アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ハルジオン - 春咲くシオン

2021-04-16 08:01:26 | みんなの花図鑑

ハルジオンの花名の由来は、同じキク科で秋に咲くシオン(紫苑)にちなんで、春に咲くシオン(紫苑)でハルジオン(春紫苑)という名前が付けられたと言われています。(LOVEGREEN「ハルジオンの花言葉」)




撮ったのは 久しぶりに行った へきなんたんトピアのエコパークでした。



以下、ノーコメントですが、春に咲くシオンを お楽しみください(^^ゞ




























樹に咲く花 (36) ユズリハ

2021-04-15 17:11:45 | みんなの花図鑑
雌花

ユズリハは雌雄異株。
この花は雌株に咲いた雌花。紅色部分は 柱頭。




ユズリハの名は 「春に新しい若葉が出ると、古い葉が席を譲るように落葉することから」(三河植物観察「ヒメユズリハ」)。
後で出てくる雄花はすぐ気が付きますが、雌花は 葉柄の赤に紛れていて、その気になって見ないと 気が付きません。





再度、紅色の柱頭のアップです。
べとついていて、ここにブヨみたいな虫が捕まっていることがあります。




これはやや黒ずんでいます。すでに 受粉済みか?




雄花

雄株の花。こちらは、よく見る「樹の雄花」といった感じ。




花といっても 花弁や蜜腺があるわけでもなく、おしべがバナナのように並んでいるだけ。




ユズリハの学名は Daphniphyllum macropodum
属名の Daphniphyllum は Daphne (月桂樹の古名) と phylla(葉) より。





樹に咲く花 (35) 黄金カシワ

2021-04-15 09:32:02 | みんなの花図鑑

安城デンパークに植栽されている樹で、撮影は ちょっと前の 3月31日。




実はこの木には樹名板がなく、代わりに メモみたいなエフが掲げてあり、そこには「黄金ナラガシワ」と書いてあります。
ところが 「黄金ナラガシワ」でググっても あまりヒットしません。
唯一「黄金ナラガシワ」でヒットした記事は デンパークの花木園にあるこの木の記事で、そこには 「ブナ科カシワの1種の「ナラガシワ」から作出された園芸品種。」とありました。(昨年の記事 より)




ただ 「オウゴンガシワ」 で検索すると、多くの記事が出てきます。
そこには「オウゴンガシワ」は 「東アジアに自生するナラガシワの園芸種」とあります。(同上)




あるいは 「オウゴンカシワ(Quercus aliena‘Lutea’)は、主に西日本に多く自生するナラガシワの黄金葉の品種で、その原木は大分県の山中にあると言われています(引用:「新しい樹種の剪定と育て方」小学館)。」(樹木好き!「オウゴンカシワ」)(同上)




春の新葉の展開が見事で、黄金色の新しい葉と、同時に伸びてくるひも状の花序に咲く黄色い花が鮮やかでとても綺麗です。
(同上)




すだれのように垂れ下がる雄花。




いっぽう、雌花は・・・
(ナラガシワは)「雌花序は新枝の上部の葉腋から出て、小さな雌花が数個つく。」
とありますので、このあたりに、雌花が咲いているはずなのですが・・・
やはり今年も見つけ損ねました。来年こそは(´・ω・)

なお、花は開花期間がとても短いです。


庭にカキドオシ、畦にサギゴケ

2021-04-14 18:10:27 | みんなの花図鑑
今年は 樹に咲く花も野草も いっせいに咲き、投稿一回に一品種では間に合わないので、何かしら関連のある花をまとめてアップしています。
今回は よく似た唇形の花。


カキドオシ

我が家の庭は 野草の楽園。季節になると カキドオシがいっぱい咲きだします。




カキドオシはシソ科。その葉は 揉むといい匂いがします。
葉のかたちは 野草のホトケノザに似てると昔は思っていたのですが・・・



カキドオシの花はシソ科に共通する唇形花で、上唇は先端が2裂、左右の側裂片は小さく、下唇は中裂しています。




花筒を上に向けて撮影。
右が上唇で、おしべ、めしべが付いています。
左が下唇で、ブラシのような腺毛?が伸びています。




向きを変えて 上唇についているシベを観察。
一番上の 先端をYの字に分けた器官が めしべで Y字の部分が柱頭です。
その下に 2本の雄しべが葯の部分をくっつけて X字型をしています。
おしべは 他に2本あります。短くて見えません。




カキドオシの葉も こうしてみるとホトケノザによく似てけっこう毛が生えています。
葉と花を油で炒めて カキドオシご飯なんぞ、いかがですか (^_-)-☆





サギゴケ

田んぼの畦に咲いているサギゴケ。
名前は白いサギゴケが サギに似ているからなのですが、こちらは紫なので 正しくは ムラサキサギゴケ といったほうがよいのかも?




科は ゴマノハグサ科(現在は ハエドクソウ科)なので、シソ科のカキドオシとは分類上は無関係なのでしょうが、花のかたちがとてもよく似ています(唇形花)。とくに 横から見ると (^^♪




上唇は2裂、下唇は3裂。
上唇にシベがあり、下唇に模様と腺毛が立っているところも カキドオシとよく似ています。




上唇の壁に沿って めしべと雄しべがあるようなのですが・・・




ピントが甘く、よく分かりません。
ネットの情報によれば、一番上にめしべ。つぎに長いほうの1対のおしべ、一番下に 短いほうの おしべ、ということで、カキドオシと同じ構成のようなのですが・・・
(いずれ、よく分かる画像と差し替えます)


スズメよ、キツネよ - 田んぼの畦で

2021-04-14 10:09:00 | みんなの花図鑑
田んぼの畦には いろいろな動物が潜んでいますぞ (^_-)-☆


スズメノエンドウ

まず最初は スズメノエンドウ!



カラスノエンドウに対して それよりずっと小さいので スズメノエンドウ。



スズメノ「エンドウ」といいますが、マメ科の ソラマメ属。(カラスノエンドウも同じ)



花は 小さくても、ちゃんと マメ科の蝶形花のかたちをしています。



カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)

スズメノエンドウとくれば、お次は 当然? カラスノエンドウ。
スズメノエンドウを撮ったときと同じマクロ倍率で撮ってみています。



カラスノエンドウも エンドウとはいうが、マメ科ソラマメ属。
ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)が正式。
ヤハズ(矢筈)は弓矢の矢筈(弓矢の弓弦を受ける矢の根本の部分)に葉の先が似ていることから。



マメ科特有の蝶形花。 3種類の花弁があり、
一番目立つのが 虫に花があることを知らせる旗の役目をする旗弁。
下のより赤い弁が 虫が停まりやすくする翼弁。
翼弁の中に 花蕊を保護する舟弁があります。




アリさんが来ています。でも 花の中には入っていきません。
アリさんは托葉上にある黒っぽい部分を舐めているのです。
ここは花外蜜腺とよばれ、アリのためにカラスノエンドウがここに蜜を出しています。
何のために?
アリさんに 葉や花を食べてしまう虫が登ってこられないよう用心棒の役目をしてもらっていると考えられています。




スズメノテッポウ

もうひとつ、スズメ です。
水田雑草の スズメノテッポウ。
これは 横を向けて大写ししているから分かりにくいけど・・・




本来、スズメノテッポウの穂は 上を向いて立っています。
「語源 細く小さな花穂が上を向いて立ちならぶようすを鉄砲にたとえ、小さな鉄砲、すなわち雀の鉄砲と名がついた。」
(花の家「スズメノテッポウ」)



黄褐色のツブツブが おしべ。
白いほうのツブツブが めしべ。




手前が マメ科のシロツメクサ(クローバー)。




マメ科とイネ科では 当然のことながら 花の作りが全然違います。
マメ科の花は 虫媒花なので、花弁に嗜好を凝らし 虫に気づかれやすく止まりやすくしています。
イネ科の花は 風媒花なので 花弁がありません。袋に花粉を入れただけの雄しべを細い糸でつるし 少しの風が吹いても揺れ、花粉が飛びやすいように工夫をしています。黄褐色のが おしべ。 白いほうが めしべ。




キツネノボタン

同じく水田雑草のキツネノボタン。葉がささくれ立っています。



キツネノボタンとよく似た水田雑草に タガラシ があります。
パッと見、花の中心の球体が丸いのがキツネノボタン、楕円形なのが タガラシ。




キツネノボタンも タガラシも キンポウゲ科の 有毒植物です。



名前の由来は、金色に輝く花のかたちが学生服の金ボタンに似ているからかと思ってましたが、ほんとうは 葉のかたちがボタン(牡丹)に似ているところからだそうです。




ノミノフスマ

スズメ、カラス、スズメ、キツネと来て 最後は ノミ です。




ハコベの仲間に似ていますが、コハコベよりすこし花は大きいようです。それに 今田んぼの畦で咲いているのは このノミノフスマのことが多いですね。



名前の由来は「漢字で「蚤の衾」と書き、衾(ふすま)とは布団のことで、小さな葉をノミの布団にたとえたもの」(wiki)となってます。
花弁が10枚あるように見えますが、実際は 深く切れ込んだ5枚の花弁からなっています。




花弁が5枚、おしべも 5本。5数性ですね。



花弁の付け根、ギリギリのところで くっついてます。
花弁に乗ってる米粒みたいなのは 何でしょう??





レンゲソウとツメクサの仲間 ‐ 田の畦

2021-04-13 20:46:07 | みんなの花図鑑
レンゲソウ

花を見てレンゲソウだと思ったのですが・・・



葉っぱを見ていたら レンゲとツメクサの仲間との区別が分からなくなりました。

レンゲソウというのは ふつう

このような葉をしています。

ところが この草の葉は こんななのです↓


これは クローバー(シロツメクサ)の葉ではないでしょうか?



















シロツメクサ (クローバー)

こんどは シロツメクサ です。シロツメクサ は いわゆるクローバーです。



まぎらわしいことに、先ほどの レンゲ と思った赤紫色の花と一緒に生えています。
先ほどの葉っぱは ひょっとしたら このシロツメクサのものだったのかもしてません。



「シロツメクサ(白詰め草)」の名前の由来は 割かし有名で 以下のとおり(^_-)-☆

 「シロツメクサの名前の由来は、江戸時代に渡来したガラス製品(ギヤマン)が割れないように衝撃緩衝材として乾燥させたクローバーを箱の詰め物に使っていたため、白い花の詰草ということでシロツメクサと呼ばれるようになった。」(秘中の秘「シロツメクサの名前の由来は?」)



ミツバチが来ていました。



このミツバチも 洋種なのか、ジャポニカ なのか、分かりません (ToT)





ベニバナツメクサ (ストロベリートーチ)

これは 田んぼの畦ではなく、畑に生えていました。



でも、ほとんど野生化しています。



ベニバナツメクサというより 「ストロベリートーチ」「ストロベリーキャンドル」の名のほうがよくつかわれているかもしれません。



ツメクサ(詰め草)の仲間(アカツメクサ、シロツメクサ、ベニバナツメクサ)は みな「マメ科シャクジソウ属」の植物です。
(レンゲソウもマメ科です。属は ゲンゲ属)
ところが 前に何もつかない「ツメクサ」(漢字で「爪草」)という植物があって、こちらは ナデシコ科ツメクサ属の植物で、全然違います。



拡大すると、やはりクローバーなどと同じ マメ科の蝶形花のかたちをしています。




コメツブツメクサ

いちばん目立たないツメクサの仲間が、この コメツブツメクサ。



「コメツブ」は米粒のように小さいところから。




葉も シロツメクサ(クローバー)と同じく3つ葉(3枚の小葉)で構成されてます。



でも、一つひとつの花は マメ科の蝶形花ですね


樹に咲く花 (34) ヤマモミジ

2021-04-13 09:31:13 | みんなの花図鑑

若葉も真っ赤なモミジです。場所は安城デンパーク。
樹名板があって
「ヤマモミジ ’トロンペンブルグ’ ムクロジ(カエデ)科 園芸品種」とあります。



カエデは雌雄同株で雌雄異花。




雌雄のうち、まず雄花が先行するようです。



同じ株ですが、こちらの花は おしべの花粉が見えません。



やっぱり、翼果のかたちをした子房をもった雌花でした (^^♪


樹に咲く花 (33) イチョウ雌花

2021-04-12 16:11:38 | みんなの花図鑑
イチョウはすでに 「樹に咲く花 (30) イチョウ」で投稿していますが、そのときは雌花に出会えていませんでした。
いや、出会えてるのですが、高いところにあって まじかで観察できなかったというのが実際です。


イチョウ 雌花

きょう、脚立をもって まじかに見てきましたので、スレッドを改め ご紹介します。
場所は 岡崎市の和志取神社境内です。
イチョウは雌雄異株で、雌株は銀杏の実が臭いので 街路樹には使われなくなりました。雌株の雌花を見るには 昔から神社と相場が決まってるようです(^^)/




枝の節々から若葉が展開したあと、同じ節から雌花が伸びるのが 順番のようです。




一つの節から 2、3本ときには 4、5本 花柄を伸ばしています。葉に隠れて同じ色をしているので、その気になってみないと、気が付かないことが多いです。




これが やっと出会えた雌花です(^^♪




おっぱい型の胚珠の先から 液体を出していますが、これは蜜ではありません。
裸子植物は 風媒花なので、蜜を出して虫を呼ぶ必要はないのです。




ニップルの先から出ている液体は、「受粉滴」といって花粉を受粉する液体なのです。




風に舞って 雄株から飛んできた花粉がこの受粉滴に捕まると、「胚珠が上を向いている場合は, 花粉は受粉滴の中を落下して直接珠心に届く。」(東京大学総合研究博物館・高相 徳志郎「針葉樹類の受粉機構」)




「胚珠が下を向いている場合は, 受粉滴が体積を減少する際にこの液のメニスカスによって上に運ばれる。珠心の先端は親水性であり, 珠皮の内表面がクチクラで疎水性であるため, 受粉滴の液柱が珠孔道の中を珠心に向かって動くからである。」(同上)

このように、受粉滴による裸子植物の受粉といっても、色々バラエティーがあり、「針葉樹類のおよそ半数の属でしか受粉機構が調べられておらず, 残りの属での研究が望まれている。」(同上)とのことです。


〔参考・受粉滴
コノテガシワ - 於大公園(東浦町)

スギ - 別郷廃寺(安城市)



樹に咲く花 (32) カバノキ科

2021-04-12 06:00:00 | みんなの花図鑑
今回は、カバノキ科の花を集めてみました。みな、地味な花です。


イヌシデ

イヌシデは カバノキ科クマシデ属。



「シデ」は「紙垂」で、 神社で玉串やしめ縄に垂らす稲妻形に折った紙のことです。花穂の垂れ下がる様子が紙垂に似ているところから、というのですが・・・



雌雄異花で、この垂れ下がった花は もちろん 雄花。



ひさしのような苞の下に雄しべが花粉を出しています。




一方、雌花のほうですが、よく分かりませんでした (ToT)
上の画像の 雄花序ではない、若葉のように垂れ下がっているのが 雌花だということです。




ハシバミ

ハシバミは カバノキ科ハシバミ属。
これは 3月に撮った雄花序です。



同じく3月に撮った雌花序です。



現在は 葉だけ。



これは 8月に撮った果実です。秋に成熟すると食べることが出来ます。
仲間に セイヨウハシバミがあって、その果実が ヘーゼルナッツ です。
このハシバミは 英語で Asian Hazel と呼ばれてます。





クヌギ (ブナ科)

クヌギは ブナ科コナラ属で、カバノキ科ではありませんが、雄花の垂れ下がる様子は 上のイヌシデに似ているということで 参考のために。



雌花もあるらしいのですが、小さくて見えません。







サワシバ

最後は サワシバで、カバノキ科クマシデ属の落葉高木です。
上の画像の右手のように ミノムシみたいな果実が生るのが特徴です。




その 花ですが、下にぶら下がっているのが 雄花序です。
雌花序はというと・・・



上のほうが 雌花序のようです。
「本年枝の先から雌花序が、前年枝から雄花序が垂れ下がる。
雌花序は、たとえばアカシデの果穂と似ていて、ややこしい。」(樹木の写真「サワシバ」)
サワシバの雌花序は、とくに 柱頭が赤くなるわけでもなさそうなので、知っていないと気が付きません。




雄花序の小花だけでも見ておきましょう。
「雄花序に苞は多数つき、苞の縁に長い毛がある、苞に1個ずつの雄花がつく。雄花の雄しべは4~8個。」(三河植物観察「サワシバ」)



樹に咲く花 (31) モミジバフウ

2021-04-11 15:00:00 | みんなの花図鑑

安城デンパークの地ビール館の周りには 何本もの モミジバフウが植わってます。
モミジバフウは アメリカフウとも言います。(アメリカフウのほうが正式名称?)




館の南側のモミジバフウはとくに背が高いです。たぶん15mくらいあるんじゃないかな?




モミジバフウは 雌雄異花。
上に伸びてるのが 雄花。
下にぶら下がってるボールが 雌花。




雄花は 雄しべが集まってるだけ。




雌花も めしべが集まってるだけ。

ま、樹木の花の一つの典型ですね。