ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

笠間焼の秋、オープンアトリエ物語

2011-09-24 06:29:17 | 里山の役者たち
 今週末の茨城・笠間の陶芸の里では、アトリエを公開するイベントが盛りだくさんです。
里山の景観も美しい、南吉原手越加賀田地区などで、地域ぐるみで一斉に公開されます。

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 秋のお彼岸の頃、近頃の笠間では、オープンアトリエといわれるイベントが盛んです。
陶芸をはじめとして、さまざまなジャンルの工房・アトリエ。
作家の普段の創作現場を公開して、皆さんと交流しようという試みです。

現場に入れていただきますと、こちらの好奇心も刺激されるのが楽しみです。
器の作り手と語りながら、工房でお茶を頂くひとときは、贅沢な発見があるものです。
そして、工房の周辺の里山の空気を味わうのも一興。

 私も昨日、一軒だけ覗いてみたのがこちらの陶芸青年作家さんのアトリエでした。
ほぼ一年ぶり、元気でいるかと、いつもの挨拶で入ってみました。
青年さん本人はどこにるのかと見渡していると、写真の器がこんにちわです。

お、今年はまた何かが違ってきているようです。
この黄色のグラデーションの流れるさまは、豊穣なおてんとうさまの記憶か。
昨日は寒かったですから、温かい色合いが、いっそう有難い。

 青年作家さんが遅れて登場しました。
手短かに近況を報告し合ったあとは、制作テーマや技法のお話。
私の方からも、使い手の一人として、特に、健康な酒飲みに役立つ器づくりへの要望などを少々。
ふむふむと聞いていた青年作家さんは、また何か思いついたご様子。

今年は、この黄色系をいろいろと研究してきたようで、展示のメインになっていました。
私は気に入ってしまい、この花器らしきものを買ってしまいました。
陶以外の素材で作るのが適したような形状をしていますが、面白いと感じてしまいました。

 何が面白いと思ったのでしょうか。
昔むかし、赤城の山で生まれたガラスかブリキの花瓶さんが、旅をして笠間にたどりついてしまった。
しばらく窯の煙のそばで暮らすうちに、気がついたらばいつの間にか焼物になってしまっていた。
それが笠間焼きの始まり、みたいな、焼物でないものまで焼物にしてしまうような陶芸の情熱を感じます。

気に入るというものは、何か自分の記憶に響くものであります。
普遍性のある美というのは自然さんですが、人の作るものは、人それぞれに響く美があります。
私が気に入ったからといって、必ずしも家族の某さんが気に入るとは限りませんから、要注意ではあります。

 下の写真の器も気に入ってしまいました。
軽量化を実現しながら強度もしっかりと、ろくろや素材も一工夫の跡が。
仕上がりも、太陽と土と炎の記憶がほどよい姿になっていますから、飲み物さんたちも心地よいはず。
飲み物さんに喜んで頂いた後に美味しく頂きますと、五臓六腑さんが喜んで、健康な宴が実現します。

 そして、もうひとつ、下の器は遊びの急須とか。
なにやら蝉の子が天然に脱皮するような。
侮りがたい生きてる瞬間。

里山の麓から、これからも豊かな作品が誕生することを願います。 




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