荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

「菊水湯」を語る瓦

2019年07月09日 | 散文

 

菊坂の底です。

 

振り返ると、そこには3~4年前に完成したアパートが在ります。

 

けっこう大きな敷地に立つアパートです。この道は自動車侵入禁止ですが、歩けば鐙坂に続きます。

 

この道も自動車侵入禁止ですが、言問通りに向かう路地です。そんな使い勝手の良い交差点に立っています。このような場所は商売にも都合が良い立地です。

 

その角に、小さな瓦が立てられています。まるで説明板のように・・・

 

「菊水湯」という銭湯がここに在りました。菊坂唯一の銭湯でした。時代の流れでアパートに建て替えたのです。

 

この場所から眺めた記憶があります。

 

古い写真を引っ張り出しました。閉鎖が決まった2015年10月の写真です。

 

角からの写真です。自動車侵入禁止の標識は今も残っていますが、もう界隈に銭湯は在りません。菊坂最後の銭湯でした。


あの唐破風屋根の上にあった瓦が、あの角で歴史を語っています。

 

 

 

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梅雨時の菊坂の風情/2019年

2019年07月09日 | 散文

 

伊勢屋質店の土蔵です。

 

梅雨時の午後は人通りが殆どありません。

 

木造三階建ての民家へ向かいます。物語の中のように、ゴミ捨ての老人が現れました。

 

そして又、誰も居なくなります。

 

二階と三階を見上げながら石段を降ります。

 

振り返ります。

 

いつまでこの景色が見られるんだろう?

 

 

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