新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

若手医師を集めるなら:

2016-09-27 13:48:56 | 医療

こんにちは

 

引っ越し作業を続けています。

昨日、市役所などを回ってきて、今日は管理人さんの立会いなどいくつかやるべきことをしています。

引越し準備もだいぶ進んできて、あとは一日あればどうにかなるかなという感じです。

 

ともかくいらないものを捨ててしまいたい。

 

今日は休暇を取って、引っ越しの準備をしておりますが、このあと送別会をしていただく予定のため、一度病院へ行く予定です。

その前に一つ気になる記事を紹介します。

 

昨日の記事です。

 

地域ごとの医師偏在、解消狙い指標導入…厚労省方針

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160926-00010000-yomidr-soci

読売新聞(ヨミドクター) 9月26日(月)15時1分配信

 医師偏在の実態を把握するため、厚生労働省は医師の過不足を地域比較できる指標を新たに導入することを決めた

 国や都道府県が地域ごとの医師の偏りを的確にとらえ、有効な対策を検討するために活用する。厚労省は、早ければ2018年度の導入を目指す。

 指標は、各地域にいる医師数と患者数を基本に、地域の面積、山間地や離島の有無、特定の診療科だけを開設する病院の有無といった地域事情を加味して算出する。都道府県が生活圏ごとに指標を計算し、医師の過不足を明らかにする。都道府県や診療科ごとの算出もできるようにする。

 過不足が分かれば、若手医師の臨床研修先となる病院の定員を調整したり、医学部の地域枠卒で地元での勤務が求められている医師に不足地域での診療を要請したりすることが可能になる。この指標により、対策の効果を測ることもできる。

 政府は医師不足対策として、医学部定員を07年度の計7625人から16年度には計9262人まで増やしてきた。しかし、医師が地方で不足し都市部に偏在する問題は解消していない。厚労省は、統一的な指標を設け、偏在の詳しい実態を知り具体策に生かす考えだ。

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上に書いてありますが、医師数・患者数だけでなく、各地域の病院へ通える「時間的距離(病院のカバー範囲)」、ある種の特殊性の高い診療科(血液内科はその一つでしょうね)がどの程度カバーできているかなどが問題になってきます。

 

都市部と書かれていますが、たとえば東京都23区内は比較的医師数は多いですが、埼玉、千葉、神奈川などは「人口当たりの医師数」は少ないです。かなり東京に依存していると思います。

地方・・・別に北海道・東北とかいうのではありません。人口密度がそれほど高くなく、病院も限られている場合にどう対応していくかが問題なのだろうと思います。

 

若手医師の研修先となる病院の調整と書かれていますが、患者さんの数は「経験」につながりますので若手医師(やる気のある)は患者数の多いところを希望します。患者数が少なかったり、経験が偏っている場合(Common diseaseしか診ないなど)はその医師の未来に大きく影響をします。もしかすると、医師の臨床スキルが低下して、将来的には・・・思った以上に悪影響が出るかもしれません

 

そうすると本来はある一定の経験を得た医師が地方に行くべきだ…という話になります(僕も北海道に行きますがw)。その場合は家族が同伴できるのであればよいですが、そうでなかった場合(例えば、子供の通学などの関係)は医師にとっては不利益と感じると思います。

 

少なくとも僕はそう感じて北海道に行きますし、その先も全く希望はしておりません。

 

強制的に何かをさせるというのは「やる気」を損ないますし、良い手段ではないように思います。

本来はそこに行くことがメリットになるようにすることが理想なのだろうと思います。

 

僕にそう言う権限はないですが、僕はもし一定レベルの若手医師をどこかに集めたいのであれば、「患者の集約化」「病院を中心とした街づくり」「家族や本人をサポートする体制づくり」が最低限必要だと思います。

 

まぁ、今までも書いてきた通りなんですが…(汗

 

患者さんの集約化というのは地域医療に寄与できる病院をあらかじめ大きなところ一か所にまず絞ることです。初期医療を行う施設(病院・クリニック)もなくてはいけませんが、そこと集約化した病院を医師が交互に通勤するようにすることで経験の幅も増えますし、患者さんの経過も見やすくなると思います。

若手医師には経験が必要です。様々な・・・。また、一人で様々なことを学べる医師もいますが、指導できる人間がいることは重要ですし、フィードバックも重要です。

ちなみにそれゆえに大きな手術・治療は周辺施設で行うのではなく、一か所に集中させます。それで経験が高くなります。経験をお互い共有しあうのが重要になります。この経験を1年おきでもいいから「ブラッシュアップ」させることはとても重要なことだと思います。

ちなみに周辺施設で「決まった抗癌剤治療」を行うなどはありだと思います。ただし、緊急対応ができるバックの施設があるからできることですが。

 

病院を中心とした街づくりというのはそのままです。もし地域に行くとしても、ある程度・・・家族(妻子・両親など)のサポートができる体制であれば、医師も安心してそこに異動できるでしょう。逆にサポートもなしで移動しろと言われても、不安・不満があるだけで、まったくメリットを感じないかもしれません(金銭的なものは、僕に言わせれば一定以上はあまり意味はなく、この時期にできる経験や家族との時間が重要だと思います)。病院を中心に街を作るのはアメリカなどでは行われていますし、亀田総合病院などはそれに近いかもしれません。まぁ、あそこに十分な教育施設があるかどうかはわかりませんが、僕だったら子供を安心して任せられるような学校を配置するでしょうね。

 

医師の家族って、結構そういう話大事だと考えると思います。

地域に行ってもまた東京(などの中心都市)に戻った時に「子供の勉強が遅れていない」と思えるのは重要ですので

 

僕がこれを見て思ったのは、どこまで考えているのかなぁと・・・・。僕は自分がやる立場であれば最低限そういうことをしたほうがよいと考えますし、考えられないのにこうしろああしろという政治家や官僚はどうなんだろうかと思うところです

 

では、そろそろ病院に出発します。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

コメント (2)
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