細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2013エジプト・欧州研究出張 No.12 Ericとのディスカッション

2013-03-07 22:30:20 | 研究のこと

今日はランチの後,Ericと研究のディスカッション。

クリンカ細骨材によるモルタルの緻密化と自己治癒現象と,表面吸水試験(SWAT)についてプレゼンしました。昨日,私の中では「敗北」に近い失敗プレゼンをしてしまったので,今日は「リベンジ」のつもりで頑張ってSWATについて説明しました。

非常に良いディスカッションができたと思います。まずは,私の研究室が高いレベルの活動をしていることを,各所で認識してもらう必要があります。そして,研究の成果を英語,日本語で公表していく必要があります。時間はかかりますが,地道に頑張っていくしかありません。

また,私の研究テーマは実務的なものもかなり多く,世の中の役に立っているとは思いますが,基礎研究として評価されにくいという面もあります。そういう意味でも,今日発表した研究は基礎研究として頑張って進めなくてはならない研究です。津波による橋梁の破壊シミュレーションも,早く研究の柱として育てて,カイロ大学のHamed先生らと共著論文を出せるように努力します。そうしようと誓い合っています。

一方で,実務的な研究をしっかりと形にしていくことも非常に重要です。また,その成果をどのように発信していくか,特に国際的にどのように発信していくかも重要になってくるかと思います。日本の中では通じる議論でも,海外では必ずしも魅力的に見えないことも多いです。例えば山口県のシステムを,海外でどのように説明すればよいでしょうか。昨年の台湾での国際会議で,田村先生や私の山口県のシステムの話は好評だったので,よく戦術を考えれば魅力的なアピールも十分にできるかと思います。

やはり,海外で宣伝するには,基礎研究によるアピールが一番です。山口県のシステムも,SWATによる評価などと抱き合わせで紹介すると非常に迫力を伴うはずです。

結論としては,これまでやってきたことを,誠実に進めていくのが一番と思われます。頑張ろー。

今や,私の親友とも言える,Ericです。今回も楽しいディスカッションができて幸せでした。途中から,ポスドクのOguzanも同席して,話に花が咲きました。


 


2013エジプト・欧州研究出張 No.11 Microlab二日目にして最終日

2013-03-07 18:20:49 | 研究のこと

今日も朝から一日,microlabで過ごしています。

朝一番で,同じフロアにいるDr.Hoogenboomに会いました。彼は,以前,東大のコンクリ研に来ていて,そのとき私もちょうど学生でおりました。ほとんどしゃべらない寡黙な人,というイメージでしたが,こちらで会うとすごく気さくで話に花が咲きました。



このフロアには知り合いも多く,とても居心地がよいです。研究テーマも私のテーマと似通っている,耐久性や構造物の劣化,Self healingなどを扱っている研究者も多く,それなりの?刺激を受けたり,私のプレゼンにも興味を示す研究者も多く,楽しいです。

今日は,microlabのボスのブロイゲル教授は非常に多忙で,午後から外国へ行くとか。先ほど,私の部屋に立ち寄って雑談してくださいました。

私の最も仲の良い,准教授のエリックが,今日は比較的時間があるそうなので,私の研究についてディスカッションします。昨日,SWAT(Surface Water Absorption Test)のプレゼンがクソみたいなレベルで空振りしてしまったので,今日は万全の準備をしました。

昨日のプレゼンでは,時差の影響で疲れていたり,用意していたパワーポイントがあまりにもマニアックな情報に偏っていて使い物にならなかったり,という状態でしたが,そこはこちらも百戦錬磨で,それなりには伝わっていたようです。かなり本質を突いた質問が頻発しましたので,今日はこちらも万全の状態で迎撃したいと思います。やっぱり,レベルの高い研究者たちとの議論は楽しいですな。こちらの思考も非常に刺激されます。

さて,明日は今回の出張の最後のvisitでパリに行きます。高速鉄道タリスで移動しますので,とても楽しみです。