可能性がある

武田洋子・三菱総合研究所チーフエコノミスト・○
 デフレ脱却と財政再建の両立が必要。財政への信認がないと「悪い金利上昇」につながる可能性がある

中空麻奈・BNPパリバ証券投資調査本部長・○
 財政再建は急務。若い世代と60歳以上の世代間格差が大きい。消費税を増税して格差を埋めるべきだ

浜田宏一・エール大名誉教授(国際金融)、内閣官房参与・×
 (増税は)デフレ脱却を阻害する。1年延ばすか、(税率を)毎年1%ずつ高めていくことも考慮すべきだ



■第3日 国民生活・社会保障(1)

井伊雅子・一橋大教授(医療経済学)・○
 将来の医療や介護が心配で消費を控えようと思う人が多い。(社会保障の)安心感が増税の理解につながる

石黒生子・UAゼンセン副書記長・○
 (税率)引き上げ分は社会保障の充実に使うべきだ。非正規労働者に社会保険の適用を拡大してほしい

工藤啓・NPO「育て上げ」ネット理事長・×
 生活への打撃で非正規雇用の若者らが前に進む力が失われる。マクロ(経済)的に正しくても賛成できない

小室淑恵・ワーク・ライフバランス社長・○
 待機児童対策をスピーディーに進めるべきだ。団塊ジュニア世代が出産適齢期を終えてからでは遅い

永井良三・自治医科大学長・○
 予定通り(税率を)引き上げなければ社会保障の整備ができない。団塊世代は12年後に75歳以上。待てない

宮本太郎・中央大教授(福祉政策論)・○
 雇用と経済を支える税の使い方、社会保障改革をきちっとやるという条件で早急に消費増税に着手すべきだ

横倉義武・日本医師会長・○
 社会保障財源として使うべきだ。(税率を)1%幅ずつ上げると診療報酬(の事務)などで手間がかかる

吉川万里子・全国消費生活相談員協会理事長・○
 安心して暮らせる社会のためにやむを得ない。使い方を明確にし、公共事業にできるだけ流れないように


■産業

石沢義文・全国商工会連合会長・×
 (増税分を)中小は価格転嫁できない。免税や簡易課税を広げる対策がないと中小商工業への打撃が大きい

岩沙弘道・不動産協会長、三井不動産会長・○
 財政規律と社会保障は避けて通れない。増税後の住宅市場の落ち込みはローン減税の拡充もあり、限定的だ

岡村正・日本商工会議所会頭、東芝相談役・○
 社会保障が今の財政では回らず、10%上限の増税はやむを得ない。ただ、複数税率の導入には断固反対

岡本圀衛・経済同友会副代表幹事、日本生命保険会長・○
 (財政再建の)国際公約を破ると国債や株が暴落する。若者の将来のために現役の我々が痛みを負うべきだ

小松万希子・小松ばね工業社長・○
 財政状況を考えると仕方ないが、大企業のように円安・株高の恩恵はなく、賃金もすぐには上げられない

清水信次・日本チェーンストア協会長、ライフコーポレーション会長・―
 増税するかどうかは総理が決め、国民はそれに協力すべきだ。増税するなら低所得者の負担軽減策が必要だ

鶴田欣也・全国中小企業団体中央会長・○
 景気回復はまだ中小企業には浸透していない。中小企業に届く景気対策や税制面での配慮をしてほしい

豊田章男・日本自動車工業会長、トヨタ自動車社長・○
 消費増税には賛成だが、自動車の国内生産を維持できるよう、自動車取得税や自動車重量税は廃止を

樋口武男・住宅生産団体連合会長、大和ハウス工業会長・○
 財政を改善しなければ、不信感で国債が値下がりして金利が上がる。駆け込みでの住宅取得者の混乱も招く



■第4日 地方・地域経済

青柳剛・群馬県建設業協会長、沼田土建社長・○
 建設業は景気に左右され、疲弊している。増税時には(公共事業での人件費の)単価も引き上げてほしい

阿部真一・長野県佐久市の岩村田本町商店街振興組合理事長・×
 (来春は見送って)15年10月に一気に税率10%に。2段階で税率を上げると、消費が2回冷え込んでしまう

岸宏・全国漁業協同組合連合会長・○
 魚の消費減退が心配なので、(食品などの税率を低くする)軽減税率の適用を検討してほしい

坂井信也・日本民営鉄道協会長、阪神電気鉄道会長・○
 1%ずつの(税率)改定はその都度システム改修が必要で極めて困難。(増税後は)地方鉄道への支援も

立谷秀清・福島県相馬市長・○
 被災した弱者や高齢者のためにも社会保障の財源は必要だ。被災地といえども反対の立場はとれない

谷正明・全国地方銀行協会長、福岡銀行頭取・○
 財政再建と社会保障改革のためには増税が必要。予定通りに増税できなければ、国際的な信用を失う

西田陽一・おんせん県観光誘致協議会長・○
 商品(価格)と税金を別々に示し、(価格転嫁しやすい)外税方式が時限立法で認められた。恒久化を

万歳章・全国農業協同組合中央会長・○
 食料品への軽減税率をぜひ導入してほしい。1%ずつ(税率を)上げるのはコストがかかるので反対

古川康・佐賀県知事・○
 景気減速を防ぐため、高速道路無料化など、人の移動や旅行のきっかけをつくる需要喚起策をしてはどうか



■第5日 国民生活・社会保障(2)

青山理恵子・日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会副会長・○
 生活困窮者や障害者に対しては、手厚い対策をとるべきだ。税収増はすべて社会保障費に充ててほしい

大久保朝江・NPO法人・杜の伝言板ゆるる代表理事・×
 増税は仕方ないが、1年先送りすべきだ。被災地は復興が遅れており、増税がものすごく影響する

岡崎誠也・国民健康保険中央会長、高知市長・○
 消費税は(低所得者ほど負担が重い)逆進性がある。増税と同時に低所得者対策をきめ細かくやってほしい

奥山千鶴子・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長、NPO法人びーのびーの理事長・○
 消費増税は子育て世代にとって本当に厳しいが、ここで上げなければ子育て支援を充実させられない

白石興二郎・読売新聞グループ本社社長(日本新聞協会長)・×
 読売の主張は「来春の増税を見送り、15年10月に10%に」。新聞協会としての統一見解はない

清家篤・慶応義塾長、社会保障国民会議会長・○
 予定通りの税率引き上げが将来世代の負担を軽減する。社会保障の安心は景気にもプラスの影響を与える

馬袋秀男・「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会理事長・○
 社会保障と税の一体改革の道筋をつけないと、12年後に100万人必要とされる介護の担い手が集まらない

林文子・横浜市長・×
 増税はやむを得ないが、(時期が)来年4月と言い切ることはできない。国が慎重に判断することだ

広田和子・精神医療サバイバー・×
 低所得者が一番打撃を受けるのが消費税だ。暮らしを守るため、増税前に社会全体を見直すことが大事だ



■第6日 経済・金融(2)

植田和男・東大院教授(マクロ経済学)・―
 賛否は言わなかった。(増税を)ゆっくりやるのも一案だが、その時は税率10%の先の姿も同時に示すべきだ

菅野雅明・JPモルガン証券チーフエコノミスト・○
 将来的には税率を20%に上げる必要がある。8%への増税の景気対策は3兆~5兆円の補正予算が必要だ

国部毅・全国銀行協会長、三井住友銀行頭取・○
 海外は増税を織り込んでおり、先送りすれば信認が揺らぐ。景気対策として公共投資や低所得者への給付も

高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト・○
 財政規律を守る姿勢を示すことが重要だ。8%にも上げられないならば、10%はますます難しい

土居丈朗・慶大教授(財政学)・○
 社会保障の世代間格差が広がっている。消費税で、高齢世代を含むすべての世代が負担を分かち合うべきだ

永浜利広・第一生命経済研究所主席エコノミスト・―
 1997年の増税幅2%に対し、今回は3%で国民負担はより大きい。増税と合わせ、大胆な景気対策も必要

西岡純子・アール・ビー・エス証券東京支店チーフエコノミスト・○
 増税しないと(国債の)格下げで金融市場が混乱する可能性がある。増税直後の大きな影響は長く続かない

本田悦朗・内閣官房参与、静岡県立大教授(国際金融)・×
 1%刻みで増税してはどうかと提案した。デフレ脱却を確実に実行し、税収を上げることを重視すべきだ

吉川洋・東大院教授(マクロ経済)・○
 社会保障を安定させ、財政再建を進める第一歩。よほどの出来事がない限り、やめるべきではない
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●和歌山毒カレー冤罪事件: 「正しい」鑑定結果が冤罪を生んだ

2013年09月03日 00時00分13秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事【和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか】(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002926.php)。

   『●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告

 和歌山毒カレー冤罪事件の三つのヒ素試料が異なることについては、上記で既報の通り。ようやく今回の記事で背景が理解できた。当初の鑑定結果は「正しく」、「誤っていはいなかった」のだ。検察の鑑定依頼の内容に不備があった訳である。誤った鑑定依頼内容に、正しい鑑定結果が報告され、裁判所は見抜けず、マスコミはそれに便乗して冤罪を生み出してしまった。

 したがって、この冤罪を晴らす「カギ」となる人物は東京理科大学の中井泉教授かも。当初の鑑定者・中井教授が、自身の誤解(検察に誤解させられた)と検察の依頼内容の(意識的?)不備について、さらなる踏み込んだ証言・提言をしてくれるかどうか?

   『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
                     和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度
   『●『創(2009年7月号)』
   『●『創(2009年6月号)』(2/2)
   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』

 それにしても、安田好弘弁護士の主張からすでに3、4ヶ月・・・・・・この重要な主張や鑑定結果についてマスコミは沈黙を続けているように見えるが?

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002926.php

ニュース・コメンタリー (2013年08月31日)
和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか
報告:神保哲生

 事件に使われたヒ素の再鑑定によって、既に死刑が確定している和歌山カレー事件に冤罪の疑いが出てきていることは、4月にこの番組で報道した(マル激トーク・オン・ディマンド 第628回・2013年04月27日「やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか」)ところだが、このほどなぜそのような問題が起きてしまったのかがより鮮明になってきたので、改めて報告したい。

 夏祭りの炊き出しで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、4人の死者と63人の負傷者を出した「和歌山カレー事件」は、林眞須美被告が否認・黙秘を続ける中、2009年4月に最高裁で死刑が確定している。4月の番組では、その裁判で林氏の犯行と断定される上での決定的な証拠となっていた「亜ヒ酸の鑑定」において、新たな事実が明らかになったことを、林氏の弁護人である安田好弘弁護士をスタジオに招いて、お伝えした。
 その内容はこんなものだった。この事件では犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)と、林氏宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素、そしてカレーに混入されたヒ素を鑑定にかけた結果、その組成が同じものだったことがわかり、それが林氏の犯行と断定する上での決定的な、そして唯一の物証となっていた。判決でもこの「組成が同じものだった」とされていたが、京都大学の河合潤教授が、鑑定のデータを再評価するために不純物をより詳細に調べた結果、実際はこの3つの資料の間には重大な差違があることがわかった。
 犯行が林氏によるものとした最高裁の判断は、林氏以外にヒ素を入れられる者がいなかった、氏が鍋の中を覗くなど怪しい動きをしていたといった、状況証拠やあやふやな証言に基づくものが多く、3つのヒ素が一致したとする鑑定結果は林氏の犯行と断定する上で決定的な意味を持っていた

 今回の取材で明らかになった問題は、東京理科大学の中井泉教授による当初の鑑定が間違っていたのではなく、そもそも検察が依頼した鑑定の依頼内容とその依頼に対する中井教授の理解そしてそれが報道や裁判で誤った形で一人歩きしていってしまったということだった。中井氏は、依頼された鑑定の内容は、林氏自宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなかったと、雑誌「現代化学」の中で述べている。中井氏は検察から依頼された鑑定の内容を、3つの資料の差違を見つけることではなく、3つの資料を含む林氏の周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者の手を経て入ってきたものだったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかったという。
 目的をそのように解釈した中井教授は、有罪の決め手となった3つの資料の差違を詳細に分析はせず、3つの資料を含む10の資料のヒ素がすべて同じ起源を持つものであったことを確認するための鑑定しか行っていなかった。しかし、実際に林氏が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けようというのであれば、その3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは明らかに不十分である。その3つがまったく同じものでなければならない

 弁護団から鑑定結果の再評価を依頼された河合教授がその点を疑問に思い、3つの資料について不純物を含めてより詳細にデータを再評価したところ、そこには大きな差違があることがわかったのだという。

 どうやら問題の本質は中井氏の鑑定そのものにあったわけではなく、検察から依頼された鑑定内容に対する中井氏の解釈と、中井氏の鑑定結果は3つの証拠が同じものであったことを証明しているわけではないにもかかわらず、あたかもそのような報道がなされ、実際に裁判でもそのような解釈が行われていたところにあるようだ。
 和歌山地検から中井氏に送られた鑑定嘱託書には、中国の鉱山で採掘された亜ヒ酸の輸入ルートに沿って1から10まで資料に番号が振られ、その1から10までのヒ素の「異同識別をして欲しいとしか書かれていなかった。これを受けて中井氏は、1から10までのすべてが同じ起源の亜ヒ酸であると判断できるとの鑑定結果を出した。しかし、これは林氏の自宅にあったヒ素と紙コップに付着していたヒ素とカレーに入っていたヒ素が、不純物まで含めてまったく同じの組成を持つものであり、よって林真須美氏がそのコップを使って自宅に保管していたヒ素をカレーに入れたといする仮説を裏付けるものとはなり得ない。河合教授は論文の中で、それらは「別のものであったと結論できる」としている。

 河合教授は8月26日に京都の龍谷大学で開かれたシンポジウムで、鑑定嘱託書に鑑定の目的が書かれていなかったために、中井氏が鑑定すべき内容を誤解してしまったとの見方を示した。何の目的で鑑定を行うかによって鑑定の内容は当然変わってくるからだ。すべてのヒ素が同起源であることを証明するための鑑定と、その中の3つが不純物を含めて全く同じものだったかどうかを確認するための鑑定では、当然鑑定の中身は変わってくる。後者を証明するためには、不純物を含め、より詳細な分析が必要となる。林氏を有罪にするための証拠集めのための鑑定と、無罪の可能性を探るための鑑定の違いと、言い換えることもできるかもしれない。

 長らく自白偏重主義がまかり通ってきた日本の刑事司法の下では、捜査当局は確かな物的証拠の積み上げにより被疑者の犯行を立証する手法に疎いことが次第に明らかになってきている。取調室内で当たり前のように横行する自白の誘導や強要などを隠したいがために、検察は取り調べの全面可視化に頑なに抵抗しているようにも見える。
 今回の事件でも、鑑定結果が林氏の犯行を裏付ける確たる証拠にはならなくても、メディアがそれをもっともらしく報道すれば、被疑者もいずれは自白するだろうし、裁判所も納得してくれるだろうという甘い計算があったのではないか。
 しかし、林氏が最後まで否認を貫いたために、中井氏の鑑定結果の証拠としての有効性が問われる事態となった。ところが、今回の鑑定はあまりにも専門性が高いものだったために、それが林氏の犯行を証明する上で不十分な内容のものであることが、別の専門家である河合教授が再評価をするまでわからなかった。これが今回の問題の顛末ではないか。
 こうなると次なる課題は再審である。安田弁護士は最高裁判決の直後から林氏の裁判の再審を求めているが、今回明らかになったヒ素鑑定の結果を追加した再審補充書を早速提出したという。確かに、今回明らかになった新事実を前にすると、最高裁が判決で述べているような「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されている」と言えるかは非常に疑わしい唯一の物証だった「ヒ素の同一性」が崩れてしまったのだ

 しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。
 またこの事件は元々メディアが主導した劇場型事件の性格も有していた。捜査当局が動く前にメディアが林夫妻の自宅を取り囲み、当初から夫妻がカレー事件の犯人であるかのような報道が乱れ飛んでいた。そのため、ここに来て、冤罪の可能性が現実のものとなってきているにもかかわらず、この問題に対するマスメディアの動きは至って鈍い事実上自分たちが犯人に仕立て上げ、最終的に死刑判決まで受けた人物が、実は無罪だったかもしれないというニュースを、その可能性段階で報ずるのは、難しいと見える。
 和歌山カレー事件で死刑判決の決め手となった鑑定結果をめぐり見えてきた日本の刑事司法の根本的な問題点と、今回の問題の中に、遠隔操作ウィルス事件とも共通した「司法と高度技術」の問題が見て取れる点などについて、ジャーナリストの神保哲生の報告を受けて、神保と社会学者の宮台真司が議論した。


関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第628回(2013年04月27日)
やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)

マル激トーク・オン・ディマンド 第420回(2009年04月25日)
和歌山カレー事件はまだ終わっていない
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林真須美被告主任弁護人)

インタビューズ (2009年04月25日)
「ヒ素は自分で呑んだ。真須美はやっていない」
真須美被告の夫・健治さんが最高裁判決の不当性を訴え


ニュース・コメンタリー (2013年07月13日)
遠隔操作ウィルス事件続報
検察の証拠には「拍子抜けするほど中身がなかった」
遠隔操作ウィルス事件・佐藤博史弁護士記者会見
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●「ネットとデマと大震災」『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号)についてのつぶやき

2013年09月02日 00時00分12秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年8月30日、957号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【配管破断、ヒビ割れの可能性も 東電汚染水漏れに地震説浮上】と(株)金曜日【白川司郎氏の「原発フィクサー」裁判 勝利的解決についての弊社見解】。田中稔さんが原発スラップに見事に実質的勝訴!!

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■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 雨も上がり、ようやく到着。「関東大震災虐殺事件から90年 ネットとデマと大震災」。横田一さん【配管破断、ヒビ割れの可能性も 東電汚染水漏れに地震説浮上】。重大な異常事象(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 藍原寛子さん【楽観的な工程表に批判の声 福島で廃炉に関する初会合】、「汚染水の海洋流出について・・なんら触れられていない」「汚染水の源を閉めないといけないが、それが出来ていない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b708c5d7e03c776fc0cff5e1012bff09

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 編集部【子ども・被災者支援法 基本方針なしは違法】。真野きみえ氏【大阪、脱原発運動の市民連続逮捕事件 最初の判決に無罪!】、「大阪地方裁判所・石井俊和裁判長は無罪判決を言い渡した」

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 田中優子さん【風速計 自衛権を解釈する】、「だとするとこの人事はやはり、武力による集団的自衛権を、憲法解釈の範囲内で大幅に認めていくためになされたことになる・・憲法は確かに歯止めになっていた・・自民党は自衛権の行使が目的なのではなく、武力の行使が目的なのである」

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 【村岡和博の政治時評/消費税、TPP、米軍基地、福島第一原発の汚染水など 課題をよそに国会は「夏休み」】、「・・汚染水、被災者支援、原発再稼働、原発輸出・・臨時国会召集を待てない課題が並ぶ」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 湯浅一郎氏談【汚染水の海洋流出が示した、打つ手なしの福島原発事故処理】、「地下から海への漏えいに加え、貯蔵タンクからの三〇〇トンもの汚染水が明らかに・・」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b708c5d7e03c776fc0cff5e1012bff09

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 花岡和佳男氏【放射能で汚染された魚が、世界の海に拡散していく】、「今回の問題をきっかけに、「原発事故はまだ収拾していない」という認識を、国民の間で高めるべき・・」。そんな雰囲気が無いな・・国会は一体何を!?http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 田岡俊次氏【無意味な「集団的自衛権行使」 無理に解釈改憲しても米国は喜ばず】、「首相は「米国の厄介者」?」。戦争好きの番犬様にも喜んでもらえないとは・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/63ae1160a669df27f0dd5ba09fd68e85

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 坂本龍一氏×鈴木邦男さん対談【「個」の自由が無い日本社会が行きつく先は みんな落胆して精神世界に逃避するのではないか】、「いまや自民党の一党独裁体制!? 対抗勢力はなく、脱原発運動も困難な局面を迎え、排外主義は高まる一方だ」

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 能川元一【朝鮮人虐殺から「在特会」への記憶の連鎖】。内原英聡氏【東京都・横浜市の「副読本」改定問題 なぜ虐殺の二文字は消されたのか】。ハタやウタは強制するは・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 編集部【しばき隊主催 野間易道さんがしばく理由】、「デマの方が広がりやすい」「虐殺した昔の日本人と今の日本人に根本的な違いは無い」。コドモにまでもが・・異常な世界(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cf6d40113805a963c76ad92330fd50b3

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「原爆が投下され「核」の恐ろしさを知っているのに、原発を日本中に作り、3・11の悲劇を招いた・・諸君はただ騙されているだけなのだ。だからいつまでも悪政に苦しみ、泣き寝入りの日々を過ごすしかないのである。自由と平和があれば、そのほかに何を求めたいのか」

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) /  粟野仁雄http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/074bd299a37fab16c426dc8754e8f277)さん【今中哲二助教と行くチェルノブイリ原発(下) ウクライナの汚染地域の人々は今 「わからないこと」にどう向き合うのか】。「熊取6人組」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f4618f1153c07bdf5eb2472912d7c270

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / (株)金曜日【白川司郎氏の「原発フィクサー」裁判 勝利的解決についての弊社見解】、「田中稔氏に・・八月十二日に白川氏が訴訟の取り下げを東京地裁に届け、同十六日に田中氏が取り下げに同意」。原発スラップhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0e01abd31e7ba8eb17b953f4c1a9c529)に勝利

■『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号) / 山口正紀さん【だれのための〈除染〉なのか フクシマの今】、「侵略戦争も原発震災も「なかったこと」にし、憲法破壊=壊憲に突き進む。この危険な〝アベノリスク〟に警鐘を鳴らすのが、メディアの役割だ」。壊憲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b2a322ea2be40b0becb275fcb3a2931c
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●九電「原発やらせメ-ル事件」後日譚

2013年09月01日 00時00分55秒 | Weblog


asahi.comの二つの記事、【引責の前九電社長、子会社に「天下り」】(http://www.asahi.com/shimen/articles/SEB201306190067.html?ref=reca)と【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)九電社長さんが天下り】(http://www.asahi.com/culture/update/0620/TKY201306200446.html?ref=reca)。

 電力会社の「やらせ」や「仕込み」なんてテンコ盛りでしょう。その典型が九電の「やらせメール事件」。郷原信郎さんらの第三者委員会の追及を無視し、佐賀県知事を「守り抜いた」、その当時の社長はいまどうしているのでしょうか?、・・・・・・というと、もんじゅ君が言うように「九電さんでは「やらせメール事件」があったから、去年の3月に社長さんが辞任しているの。あのときは会社ぐるみの不祥事だということでずいぶんと騒ぎになって、責任をとってやめたはずなのに、その元・社長さんがこのたび子会社の会長職に就くことが決まったんだって」。

   『●カマトト「九電原発再開賛成やらせメール事件」
   ●原発安全神話の「結果」と「未来」
   『●ババをつかまされた!?
   『●再稼働が前提
   『●〝不都合な真実〟派に原発規制ができるのか?
   『●第二の突破口が抉じ開けられる: 北海道電力泊原発3号炉という既成事実
   『●その前にお願いすべきことがある
   『●「北海道出身者として恥ずかしい」
   『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!
   『●九州電力指定の第三者委員会の報告を否定して、自社の立場を危うく?
   『●なめられたものだし、だらしのないマスコミ報道陣
   『●原発推進やらせ・仕込み: 誤誘導した事実をひっくり返す訳でもなし
   『●いまさらながら「倫理」がキーワード?(2/2)
   『●いまさらながら「倫理」がキーワード?(1/2)
   『●節電要請で脅して原発再開へと誤誘導
   『●こうしてどんどんと原発廃止・脱原発の外堀が埋められていく
   『●所詮、社内(原子力ムラ村内)での配置転換
   『●原発人災・消費税増税・TPPは茶番、やらせ、「八百長」
   『●東京新聞コラム『筆洗』: 野田政権は沈みゆく泥船
   『●電気は必要ないので、原発再稼働しなくて良いという論理的帰結
   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖: 40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●「馬」や「鹿」の耳にどうすれば大飯原発再稼働反対の「声」は届くのか?
   『●なんだ、結局、やらせ「将来原発比率意見聴取会」じゃないのか? まさに茶番劇
   『●原発意見聴取会: 広告代理店に丸投げ
   『●なんだ、結局、やらせ「将来原発比率意見聴取会」じゃないのか? まさに茶番劇
   『●原発・原子力ムラに関わる組織ぐるみ選挙の一端
   『●「原発が再稼働すれば何てことない」・・・恥ずかしい

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http://www.asahi.com/shimen/articles/SEB201306190067.html?ref=reca

2013年6月20日
引責の前九電社長、子会社に「天下り」

 九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる「やらせメール」問題で、昨年3月に社長を辞任した真部利応(としお)顧問(68)が、子会社の九州通信ネットワーク(QTNet、福岡市)の取締役会長に就くことがわかった。QTNetの株主総会が開かれる21日付。総会で定款を変更し、会長職を新設する。・・・・・・
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http://www.asahi.com/culture/update/0620/TKY201306200446.html?ref=reca

2013年6月21日9時41分
(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)九電社長さんが天下り

■ふくいち君で地下水の汚染

 こんにちは。もんじゅ君です。

 今週は、ふくいち君(福島第一原発)の地下水から、基準値をこえた放射性ストロンチウム、トリチウムがみつかってしまったの。

 東電さんによると「海の放射性物質の濃度には、とくに変化はない」。だけど、海にちかい観測用の井戸からみつかったということは、その水が海に漏れだしていてもおかしくないんじゃないかな……って心配になるよね。


辞任した九電の社長さんが天下り

 さて今週は、九州電力さんのニュース。

 九電さんでは「やらせメール事件」があったから、去年の3月に社長さんが辞任しているの。あのときは会社ぐるみの不祥事だということでずいぶんと騒ぎになって、責任をとってやめたはずなのに、その元・社長さんがこのたび子会社の会長職に就くことが決まったんだって。

 しかも、これまで子会社にはなかったポストだから、あたらしく元社長さんのためにつくってあげるみたいなんだよ。ふしぎだね。


やらせメール事件って?

 すこしまえの話だから「あれっ、やらせメール事件ってなんだっけ?」っていう人もいるかもしれないね。おさらいしておこうか。

 2011年6月、ふくいち君の事故が起きてまだまもないころ、玄海原発くんの再稼働について地元の佐賀県内でテレビ説明会がひらかれたんだ。

 それはおもてむきには「専門家のほかにも、いろんな立場のふつうの人たちも参加している。みんなからの意見もメールやファクスでうけつける」という、バランスのとれた会のはずだったの。


■「再稼働に賛成と送るように指示

 だけどじっさいには、九州電力さんが事前に関係会社の社員たちにむけて「再稼働に賛成だっていう意見をもりあげよう。みんな、番組にメールしてねやらせを指示していたことがわかったんだ。

 電力会社が県民向けの説明会でズルをしていた……、それだけでも大問題なのに、やらせメールがバレて第三者委員会の調査が入ったあとでも、九州電力さんは「その調査結果はちがうんだ」と主張するなど、どうもあまり反省していなさそうだったの。


■辞任後も高額の報酬を得ていた社長さん

 それでも問題はくすぶりつづけて、2012年3月に社長さんは辞任したのね。だけどそのあとも九電さんの顧問として報酬(相談役の2人とあわせて8900万円という金額)をもらっていたし、これからは子会社の会長さんに就任するんだって。

 そういうのをきくと、ほんとに反省しているのかな?ってなんだか心が寒々しちゃう。

 原発って、賛成・反対にかかわらず、まわりに暮らす人たちにつよい不安を与えるもの。そんな重要なものについての説明会でズルをしたら、そのほかの物事の決め方や情報の出し方まですべて疑われかねないでしょ。だから電力会社さんには、よのなかから自分たちがどんなふうに思われているのか、きちんとおのれをみつめてほしいなって思いますだよ。
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