細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2013エジプト・欧州研究出張 No.7 英語のパワーポイント

2013-03-05 16:47:58 | 研究のこと

カイロを出発する前に,オランダのデルフトでの研究ディスカッションのために,いくつかのパワーポイントの英訳を始めました。私の学生たちが一所懸命に作ったパワーポイントファイルの英訳です。もともと英語のものもありますが,日本語のパワーポイントを英語に翻訳するのにはそれなりの時間がかかります。

でも,訳していて楽しいし,不要な表現や情報もあるので,この際に整理して,クオリティの高い英語のパワーポイントを作っておくと,後々各所でも利用できるのは自明です。

すごく付加価値の高い仕事であることを認識していますので,この出張中にたくさん作成できるよう,時間を有効に使いたいと思います。

この出張で,最も不安なのが,ノートPCのアダプターが不調であること。充電できるときがあるので,その状態になったらアダプターに絶対に触れないようにして,満タン充電になるようにして,PCを使用するときは節電モードで。オランダに着いたら何とかなるとは思いますが,何とか無事に出張のミッションを完遂できますように!


2013エジプト・欧州研究出張 No.6 野山獄

2013-03-04 18:19:59 | 人生論

カイロの国際空港のすぐ近くの,Novotelという「野山獄」に入れられた,吉田松陰の気分です。

今回の獄中滞在期間は,約45時間でしょうか。約30時間経過しましたが,とにかく自分の好きなように過ごしています。

起きたらとにかく仕事。片っ端から優先順位に従って片づけているので,大分挽回しました。この出張中にあらかた片付くように思います。

お風呂にゆっくり浸かって,持参した専門誌などをゆっくり読んで情報収集。すごく秀逸な情報が多く,さらに脳みそが刺激されます。

食事はホテルのレストランで,徹底的に健康なものだけを食べています。体もしっかりと体操で動かし,たまりにたまった疲れも取り除いています。全体的な摂取エネルギーが少ないので,贅肉が無くなり,体操と筋力トレーニングで鍛えているので,本来の戦闘員のような肉体も戻ってきています。

部屋でインターネットに接続してもよいのですが,そうすると部屋の外に出なくなるので,ホテルのロビーや外のベンチでのんびりと仕事しています。(くつろぎ感を出すために,足も映しました,すんません)


 

ほとんど常に考えているので,頭が疲れてきたら部屋に戻って数時間寝る。非常に深い眠りなので,何時間寝たんだろうと思って時計を見ると,あまり時間が経っていない。

上記の繰返し。もう何度も繰り返したように思います。

2012年8月にタンザニアに出張したときも似たような過ごし方をしましたが,あのときは日中は仕事が詰まっていて,今回は徹底して暇。人間,あるレベル以上に達してやりたいこと・やるべきことを明確に持つことと,自由に使える時間をしっかりと確保することがいか大事か,今回の出張で心の奥底から感じています。

吉田松陰は野山獄に入れられていた1年ちょっとの間に612冊?の本を読んで,獄中でも先生をやっちゃっていた方ですが,私も獄中に1年いたら,おんなじようにやっちゃうかもな,と思ったりしております。

とにかく,今の私は勉強したくて仕方なく,特に10月からの1年間ではアウトプットにもガンガンと力を注げそうで,ものすごく楽しみです。 


2013エジプト・欧州研究出張 No.5 カイロ大学教授との打ち合わせ

2013-03-04 09:57:42 | 研究のこと

曜日の感覚は全くございません。とにかくやりたいことをやりたいようにやって日々が過ぎております。

完全にリラックスした状態だと,日本では苦痛な仕事(テストの採点や,事務書類の作成など)も苦痛ではなく,こちらでどんどん片づけています。あと24時間ぐらいでオランダに移動しますが,オランダでは研究の打ち合わせを,ワークショップ形式で行うと思われます。もちろん,英語で私の研究成果を話すわけですが,パワーポイントが基本でしょうか。日本語のパワーポイントを英訳する必要がありますが,24時間の間に十分に対応できます。そして,その作業は,8日に訪れるパリの研究機関でのディスカッションにも使えるし,今後,私が欧州等で活動を展開する際にも当然に活用されます。だからとても大事な作業であり,やりがいを感じます。

さて,今は睡眠を取った後のカイロ時間で午前3時くらいですが,睡眠を取った後,採点が遅れていた期末テストの採点を終わらせました。日本にいる間は,どうにも時間が取れなかったので,仕方ありません。

その睡眠の前,カイロ大学教授のHamed先生が,私の滞在している空港近くのホテル(Novotel)にわざわざ来てくださって,二人で食事をして,研究ミーティング。私はHamed先生を待ちながらロビーで仕事している間もビールをちびちびのんで,ランチでも赤ワインを一杯楽しみ,その後,津波の橋梁被害の数値シミュレーションの共同研究の打ち合わせ。

合計で3時間にも満たないミーティング(日曜日でしたが,カイロでは休日が金・土だそうです。私は暇ですが,Hamed先生は忙しいのです。)でしたが,ものすごく濃密な3時間でした。

私が鞆の浦で経験したことも話し,今の私がどのような状態であるのかも説明し,藤井聡先生のことも出るし,とにかくありとあらゆる話題をポジティブに,それこそ休む間もなくおしゃべりし続け,頭が疲弊するほどでした。

Hamed先生とは昔から仲がよいですが,今日は私が考えている非常に根源的なことを,簡潔に伝えました。不思議だったのは,Hamed先生もすぐに分かるんですね。本当に根源的な本質は,皆の心の中にあり,今の私は本質を完全に掴みきっているので,分かりやすく伝えると,誰の心にもすぐに響く。そういう状況にあります。やっぱり,本当に大切にすべきことは,日本人のみならず,人類共通なのだろう,と感じております。Hamed先生,イスラム教徒ですからね。

研究のミーティングも非常に有意義で,今の私はとめどなくポジティブに思考するので,次から次へと国際共同研究をグイグイと推進するアイディアが出てきます。Hamed先生もカイロ大学で最も評価の高い教授で,42歳で教授に昇進したすごい先生なので,次から次へとアイディアをぶつけ合って,将来の楽しい方向性が定まった,貴重なミーティングでした。 



カイロ時間で夕方5時くらいにミーティングを終え,私は部屋に戻りました。頭の使いすぎで頭が疲弊しており,そのまま眠りに付きました。夜中の0時半くらいに目が覚めて,仕事を開始しております! 


2013エジプト・欧州研究出張 No.4 鞆の浦のパワー

2013-03-03 18:45:59 | 人生論

以下,先ほど,鞆の浦のさくらホームの羽田冨美江さんらに送ったメールです。(一部,追記しています)

「細田です。出張でカイロに来ています。私のすごく仲のよい,
3つ上のカイロ大学の教授と研究の打ち合わせのためだけに来ています。暴動やらいろいろあるので家族も心配するので,空港のすぐ近くのホテルに滞在していて,ハメド先生たちが会いに来てくれます。VIPですな!

2/23はものすごい体験でした。その後の私に会った人は,私の変化を理解できるようですが,羽田さんもすでにお分かりですよね。本当に進化しました。そして,あまりにも頭の中でいろんなことがつながるので,楽しいし,仕事のレベルがものすごく上がっているし,心から日本の将来のために頑張りたい,と思えています。以前から思っていましたが,100%,わずかな隙もない状態で思えるようになりました。

そして,その理由も少しずつ私の頭の中で解明されていっています。

鞆の浦に来ると,それまでできなかったことができるようになるお年寄りが多いですよね?おしっこもできなかったおじいちゃんが出るようになったり。それと同じことです。我々最前線の人間たちも,全力で頑張って,それなりに能力を発揮しているように思い込んでいますが,実はもっともっと潜在力があるのです。大都会でのストレス社会で,本当の底力を発揮できずに,それでもけなげに頑張っているんです。

でもね,鞆の浦に行くと,私も本当の本当の底力が出るようになったんです。この力を日本人のために使わなかったら,バチ当たるよね。

この年齢で気付けて幸せです。まだまだ時間はある。みんなと連携して,本当の日本人の力を引き出せば,世界のだれもがうらやむ日本になります。

なぜ鞆の浦に行くと,日本人本来の力が発揮できるようになるのか,それは,赤間君と私と羽田さんと一緒に5時間過ごせば分かる!

もっともっとみんなを鞆の浦に連れて行きましょう。3/19にまた,後藤千恵さん連れて,行きますからね!」


2013エジプト・欧州研究出張 No.3 対話の人たち

2013-03-03 16:21:30 | 人生論

かなりの長旅でした。

アムステルダム経由のカイロ行き,という行程がそもそも良くないのですが,「融通の利かない大学」の出張のため,このような変な行程となりました。しかも,カイロ空港に夜中の2時過ぎにつく便なのですが,最初は大学の会計から「空港に泊まれ」という機械的な指示が。

我々教員を何だと思っているんでしょうね。ほとんど隙間のない時間で仕事をこなしつつ,許してもらえないのでエコノミークラスに乗り(准教授はダメですと),空港で寝ろ?あまりにおかしいと思います。

もちろん,ダメと言われても,自腹でホテルに泊まりますが,結局は私の抗議文でホテル代も出ることになり,昨夜は3時ごろにホテルに到着し,非常にホッとしました。

まずお風呂に入り,ほとんど電池が無くなっていたノートPCやiPHONEを充電しようとしたら,PCの充電がうまくできない...
いろいろ試行錯誤で検証して,ノートPCのアダプターがおかしいことに気付きました。相当な疲労状態なので,やや焦りました。PCが使えないと,かなりやばいことになるので...さすがの私も,これだけ疲弊した状態でピンチになると,イライラし始めました。

ところが,アダプターのある部分の接触が悪いようで,ある角度で置くとたまたま充電できたので,絶対に触らないようにしてそのまま就寝。朝起きたら電池満タンになっておりました。しかも疲れも完璧に取れて心地よい目覚めでした。ホテルで寝たのは実質的に4時間くらいでしたが,深い眠りでした。

目覚めてから,まずはロビーで一戦。延泊の手続きと,クリーニングの手続きなど。カイロの人々は,口調も攻撃的(でも心は怒っていない)なので,こちらも一切引くつもりはありません。こちらも百戦錬磨なので,傍から見ていると英語でケンカしているように見えるかもしれませんが,結局すべてうまく行きました。

今日,これから私のホテル(空港近くのNovotel)に来てもらって研究ミーティングをする,カイロ大学教授のハメド先生に電話をして,PCのアダプターを買ってきてもらうように要請。使えるアダプターを買ってきてもらうことを祈る!

昨日,アムステルダムからカイロの飛行機内で,もちろん日本人は皆無ですが,多くの会話をしました。私がマスクをしているのを見て,後ろの男たちがいろいろと話しかけてきました。花粉症であること,カイロ大の教授と会うこと,私も博士であり准教授であること,などなどテンポの良い会話で探り合い,私は3つの座席を占有して爆睡もしたので,着陸直前に「Did you have a good sleep ?」と聞かれ,「Yes, VERY good sleep, thank you」と笑顔で交わして,飛行機を降りました。

そのよくしゃべる男性は,周囲の誰とも話をして,ポジティブな関係を構築していました。飛行機を降りて,VISAを買っている列でも,その男性は,見知らぬ女性とテンポの良い会話で,あっという間に関係を築いていました。

日本にいるから私は変に見えるのかもしれないけど,欧州や地中海世界にいれば,ごく普通の?人間と思います。

さて,Novotelで健康的な朝食が終わりました。今日はハメド先生らと津波の橋梁被害シミュレーションのミーティングをして,予定終了。ホテルでゆっくりとくつろぎ,明日日本が月曜日になる前に多くの仕事を片付けます。

誰にも邪魔されない?至福の時間がスタートしました。 


2013エジプト・欧州研究出張 No.2 ポジティブエネルギー

2013-03-03 00:19:57 | 人生論

今朝は,成田空港でいろいろと用事を済ませました。飛行機のチェックインをしたり,買い物をしたり,食事をしたり,両替をしたり,いろいろです。そのすべてのプロセスで,人と対話します。

そして,相手との気持ちが融合するのは,「一瞬」であることをほぼ毎回経験しました。

もちろん,お互いのことをほとんど知りません。ですが,こちらがポジティブに考えていること,相手に対して好意を持っていることを,おそらく相手が瞬時に五感で察知し,あっという間に気持ちが融合することを感じました。

そうなると話は早い。こちらもいろいろとお願いごとがあったり,買い物ついでに少し雑談したりするのですが,とても会話がスムーズに進み,仲良くなります。

その後深い関係に進むためには何度も対話が必要だとは思うのですが,そのためにまず第一印象が大事であろうことを,今朝の実体験で再認識いたしました。

先ほど,アムステルダム行きの飛行機に乗り込みましたが,隣に座った二人の女の子(北九州の女子大生,卒業旅行)ともすぐに仲良くなり,いろいろとお話をしています。

とにかくポジティブな「気」を発することが重要なのだな,という理解です。

機内の約11時間も非常に充実しており,締切りを大幅に過ぎてしまった原稿のうちの一つを,80%仕上げ,残りはスキポール空港で仕上げます。ノートPCの中の様々なファイルが整頓されていなかったため,私がファイルを引き出しやすいように整理整頓。整理整頓も,日常の業務の効率を上げるために重要です。検索に頼りすぎないこと。

映画で,「踊る大捜査線4」を見て,これまた大興奮。最近,映画を見る,という行為がすごく減ってますが,秀逸な映画はやはり面白いですね。久々に完全に引き込まれてしまいました。

食事の度に,隣の女の子たちと雑談して,獺祭も一緒に飲んだりして,ワイワイと楽しくやりました。



最初の方だけ読みかけて止まっていた,伊藤博文の分厚い本を再開しました。あまりに刺激的な人生で,のめり込んでしまいます。

完全リラックスの11時間でした。 

さて,スキポール空港に着きましたが,カイロ行きのトランジットで4時間以上暇なので,飛行機に乗るときには捨てなければならない,獺祭の三割九分,五割の1合瓶でリラックス仕事タイムを楽しみます。 


2013エジプト・欧州研究出張 No.1 おにぎりとマクドナルド

2013-03-03 00:10:23 | 人生論

今日は海外出張の出発日。今回は,カイロ,デルフト,パリです。

7時過ぎに自宅を出発する予定で,4時に一度目覚めてまたいろいろと考えましたが,二度寝してしまい,目覚ましをかけていない状態で5時過ぎに目覚めました。ここのところ,自然に5時ごろに目覚めるので大丈夫であったかとは思いますが,リスク管理ができていませんでした。

出張の準備は全くしていませんでしたが,朝の1時間で十分で,履いていくズボンも昨夜に洗濯機を回しただけで干すのを忘れていましたが,お風呂で干し始めました。出発の直前に何とか乾きました。

成田空港でゆったりとしたかったので,早めに自宅を出て,家族全員にも見送ってもらい,東海道線で一息。

早速いろいろとPCで仕事を開始しました。リラックスした状態での仕事は効率的でした。

朝ごはんも十分には食べていなかったので,東京駅で朝食。以前は無かったおにぎり屋さんで食べることにしました。過去に出張で一度使ったことはあったのですが,今回が二回目。行列ができており,人気があるのでうれしくなりました。

10種類の具が入った野菜サラダ,二種類の非常においしそうなおにぎり(鮭まぶし,エビ天ぷら)とお味噌汁。あまりにもおいしく,また店内のパネルにも稲穂の写真などがあるような非常に雰囲気のよいお店。



日本人たるもの,マクドナルドではなく,このようなファストフードでエネルギーと栄養をしっかりと摂りたいですね。

マクドナルド等のファストフードが苦戦しているらしいですが,真の原因を分かっておられないように感じます。

日本人がすでに変わったのです。従来の安かろう,悪かろうからはすでに脱却しています。デフレもいずれ克服するでしょう。

私はどうしようもないときはマクドナルドを使うこともありますが,他に選択肢のあるときは絶対に使いません。

当然に,私の子供たちも使いませんし,奥さんは毛嫌いしています。

マクドナルドの経営陣曰く,「数十年後にはみんなマクドナルドを食べているだろう。現在の子供が食べているから。」だそうです。

日本人を甘く見るなかれ。経営陣がこんな視点では,うまく行くはずがない。

少なくとも私はそのようなファストフードからは脱却しました。そして,そのような我々が教育する子供たちの世代は,日本人にとって当たり前のものを,当たり前のように感じながら,魅力的な日本を築いてくれることでしょう。

朝の東京駅で感じたことを記録しておきました。


高信頼

2013-03-01 07:26:01 | 人生論

以下の議論,詳しくは社会心理学の山岸俊夫先生の著書をご参照ください。ですが,山岸先生の本に書いてある内容よりも深いと思います。自分の経験に基づいた内容ですので。

私はいわゆる「高信頼」の人間です。私と同じような考え方を持っている人にとっては,私ほど信頼できる人はいないであろうし,逆に私も相手を本当に信頼できることを私自身が心から納得すれば,最大級の信頼を注ぎます。その信頼関係から生み出せる結果は,想像を絶するほどクリエイティブなことになります。

私が信頼されていることは,独りよがりのたわ言ではなく、学生たちが私に対して全幅の信頼を置くことからも明らかです。学生たちの論文での謝辞に書いてあります。

では,最初からそのように信頼しているのでしょうか。 違います。

高信頼の人間は,非常に感性鋭く,人のことを見ています。それこそ一挙手一投足,すべての発言に感性を澄ませて感じています。そして,最初は相手に違和感を覚えても,自らの発言や問答、共同の作業などを通して信頼関係を構築していきます。少しずつ違和感をほぐしていって,最終的にはこれ以上ない信頼関係を構築します。それが高信頼,ということです。

日常も大切だし,一緒にお酒を飲むことも大事だし,だから私は日々の生活のすべてが大切だ,と常に言っているのであり,ブログにも書いています。私の教育とはそういうものです。

例えば,山口県の二宮さんとの関係はたった4年弱(実質はもっと短い,3年半ほど)ですが,今やお互いの信頼のレベルは信じられないほどです。その信頼関係を築く過程を私はすべて覚えているし,例えていうなれば将棋の棋譜のようなものです。

だから,二宮さんは私にすべての情報を提供してくれるし,「こいつに託しておけば大丈夫」という感覚をお持ちなのだと思います。私が,自分のためだけに行動する人間でないことを,心の底から思っておられるからでしょう。私も二宮さんのことは100%信頼しています。

ですが,その二宮さんとの間にも,当初は私は違和感は感じていました。その違和感を何となく説明はできますが,今はすでに解消しているので,言う必要がありません。

そのようにして高信頼の人間同士が依存し合って,連携し,協働で仕事をしていくことで,今後の世の中は変わっていきます。山岸先生もそのように言われています。私もそう思います。

さて,昨夜の「事件」は,高信頼を築く過程で,信頼が崩壊する,というものでした。

その関係においては、私はまだほんの少し違和感を感じている状況で(つまり信頼ゲームの手探り状態であり),「どうして,こういう技術的判断をするんだろう?」とか,「どうして,こういう発言になるんだろう?」という,数え上げればほんの数例ではあるのですが,私の中でわずかな違和感はありました。もちろん、信頼ゲームはすでにかなり進行しており、かなり高い信頼レベルにまで来ていました。上記のような違和感は決して悪いことでなく,それを本音で語り合いながら,またはお互いの行動で見せ合い,教え合いながら,解消していけばよいのです。これまでもそうしてきました。

ですが,その過程で壊れた。

高信頼の人間は,あまりにも感性が鋭いので,他の人では感じないことを感じてしまいます。

私が「大ざっぱで,いいかげんで,ずけずけものを言って,自分勝手で,人の気持ちを踏みにじる」ような人間だと思いますか?そんな私が,羽田冨美江さんの看取りの話に号泣すると思いますか?23日のあの空間で,涙をこぼしているのは,見渡す限り,私一人でした。私はあの空間のすべての空気を感じ取り,観察し,一人ひとりとの関係を深める努力を,本能的に行っていたのです。だから,あの空間の後の,私の話や行動があり,23日の鞆の浦で皆がつながったのです。長岡高専の井林先生が感激されて、戻られてから私に二つの素晴らしいメールを送っていただいたことも、そういうことです。山口の話と、鞆の浦の話が、二つ別々で進んでいるようで、最後に見事に一つになった。以下、井林先生からの二通目のメールの一部を引用いたします。(しかも、井林先生は、ドラマチックな映画の本当に最後まで見ておらず、途中で帰られたにもかかわらず、真の結末まで見えておられました。)

「細田「先生」が,2日間の合宿授業で「生徒たち」に意図してわからせようとしたのであればすごい意図ですし,もし意図していないとしても,知らないうちに伏線が張られていて,到達点が決まっていたのではないか?と思うほどでした.(全く別に進んでいる2つのストーリーが,最後の最後で結びつく,ドラマチックな 映画を見ている感覚でした)」

だそうです。半分意図的であるし、本能的とも言えます。そのようになると薄々は分かっていましたが、私も映画の主人公の一人なので、その現場で感覚的に方向性を察知し、「監督」しました。

みんなが高信頼である必要はありません。

私のことを嫌いな人はたくさんいるだろうし,近寄ってこないでしょう。

また,信頼のレベルが私より少し低くて,私に近寄りがたいけど,何となく近くにいたい,という人もいるでしょう。そういう方々とは,もちろん一緒にやっていきたいし,そのようにいつも行動しています。

一方で,私は100%信頼できる相手かどうか,常に値踏みしているし,発言や行動でdealしています。そして,100%でない,と分かったら,「見切り」ます。

一度見切った相手でも,その後,その方が変化すれば(人間は日々成長,変化するので),また信頼ゲームを始め,信頼レベルを上げていきます。

もちろん,見切った相手でも,表面上は普通に接するし,連携するし,一緒に仕事します。

以上,かなり踏み込んだ内容ですが,私の頭の中を公開しました。

そのように生きたいので,なるべく多くの方々と信頼を築けるよう,死ぬまで必死で勉強します。 

山岸先生の本は何冊も読んだことがあり、それなりには理解していましたが、昨夜の「事件」を通して、私の中のすべてがつながりました。つながったので、まとめておきました。 また、「書く」ということは戦いであり、池田尚治先生もケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」は戦いである、と言われていました。私も海外出張中に読もうと思いますが、一番最後の単語が「devil」だそうです。まさに戦いですね。そして、藤井聡先生もまさに世の中の何かと戦うために書かれているとしか思いません。一番大切なものを守るために、書くわけです。

この一週間の私のメールや、ブログ、facebookは戦う次元に完全に突入したことを感覚的に感じますので、今朝、感じたことをしっかりと記録しておきました。これが世の中のためになると思うからだし,壊れた信頼の修復にも役立つと考えるからです。