もし、私が脳脊髄液減少症ではなく白血病だったら?
医師に症状を訴えても原因がわからないからといって「気のせい、ストレスのせい、精神的なもの」なんて、言われたり、医師に冷ややかな目で見られたり、
相手にされない、なんて、
悲しい経験は、せずにすんだんだろうなぁ。
医師が原因を探してくれないし、一緒に考えてくれないから、
患者自ら、症状で検索して、脳脊髄液減少症に違いないと自分で専門医を探しだす事もなかったんだろうな。
家の近くに専門医が見つからず、何百キロも遠くの医師のいる病院の予約を自分でヘロヘロになりながら電話して取ったり、
何ヶ月も予約待ちして、辛い体で遠距離移動して受診する事もなかったんだろうな。
地元で受診した医師が、患者が何もしなくても、専門医を紹介し、専門医につないでくれたんだろうな。
検査も治療も健康保険が効かず、全額自費(当時)なんて事もなかったんだろうな。
患者がたくさんいるのに、専門医が少ないから、ブラッドパッチしてすぐ、次の患者のためにベッドを開けるために、
無理しても退院して帰宅しなければならない事なんて、なかったんだろうな。
十分に安静にしてから、体調が回復してから退院できたんだろうな。
もし、脳脊髄液減少症ではなく、白血病だったら、
専門医のいる病院退院後も、
地元医師も嫌がらず
手厚くフォローしてくれるんだろうな。
家族も、周囲も、病名が医師にも認知度が低く、死なないと軽視されてる「脳脊髄液減少症」ではなく
みんなにその深刻さか知られた病名だったら、
もう少し暖かく支えてもらえたのかもしれないな。
脳脊髄液減少症でない他の病気なら、
治療だけでなく、リハビリも入院しながら受けられたんだろうな。
そして、他の病気では当たり前の、
「回復してから退院」と言う事が、できたんだろうな。
なぜ、日本中の、
世界中の多くの医師たちが、
いまだに脳脊髄液減少症を知らないんだろう?
知ろうとしないんだろう?
知っていても自分は専門外で関係ない、と無視するんだろう?
知っていても「症状は起立性頭痛が必須、髄液漏れてたら立っていられないはず」などと誤解しているんだろう?
なぜ、真実の症状を、実際の患者から学ぼうとしないんだろう?
オリンピックが、
多様性を認め合い、
つながり合う社会を、目指すものなら、
多様な症状が出る脳脊髄液減少症も、
世界中の医師たちに、
世界中の人たちに、
認めてもらいたいな。
そして、白血病患者と同じように
手厚く、暖かく、医療で回復を支えてほしいな。
それが、東京オリンピック開会式を見ながら、私が感じた事。