新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医局の役割は?

2013-01-15 22:23:16 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

今日は昨年末に大学に入ってきた新しい機械を初めて使用して、実験をしておりました。というより、一回目は使ってみようという感じでしたが・・・。

 

同じ機械を交代交代で予約している感じで、次に使うことができるのは今週の金曜日ということになりました。

 

さて、話は変わりますが・・・僕が「医学教育」というものや、「医局の改革」というものをこのBlogで訴えて、もう6年以上になります

 

医局改革・・・といっても「医局の役割」がはっきりしないことには改革というのも難しいだろう…と思います。

 

医局にはよく「臨床」「研究」「教育」の役割があるといいますが、臨床に関しては「大学病院」と「市中病院」で患者の層が異なるというところはありますが、様々な病院、クリニックで行われております。その内容は大学病院でなくてはできないもの…というのもありますが、ある程度医師が集まればできる…というもののほうが多いように思います。

 

研究に関しては「医局」というものの役割は大きいと思っていますが(なんといっても、現在院生ですしね)、研究に関してだんだんその余裕がなくなっているのが実情ではないかと思っています。上の3項目の中で「他人に与える影響」が少ないのが研究ですから。

臨床は患者さんに不利益が、教育は学生・研修医に加え、彼らが将来見るであろう患者さんたちに不利益が生じます。

 

研究も確かによい研究がなされるのとなされないのでは大きな違いがありますが、「捕らぬ狸の皮算用」では話になりません。

 

教育は最近「アメリカ」でも「医学教育の質」の担保を求める動きが出ておりますが、試験だけでは測りえないものが医学という分野には重要である・・・ということを示していると思います

 

日本の医学教育はまだまだ発展途上であり、学生や医師本人の「熱意」や「能力」に依存しているところがあります。また、「医療格差」をなくすために「大学ごとの違いをなくす」必要はなくとも、「より良いところをお互いに取り込もう」とする考えは重要だと思います。

医局制度改革・医学教育改革(42)    (過去記事の一部)

 

最近、少しこういうことを考えております。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研修医の教育体制をより良くしていくことが重要

2012-05-17 21:43:47 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

帰ってきました。いろいろあったのですが、個人的には今後のことをいろいろ考えていたらこの時間になったということにしておきます。今後の事と言っても個人的な話ではなく、職場の事ですが。

さて、先ほどコメントをいただいたことを書き始める前に記事の紹介をします。

研修医の関連の記事を行きます。

 

若手医師確保に苦戦 県内病院

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000001205160003

2012年05月16日

 県内病院が若手医師の確保に苦戦している。医学部卒業後、研修先を自由に選べる新たな臨床研修医制度が2004年度にスタートしたが、医学生の都市部志向は強く、弘前大学医学部でも卒業後の県外流出が続く。県や県内病院は引き留めに躍起だ。

 「うちの病院は住環境がすばらしい。電気、ガス、水道いくら使っても、月2万円!」
 4月末、弘前市の市総合学習センター。県内の中核13病院や岩手、秋田両県の9病院が参加した合同説明会では、各病院が来春卒業予定の弘大医学部6年生ら70人を熱心にブースに呼び込み、「ぜひうちに」とPRしていた。

 五所川原市の西北中央病院は、高杉滝夫院長ら医師10人と職員5人が歓迎モード全開。病院をPRするのぼり旗をたてたり、ティッシュやアメを配ったりし、ブースに座った医学生には数人がかりで「地域の診療所と連携し、たくさんの症例が経験できる」「外科と内科の垣根が低いから、みんなでやっていく雰囲気がある」と訴えた。

 高杉院長は「若い医師がいると病院が明るくなる。指導役の医師への刺激にもなるし、人手としてもほしい」と打ち明ける。熱心な勧誘活動が実り、今春は募集した4人を確保できたという。

 ただ、県内で臨床研修医を受け入れている13病院全体で見ると、苦戦が続く。全国状況を集計している医師臨床研修マッチング協議会によると、13病院で計128人を募集し、県内外からマッチングに応じた医学生は69人だった。マッチング率は54%(全国平均75%)。東京91%、神奈川87%と都市部志向だ。

 特に苦戦しているのが、弘大付属病院だ。43人の募集枠にマッチングは11人だけ。佐藤敬学長は4月の会見で「地域医療の人材を確保するには大学への集約が必要だが、残念ながら十分機能していない」と悔しさをにじませた。

 弘大によると、今春の医学部卒業生97人のうち、県内13病院で研修するのは36人で、61人が県外に出た。「県外出身者の学生が出身県に戻るのは仕方がない面もある」(県医療薬務課)というが、こうした状況もあり、人口10万人あたりの医師数は182・4人(10年度、厚生労働省調査)で、全国42位と低迷する。

 一方の学生は何を考えているのか。

 弘大医学部6年の女子医学生(24)は県内での勤務を希望するが、「県内の病院に行けば、周りは弘大の医師ばかり。他大学の考え方を学び、刺激を受けたいと県外に出る学生はいる」と学生の思いを代弁する。

 弘大医学部6年の當麻絢子さん(23)は、「待遇よりも経験が積める病院、指導体制の充実度が重要」。将来、当直時の急患をしっかり診られるよう、救急車の台数が多い県内の病院に勤務したいという。

 県や13病院でつくる「県医師臨床研修対策協議会」では、医学生向けの合同説明会を東京や大阪でも開いており、県は「しっかりPRして医師を確保したい」としている。

(別宮潤一)

---------------------------------------

将来の医師としての基本を学ぶ「初期研修医」の場は本当に重要だと思います。

どうしても受け持ち患者数の多い病院、指導医がしっかりしている病院に研修医は集まると思う。いかに指導医が熱心でも患者数が少なければ教えることができるものに限りがあるし、実際に患者さんを診療した一例(すなわち経験)が将来本当に役立つのだ。

 

そういう意味では一定の症例ばかり見るよりは、さまざまな病院で研修をするのはありだと思う。他の病院と自分の病院との違いを知ることはいろいろ勉強になるからだ。

 

ということで、この記事も紹介します。

 

研修医相互派遣、3大学が連携

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001205160005

2012年05月16日

 ●県立医大と広島大、長崎大

 東京電力福島第一原発の事故を受け、放射線の研究や医療分野における連携協定を結んでいる広島大と長崎大、県立医科大の3学長が14日、福島市の県立医大で会談し、若手の研修医を3大学で相互派遣するなど新しい研修講座をつくる方針で一致した。

 県立医大の菊地臣一学長によると、全国の研修医からの「福島を応援したい」という声に応えるほか、福島の現場経験を将来のキャリアに役立ててもらうのが狙いという。

 会議は3大学が連携協定を結んでから1年経ったのを機に、今後の連携強化を図るために開かれた。広島大の浅原利正学長は「それぞれの特徴をいかして、長期計画で取り組んでいきたい」と、継続して支援に取り組む考えを示した。

 また、長崎大の片峰茂学長は「世界が注目する研究や調査が展開されようとしている。現場のニーズにもとづいた支援をしたい。福島の医療の活性化に尽力したい」と話した。

---------------------------------------

福島とか放射線関係とか、そういう考え方でなくとも、さまざまな医局、さまざまな大学の考え方を学ぶのは有意義だと思います。

 

それがそれぞれの大学の発展につながると思います。

 

ぜひ、そうやって「新しい医学教育体制」を確立して、多くの研修医がより良い教育を受け、医療がより良い形に発展していくことを祈念しております。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特定機能病院の在り方:教育を絡めるならCBTと医師国家試験のありかたも考えるべき

2012-05-01 21:15:31 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。同棲すると生活リズムが少し変化しますが(自分勝手にはできませんので)、少しずつ僕も慣らしていきたいと思います

 

さて、今日はいくつか紹介したい記事があります。

少し古い記事ですが、こちらから

 

 
 厚生労働省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大教授)は26日に会合を開き、特定機能病院の承認要件をめぐり議論した。多くの委員から、医学生や研修医を教育する機能を求めるべきとの声が上がった一方で、医師不足などの地域性を考慮すべきとの意見もあった。

 特定機能病院には、高度な医療の提供や医療技術の開発、医療に関する研修が求められており、現行の承認要件には、「高度の医療に関する臨床研修を適切に行わせる」「臨床研修を修了した医師・歯科医師に対する専門的な研修を実施する」などがある。承認を受けているのは84病院。80の大学病院のほか、国立がん研究センター中央病院などで、現在も大学病院以外から承認が申請されている。

 日本医師会長に就任した横倉義武氏に代わり、同日から検討会に参加した中川俊男委員(日医副会長)は、特定機能病院の承認を受ける医療機関が増えていることについて、「特定機能病院に承認されると、経済的なインセンティブがある。是正しないと医療費偏在が深刻だ」と述べた。一方で、「大学病院本院には、学生の教育という重大な使命があり、ほかの特定機能病院と比べて負担があることには配慮しなければならない」との認識を示し、承認要件に医学生の教育を入れることを提案した。
 邉見公雄委員(全国自治体病院協議会長)もこれに賛同し、「高度な診療や研究は、やろうと思えばいろんな病院でできる。特定機能病院の在り方を見直すのに、医師の教育・研修を主な論点に絞った方がいい」と述べた。

 一方、森山寛委員(東京慈恵会医科大附属病院長)は、医学生や研修医の数に要件が設けられると、医師不足が深刻な地域で、承認を受けられない大学病院本院が出ることを懸念。地域の特性に応じて、要件を緩和するなどの措置を取るべきと指摘した。
 
---------------------------------------
以前から(10年以上前から)僕は言っておりますが、臨床実習に関してはCBT合格と同時にどの病院でも実習してよいとしてもよいと考えています。
 
しかし、その臨床実習が十分なものかどうかは非常に微妙なものになります。また、国家試験の合格率などにも影響する可能性があります。
 
今までのように「○○大学 100%」とか、そういう話ではなくなると思います。
 
 
もし、臨床実習に様々な病院がかかわるのであれば「ポートフォリオの導入」など教育システム自体を大きく変えるべきだと思います。
 
何故ポートフォリオかというと「自己評価」、目標を達成したか否かを評価するというところが重要だと考えているからです。
 
 
 
 
いずれにせよ、教育というのは重要なことなので「特定機能病院の在り方」を見直すと同時に、臨床実習などを上げるのはよいかもしれません。ただ、医師国家試験に関しても何らかの方策はとられるべきです。また、CBTのポジションも明確にしたほうが良いと思います
 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

m3の記事より:医学教育は?

2012-04-23 18:54:32 | 医局制度改革・医学教育改革

もう少し書かせてください

 

医学部新設は必要か

今の医学教育は「老化」状態◆Vol.5

http://www.m3.com/iryoIshin/article/151308/

2012年4月17日 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)  

梅村 では将来、「医学部定員を減らさなければいけない」となった時に、「医師過剰感」があるのか。私の予想ですが、今の教育システムで、診断名を一個付けろと言われたら、やはり「老化」だと思うのです。戦後66年の医学教育には、そんなに大きな変化はなかった。しかし、病院が非常に高度化し、在宅死が減少した。患者の要求水準が非常に上がり、医療に対する目線が日本は特異であることを考えると、研修医まで含めて、医師の養成スタイルが、システムとして合っていない。時代に追いついていない。

 だから、例えば河野先生がおっしゃるように、10年後に定員を減らさなければならないとします。全体としてはそうかもしれませんが、その時、医療現場の現場が、「非常に医師が過剰」という雰囲気になっているか。私はそこが少し疑問なのです。

――例えば、消化器専門でも、大腸内視鏡検査しかやらない先生がいたら、不足感は残る。

梅村 まず少し整理すると、専門医とプライマリ・ケア医ですが、国民世論から言えば、やはり専門医を欲している。ただ、プライマリ・ケアの必要性も、これから高齢化社会で広がってくるとなれば、専門分野を持った人がプライマリ・ケアもできる。これが多分、日本型の解決方法ではないかと。プライマリ・ケアだけのプロが、国民世論から求められるのかというと、私は少しそこは厳しいと思っているのです。時々、「いい先生紹介して」と聞かれる。肝臓がんの専門とか、カテーテルの上手な人を紹介して、となります。だから、政策というのは、もちろんあるべき姿も大事ですが、国民性として何を要求しているか、それも私たちは考えなければいけない。

矢崎 私も全く同じ考えですが、それが今の医学教育で可能かという問題があります。医学教育に関する学会などでいつも言っているのですが、医学教育の専門家は、教育のあり方とか、倫理的な問題などには熱心ですが、今、国民が求めている病院の医師不足に、医学教育がどう取り組むべきかという実践的な議論にはほとんどならない。

梅村 今、医学部は理系じゃないと入学できない。少し無茶苦茶なことを言いますが、私は文系でも理系でも入れる入り口にしたらいいと思います。それから、これは文科省に怒られるかもしれないですが、国立大学なら大学入試センター試験から抜けたっていいと思います。

――そんなにオーマルイティーにやる必要もない。

梅村 その代わり、大学の先生方にはすごい苦労をかけると思いますけど、何日も真剣に試験して、自分たちの大学が採りたい人材を合格させたらいい。

矢崎 全くおっしゃる通りです。

梅村 それぐらいの気合を入れて、先生方が、「自分の本当に採りたい生徒の答案を探す」くらいにやる。

河野 先生のおっしゃる通りです。私自身は高校時代は理数は不得意で、どちらかと言えば文系ですが、医学部、医師というのは文系ではないかと、個人的には思っているのです。物理や数学ができても仕方がないだろうと。ただ、千葉大で一時期、数学の入試をなくしたのです。要するに先生がおっしゃる文系の人たちにとっては非常に受かりやすい科目になった。そうしたら学生の学力が落ちた(笑)。

梅村 それはそう思います。

河野 それで元に戻したのです。

梅村 確かに数学の学力は問題処理能力とパラレルだという話もあるので、そこは工夫が要ります。それから、医学部の4年生が終わった時点で、ここで知識に関する国家試験をやってしまう。その上で、今の研修医レベルまでやらせるかは別ですが、5年生、6年生には医行為を認める。6年生が終わった時点で市中の病院にも出せるぐらいまでの形に持っていく

 私は、こうした医学教育改革を医学界、医療界はやるべき時期に来ていると思っています。それをせずに医師数や医学部の定員の話をしていても、埒が明かないと思うのです。臨床研修制度が今、地域の医師不足などの話と絡められ、「悪い」とされています。そうではなく、25歳、26歳というのは、私もそうでしたけど、一番物事を吸収できる時なのです。それも素直な目で。後で労働基準法の話が出てくるかもしれませんが、多少それを破っても研修する。「レジデント」という言葉は、住み込みという意味でしょう。料理人も同じで、住み込みをして修行する。

――朝から晩まで。

梅村 そう。冷たい水でカブを剥くのをやるから、あの京都の料理人が生まれるわけ。だから、医療も同じです。やはり医学部5年生、6年生、研修医の1年目、2年目というのは、一番大事な時この4年間をお客さんで過ごすか、はっきり言えば自分でもう死ぬ気でやるかで、実は日本の医療の姿はすごく変わると思うのです。今の話はドラスチックな話かもしれませんが、先生方から見たら、どう思われますか。

矢崎 私が前々から問題だと言っているのは、入試制度と国家試験が日本は一発勝負である点。各大学で卒業試験をやり、国家試験がある。それ学生にとっても、大変なのです。例えば、医学部の4年間で知識の伝授は全部終える。そこで国家試験をやり、臨床実習の後、2年後に実地試験を行う。それを国家試験とする。あるいは国家試験の代わりに大学の卒業試験で認める。どちらかにすべきだと思います。現状では国試対策のために、臨床実習がきちんとできていなかったために、卒後に臨床研修を2年間やることになった。しかし、卒前の教育が充実すれば臨床研修は1年で済む。入学試験、国家試験と卒業試験を抜本的に変えると、もう相当の部分解決できます。

梅村 大学の先生方の仕事が忙しくなります。

河野 従来の日本の教育は、プロセスベースだった。シラバスを見ると、「何々をやること」と書いてある。だから、評価も「何をやった」となりますが、それではダメ。今、千葉大でもアウトカムベースに変えているのですが、シラバスも「何々ができる」とすべて書き換えています。評価も、試験をきちんとやらないことには仕方がない。今、どこの大学も、OSCEを3年生、4年生で実施していますが、卒業時にもう一度、OSCEをして、「できる」かどうかの評価をしっかりやる。

 昔はちゃんとしたことを教えれば、できるという前提だった。「1+1=2」だった。しかし、今は「1+1」を教えても、「2」にならない学生がいる。だから、評価をプロセスベースからアウトカムベースに根本的に変えることが必要です。

 そのほかにも、医学教育は相当変わりつつあります。昔で言えば、初期研修医がやっていたことを医学生がやっている。ベッドサイトの臨床実習も、見学型ではなく、徹底的に診療参加型にし、現場にどんどん出していく。学生は、朝来たらナースと接触して、ナースから情報を得る。看護記録も見る。それでまず患者さんを診て、それからオーベンに全部報告をする。こうした臨床実習は、大学だけでは無理なので、関連の研修病院、開業医の先生方も含めて、分担して実習しています。

 それからもう一つ試みられているのが、屋根瓦方式の教育。5年生が4年生を、6年生が4年生を、研修医が6年生をそれぞれ教える。学生自身が、教えることによって自分の欠点が分かり、責任が出てくる。向上心へのインセンティブにもつながる。東京医科歯科大学がこうした取り組みをもう始めています。千葉大も始めるところです。すべての大学でやっているわけではありませんが、昔の私たちが受けた教育からは、かなり変わりつつある。

――臨床実習で関連病院や診療所に出るのは、5年生ですか。

河野 5年生です。開業医の先生などは非常に熱心で、「じゃ、診療時間を減らします」とまでおっしゃる。それは困るので、「普通の診療の中で教えてくださって結構です」と言いましたが。私たちが思う以上に、一般病院の勤務医、それから開業医の方々は、医師の育成に関心を持っています。だから、先生方が指摘されるように今の医学教育には問題もありますが、大学にいる人間としては、今まだ途上ですが、変わりつつあるのは確かであることを申し上げたい。

矢崎 私たち病院側からすると、医師の派遣をお願いするのは大学しかないのです。だから、大学に頑張ってほしい、体力を回復してほしい。それでエールを送っています。その際にどうすればいいかを考えた時の一つの選択肢として、モデル事業を提案しているのです。今は臨床研修で大学を離れています。また大学に戻ってくれないと、キャリアパスがない。皆が本当に「ふらふら」している。パスを踏まないで漂っている医師が、ものすごく増えており、質も心配なのです。

 だから、私たちは、医師たちには全部大学に戻ってほしいと考えています。大学が、しっかりとしたキャリアパスを作って、私たち病院に医師を派遣してくれればいい。要するに大学が回復してくれない限り、我々は成り立っていかない。だから、大学を批判してつぶすのではなく、大学を魅力あるものにするには、求心力を増す必要があります。さもなければ、病院にとっても、卒業生も不幸だと思うのです。

---------------------------------------

昔から…というよりもBlogを始める前、CBTの始まるときからずっと書いているのですけど(学生時代、CBTの試行は僕たち新臨床研修制度組からです)、CBTをやるのだったらどこの大学でも臨床研修をできるようにするべきだ。しかも、研修医に準じてある程度の医療行為を実施できるようにする

 

そんなことは学生時代から言っていた(というか、国対委員の会議でも、東医体の評議委員会の打ち上げでも、そんなこと言ってもだれも相手にしてくれませんでしたけど(/_;))

 

そうでないとおかしいんですよ。あの試験の意義が良くわからないから。国が臨床実習をできるかどうか判断する試験であれば、どこの病院に行ってもよいわけで、ある地度の医療行為も実施できると国が認めるべき試験のはず

 

あと、どうでもいいですが僕も医師は理系というよりは文系だと思っています。僕自身も文系ですよ。小中高の全ての先生が「お前は文系だろう!」というと思いますw

人間関係の構築が重要ですし、検査をする前に患者の話を聞き、身体所見を取るところで多くの疾患は診断確定ですからね。その診断確率をいかに上げるかのために検査があるわけで・・・。

 

あとは昔はちゃんと教えれば…と書いていますが、申し訳ありませんが覚えることが増えたと思っていただきたいものです。先生方の時代と比較したら、覚えることが増えすぎた。むしろ先生方に自分の専門分野以外の事もすべてわかりますかと聞きたい。

 

あとは専門医を持ったプライマリケア医ではなく、プライマリケアができる専門医ということですが・・・・専門医がプライマリケアをある程度できるというのは無理ではないですがアップデートは難しいと思います。専門医のところには専門の患者さんが来ているので、使わない知識を膨れ上げさせるのは難しいです。

専門医にプライマリケアを診させる…というのであれば、少なくともそこは専門病院ではなくてプライマリケアだと思います。プライマリケアの中に専門性があるのだと。そうでなくては回らないです。僕は大学病院で自分のできる範囲ではプライマリケア的なこともしていましたが

 

プライマリケア医がある程度の専門性を持つことは不可能ではないと思います。むしろ、そのほうが現実的ですが(救急の先生の中に、○○が得意という方がいますよね。僕の知っている先生方の中には・・・救急部に所属していて・・・サブスペシャリティとして消化器内科、消化器外科、脳外科、産婦人科・・・などなど)

 

研修医2年間を含めた4年間が大事だとは思いますが、それで日本の医療が変わる…というのはオーバーかと。重要ですよ研修制度。僕は今の制度は悪いとは思いません。ただ、研修医の自主性にかなり影響を受けるというのは確かですね。その為できる医師はすごくできて、全然ダメな医師もできてしまうかもしれませんが。

 

笑い話ですけど、一緒に研修していた医師が電話かけてきて、「すぐに部屋に来てほしい」と言ってきたので、何かあったかと部屋に駆けつけたらゲームしていて「もうすぐクリアなんだ。一緒に見ていってくれ」と言われて、苦笑したことがありますw

しかも見ていたら、ラスボスじゃなかったので病院に帰りましたw

 

彼は彼の考えがあり、自分に関係のない研修をしているなら遊んでいますということみたいでしたが・・・・。専門の診療科は変えて活躍してらっしゃるらしい・・・とか。役に立ったのか研修は?

 

まぁ、どのような教育体制を作っていくにしても今の医師数、医局の状態(教育体制)では厳しいのではなかろうかと思っています

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医学部新設の良い点は?

2012-01-06 20:48:57 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は仕事の後、今年初めてのジョギングを行いました。ジョギングとはいえ、途中からは心拍数を150未満にセーブするのをやめて、速度を上げ・・・

「結構つらくなってきた。しかし、このペースを維持するぞ。」

と気合を入れて頑張ってみました。

 

その後は懸垂、腕立てなどをして今帰ってきました。

 

さて、今日は医師不足に対して医学部新設することによる良い点を考えてみました。

 

僕は今までも書いてきましたが、基本的に今すぐ医学部新設は難しいという考え方です。これは2008年の頭のころから言い続けているので4年になります。4年間意見を変えていませんが、今でもこの意見が間違いだとは思えないので・・・。

 

僕が医学部新設に反対している理由は

1、教官の数が足りない

2、教官を集めることによる地方の医師不足の加速の可能性

3、医学部新設の前に各大学の医局員の待遇改善からできることを増やしていく方が良い(これもアルバイトが減るかもしれないとは思いますが、それよりもアルバイトをしなくても十二分な給与が出ることで、臨床・教育・研究に集中できる環境を作る

4、上記の待遇改善の後に、各医学部の学生の人数を増やしていき、彼らが育ってきたところで医学部新設に必要があるか再度確認する(僕は、絶対に必要だと思っていますが)

というものです。

 

僕は新設することはできるのであれば、できるだけ早く行った方が良い。しかし、それを行うだけの底力は今の日本の医療にはない。そう判断しています。

 

先日例えたように、今の「日本の医療」という病人に対して行う処方は「医学部新設」という劇薬(使うことで、日本の医療が壊れかねない)ではなく、まずは体調管理をして体が劇薬に耐えられるようにする

体調管理をしているうちに病気が進行したら、要するに手遅れだったということでしょう。

 

しかし、こう書いているものの・・・今朝ふと思いつきました。

 

僕はもともと臨床においては多くの大学の医局、病院間のやり方を共有するべきであると考えています。研究に関しては共有することで様々な問題が発生するかもしれませんし、研究を共有したからと言って患者さんがその時に良い状態になるかはわかりません。

 

臨床現場において大きな治療指針というものは「ガイドライン」などで示されています。それは普通の病院であれば、ガイドラインを逸脱しているところは少ないと思います。患者さんが紹介されてきた…元の病院でびっくりするようなことがされていたのを見たこともありますが、普通はないです。

しかし、細かいところに関しては本当に違うと思います。その細かいところの差は意外と積もり積もったりするものです。

 

例えば・・・東大医科研の臍帯血移植の治療成績に関して、以前は移植前処置が良いのではないかということで実施されたものの、結局「普通の病院では行えないような細かな管理」に成績上昇の原因があったという。

別の例ではインターネットで情報を交換していた血液内科の先生に「輸血の際の前投薬」の有無、内容などに関して聞かれました。その先生が調べたところ、それぞれの施設で様々な違いがありました。

骨髄採取の時のヘパリンの量とかも、かなり違いますよ。笑ってしまうほど違いがあります(僕の知っている限りにおいてですが、最小のところと最大のところで10倍違いました。一応基準には当てはまる…というか解釈の仕方による

きっと細かなところはいろいろ違いがあると思います。

それは医局だとか関連している施設によるもので、おそらくもっと血を混ぜていくことでお互いのよいところを吸収し、発展できるのではないか…というのが僕が研修医のころから考えていることであり、僕が「眠らない医者の人生探究劇場」のころ(医師3年目、4年目)に書いたりしていた内容です。

 

これも僕は今でもこの方が良いと考えています。井の中の蛙になるのではなくて、もっと日本全国で情報を交換するべきである。学会などで行われたりする、大きなところではなくて細かな違いを学びあい、教えあい、日本全体で発展していくこと。それが必要だと思っています。

 

東京や首都圏はまだいいのです。東京だと有名な病院だったらお互いに人のやり取りもありそうですし(というか、あるみたいですし)。

 

首都圏…といっても神奈川、茨城、千葉などは1県1医大ですので医局の考えや治療の仕方がベースになっているのではないかとは思ったりします。

地方はその医局の考え方が中心になっているのではないか・・・と思っています。

それゆえに大きな情報交流を臨床面ではしたほうが良い。それが患者さんのためになる。そう思っています。

 

お互いに同じような情報を持ちながら、さらにお互いが発展させる方向性を変えればさらに良いものができる

 

以前(2008年くらい?)、某医学雑誌に取材していただいたとき「医局の崩壊は避けなくてはならない」と伝えました。

 

人事組織としての機能が損なわれても、医局が崩壊してしまったら医師や医学生の教育がままならなくなり日本の医療の発展に支障をきたす医局のよいところは残し、教育機関として再生させる必要がある」と言いました。

医局の縦割りの雰囲気(閉鎖的な空間)の中で、同じ診療科であっても横のつながりというのはそれほど強くはない。医師は出身医局の得意な処置を行うことが多い。

それに対して横断的な医師教育組織として各医局の垣根を越えた交流を促進・仲介する第三者機関を設立し、医師が自分の関心の高い臨床を自由に学べるようにする

 

そんなことをしゃべりました。20代の医師の代表(20代の医師ブロガーでしたので。僕は代表というにはかなり偏っているとは前置きしましたがw)ということで伝えた意見ですが、僕はこれも実施するべきであると思っています。僕の中では構想はあるんですけどね、すでに。

 

1県1医大の場合、もしかすると一つの医局の考え方が主体になっているかもしれない。そこに新しい医大ができると・・・違うやり方が出てくるかもしれない。

いってしまえば診療の仕方が地域によって「独占」されているかもしれない。その独占が崩れること、それはいいことだと思います

 

しかし、繰り返しますが僕はそれよりも「医局」間の垣根を崩して、いろいろな大学を見ながら学んでいくような、そして人数などの調整すらできるようなそのような組織(第三者組織)を作ることができればと思っています。

 

僕の中の構想の具体案は、今は内緒ですw 考えは4年間温めてきたのがあるのですけど。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慢性疾患が急性疾患をきっかけにあらわになったらどうしますか?

2011-12-20 20:22:56 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

10日ぶりに都会の空気を吸いましたw

出張先はとても寒かったので、帰ってきたら多少はいいかなと思いましたが・・・関東も寒いですね。

 

さて、今日はいくつか久しぶりなので記事を書きます。金正日死去の話も気になりますが…それは今後の体制変化を見ていかないとわかりませんしね。僕が自分の意見を書いても、自己満足で終わるので書きません。

 

まずはこちら。

 医師を養成する医学部の新設はここ30年以上認められていません。文部科学省の検討会は1年近く、新設の是非をめぐり、委員が意見をぶつけ合いましたが、結論は得られていません。医学部設置でなぜここまで、論争が起きるのでしょうか。

 ――今なぜ、医師を増やす医学部新設が検討されているのですか。

 「救急患者のたらい回しや自治体病院の休止など、2007年ごろから地方で医師不足による問題が相次いだことがきっかけです。解決策として、09年に政権交代を果たした民主党は、医学部定員を1・5倍に増員することを掲げ、医学部新設も検討課題にあげました。10年12月から、日本医師会、大学病院、自治体など関係者による検討会で論議が始まり、今に至っています」

 ――その結果、どう結論づけられそうなんですか。

 「新設を認めるべきという推進派と、否定的な慎重派の溝は深く、一本化できそうにはない状況です

 ――慎重派の論拠はどこにあるのでしょうか。

 「医師不足は既存の医学部の定員増で十分対処できるというのが慎重派の考えです。09年度から大幅な定員増が始まっており、12年度には07年度に比べ1366人増の8991人(防衛医大除く)に達します。実に、医学部13校分に相当します」

 「日本医師会の試算では、この規模の定員数を当面続ければ、2025年時点で病院などの勤務医は10年に比べ5万8000人増の33万9000人となるそうです。逆に人口は減るため、1000人当たりの医師数は現在の先進国の水準に追いつきます。医学部をいったん作れば、医師が過剰になっても廃止は難しいというのも、新設に慎重な理由となっています

 ――推進派の考えは。

 「必要とされる医師数は、定員増ではまかないきれないほど、当面増え続けると見ているからです。技術の進歩で治療をあきらめていた重症患者も助けられるようになり、その分、多くの医師が治療に携わるようになっています。その傾向はさらに進むと見ています

 「将来的に全体的な人口が減少していくのは確かですが、治療の機会が多い高齢者は増え続けます。また勤務医の過重労働を軽減するため、より多くの医師が必要になるとしています

 ――新設に名乗りを上げている大学・病院は。

 「医師が少ない東日本の大学・病院で準備する動きがあります。大学卒業者を医師に養成する4年制のメディカルスクール(医学大学院)は、費用も抑えられるため、検討している施設は多いのですが、今のところ、実現するかどうかは不透明です」

 「仙台市の東北福祉大・仙台厚生病院や栃木県大田原市の国際医療福祉大は、地域枠や奨学金制度を活用し、医師不足に悩む地域の要望にこたえる医学部新設の計画をまとめています」

 ――今後の見通しは。

 「文科省は1月15日まで、一般からの意見を募集しています。最終的には検討会の意見を参考に、政治家が決定します。新設の方向が出れば、文科省内の審議会であがってきた申請を個別に審議することになります。早くても2~3年先になりそうです」

 「定員増や医学部新設を進めたとしても、現場に医師が出て行くのに10年程度の時間が必要です。地域医療の疲弊に対しては、大都市圏と地方の医師の偏在解消や勤務医の負担軽減などに継続して取り組んでいく必要があるでしょう」(渡辺理雄)

------------------------------------------------
さて、僕はこの問題に関しては一貫して同じことを書いていますが、今すぐに医学部を新設するのには反対。ただし、状況が改善されればすぐにでも新設する方が良い。そう考えています。
理由は今までに書いてきたように「医学部を新設すれば、それを教育するだけの教員が必要になる。今の日本にその余力はない」と、考えています。ですから、既存の医学部の定数増から入っていくほうが良いと思います。
しかし、この記事にも書かれているように「2025年には医療の発展+高齢者の割合の増加」により、医師・医療従事者の必要数は増加すると僕も考えています。それ故、ある程度の体制が確立されれば医学部新設も含めて医師数増加に舵を切るべきであると考えています。
僕も含めて医師ブロガーと言われていた人たちが、この「医師不足」・・・問題を書き始めたのが2006年ころだと思います。僕が2006年7月にBlogを開設しましたが、それでも早い方でした。
僕自身が「新臨床研修初年度」ですが、これにより「医師不足」になったといわれています。医師不足になったのではなくて、「医師不足が顕在化」しただけですが・・・。
ここで皆様に質問いたします。
たまたま肺炎で入院したのをきっかけに「肺癌」が見つかったらどうされますか?肺癌は症状がないので、放置…という人がいるでしょうか?
僕は多分治療しますね、治るみこみがあるなら。
医師不足もそういった問題です。新臨床研修医制度をきっかけに「慢性の問題」であった医師不足が顕在化しました。
家族関係が壊れたり、自分の健康を害したりする医師がいて成り立つ医療。クリントン現国務長官が1990年代に日本に来た際に「クレイジー」と言わしめた「聖職者」であった日本の医師。
医師数が業務内容に比較して減少しているため(相対的に医師数は減少傾向)、ついに破綻しかけている…という状況です。
今なら治るかもしれない。もう少しで手遅れになるかもしれない。それが現状だと思います。
それを改善するために、一人一人が動く時だと思っています。
今度は引用記事なしに、僕の考えの一つを書いてみたいと思います。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

 

P.S この記事も気になったのですが、いまさらですね。

診療報酬改定で厚労、財務両大臣が折衝-小宮山厚労相「終始、平行線」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111220-00000005-cbn-soci

 小宮山洋子厚生労働相は20日、2012年度の予算編成をめぐり安住淳財務相との折衝に臨んだ。しかし、診療報酬の引き上げを求める小宮山厚労相に対し、安住財務相は10年度に実施した前回の改定で対応済みとの立場を崩さず、終始平行線をたどった。

 小宮山厚労相が折衝終了後、厚労省内で記者団に明らかにした。政府は12年度予算案を24日に閣議決定する方針で、両大臣はこれに向けて21日以降も折衝を続けるが、調整は難航しそうだ。

 小宮山厚労相は20日の折衝で、小児科、産科、外科、救急医療などを充実させるため、薬価を含む診療報酬全体で前回並みの引き上げ(0.19%)を主張。財務省側が求める長期収載品薬価の大幅引き下げについても、「あり得ない」と反論した。

 介護関連では、介護職員の処遇改善が必要との認識では一致した。しかし、安住財務相は社会福祉法人が内部留保を蓄えていることを理由に、介護報酬の引き上げに難色を示したという。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医大の新設? or  既存の医学部拡充?

2011-07-17 14:41:52 | 医局制度改革・医学教育改革

こんにちは

 

もう一個続けて書きます。そのあと少し休養して(というか、少しでかけて)もう一個くらい記事を書きたいと思います。

 

まず、こちらの記事から

むかしから埼玉は日本一医師が少ない県として有名ですが、それでも確かに増えましたね。けど、救急も崩壊しつつあります。それは医師間ネットワークでも確かな情報だと思っています。

 

 庄和中央病院(春日部市上金崎)の待合室は、地元の高齢者でごった返していた。72病床に対し、常勤医師は8人。洞ノ口佳充副院長が抱える仕事は、本業の外科のほか、内科の手伝い、予防接種、学校医、往診、グループホームの主治医……と多岐にわたる。洞ノ口副院長は「高齢者は1人で多くの病を抱えており8人でも人員不足」と語る。
 人口10万人当たりの医師数が139・9人(08年)と全国最下位の埼玉県。打開策として県が着目したのは、出産や育児で離職した女性医師の活用だ。だが09年10月に復職支援のための研修施設「女性医師支援センター」(さいたま市)を開設したものの、寄せられた相談は累計37件。最新の医学知識に関する講習やシミュレーターなどを使った研修を用意したが、受講した女性医師はいまだおらず、復職した人数さえ把握していない。県医療整備課の吉田幸司課長は「研修を受けてくれれば追跡調査もできるのだが。実績の少なさは反省している。効果的な改善策を考えたい」と話す。
 上田清司知事は6月の会見で「私の任期に入ってから医師の増加率は全国2位。増やしてもまだ少ないということ」と説明する一方、小児や産科医療重視の考え方を示した。しかし、厚生労働省の調査では、小児科のある県内の病院は98年の179が08年には132に、産科・婦人科の看板を掲げる病院数も71が45に減少した。
 県は産科や小児科を目指す後期研修医を対象に月額20万円の資金貸与事業を09年度に創設。今年度は救急にも拡大し45枠のうち30人に貸与する。ただ同様の施策は他の自治体にもあり医師定着への効果は未知数だ。
 6月には「さいたま新都心8-1A街区」(さいたま市)に、2病院を移転させ、救急や周産期母子医療を拡充させる計画が公表された。上田知事は「通勤に便利で専門医を集めやすい。医師確保の効果も期待できる」と強調する。
 国は08年に医師数の抑制方針を転換したが、現行の医師確保策は、他地域との奪い合いともいえる。
 NPO法人「医療制度研究会」副理事長で県済生会栗橋病院の本田宏医師は「医師養成には最低8年かかる。すぐにでも医学部新設に取りかからなければ間に合わない」と警鐘を鳴らす。
 県外では、東北福祉大(仙台市)や、国際医療福祉大(栃木県大田原市)などで医学部新設に向けた動きが出ている。県内では私立の埼玉医科大が医師養成を担ってきたが、国公立大で医学部がないのは埼玉を含む3県のみ。県は医学部新設には、過去の例から建設費に700億円程度、運営費に年間65億円程度かかると試算する。加えて医師約300人を確保する必要があるとし、ハードルは高い。
 医師不足に明確な対策を見いだせない現状に、本田医師は「恐ろしい速度で進む高齢化に対応するため、行政は全力を挙げてほしい」と語る。
-------------------------------------
僕は医師数を増やす必要性はあると、過去にも書き続けていますが…医学部新設に関してはこの記事にも書いているように「指導する側」の医師を確保する必要があり、それを行うよりは既存の医学部に対する手当をあげて、大学病院に医師が集まるだけの魅力的な職場を作り上げることが最初だと思っています。
大学病院に人が集まらなければ「良い医師」を育てる環境はつくれません。
そして既存の大学から枠を拡大するほうが現実的だと思っています。
まぁ、埼玉は・・・・どうするんですかね?
・・・・医師数を手っ取り早く確保するためには大学病院を新設して・・・そこに医師を集める(他県から)・・・と医師数は増えますけどね。
日本全体の医師の増加には・・・それからどの程度月日がかかるかは・…現実的に実効医師数が増えるのは本田先生が言うように8年以上はかかるのでしょうね。
繰り返しになりますが・・・・僕は新しい医大、医学部を新設するよりは、既存の大学病院の医師が集まるような環境を作ることに資金などを費やしてから、医大の人数を増やすことをやったほうがよいのではないかと思ったりしています。
それでは、また。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第2のインターン闘争へ:CBT/OSCE国家試験へ

2011-02-20 17:26:21 | 医局制度改革・医学教育改革

こんにちは

 

今日は昼食の後、「ヒアアフター」という映画を見てきました。

 

「来世」

 

ということらしいですが、リフレクソロジーの時間までの間のつなぎで・・・。

で、帰ってまいりました。

 

その間、病棟から電話はなかったのですが・・・連絡ではやはり土日に患者さんの家族が説明を~と言っている(毎日ご主人とは話しているのだけど)とのこと。あらかじめ言っておいていただければ、少し考えるのですが・・・。

僕も僕自身が潰れないように(おまえはつぶれなさそうと言われますが)、また全体のために「半分は休む」ということにしましたので・・・・。

 

さて、先程の記事の続きではないのですがCBの記事でこちらを紹介します。

 

医師養成グランドデザイン、9月取りまとめ- 医学部長病院長会議


                    全国医学部長病院長会議(会長=黒岩義之・横浜市立大医学部長)は2月17日の定例記者会見で、医師養成のグランドデザインを9月に取りまとめる方針を示した。日本医師会が1月に発表した提案と同じく、卒前の臨床実習に国家資格を設けることや医師国家試験を臨床中心の内容に見直すことなどを盛り込む考え。5月に開催予定の総会で、原案を公表したいとしている。


 グランドデザインでは、医学部教育や医師国試、卒後臨床研修制度の在り方などを柱に、医師養成システムの改革案を示す。女性医師のキャリア形成の推進や医学部新設への反対などにも言及する予定で、昨年10月に「医師養成のグランドデザインワーキンググループ」(座長=神保孝一・札幌医大名誉教授)を設置し、検討を進めている。

 この日の会見で、黒岩会長は医学部教育について、5、6年次の臨床実習での学生の医行為をより積極的に進めるためには、国家資格を設ける必要があると強調臨床に必要な医学知識を問う「CBT」と、技能・態度を評価する「OSCE」を国家試験に格上げする案を示した。
 さらに、医師国試の受験対策のために6年次は実習の時間を十分に確保できないという「医学部教育の空洞化」が生じていると指摘。知識を問う問題は4年次のCBTに集約し、医師国試では臨床中心に出題するなどの見直しを行うべきだと提言した。これにより、卒前と卒後の臨床経験に「中断」が生まれず、一貫性ある医師養成が可能になるという。

 黒岩会長は、こうした方向性が「日医の案とかなり近い」とし、「医療界で(見直しへの)大きな流れ はできている。今は実現のため、どういう条件整備が必要なのかを考える段階になっていると思う」と述べた。

-------------------------------------

CBTを実施する際に(僕らは試行第1期生)、僕は「これをやるならば、どこの病院でも臨床研修ができるようにしなくてはならない」という考えを、いろいろな同期生(大学を超えて)などに話をしました。

実際にCBTとOSCEは国家試験に格上げすべきだと僕も考えています。ただし、やるからには「その大学で」ではなくて、「どの大学でも希望すれば実習できる」ようにするべきだと思っています。

 

これはそうでなくては公平でないから

 

そして、この条件を満たすとどうなるかというと、より教育における負担が増すということ。まともな教育ができる体制でなければ、学生は来ないでしょうしその大学に戻ってくるかも怪しいものです。

 

逆に「教育に対する負担」は一部に軽減されるかもしれませんが・・・。

 

CBTにおいて少なくとも国家試験にする場合は、そのくらいの条件が「学生側」に必要だと思います。おそらく現実的には病院実習は・・多くの学生は自分の病院で行うのかもしれません。

 

しかし、大きなビジョンを持った学生、例えば「心臓移植に将来携わりたい。だから、心臓外科医になりたい」というビジョンがあるなら、そう言った先生がいる病院・実際にやっている病院に行くべきだと思いますし、その権利を有すると考えます。

 

おそらく、全国医学部長・病院長会議の面々でそのことまで考えている人は…まだあまりいないのではないでしょうか?

医学教育のグランドデザインを組むというのはそういうことだと僕は考えます。

 

また、CBT・OSCEをクリアしたということは事実上、今の研修医がやっているようなことを実際にするということだと思います。しかし、この場合は医療スタッフ(人員)でもあり、完全に守られた学生(医師としての義務はまだない)だと思います

 

そのことがどういうことになるのかは、考えるべきだと思いますが・・・教育現場の負担はかなり大きくなりますよ。いくらできるとは言っても研修医は医師として責任がありますが、学生にはそこまでの負担は求められない。

 

僕らは学生に目の見える・手の届く範囲でできるだけのことを経験させる義務が出てくるわけで、これは研修医とはまた違ってくると思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

まぁ、それこそ軌道に乗れば研修医が相当なレベルの人間が増えてくると思いますけど・・・。

 

より多くの人間、特に「えら~い人達」だけで話し合うのではなくて、むしろ現場の意見を取り入れて(無理でしょうけどw)より良いものを作り上げてほしいと思います。

 

それでは、いったん失礼します(本を3冊買ってきたので、早く読みたいw)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医学部新設への動き:僕はこう考える

2011-02-20 12:12:33 | 医局制度改革・医学教育改革

こんにちは

 

今週はバックアップではないので、昨日のICD講習会から帰宅した後、ゆっくりと骨休めをしていました。というか、今からマッサージにでも行こうかという・・・・。さっきのコメントでエッセンシャルオイルの話を頂きましたが、リフレクソロジーでもいいですよね。

 

まぁ、それはさておき・・・この半年は今までと比較して・・・2年間で休んだ日数よりも多くの休みを頂いております。

休みなく働き続けるのは「お前は良くても他が休めないと困る」というお言葉を頂き、確かに…と思って休むようにしています。後輩からみたら先輩が毎日休みなく出ていたら休めないだろう…というのはごもっともな話ですし…将来につながる話ですから。

 

さて、この「将来」のことですけど、この記事をとりあえず紹介します。

 

医学部新設の是非、意見分かれる-文科省・医学部定員検討会
ヒアリングでは、地域医療の現状などについて関係者が報告した。左から高橋氏、寺島氏、河野氏(2月18日、文科省内)
 文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(座長=安西祐一郎・慶応義塾学事顧問)は2月18日、地域医療や製薬産業の関係者からヒアリングを行った。その後の討議では、医学部新設で医師不足に対応すべきか否かなどで、委員の意見が分かれた。


■町長の仕事、半分が医師探し―北海道乙部町
 ヒアリングでは、北海道乙部町の寺島光一郎町長が、地方の医師不足の実態を説明した。広大な面積を持つ北海道では、医学部・医大のある札幌、旭川両市周辺に医師が集中し、同町が位置する道南や道東といった交通アクセスの不便な地域との格差が顕著になっていると指摘。「2次医療圏内で、お産もできない状況が続いている。札幌からの移動には5時間かかり、医師派遣も頼みにくい。町長としての仕事の半分は医師探しという状態だ」と、窮状を訴えた。その上で、こうした地域には、医師の定着が見込める医学部新設を認めてほしいとし、「既存の病院や大学を活用する方法もある。地域の実態に合わせて考えてもらいたい」と主張した。

 一方、河野陽一・千葉大医学部附属病院長は、「医師数の増員だけでは、現代の医療問題は解決しない」と指摘した。河野氏は、現在の定員数なら2026年にはOECD(経済協力開発機構)加盟国平均(08年)に達するとし、「仮に再来年から定員を1万人に増やしても、OECDレベルに到達する期間は2年しか短縮されない」と説明。医師不足への対応は、過剰な医療介入を減らす在宅医療の推進や、地域内の医療資源をネットワーク化する循環型医療の構築など、医療システムを改善することが大切だとした。特に、在宅医療に関しては、「在宅死亡率が30%であれば、現状でも必要医師数は満たせる」とする推計を示した。
 このほか、日本製薬医学会評議員の高橋希人氏が、製薬業界に進む医師や臨床研究(治験)に携わる人材を育成する必要性を強調した。

■「新しい発想の医学部を」「実現は不可能」
 3氏のヒアリング内容を受け、今井浩三委員(東大医科学研究所附属病院長)は、国内の研究分野の弱さに触れ、「今の仕組みで良くなるかは疑問。全く新しい発想で、臨床研究に力を入れる大学をつくることが求められると思う」と、臨床研究に特化した医育機関の新設を提案した。

 これに対し、栗原敏委員(日本私立医科大協会副会長)は「研究のための大学は、実現不可能ではないか。医学を広く学んだ上で、研究へのモチベーションを高めることが、研究者として大成するにも必要だ」と反発。また、黒岩義之委員(全国医学部長病院長会議会長)は、医学部新設を求めた寺島町長の意見に関して、「医師が都市部に集中する偏在の仕組みを放置したままでは、数を増やしても実効性がない」とした上で、「医療者だけで解決できる範囲を超えている。行政の介入も必要だ」と述べた。中川俊男委員(日本医師会副会長)は「(将来の医師供給が過剰になった場合の)責任も持たなければいけない」とした。

 矢崎義雄委員(国立病院機構理事長)は、「既存の医学部定員増は(スタッフ体制などから)1.2倍が限度だ」と主張。さらに、新しい医学教育システムをつくってもいいのではないかとしながらも、日本では米国のような実習体制が取れないとの理由から「メディカルスクールは絶対反対」と強調し、「医師の育成や病院の在り方など、総合的な議論をしなくてはならない」と述べた。
-------------------------------------
まず、僕の考えは「医師不足に対して、医師数を増やす努力をする」のは絶対に必要な話で、はっきり言えば「2008年のOECDレベルに15年後に達成するだろうから今のままでも大丈夫」という千葉大の先生の意見は過去の繰り返しをしたいのだろうか・・・・としか僕は思わないです。
そして記事の最後の方にも書かれていますが「今の病院スタッフ数では医学部定員増に限界がある」とも思っています。これは昔から書き続けていますが、体制を変えなくてはならない。
ただ、日本という国はいつもそうですけど「体制を変える」のに対しては基本的の保守的なんですよね。
僕が昔北海道で働いていたときに、いろいろと職場でシステムの変更に口をはさんでいましたけど、第1段階(僕の中では第3段階で完成)の達成と同時に「これ以上の変更は無理」と言われました。
はっきり言えば「無理かどうかはやってから考えろ」と思いましたが、それが組織なのだろうと思い「もうどうでもいいか・・・」と考えたものです。
本質的にシステムの変更が要求されています。「今の医師数で対応できるようにするシステム作り」ではなくて、「将来の国造りのために必要な体制」を作ることを考えたいと思います。
基本的にはこの記事内でも書かれていること
1、臨床の体制が充実する
現アメリカ国務長官が「日本の医療体制は医療従事者の献身で成り立っている」と、保健医療改革法を議会に提出した1993年ころ言っていたのは有名な話ですが、基本的には足りていない分野は医師の献身で成り立っていますよね。
例えば血液内科では「長○」では血液内科は崩壊しつつあるといわれ、周囲の県に患者の受け入れ要請を行いましたが
「山○」:無理
「○玉」:無理
・・・てどこも無理。東京は大丈夫と言えば大丈夫なんでしょうが、先日のように東京都内から埼玉に転院先を探すような状況になったりしています。
県内の血液内科はかなり厳しくなってきていますし(だから、どこでも引く手あまたですよ。血液内科に来るといいですよw)、救急ももしかすると来年度には崩壊かもしれないし・・・・。
過疎地だけでなくて、人口密集地域でも厳しくなってきていますよ。本当に・・・・。
2、臨床研究、基礎研究が行える環境
すでに基礎研究は厳しくなってきています。僕が学生のころ、血液学会(僕は医学部5年の時から参加してます)では基礎の発表が多かったのに、今は臨床の発表ばかり。それだけ、基礎研究をする時間がなくなっているということだと思います。
臨床研究などを行うにも、その為の人材をそろえるのは大変です。
3、学生の教育
正直、大学病院において…当院はまだ良いほうかもしれませんが・・・臨床、研究、教育と3つ行うのは至難の技になってきています。1.2倍が限度と記事内に書かれていますが、それはまさに「献身」を要求します。と同時におそらく大学病院から医師はいなくなるでしょうね。
だから、今の体制では無理なんですよ。
現場をみないからそんなアホなことを平気で言う。
4、医療経済
医療経済をどのように扱っていくのか。
ついでに言うなら治療や健診で来日する外国人の話がありますが、医療レベルをあげて、日本の医療を外国人にも提供できるだけの余裕(人的、物的)ができれば、実は医師にも患者さんにも日本の国にも良いのではないだろうかと思ったりしています。
そうするとその周辺にはホテルやらショッピングモールやら…観光関係やら…いろいろ作らないといけないですしね。
5、病院、クリニック連携
金曜日に「骨髄腫」関連で病院に講演に来た先生が、当院血液内科と某クリニックの関係を非常に評価していかれ
「埼玉県、日本全体・・東京では病院が多いからもしかすると必要ないかもしれないけど、将来そのような関係が必要だろう。ここでそのような話が聞けるとは思わなかった」
と、おっしゃっていた。
教授が今の人数で患者さんの診療を成り立たせるために、苦心の末考えた「抜け道」なんだと思いますし、素晴らしい連携なんだと思います。確かに、こんな連携が多くの病院でできるようになるとよいのでしょうけど。
いらっしゃった先生の話では「アメリカ」ではすでにこのような体制になっている・・・とのことでした。
と、まぁ…いろいろ考える必要はあるわけで。
その目的に合わせた人数・システムを考えなくてはいけないだろう。そして、先のことを考えるのに今と比較してもしょうがいないだろう…と思ったりしました。
それでは、昼食に行ってきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3私大医学部新設へ:教育的な問題でちょっと反対です

2010-09-20 12:09:58 | 医局制度改革・医学教育改革

こんにちは

 

さて、先程記事を書きましたが、引き続きもう一つ記事を書きます。

こちらの記事からです。

 

<医学部>3私大で新設の動き 政府、容認検討へ

毎日新聞 9月19日(日)2時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100919-00000005-mai-soci  

 

各地の大学で医学部新設へ向けた動きが広がり始めている。文部科学省は80年以降、医学部新設を認めていないが、民主党は医師不足対策として医学部の新設も掲げており、近く容認に向け本格的な検討が始まる見通し。ただ、既存の大学医学部や日本医師会は「現場の臨床医を教員として引き揚げねばならず、地域医療が崩壊する」などと反対しており、新設容認へ向けた議論の行方は不透明だ。【福永方人】  

 

医学部新設を具体的に検討しているのは、北海道医療大(北海道当別町)▽国際医療福祉大(栃木県大田原市)▽聖隷クリストファー大(浜松市)--の私立3大学。いずれも学内に検討委員会を設け、定員やカリキュラムなどを協議している。また、公立はこだて未来大(北海道函館市)も、函館市が識者らでつくる懇話会を設置し、新設の可能性を検討している。  

 

北海道医療大は入学定員60~80人を想定。大半を歯科医や薬剤師、看護師などが対象の編入枠とし、医師不足が深刻な道東地域への医師配置を目指す。同大医学部設置検討ワーキンググループ座長の小林正伸・看護福祉学部教授は「地域医療の担い手育成は急務。国から医学部新設のゴーサインが出たらすぐに手を挙げられるよう準備したい」と話す。  

 

国際医療福祉大は、現在の医学部設置基準の上限である定員125人程度を想定。聖隷クリストファー大は、4年制大学卒業者を対象とした「メディカルスクール」の創設も視野に入れている。  

 

医学部の設置は79年の琉球大が最後。国はそれ以降、医師が過剰になるとの将来予測などから新設を認めてこなかった。  

 

民主党は昨夏の衆院選に向け公表した政策集で、医師養成数の1.5倍増を掲げ、「看護学科等を持ち、かつ、病院を有する大学の医学部設置等を行う」とした。全国の病院と診療所を対象とした厚生労働省の「必要医師数実態調査」の結果が今月中にも公表される予定で、鈴木寛副文科相は6月の記者会見で「調査結果を受けて関係省庁、関係者と(医学部新設について)本格的な議論に入りたい」と述べている。  

 

一方、大学医学部でつくる全国医学部長病院長会議や日本医師会は「既存の医学部を拡充する方が財政的に有利」「医師が充足した時に養成数を減らしにくくなる」などとして医学部新設に反対している。

-------------------------------

既存の医学部を拡充する方が財政的に有利

医師が充足した時に養成数を減らしにくくなる

 

 

これは正直、既存の医学部・医大が医大生獲得などを含めた既得権益に絡めて反対しているようにしか見えませんが、僕もある理由から反対です。

 

 

それは先程も記事に書きましたが、教育者が不足しています。

既存の医学部の拡充ですら不可能な状況なのに新設で医大を作ることがどれほど困難だろうか…と思うわけです。

 

地域の臨床医を引き上げなくてはならない…というのも事実でしょう。それは既存の大学を拡充したとしても同様のことが生じると思います。

 

 

医師は不足していますまともな教育を行うことが難しいほど、不足しています。臨床を行うことが手いっぱいになっているからこそ、教育も研究も成り立たなくなりつつあるわけです。

 

教育施設として十二分な機能を発揮させるためには、相当な教育者の準備、施設の準備が必要です。これを仮に「メディカルスクール」として臨床に特化させるとしても、それなりに指導医を集めなくてはならない

 

 

今の医科大学を含め、医師教育制度としては今までにも書いてきたように「個人」の努力、能力に依存してきたレベルの低い教育制度です。個人の能力や責任感が強いことから、日本医療の高いレベルが維持されているのだろうと思っています。

 

だからこそ、先に改善を要するのは医師教育制度・医局制度だと思っています。

 

昨日様々な話がありましたが、僕は日本の教育の特徴はあくまで「全員が同じことができるようになることを求める」教育であると思っています。

ただ、個々に合わせた教育ができるわけでもない。いや、僕に言わせれば教育というよりは「学ぶ」場所を提供しているだけ。それが今の(医学)教育なのでしょう。

 

もっとも、僕は教えたがりなので…僕の知っている知識は極力、うちに来た研修医などには覚えていってもらうつもりで・・・いろいろやっていますけど(追い込みともいうw)。

 

まぁ、様々な考え方があるとは思います。医師の充足はおそらく…今後も様々な専門分野が出てきたりすると思うので、それこそ何らかの医療におけるブレイクスルー(僕が死ぬまでに行いたいと思っている癌の撲滅などが達成できたら、減るでしょうねw)がないと充足はしないと思います

 

 

だから、医師数をまず増やさないことには話にもならない…とは思っていますが、数を増やせばよいというものでもなく、しっかりと教育できる体制を作っていければと思っています。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

それでは、僕は明日の準備などに入ります。

 

その前に昼食を・・・・。

 

 

P.S:また・・・病棟の状況を聞いてしまった。これをやめないと・・・いつまでたっても休みに入った気がしないですね。

 

P.S2:7月までに53kg(学生時代67kg、大学に戻る前62kg)まで体重が減ったので、最近は休めるときに休むようにしていますが…ようやく57,58kgまで増えてきました。たまに走ったりしていますが、筋肉が減って、脂肪が増えたような気がして・・・。

ずっと、アスリートとしての自分を維持してきたのになぁ・・・。

と、本を読みながら腹筋したりしています。

 

 

P.S3:昨日、たまたまフォーラムの懇親会で「学生さんかと思った」と言われ、一人喜んでいます(笑

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする