アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ペンタスには2種類あるの?

2021-10-25 18:00:00 | みんなの花図鑑
今朝の「大文字草・人字草」のつづきで、やはり アカネ科の ペンタス(Pentas)の話題です。

まず最初に、クイズです。
Q. 下に掲げる 4枚のペンタスの花のうち、1枚だけ仲間はずれがあります。
 それは何枚目でしょう?

▲1枚目



▲2枚目



▲3枚目



▲4枚目





それでは 答え合わせです

最初の3枚は 共通して 花冠から雌しべが伸びて2つに割れた柱頭が開いていました。




対して、最後の4枚目だけは、雌しべが伸びているのではなく、複数の雄しべが花冠の口からツンツン伸びていました。
よって、仲間外れは 4枚目でした。





これは よく見る雌しべが一本伸びたペンタスです。
雄しべは 無いのでしょうか? 無ければ、このペンタスは 雌花のペンタスということになります。



対して、こちらは、おしべが顔を出しているペンタスの花です。
雌しべは無いのでしょうか? 無ければ、このペンタスは 雄花のペンタスということになります。





よく見る(雌しべが伸びている)花を解剖した人が見えました。その方は 花冠の奥に 綿毛に包まれた雄しべがあるのを見つけました。
開花が進むと、雄しべが伸びてくるのかとその後も観察したところ、いっこうに成長する気配はなかったということです。
<長花柱花><短花柱花>という考え方があります。同じ花で、雌しべが長く雄しべが短いタイプと 雄しべが長く雌しべが短いタイプとあり、異なるタイプの花から受粉したときだけ結実するのです。ソバの花がそうです。



実は私も 両方のタイプのペンタスを解剖したことがあります。
そのときは 花冠の奥には 対のシベらしきものは見つかりませんでした。
ペンタス - 少し分かったかも篇






ペンタスの花は<長花柱花>であるとする見解がありますが、これは 雄しべが伸びているペンタスもあるということを無視しています。



雌しべが伸びている花とおしべが伸びている花とあるのなら、単純に 「雌花」と「雄花」がある、と言ったほうが良いような気がします。





「聞いたことはないが、雌雄異花(しゆういか)ではないか。
ふつうペンタスは二裂する雌蕊をにょきっと突き出した花であるが、どう考えても雄蕊は短すぎてまるで退化しているような姿、
これは雌花なのではないか。」(mirusiru.jp「ペンタスの花」)



「対して、あまり多くは見かけないような気もするが、雄蕊が五本突き出た花もあるのでそれが雄花。」(同上)

ペンタスの花は長期にわたり園芸コーナーで売られています。
面白いことに、6月~8月のころは 雌しべが一本伸びた雌花が多いのですが、最近(10月)は むしろ雄花のほうがたくさん出ている気がします (^^ゞ





大文字草、紫人字草 - 憩の農園

2021-10-25 08:14:55 | みんなの花図鑑
大文字草

幸田憩いの農園の園芸コーナーで見た鉢植えの 大文字草 です。
昨日の「ヤクシマリンドウ」の横にありました。




「ダイモンジソウ(大文字草、学名:Saxifraga fortunei var. alpina )は、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。」(wiki「ダイモンジソウ」)




「集散花序に白色まれに淡紅色の花をつけ、ときに円錐状になる。」(同上、太字引用者)





大文字草の園芸品種「獅子の舞」とありました。
この他、実にたくさんの園芸品種 があります。





紫人字草

ジンジソウ(人字草)もダイモンジソウの仲間で、ユキノシタ科です。
学名: Saxifraga cortusaefolia



紫人字草は人字草と葉が違い、紫色ですのですぐ見分けがつきます、とのことです。





ヤクシマリンドウ - 雄性先熟

2021-10-24 08:09:44 | みんなの花図鑑

屋久島の高山の岩上に生える小型のリンドウですが、撮った場所は 幸田憩いの農園の園芸コーナーです。




「屋久島の固有種で、環境省のレッドリスト絶滅危惧ⅠB類(近い将来絶滅の危険性が高い)に指定されている貴重なお花で、屋久島の高山帯の花崗岩の割れ目に生えています。」(aperuy「ヤクシマリンドウ」)




雄しべが5本、中心の雌しべを覆い隠すように中央に集合しています。この状態を雄性期といいます。




雄性期(花粉の放出)が終わると、おしべは 花弁のほうに離れていきます。




中から りっぱな子房の雌しべが現れます。









雌しべの先端が割れ始めます。柱頭が熟しだします。




2つに割れた柱頭が活動を始めます。雌性期です。




現地での花期は8〜9月。



ムラサキエノコロ、セイバンモロコシ - イネ科

2021-10-23 18:00:00 | みんなの花図鑑
ムラサキエノコロ

名前にはあまり自身がありません。




エノコログサ、ムラサキエノコロ、キンエノコロのどれか?と仮定して、ムラサキの穂だからムラサキエノコロ。




私の関心は エノコログサのツンツンしたブラシ状の部分にあります。
これが、ススキやイヌビエなどのように 「芒(のぎ)」ではないということです。




「外見はブラシ状になる。イヌビエなどの穂から出る毛は、小穂を包む鱗片(穎)の先端から伸びる芒であるが、エノコログサの場合、この毛は芒ではなく、小穂の柄から生じる長い突起である。」(wiki「エノコログサ」)





セイバンモロコシ

セイバンモロコシの「セイバン」は「西蛮」で、西方の異国(蛮族の国)からやってきたモロコシという意味になります。
原産は地中海沿岸とされています。



大きな株を作り、高さ1m~2mになります。



セイバンモロコシには芒(のぎ)があると言われてますが、穂先のほうだけのようです。中央部を拡大しても芒は観察できません。




虫が止まっていますが、イネ科は風媒花なので蜜を出しません。この虫は何を目的に止まっているのでしょうか?




雄花(雄しべ)は葯が紫色をしているので、花穂全体を紫がかった色にします。
白いブラシのようなのが 雌しべの柱頭です。



バラ - 寒いのでパーッと

2021-10-23 09:08:47 | みんなの花図鑑

寒いので、たまには 陽だまりでパーッと !(^^)!
「Jardins de France(ジャルダン・ドゥ・フランス)」という品種名のバラです。




場所は 於大公園(東浦町)の薬草園。
薬草薬木の前の花壇で、蛍光ピンクに近いサーモンピンクのバラが、映えていました。
(ちょっと風が強くじっとしていてくれません (´v_v`))




開花性: 四季咲き




トゲの量は普通。




シベについて書かれた記事を探したのですが、見つかりませんでした。

蛇足で…
「Jardins de France」でぐぐると、こんな専門誌がヒットします。



ウメモドキ~ツルウメモドキ~ヤイトバナ

2021-10-22 18:11:57 | みんなの花図鑑
ウメモドキ

モチノキ科



モチノキ科の果実はほとんどが赤色に熟します。



@安城デンパーク





ツルウメモドキ

ニシキギ科



ウメモドキとコラボしようと撮りに行ったのですが、まだ熟していませんでした。




@於大公園(東浦町)





ヤイトバナ(ヘクソカズラ)

アカネ科



「果皮は萼が変形した偽果皮で、果実の中にある2個の核は分果に相当する。」(ウィキ)








@豊田安城自転車道



センニンソウ - そのヒゲ、何を考え

2021-10-22 09:30:48 | みんなの花図鑑

久しぶりに 於大公園(東浦町)へ行ってみました。
落羽松とメタセコイアのある公園です。




そこの薬草薬木園に センニンソウがあります。いつの間にか、髭の仙人になってました。




センニンソウ(仙人草)の学名は Clematis terniflora DC.
そう、クレマチスの仲間なんです。
属名Clematis は長い柔らかな枝をもって よじ登る植物の意で clema(若枝)の縮小形。




この髭、タンポポの綿毛のように、風に乗って飛んでいくために生えているのだと思いますが…




種子が大きく、これでは飛ばされそうもありません。
もう少し脱水して軽くなり飛べるようになるまで、しばらく仙人のように 沈思黙考です。









だんだん若くなり、まだ髭がついてない果実です。

〔参考〕花










タンキリマメ - 黒い豆

2021-10-21 17:40:31 | みんなの花図鑑

今朝のお題は ニシキギ科の黒い種子でしたので、今度は マメ科の黒い豆。
でも、その前に タンキリマメの花のおさらいです。




9月25日、コンデジで撮影したものです。
タンキリマメの葉は葉は3小葉からなり、小葉は葉先のほうが幅広い。
よく似た蔓のマメに トキリマメというのがあり、花はそっくりですが、小葉は基部のほうが太くて区別できると言います。
ただし、トキリマメは当地には少なく、出会うのはほとんどが タンキリマメのほうです。




マメ科の蝶型の花です。




全体は 小さくて あまり目立ちませんが、一番大きくこちらを向いているのが旗弁です。
虫に蜜のありかを知らせるフラッグの役割をしています。




中央の細いのが舟弁(この中に シベが入っています)。
その両側が 翼弁。





10月8日に撮ったものです。莢が色づいてきました。




10月15日に撮ったものです。




種子は一つのさやの中に通常 2つづつ入っています。
種子は割れた莢の互いに異なる稜から へその緒みたいなものを出してつながっています。

木の名前を教えてください - 安城デンパーク

2021-10-21 10:19:44 | みんなの花図鑑
安城デンパークさんへ

いつもお世話になってます。岡崎のアブリルと申します。
しばらくご無沙汰でしたが、また、樹名板のない樹の名前を教えてください。

場所は 下記(グラスウォークの始点?)です。




さっきも言いましたように、この木には樹名板がなく、春にみたときはこんな花が咲いていました。

そこで、このきなんのき掲示板に問い合わせて「ヒゼンマユミ」ではないかと回答をいただきました。
いちおう肥前マユミで納得していましたが…



つい先だって訪れたとき、こんな実(↓)がなっていて、これはヒゼンマユミではないと思いました。





それで再度、このきなんのき掲示板に問い合わせたところ、




ある方から 「中国オオバナマユミ エウオニムス グランディフロルス Euonymus grandiflorus」ではないかとお返事をいただきました。
このお方は 『中国樹木誌』を読んで見ていて
「文章も図もお尋ねの木によく似ているなぁ・・と思いました」
とのことです。


でも、「中国オオバナマユミ」なら デンパークのギボウシ園にも一本ありますよね
樹名板付きで。
そちらは 下図の上のように、まだ実が成熟してないのか、割れてません。

↑ 下は 数年前の11月に撮ったものです。

質問の木の実の特徴は 割れて種子がむき出しになると、ゴンズイのように種子が黒いということです。
ニシキギ科の種子が黒い木を画像検索してみたのですが、「中国オオバナマユミ」以外には、そういう画像には行き当たりませんでした。

どうか正解を教えてください。
よろしくお願いします!