アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シコンノボタン - ノボタンとちがう

2021-10-01 18:09:29 | みんなの花図鑑

ラベルには 「ノボタン コートダジュール」とありましたが、私は 「シコンノボタン」ではないかと思いました。





「園芸種でノボタンと呼ばれるものにはノボタン科(Melastomataceae)のノボタン属 (Melastoma) のMelastoma candidum とシコンノボタン属[ティボウキナ属] (Tibouchina) のTibouchina urvilleanaがある。この両種を混同してノボタンと呼んでいることが多い」(三河の植物観察「シコンノボタン・コートダジュール 紫紺野牡丹」)




では、目で見て はっきりわかる違いはどこにあるのでしょうか?
俗に シベの色が違うという説があります。

「ノボタンとシコンノボタンの違いは、シコンノボタンの葯が紫色に対して、ノボタンの葯は黄色です。」

この説によると、画像のシベは白っぽいので、どちらでもないということになってしまいます。




先ほどの 三河の植物観察「シコンノボタン・コートダジュール」の説明には こうあります:
「園芸種のほとんどがシコンノボタン系統のものであり、ハイブリッドもある。写真はよく見られる品種のコートダシュールであり、葉や花がやや小さく、雄しべや雌しべが白色になる。」

シコンノボタン・コートダジュール 雄しべ(三河植物観察より)




シコンノボタンのおしべは紫だとする説はwiki もそうでした。
「流通上はノボタンとシコンノボタンが混同されているが、ノボタンは短いオシベが黄色で長いオシベは紫色、シコンノボタンは長短のオシベが共に紫色である。」(wiki 「シコンノボタン」)
wikiが言ってるシコンノボタンの雄しべとは多分こんな雄しべのことでしょう ↓

シコンノボタン おしべ(ヤサシイエンゲイ)

でも 画像のおしべは 黄色でも紫色でもなく、白っぽい色としか見えないのです。




「雄しべははっきり不等長、5長、5短。花糸はモーブ色(藤色)、短毛がある。葯は長さ約1.5㎝、紫色、細く、曲がり、カールすることもあり、先の孔から裂開する。」(三河の植物観察「シコンノボタン・コートダジュール 紫紺野牡丹」)





ということで、どうも 雄しべの色では分別不可能のようです。








先ほどのヤサシイエンゲイの説明には シコンノボタンの葉についてこんな記述がありました:
「葉は先端の尖ったタマゴ型で縦方向にくっきりと数本の葉脈が走ります。葉の表面にはビロードのような柔らかい毛が生えます。」
でも、これがノボタンとの区別にはならないようですね。ノボタンの葉も同じような葉をしていますから。



ナデシコ - アメリカ?ひげ?美女?

2021-10-01 09:24:42 | みんなの花図鑑

西尾市憩の農園で出会ったナデシコです。ポット植えのまだ小さいやつです。
「ほほー、ダイアンサスか!?」
と分かった顔をして一鉢持ち上げて記念撮影したところです。
ダイアンサスなんて言ってますが、ナデシコですよね。
ナデシコの学名が Dianthus(ダイアンサス)で、園芸品種は学名で呼ぶことが多いのです。




ところが、名札が添えてあって、そこには
 「四季咲き多年草
美女なでしこ
 スウィートピンクマジック」
と書いてあるのです。
「美女なでしこ」って例によってブランド名だろ、と
そのときは思っていたのですが、、、




帰ってから「美女なでしこ」でググると、wikiの「アメリカナデシコ」の項へ誘導されるのです。
いわく、
アメリカナデシコ(亜米利加撫子、Dianthus barbatus)は、別名ヒゲナデシコ(髭撫子)あるいはビジョナデシコ(美女撫子)とも呼ばれるナデシコ科ナデシコ属の草本植物。ヨーロッパの主にバルカン半島、ロシア西部などに自生する。」(wiki 「アメリカナデシコ」)

バルカン半島さんのものがなぜ「アメリカナデシコ」に?というのは 大正(明治とも)時代にアメリカ経由で入ってきたかららしいです。
「ヒゲナデシコ」の名は (花の直下にある葉が変形した)苞の先端が長いひげのように伸びているからだそうです(^^ゞ
ラベルにあった「美女なでしこ」の名の言われは 分かりませんでした(´v_v`)






この正面の花のしべは2本の雌しべの花柱が向かい合って伸びています。この花はいま雌性期のようです。
ひとつ前の画像の正面を向いている白い花は 雄しべの葯が紫色をしていてしっかりついていて、まだ雌しべが出てきていませんので、雄性期の花でした。




こんな風に、一つの株で、左側のように雄性期の花と他の雌性期の花とが混在しているんですね。




ダイアンサス ”ロックンレッド”

そして別のコーナーにあった ダイアンサス(なでしこ)。




前の アメリカナデシコと比べると、花弁の先の切れ込みがやや深いようです。
ナデシコの原種といわれる カワラナデシコは もっとずっと切れ込みが深かったから、品種改良されるたびにヒダヒダが無くなっていくようです。