Angela Garden

シンプルに、そしてエレガントに。試行錯誤しながらも、そんな人生を送りたい。

中京郵便局&みずほ銀行京都中央支店

2010年08月02日 | ★ヴォーリズ&その他近代美建築(西日本)




京都文化博物館のすぐ先には、現役の中京郵便局。
なんと、1871年(M4)に郵便制度が発足した時に、
東京、大阪と共に設置された郵便役所が前身で、
日本で最も歴史のある郵便局の1つなのだそうです。
設計は、当時の逓信省営繕課の吉井茂則氏と、三橋四郎氏。



1902年(M35)建設のネオルネサンス様式。
京都市登録有形文化財で「景観重要建築物」に指定されています。



1973年(S48)に、機械化の進んだ郵便業務に適応出来ない、として
局舎の取り壊しが決定したそうですが、反対運動もあって、
結果的には、外壁を残し、内部を新築するという、
「ファサード保存」」という建築手法で改築されました。

京都では、町屋などもこのファサード保存を取り入れていて、
表は、町屋造りの景観を保ったまま、内部はモダンに・・・
などと有効に使われていますが、
この手法の、日本での第1号の実例が、この中京郵便局なのです。

昔の建物の雰囲気を残したまま、内部のみを実用的に改装する
「ファサード保存」は、建て壊し、新築よりも、ずっと手間とコストがかかると思うのですが、
長い歴史を考えると、素敵なことだと思います。




                         


さて、こちらは、みずほ銀行、京都中央支店。
今まで、載せてきた、煉瓦造り×白い花崗岩建築と比べて、・・・?
と感じられた方、すごいですわ~



こちらも、あの辰野金吾が設計し、1906年(M39)に
第一銀行京都支店ビルとして竣工、されたのですが、
1999年に、耐震性に問題ありとして、取り壊しされています。
上の中京郵便局のようにファサード保存もされず、
また取り壊した際の、建築資材を再利用することもなく、
2003年に全面的に、レプリカ再建された建物なのです。

同じ頃の、同じような建築が、同じような場所で残っているのに、
何故、このみずほ銀行のビルは、全面取り壊しになったのでしょうね。
好みの問題ですが、建築素人の私が見ても、薄っぺらに感じて、
魅力も感じ無くて、撮った画像は、この2枚だけでした。。。
100年後、このビルは、どんな味わいを醸し出しているのかな~


(追記)

上のみずほ銀行と同じ並び、烏丸通を四条の方へ歩いて行くと
この建物が見えます。

私好みの、この建物は、やはり、辰野金吾の設計。(東京駅を設計した、明治時代の建築王)
62歳の晩年の作品だそうです。風格があります。
大正5年に、大阪の貿易商の2代目によって、
「山口銀行京都支店」として造られました。
その後平成16年まで、北國銀行として使われていたそうです。
今は、「flowing cafe」となっています。

ほんの少ししか離れていない、みずほ銀行のレプリカ建築、
同じ辰野金吾の設計なのに、壊され、
この北國銀行の建物は残されて、現役・・・
後を引き継いでいく人の価値観の違いでしょうか。。。

 

 

 

 

 

 


京都府文化博物館

2010年08月02日 | ★ヴォーリズ&その他近代美建築(西日本)


8月ですね!! 



京都に出かけたのは、2週間前なのですが・・・
また、続きです。。。


三条通りでも、この辺りがとても雰囲気が好きです。
お隣りの中京郵便局と並んで、ハイカラ♪な雰囲気です。



もとは、日本銀行の京都支店として、1903年(M36)に着工、
1906年(M39)に竣工されました。
        
1965年(S40)京都支店が河原町通二条に移転したのち、
平安京遷都1200年を記念して、平安博物館として開館 。

1969年(S44)国の重要文化財に指定 、
1986年(S61)に、京都府に寄贈され、修理・復元 されて、
博物館別館として公開。

2005年(H17)5月 リニューアル工事がされました。



やはり、日本銀行の建築は、ゴージャスです。
こちらは、当時の銀行員が仕事をしていた、営業室と言われる場所です。



今は、ホールのようになっていて、この日は若手のバンドのライブを行っていました。
↓の柵は、銀行窓口のカウンターだった場所です。ステキです~



この京都府文化博物館も、設計は辰野金吾と、その弟子。
同じ三条通の日本生命ビルも設計しています。



赤レンガと白い花崗岩を組み合わせた、この意匠は、
19世紀イギリスのクイーン・アン様式と呼ばれています。が、
イギリスに留学していた辰野金吾が、そのクイーン・アン様式をアレンジした
フリークラシックの様式と考えられていて、通称「辰野式」と呼ばれています。



(以下、2012.3.16追加)