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希少植物のエリアを訪ねました。花たちは、今年も乱獲を免れ、可憐に迎えてくれました。その名前や画像をこの場でお伝えできないことを、申し訳なく思います。それには、苦い記憶があるためです。しかし、やがて、心ある皆様とともに、楽しみ、愛でる希望はあります。里山とは、よみがえる宝でありますから、それを伝えていきたいものです。
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今回の里山歩きには目的がありました。
ある希少な植物の自生地の保存状態の確認です。
お陰さまで、その生物の群落は無事で、可憐でひそやかな花たちの姿に会うことができました。
ただいまは、一臣さんと二人、安堵と感謝の思いで、里山の道を下っているところです。
写真の画面中央に見える枝葉は、コウヤボウキという、秋に、丸い房状の、白くてかわいい花を咲かせます。
昔は、この枝で土間箒をつくったので、この名があるとか。
私の家の土間の片隅にも、この里山素材の箒が掛けてあったものです。
なかなかに使用感も良好な、生活の知恵の作品でした。
「ちょっと待ったあー、希少生物の花の写真じゃないんですかあー?」
そういうお声が届いてきたように、ただいま感じました。
誠に当然なご要望です。
しかしながら、恐れ入りますが、花を愛する善良なる読者の方々にも、お伝えできない実情があります。
と、申しますのは、このテーマにつきましては、ある法則が存在するためです。
その法則とは?
公開すると後悔する、という結果がもたらされるためです。
「ああ、そうかい」と、つられて納得される方もあるかと思いますが、もう少し、背景についてご説明します。
笠間界隈の里山では、園芸目的の乱獲により、一部の樹木や山野草の個体数が激減しました。
花や姿が美しく観賞価値が高いとされるものや、エビネやシュンランなど、マニアが多い植物が狙われました。
一部の、営利目的の心無い方々が、一気に持ち去って、いくつもの、地元風流人の楽しみの場が消えました。
これは、戦後、全国津々浦々で展開した花たちの悲劇です。
何より、花たちには、たまったものではないでしょう。
本来、自然の恵みというものは、人類共通の宝だと思います。
ですから、皆で楽しみ、末永く愛でていきたいもの。
自然に感謝し、節度をもって接していけば、十分後世に受け継いでいけるものです。
写真の手前には、こちらのお盆の餅をくるむサルトリイバラのつややかな葉っぱものぞいています。
サルトリイバラも最近は少ないですね。
現在の段階では、一臣さんも私も、慎重に今後の方策を考えているところです。
これからは、栽培方法を習得して、もっと身近に楽しむ道をめざすことも大切でしょう。
先日のキキョウのように、庭先にて培養し、山に返すくらいのハートでいきたいものです。
小さな命を育てることも、自然への理解、感謝を深める確かな一歩と確信します。
画像無しで失礼しましたが、花たちに代わり、実情をお伝えいたしました。
希少植物もよく見かける植物たちも、皆いい顔してました。
一臣さんも私も、植物たちにあやかり、少しはいい顔になれたでしょうか。
夏も元気な、里山のホーホケキョに送られながら、心も穏やかに山を下りました。
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