アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

椎の実 - スダジイとツブラジイ

2021-10-27 18:00:00 | みんなの花図鑑

自転車で病院に行くとき、神社の境内をショートカットしていくのですが、きょう、境内の大木の椎の木の実が落ちているのを見つけました。
病院の帰り、拾ってきました(右の丸っぽいほう)。




ついでに、病院の横にある白山神社にも 別の種類のシイがあることを思い出して、これも拾ってきました。
(左の長細いほう)


「シイ属は主にアジアに約100種類が分布、日本はこの属の分布北限となり2種が自生する。」(wiki「シイ」)
シイ属は学名をCastanopsis といい、Castanea(栗) + opsis (似る)を語源としています。



スダジイ

「スダジイ(ナガジイ、イタジイ、Castanopsis sieboldii)- シイ属の中では最も北に進出してきた種であり、大きな木では、樹皮に縦の割れ目を生じる。福島県、新潟県の佐渡島にまで生育地がある、果実は細長い。」(同上)




スダジイは当地では 比較的珍しいと思います。私も子供のころはよく椎の実を食べたのですが、ツブラジイばかりでした。もしかすると スダジイも見てたのかもしれませんが、ちょっと長細くてツブラジイより大きめなので、「食べる椎の実」と思ってなかったのかもしれません。
やや大味かもしれませんが、ちゃんと椎の味がします。




ツブラジイ

「ツブラジイ(コジイ、C. cuspidata)- 関東以西に分布する。果実は球形に近く、スダジイに比べ小さい。」(同上)



「古くは単に椎(しい)とよばれ、『万葉集』にも歌われている。」(wiki「ツブラジイ」)
子供のころは 椎の実は拾ってその場で食べることがほとんどでしたが、最近では アルミホイルに包んでオーブントースターで1分弱、炒ってから食べます。

炒りたての椎の実の味は 属名の通り Castanea(栗)に opsis (似る)です \(^o^)/






マリゴールドとアンゲロニア - 悪魔のような天使

2021-10-27 10:44:45 | みんなの花図鑑
マリゴールド(センジュギク)

安城デンパークの寄せ植えのサルビアとマリゴールドです。
黄色のほうがマリゴールドです。
マリーゴールドと呼ばれることが多いですが、英語の marigold のことなので マリゴールドとここでは呼びます)




スマホの Google Lensで検索すると、必ず 「センジュギク」を第1候補に挙げてくるマリゴールドです。
センジュギクとマリゴールドはどういう関係になるのでしょうか?

「マリーゴールドの仲間は、分類に混乱が見られます(中略)この仲間で、観賞用に栽培されるものは、すべて、メキシコ原産です。
メキシコ原産なのに、アフリカン・マリーゴールドや、フレンチ・マリーゴールドと呼ばれる種があります。これらは、誤解によって付けられた名です。」(図鑑.net モバイルブログ・松沢千鶴 「マリーゴールドの正体は?」)




「フレンチ・マリーゴールドには、コウオウソウ(紅黄草)という日本語名があります。」(同上)
「アフリカン・マリーゴールドのほうには、センジュギク(千寿菊)という日本語名があります。」(同上)
「マリーゴールドの分類は、前記の日本語名から取って、キク科コウオウソウ属、または、キク科センジュギク属とされます。コウオウソウ属とセンジュギク属とは、名前が違っても、実体は同じです。」(同上)




「さらに、ややこしいことがあります。英語でマリーゴールドMarigoldというと、日本で言うマリーゴールドとは、違う種を指すことが多いのです。
 もともとの英語では、Marigoldといえば、トウキンセンカ(唐金盞花)という種を指しました。」(同上)




この黄色いマリゴールドには 看板が掲げてあって、そこには
「Tagetes erecta 'March Yellow'
 マリーゴールド ’マーチ イエロー’」
とありました。
でも、 Tagetes erecta で検索すると 「センジュギク」(ウィキペディア)が検索トップに出てくるのです。
「センジュギク(千寿菊、学名:Tagetes erecta)は、キク科コウオウソウ属の一年草で、観賞用に栽培される草花である。」




アンゲロニア

アンゲロニアは ゴマノハグサ科(→オオバコ科)に分類される南米原産の花です。
アンゲロニアの花を大写しにすると、私はいつも「阿鼻叫喚」という言葉が浮かんできます。




阿鼻叫喚とは?
「地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。」(三省堂 新明解四字熟語辞典より一部引用)
仏教の言葉です。




ところが アンゲロニア(Angelonia)とは ラテン語で「Angelos(天使)」です。
この花の(いったい)どこを見て 「天使」を発想したのでしょうか? (´・ω・)




というか、「天使」と聞いて ローマ神話のキューピッドを想像してませんか (´∀`)
エンジェル は キューピッドではないのです !(^^)!




「英語の angel はギリシア語のアンゲロス(αγγελος;angelos)に由来し、その原義は「伝令」「使いの者」である。古代ギリシア・ローマ世界では、アンゲロスは生身の人間としての伝令を表す言葉であると同時に、神々と人間の中間の霊的存在としての伝令を指す言葉でもあり得た。」(日本語wiki「天使」)
キリスト教で、天使の中に 「堕天使」という概念があって、
「堕天使(だてんし)は、主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された天使、自由意志をもって堕落し、神から離反した天使である。」(日本語wiki「堕天使」)
この堕落した天使のことを悪魔と呼んでいるそうなので、花の「アンゲロニア」はさしずめ この堕天使(fallen Angel)を言っていたのではないかと思えてきました。(あくまでも勝手な憶測ですが (^^ゞ)