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▲鉄鋼スラグ問題 瀬戸内の報道(その2)

■産経webより
http://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/070825/sng070825001.htm

鉄鋼スラグが野積みに 兵庫・淡路島

 鉄鋼を製造する過程で副産物として発生し、道路の舗装などに使用される鉄鋼スラグ約9万トンが、兵庫県・淡路島の2カ所に野積みされるなどしていたことが25日、分かった。

 粉じん被害の訴えなどを受けた兵庫県は今年6月、大気汚染防止法に基づいて環境対策を取るよう業者を指導。スラグを販売した鉄鋼メーカーの山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)が7月から撤去を始めた。

 兵庫県などによると、同県西宮市の土木建設会社は、淡路島に砂利製造施設の建設を計画。平成18年7月、商社などを通じて山陽特殊製鋼からスラグを購入した。

 スラグは、兵庫県南あわじ市の砂利製造販売会社が管理する南あわじ市と洲本市の山中2カ所に搬入された。その後、施設建設計画が進まず、スラグは一部が野積みされていた。

(2007/08/25 21:55)

■朝日新聞webより
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200708250052.html

「鉄鋼スラグ」10万トンが野積み 淡路島

2007年08月25日

 東証1部上場の山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)が昨年、県内の業者に販売した「鉄鋼スラグ」約10万トンが1年近く、同県の淡路島の山間部2カ所に野積みされていることがわかった。周辺住民の苦情を受けた県が指導し、同製鋼はスラグの回収を始めた。スラグは鉄鋼製造過程で生じる副産物で、同製鋼は「製品として販売した」としているが、販売先の業者に売値を上回る運搬費を支払っていた疑いもあり、県は「産業廃棄物」の可能性もあるとして調査を始めた。

 同製鋼によると、昨年7月、砂利プラント造成工事用として同県西宮市の業者に売却。翌8月~今年2月に洲本市と南あわじ市へ運んだ。だが、プラント造成計画が中断し、野積みされたままになったという。売却代金と運搬費については「言えない」としている。

 西宮市の業者は「スラグをダンプで運搬しただけ。買ったのは淡路島の砂利製造業者だ」と説明する。

 県環境整備課は「スラグの売却を装った産業廃棄物の処分だった可能性があり、廃棄物処理法違反(無許可運搬)などの疑いも出てくる」としている。

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▲鉄鋼スラグ問題への取り組み(その4)

■過去10年、地域での環境問題への取り組みを振り返って

《 鉄鋼スラグ問題のはじまり 》

 愛西市の鉄鋼スラグの問題には、2002年頃から関わっています。

 現場は、以前から違法焼却など様々な産廃問題があり、2001年頃から県などと話し合いを持っていました。しかし、2002年に、私が立田村村議になったことで、現場が隣村の八開村なので、地元には、それほど大きくお知らせせず、コツコツと活動を重ねてきました。

 2002年頃に、きらきら光る「みたことのないもの」が持ち込まれ、驚いて調べはじめました。もちろん、県とも話しましたが、県は「リサイクル製品で、しばらくねさせないと使えない」と言いました。2002年の環境省との話し合いに、写真を持っていって、こんな事例があることも訴えたこともありました。

 しばらく寝させないと使えないと県は言いましたが、1年経っても、2年経っても、そして5年経った今も、その山は動きません。私は「誰もが要らないものは、廃棄物ではないか。リサイクルを騙った不法投棄ではないか。」と、当初から、県に疑問を投げかけてきました。その質問には、はっきりした返答がないまま、今日まできてしまったというのが現状です。

 住民の声に耳を傾け、もっと早い段階で判断をしていれば、こんな大きな問題にならなかったはず。フェロシルト問題のときもそうでした。赤い水が流れ出し、六価クロムが検出され、大きな報道にならないと県は動き出さなかった、今回も同じです。

《 わたしのゴミ問題活動のきっかけ 》

 久しぶりに、地元の産廃問題として「鉄鋼スラグ問題」がクローズアップされ、今までの活動のことが思い起こされます。

 平成9年、今から10年前になりますが、私は、今住んでいる愛西市の旧立田村に産業廃棄物問題(廃プラスチック専焼の計画)が起きたとき、ゴミ問題に関わり始めました。中日新聞が「暴力団関与」と報道した事例です。

 私は、地域の子どもたちの健康や、子どもたちの住みよい環境を守らねばと、活動をはじめたのですが、議会の一般質問で、私の活動に対して「立田の農業をダメにする人がいる」と、ほぼ名指しで非難され、傍聴席でつらい思いをしたことが、ふと思い出されました。しかし、それも、農業を大切に思われたが故と、今では思うことができます。
 その後、5年半、議会傍聴席は、私ひとりの時が多かったですが、傍聴をし続け、地域のことをいろいろ知ることができました。

 主婦だけで会をつくり、村内に10カ所もあった「野焼き問題」に取り組み、モグラ叩きのような通報作戦で、野焼き撃退をしたこともありました。

《 農業と産業廃棄物問題 》

 また、愛西市に隣接する津島市の産廃焼却炉からの黒煙問題では、「松葉のダイオキシン調査」を、募金を集めて行い、良いのか悪いのか、全国ワースト2という結果となり、それが新聞で報道されました。公表するときは、この地域の野菜への風評被害のことを考え、相当に悩みました。しかし、このままでいいのかと、自分に問いかけ、農村地域とかなり離れていることもあり、思い切って公表しました。
 農家からの心配の声もあり、一時的に農家の方々には不安を与えることとなりましたが、産廃施設に県が強く指導に入り、今では操業状況もよくなり、結果としては良い状況となっています。

 農業を大切にするってどういくことか、いつも風評被害のことを心配しながら、自問自答をしていますが、「環境問題は、ベールで隠しておいては、後々に更に大きな問題として、私たちのもとに戻ってくる。小さな段階で、ひとつひとつ”解決”をしていかねばならないもの。それが結果として、地域の環境を守ることにつながる」という考え方を貫いています。先日も農家の方からご意見を頂き、それがもとで、農家の方々が今の環境を守りたいと思っていることもよくわかり、よい交流ができました。苦情が交流に変わっていくという、とてもうれしい経験をしました。

 もうひとつ思い出しました。

 旧立田地区(現在、戸倉町)で、産廃焼却炉の建設計画が、もうひとつ持ち上がったとき、情報を持って、地区の総代さん宅を訪れたことがありました。その結果、地域の方々は、夜を徹して話し合われ、「みんなで金を出し合い、地域でその土地を買い上げて、阻止しよう」ということになりました。しかし、幸いにも、地域は土地を買い上げることなく、その業者は撤退しました。

 地域に大きな活動や動きがあることは、産廃の進入を防ぐということを、身をもって感じました。

 音羽町では、低農薬米「音羽米」で農家と消費者が結びつき、農地の安全を守るための活動がともにされています。そんなまちづくりが愛西市でもできるといいなあと思っています。そのためにも、農村地と市街地住民の間に壁ができないよう、お互い理解し合えるような情報のやりとりが必要だと私は思います。

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