先に紹介しました「千両ミカン」と同じようなお話です。
江戸城に君臨する徳川大将軍に対して、毎年盛夏の時期に加賀藩
からお見舞いとして「氷」が献上されていたのです。
それは厳寒の真冬に巨大な氷室を造って、夏が来るまで溶けない
ように厳重に管理され、見張り番をつけて不心得者の侵入を厳し
く防止したものでした。 搬送が大変でした。 特別な荷車を
しつらえ、昼夜を問わずひたすら江戸へ江戸へとつっ走りました。
量が少なくなって来ると早馬を何頭も仕立てて載せ替えて運びま
した。 途中通行の邪魔になる百姓や子供は蹴散らかし「お氷
様」に無礼があったものは、即刻打ち首となりました。
そうやって江戸に到着し、将軍の手元に届くころは、ちょうど汁
椀に1杯ほどの大きさになっていたといわれます。
ひとかけらの氷にそれほどの価値なんてありません。
でも、ゴルフの会員権とか、テレビタレントの地位とか、最近では
議員の地位も含めて、そんなものにも何の価値があるのでしょうか?
ない者のひがみかもしれませんが・・・。