ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

農舞台にて里山の精は語る

2011-08-29 06:06:46 | 田んぼ風土記
 夕暮れが迫っている風景です。
その時刻が、毎日しっかりと早まっています。
こういう時節の夕暮れというものは、物思いが巡るものです。

特にこの夕景などは、ユメ幻を帯びております。
家の目の前の草むらに立って見れば、何者かの気配が。
振り向くと、橋の方から、その気配が静かに忍び寄ってくるような。

 ボーっと夢幻を眺めていると、摺り足で登場した行列がありました。
ネコジャラシの精さんたちが、虫の音にまどろんだ私に近づいてきたようです。
すると、旅の僧と地下タビの庭師を取り違えたのか、顔を見上げて、静かに語り始めました。

昔、ここは、田んぼだった。
隣も向かいも田んぼだった。
だが、田んぼは狭く沢水冷たい。
そして、今は忘れられ、やっかいものの休耕田になっている・・・

 いい場面ですが、虫のお囃子に夢心地の庭師が、なんとここで目を覚ましてしまいます。
にわかに夢枕、ざわざわと飛び立つイナゴの大群が飛来したようで。
この精さんたちの正体は、果たして草か、イナゴか、田んぼの精か。
不明なままに中入りに。

そういえば、先日の雷雨の降り出しの時のこと。
車の音に驚いたイナゴが、田んぼの縁の土手から一斉に飛び出したのです。
逃げ込んだのは、我が家の田んぼ。
こんなにイナゴが居て大丈夫かと、草むらとイナゴがリンクしていましました。

 夢から覚めれば、幸いにして大量のイナゴさんも、稲の収量に影響は無いようです。
近年の品種はおおむね早稲ですから、食害の前に稲刈りとなるのも良いようです。
イナゴは、幼虫の時には、土手の柔らかい草を食べるとか。
稲の害虫、カメムシさんの防除も、土手の草をマメに刈ると効果があります。

 いいところで目が覚めてしまいましたが、虫たちのお囃子は続いております。
虫さんたちと田んぼの幸せな関係を願うように。
夢幻が、無限となりますように。
無農薬に転じて5年目の田んぼ、お陰さまで実りの頭を垂れております。
 





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