2024/12/16 読売新聞オンライン
訓練で「人工高台」に避難した住民や車(15日、浜中町で)
日本海溝・千島海溝地震の津波対策として、浜中町が丸山 散布ちりっぷ 地区に整備した「人工高台」で15日、避難訓練が行われた。
道の想定で、付近は最大3・4メートル浸水するとされる。町は余裕を持って高さを確保しようと、高台は海抜3メートルの地盤に4・5メートル盛り土して造成し、11月末に完成した。面積は1964平方メートルで、車80台分の駐車スペースと非常食などを備蓄するコンテナを設けた。
町は徒歩避難を原則とするが、人口約190人の地区では高齢化が進んでいることなどから、やむを得ない場合は車避難も選択肢に入れている。訓練では、午後1時に防災行政無線で大津波警報が告げられると、約100人は車や徒歩で高台を目指した。町立散布中3年の男子生徒は「家の近くに高台ができて安心感が高まった。いざという時は焦らず逃げたい」と話した。
町では1960年のチリ地震津波で11人が犠牲となった。町は役場庁舎の高台移転や、津波が来る前に乗り込む「津波救命艇」の配備も進めた。斉藤清隆町長は「渋滞の有無など訓練の内容を検証し、避難対策の改善に生かす」と述べた。