
写真1 五島列島小値賀町から来た野生ヤギ2頭、耕作放棄地の草を食べ、踏み倒すのを期待されている。がんばれ!!

写真2 ヤギは通電鉄製網でノイヌ(野犬)から守られる。ここは2番目の放飼耕作放棄地。草は少なくなっている。

写真3 1番目の放飼耕作放棄地、右の農道と左の通電鉄製網の間。ヤギが草を食べ、踏み倒して更地になっている。

1.耕作放棄地にヤギを放し飼い-長崎県の普及指導員さんが活躍-
全国各地に耕されず、草ぼうぼうになった田畑、いわゆる耕作放棄地が増えている。
その田畑に農作物は作られずもったいない、農作物に害を与える鳥獣や虫の棲み処あるいは隠れ処になる、見た目にも好ましくない、など問題は多い。
それゆえ、国や自治体、農業に熱心な農業者・農家などは、耕作放棄地解消に努め対策をうっている。しかし、高齢化、営農意欲減退、農業の新しい担い手減少などで耕作放棄地は増え続けている。
直接的・物理的対策の一つにヤギや牛などの放し飼いがある。その具体例が写真1~写真3。
ここは長崎県島原振興局管内、南島原市北有馬町折木地区。同局農林水産部地域普及課と南島原市が、県事業で五島列島小値賀町の野生ヤギ2頭を捕獲して試験的に放し飼い。
放飼でも、ダニ剤投与、栄養剤投与など衛生健康管理、ヤギをノイヌ(野犬)被害から守るワイヤーメッシュ(電気通電鉄製網)設置などは施している。
上記対策を現場等で主導するのは長崎県島原振興局農林水産部地域普及課の普及指導員さんたちである。
2.ヤギ放し飼いの効果
ヤギが放飼耕作放棄地の草を食べ、踏み倒すなどの除草効果、農業者・農家や住民がヤギ放飼の耕作放棄地へ頻繁に出かけるようになり、当地のみならず近隣地域の農業者・農家や住民からも注目されるデモンストレーション効果が出ている。
これら効果が、耕作放棄地解消に結びつくのを期待する。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年11月09日 撮影地:長崎県南島原市北有馬町折木