超人日記・作文

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

歳時記俳句・秋彼岸

2023-09-21 00:03:38 | 自作俳句
星空を仰いで涼し秋彼岸
秋祭り目玉の菓子の供え物
秋の蝶秋明菊の蜜に舞い

残る虫日ごとに秋も深まりて
秋蛍意中の人を照らし当て
白桃の色で揺られる曼殊沙華

柿紅葉踏み分けてふと思う秋
草紅葉彩る道を通う靴
散歩道桜紅葉も落ち来たる

名月や遠くの人も仰ぎ見る
宵闇に気配を感じ息を吸う
流れ星この瞬間を胸に染め
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歳時記俳句・通い道

2023-09-20 00:03:25 | 自作俳句
仲秋の月の出を待ち言えぬ文字
秋天の下で終わらぬ思い草
待宵の路にて古き洋菓子屋

花野から歩いてすぐの事務机
揺れながら映る笑顔や秋の水
郷愁を誘う数羽の渡り鳥

足音に気づきて逃げる稲雀
赤蜻蛉飛んで涼しき通い道
豊水の梨によく似た懐かしさ

野の花に思うあの日の立ち姿
秋の草並んで歩く帰り道
草の花別れを惜しみバス来たり





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歳時記俳句・寝待月

2023-09-19 00:03:23 | 自作俳句
秋薬師目ん玉替えの大法会
飄々と病苦に耐えし子規忌来る
この街を少し歩けば稲穂揺れ

草叢に飛蝗が多き町の奥
秋の日に本業にまた腰を入れ
天高し賽の目はまだ定まらず

この先に広野はありや秋の空
南瓜入りケーキを買えば老店主
旧市街秋野の脇に古地蔵

夢の人出で来て嬉し寝待月
幾度でも見上げて会わむ夕月夜
書けぬ字を一筆書きて秋の宵
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歳時記俳句・空の青

2023-09-18 00:03:49 | 自作俳句
秋の空飛行機雲の筆も果て
星月夜画家の絵筆を走らせり
花野原風のそよぎと散る花粉

水澄みて長いまつ毛をふと見遣る
秋の灯に書き損じたる落とし文
啄木鳥が聞こえし頃の空の青

夕暮れに道の団栗数え初め
珍しく町にも白き曼殊沙華
満ちる頃来たりて開く通草かな

秋桜が揺れる街路に映える靴
遠からぬ山路に青き濃りんどう
数珠玉を繋げば胸も止め処なく

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歳時記俳句・はぜ蘭

2023-09-17 00:03:57 | 自作俳句
宵を待ち並んで眺む流星群
幼少の頃を思わす鰯雲
稲妻が光り家路へひた走り

でき得ればバスを乗り継ぎ踊りの輪
近づけば聞こえてきたる踊り唄
しなやかな菊の節句に空仰ぐ

虫残るやや勢いが消え始め
鈴虫の声に何かを気づかされ
秋桜に青銅色の秋の蜂

はぜ蘭の小さき花に見入り初め
近づけぬ赤をまといて曼殊沙華
秋の灯や姿見を目に型を練る
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