ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

伐られゆくクヌギさんの物語

2012-01-12 06:56:17 | 里山の言の葉
 いきなり切り株さんの登場ですが、樹齢60年余りのクヌギさんです。
ただ今、ご近所さん宅に隣接する林では、伐採作業が進行中です。
早朝、K親方一座の作業前に、現場を拝見しました。


戦後、いろいろな変化があっても、樹木たちは成長を続けました。
しかしながら、この景色には、自然の成長力を負の遺産にしてしまうという、現代文明の影が映っています。
ご当主さんも、ついに、涙をのんで伐採を決断しました。



これは、ニワトリさんに似ていますが、枝葉を集める建設機械のくちばしです。
この現場に関しては、文明の利器を使ったほうが、安全かつコストを節減できます。
負の遺産と、文明の利器が、この田舎の一角でも、不思議な共生を演じています。



60余年を掛けて、樹は太くなりました。
クヌギさんというものは、樹皮がくっきりとたぎざぎざを刻みます。
秋口ごろに幹を見ると、このへこみの部分を縦方向に、成長を示す赤い筋を確認できます。



石油の動力のチェーンソーで、簡単に伐られます。
60年の歳月というものは、同じ年は一度も無く、毎年が変化の繰り返しでありました。
歳月に敬意を表して、ご奉仕することが大事です。

本来は収穫であるものが、現在では処分に。
伐った丸太は、適当な長さに切断して、森の外に運び出します。
幸い、笠間は陶芸家さんが多いですから、薪用に丸太のまま引き取って頂き、生かされるのは有難い。



クヌギさんの落ち葉の間に、チャノキさんが自生していました。
チャノキさんは、イザというときには、森が一番の頼りだよと、語りかけます。
便利なものがあてにならなくなれば、一帯の森は、一瞬にしてハゲ山になります。
それは、日本全国、すべての里山の記憶に、深く刻まれています。



損傷しながらも、再生したクヌギさんの雄姿です。
傍らの道は、近くの方の生活道路です。
公共の道ですが、補修はすべて自前でされています。

昔は、道も用水路も、村総出で、自力で整備しました。
今は、何かにつけて税金と補助金で、お役所その他がかかわってきます。
都会の皆様方の血税の一部が田舎に回り、廃棄物や迷惑施設を受け持ったりと、ゆがみつつの共存。



伐られたクヌギさんが落ち葉を残して言いました。
すべては土に還る、土の心は天の心、土の心とともにあるべし。
これからは、都会も田舎も、同じ土から生まれる天下の安心を、ともに生み、育てる時代です。

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