B子さんの説明を聞いて頑固社長は納得し、申し訳ない
と謝罪したところ、記念写真を撮ろうということで屋上に
行きました。 でも、社屋にも事務所にもだだ一人の社員
もいませんでした。
「今日付けで会社は倒産し、午前中に全員に解雇通知をだ
したところだ!」 「私もこのビルの屋上から飛び降りて
死のうと思っていたところだった」
でも、よく来てくれた、私にも娘が居る。 娘のためにも
いま死ぬわけにはゆかない。 君が来てくれたおかげで、
早まるとところを踏みとどめることができたんだありがと
う・・・というお話です。 赤川次郎作です。
赤川次郎といえば幽霊の話だとか、最後に夢だったなど落
胆する作品が多い中、この短編はよく出来ているものと思
います。
「1日10分のご褒美」双葉文庫より。