写真1 「刃物研」のPOP紙。研ぎ屋さんは珍しい、話を聞こう。
写真2 お客さん、いらっしゃ、いらっしゃいのPOP旗。開店準備に忙しい研ぎ屋さん。
写真3 この刃物は、なんですか? なにをするのに使いますか?
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JR宇都宮線自治医大駅で下り、いつものルートを進むと、トラックキャビンに「刃物研」のPOP(Point of purchase advertising。広告紙。写真1)。
えっ、刃物研ぎ屋さん、珍しい、の第一印象。さらに「刃物のお医者さん 包丁研ぎ 研ぎマサ」の広告旗(写真2)。場所はスーパー「かましん」の駐車場。
開店準備に忙しい時に思い切って声をかけ、現代研ぎ屋さんの一端を、次のように教えていただく。
1.営業エリアは東北地方と、南は埼玉県桶川市まで
<こんちわー> おはよございます。
<刃物研ぎって、要するに研ぐ> はい、はい、なんでも研ぐんですけど。
<全国回っていらっしゃるんですか> 全国でもない、北関東あたりまでですね。
<宮城ナンバーですね> はい。
<東北から> 毎日通ってるんです、いや、嘘、嘘。毎日は、ちょっと無理なんで。
<仙台ですか> えー、そうですねー。
<じゃ、毎日どっかで> そうですね。
<南は北関東あたりまで> 南ってば、どこだろ、えーとね、桶川あたりまでですね。
2.量販店の駐車場で営業
<埼玉のね> えー。あと、「とりせん」と、「とりせん」は全店回ってるんですよ。
<あっ、お店の駐車場で、「とりせん」さんの> えー。
<東北にも「とりせん」さんは、あるんですか> いや、ない、ない、ないですね。北はどこだろ、大田原(栃木県大田原市)あたりかな
<栃木県は、「とりせん」さんの駐車場でちゅことですか> えー。
<埼玉県も> えー、今3台で回ってるんですよ。それで今、1台が「かましん」の(宇都宮)駅の東口の方の、あと(宇都宮市)戸祭と、あと私がここ。
<じゃ、今日は「かましん」さんの駐車場で> えー。「かましん」も全店回ってますけど。ここからあと(栃木県下野市)石橋の方の
<半日ぐらい、ここ、いらっしゃる> えーと、朝9時から、一応夜6時までちゅことで。
<「かましん」さんと契約して> えー、場所代払って。
<けっこう高いんだ場所代は> 1日◆円ぐらい払います(金額は略)。それ以上売り上げないとねー。あと新聞に折込み入れるでしょー。4日間やるんですけども、その初日の日に新聞に折込み入れますんで、◆円とか、◆円とか(金額は略)、それの印刷代かかりますよね、飯食ってね、あと寝なきゃないし、売り上げないと車にも寝たりするんですが。やっぱり、ある程度売り上げないと大変です。
3.今、包丁研ぎが多い
<今、研ぎもので一番多いのは、どゆうのが多いですか> 一番、包丁ですよね。包丁は、なかなか家庭では研ぎきれないんで、昔のハガネ(鋼)と違って今はね、ステンレス、静電鋼とかね、あとモリブデンとか、いろいろ、硬いんですよ、砥石で研いでも、砥石は減るんだけど刃はつかないというふな形で。それできないもんだから、ダイヤモンドのシャープナーとかなんか使ってやったりしますけど、その時は研げても、また駄目なっちゃうんで。
うちでは、刃先が、こー(両手で鋭角を作り)切れるように、長もちするように、あとの手入れも楽なように研ぎます。
4.牛馬の蹄切り具(写真3)
昔はね、仕事、仕事で、いろんな刃物があって。こゆの見たことありますー。
<なんですか、これ> なに用に使った刃物か。
<木か、なんか削ぐやつですか> うーん、違います。
<果物かな> あー、違いますね。牛とか馬の蹄を切る、(切る格好をして)足をこー持って、こーやって。
<あー、そうか、蹄切り> えー、爪を(切る)。海の方に行くと、カキ(牡蠣)をむくものとかねー、いろんな道具持って来て。
<これは、名前がついてるんですか> すいません、なんか言い方あるんでしょうけど。これ、1個あげっからというんでね。
<どうもありがとうございました> いや、いや、どうも。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年07月15日 撮影地:栃木県下野市