2024/12/15 読売新聞オンライン
飼い主と一緒に墨田区立二葉小学校に「登校」する犬たち
ふれあい学習では、実際に犬の肉球を触ったり、足の指を数えたりする
ペットとして家庭で飼われている犬たちが「先生」になり、子どもたちが命の大切さや思いやりの心などを学ぶユニークな授業が小学校で実施されている。
大田区立中萩中小学校の体育館。今年6月上旬、飼い主らに連れられ、プードルなど5匹の犬が入ってくると、集まった1年生の児童たちは笑顔になり、目を輝かせた。
これは、一般社団法人マナーニ(港区)が2014年から行っている「動物介在学習プログラム」の一コマだ。小学校の児童が対象で、生活科や道徳科の時間に行われている。トレーニングを積んだ32匹の犬とその飼い主たちがボランティアで活動に参加している。
東京学芸大と共同で開発したプログラムは、犬とのふれあい学習と、後日、その体験を振り返る学習で構成される。
ふれあい学習では、児童はまず、犬にとって、人間の手がいかに大きく、怖く見えるかなど犬のことを知って、仲良くなるコツを学ぶ。相手の立場で考えることの大切さに気付いてもらうのが狙いだ。
その後、グループに分かれて実際に犬と対面。犬の気持ちを考えながら、小さい声で話しかけたり、優しくなでたりする。人と犬の心音を聞き比べる時間もある。活動に参加した児童は23年度末に8000人を超えた。
今年11月に授業が行われた墨田区立二葉小学校では、大矢啓子さん(品川区)の愛犬ルークが2年生の児童の手の匂いをかいで“あいさつ”をしていた。大矢さんは、「犬を怖がっていた子どもが、授業の最後には笑顔になる。とても魅力的な活動です」と話していた。