京都伏見で見たいと思っていたのは、
現在、聖母女学院の建物として使われている、
美しい赤レンガ建築です。
1908年(M41)に、陸軍省の技師による設計で建てられました。
完璧なシンメトリー、古典様式にのっとった、美しい外観です。
日露戦争後のさらなる軍備充実のために
第16師団が新設されて、砲兵、工兵、騎兵、歩兵、などのための
施設や練兵場が多くあったそうです。
すぐ近くの大きな通りは、軍事物資や兵隊を運ぶための
「師団街道」という名前が今も表記されています。
戦後になって、平和を愛した、聖母女学院の創始者、
フランスから来た修道女、メール・マリー・クロチルド・リュチニエのもとに払い下げられたそうです。
マリア像が、とても優しく美しいですよね。
学校で勉強していたころ、日本史の明治時代は、
海外との戦争の話ばかりで、ちょっと苦手でした。
でも、いくつかの陸軍の施設として建てられた建築物を見ていると、
とても不思議な感覚になります。
欧米に大きな後れをとっていた日本が、海外と戦うために、
海外に負けない建物も造ることが出来るのだ、
と見せつけたくて必死だったかも知れませんが、
なんだか、優雅な空気を感じてしまうのです。
戦争の為の建物なのに。。。
内部は入れませんでしたので、ガラスの扉にレンズをぴったりくっつけて撮りました
内扉がとても素敵~
日本の明治時代、欧米は、私の大好きなヴィクトリア朝の全盛期、
そんな影響を受けて、美しいなと感じる建物の多くが明治時代に建てられているので、
最近は、明治時代の人物にも事件にも、
興味を持てるようになりました。
鎖国の江戸時代から、急激に欧米化を目指した日本、
とってもエネルギッシュで、パワーに溢れていた人物が
たくさんいたのでしょうね。
先日、假屋崎省吾さんも、美しい建築を見るのが好きで、
フランスのロワール渓谷へよくお城を見に行くとお話されていました。
多くの人たちの美意識から生み出された、美しい建築を見ると、
長い歴史が醸し出すさまざまなものを
感じ取ることが出来て、作品作りに役に立つそうです。
明治時代に財力を持った実業家、
そういった実業家から設計を依頼される建築家、
実業家と建築家が生み出した建物が時代に与える影響、
そういう面から、苦手な明治時代を見るのも、面白く感じます。
聖母女学院という学校名も、素敵で憧れます