まあどうにかなるさ

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物忘れ防止に役立つ海馬を鍛える方法

2017-06-11 17:44:00 | 健康

4月29日発行の『週刊ポスト』認知症予防の続きである。

一時的に記憶の保存場所となり、記憶が大脳皮質に移った後に情報を検索する海馬。
筋肉と同じように海馬を鍛えることで記憶力を長く維持でき、認知症予防だけでなく日頃の物忘れや記憶力低下の予防にも効果的。

●ヘルシーライフ法
「睡眠」「食事」「運動」の3つを組み合わせた方法。
睡眠は個人差はあるが、6時間睡眠が脳に負担をかけず、海馬の老化を遅らせる。
食事は脳内の神経細胞を傷つける活性酸素を除去する抗酸化作用の働きを持つ緑黄色野菜を中心に、ショウガ、ニンニクなどの薬味も活性酸素を除去する効果が期待できる。
青魚に含まれるDHAやEPAも活性酸素を除去する働きがある。
筑波大学と米カリフォルニア大学がまとめた共同研究によれば、自転車を10分漕いで心拍数を120程度にした学生の方が安静にしていた学生より記憶テストの結果がよかった。
米ピッツバーグ大学の研究では、55~80歳の認知症でない男女120人を2グループに分けて片方に週3回のウォーキングを続けさせたところ、そのグループは海馬の体積が2パーセント上昇し、記憶力が向上した。
適度の運動は効果的であり、30分程度の早歩きなどを毎日の習慣にすることが望ましい。

●青春の苦い思い出は記憶力向上の良薬
おくむらメモリークリニックの奥村歩院長は海馬の近くにある「扁桃体」を刺激することが海馬を鍛えることになると言う。扁桃体は喜怒哀楽の感情が生じる時に刺激される。
青春時代の音楽を聴いたり、大失恋をしたことを思い出したりすることは記憶力向上に役立つのだ。

●1人でクロスワードより2人で将棋
横浜新都市脳神経外科病院内科認知症診断センターの眞鍋雄大医師によれば集2~3回ゲームに親しむことを薦めている。将棋、囲碁、麻雀などは海馬を刺激する。
ただし、記憶力を使う趣味でもクロスワードパズルのように一人でやるものは脳への刺激が少なくなるそうだ。複数でやる音楽系の趣味も海馬にはよい負担になる。

●交換日記は記憶を守る
週2~3回日記を書くことも海馬によい。書いた日記は交換日記のように人に読んでもらってコメントを求め、それに対してレスを返すと脳が効果的に活性化される。


ボケない食材

2017-06-03 22:43:01 | 健康

4月21日号の週刊ポストの続き。

現在の医学では進行した認知症を回復させる手段はない。しかし、初期であればカンチの可能性がある。真っ先に取りかかれて効果的なのが「食事の見直し」である。

●納豆を一品添えると記憶力アップが期待できる。

納豆に含まれるネバネバ成分の『ナットウキナーゼ』は血液をサラサラにして脳に栄養を届きやすくするほか、脳内で神経伝達物質を作る成分『レシチン』も含まれる。納豆は記憶力をアップさせる食材の優等生である。

ただしナットウ、キナーゼもレシチンも熱に弱いため、アツアツのご飯ではなく冷ましてから載せるのがよい。

●野菜の王様ブロッコリーは炒める方がよい

脳内の神経を傷つける活性酸素を除去する抗酸化作用が期待できるのがブロッコリー。
βカロチン、ルティン、グルタオチンなど抗酸化作用のある成分をブロッコリーには多く含まれている。βカロチンは油で炒めると吸収がよくなるのでペペロンチーノあどに混ぜて摂るの理想的。

●きのことサーモンは最高の組み合わせ

きのこに豊富に含まれるビタミンDには神経細胞の成長を助ける作用がある。認知症の患者は正常な人よりビタミンD不足が指摘されている。
ビタミンB12を多く含むサーモンとの組み合わせは認知症予防に効果が期待できる。

●うなぎは蒲焼より白焼き

活性酸素を除去する働きを持つDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸を多く含む超優良食材であるうなぎ。だが、調理法に注意が必要。甘辛いタレをかけて焼く蒲焼は糖分を過剰に摂取してしまう、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病は記憶力にとって悪影響なのでそれらを防ぐ意味でも白焼きがいい。

●認知症予防にはカレーが最強

インドにはアルツハイマー型認知症が少なく、米国の4分の1というデータがある。
理由の一つと推測されるのがカレー。主成分であるウコンに含まれるクルクミンは抗酸化作用が高いだけでなく、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」を脳内に蓄積するのを防ぐ効果があると言われている。


「本当に危ない物忘れ」と「誰にでもあるド忘れ」の見分け方

2017-05-27 22:56:50 | 健康

4月21日号の週刊ポストの続き。

初期の認知症を一般的な物忘れと判別することは困難。実際に目で見える行動はどちらもほとんど同じだからである。致命的な「認知症」と老化による単なる「物忘れ」を早期に見分けるポイントをまとめる。

【物忘れ】人の名前を忘れたが、周りからヒントをもらえば思いだせる。

【認知症】周りからヒントをもらっても思い出せない。

 

【物忘れ】日記に書いたことを忘れている。

【認知症】日記を書いたことを忘れている。

 

【物忘れ】3軒先の住人の名前を思い出せない。

【認知症】愛犬の名前を思い出せない。

 

【物忘れ】テレビのリモコンの操作が思い出せない。

【認知症】テレビのリモコンの操作を忘れてしまった。

 

記憶力低下の予防のために歯歩いて海馬を鍛えることが重要である。
米国・ピッツバーグ大学のカーク・エリクソ教授の研究によれば55~80歳の男女120人を2グループに分けたうえで、一方に週3回、40分のウォーキングをさせたところ、記憶力が向上しただけでなく、海馬の体積が約2パーセント上昇していた。一方でウォーキングしなかったグループは約1.4パーセント体積が減少した。

また、認知症へと至る入り口は認知機能の低下以外にも多岐にわたり、アルツハイマー病協会会議で発表された新指標をもとに菅原脳神経外科クリニック委院長の菅原道仁氏がチェックリストを監修している。

●意欲や関心の衰え

 ・好きだった趣味や長年続けていた習慣を突然やめる

 ・同じ服装で過ごすことが多くなる

 ・「面倒くさい」「別にいい」と言うことが増えた

 ・お風呂に入らなくなる

●不安の兆候

 ・涙もろくなった

 ・食欲が急に落ちる

 ・衝動買いや同じ物を購入することが増えた

 ・1人での行動に恐怖を感じ始める

●自制心の不安定化

 ・タバコや酒、ギャンブルへの依存が強くなる

 ・車や自転車の運転が荒っぽくなったり、下手になる

 ・性的興奮を抑えられない

 ・食べられないモノを口に入れる※

●常識力の低下

 ・買い物時に会計をせずに店外へ出たことがある

 ・会話中に脈絡なく下ネタを言うなど周囲の空気を読まない

 ・「私は悪くない」と言い訳や責任転嫁の発言が多くなる

 ・知らない人に親しげに話しかける

●間違った思い込み

 ・イライラしたり反抗的な態度が多くなる

 ・カネを盗まれたと錯覚する※

 ・亡くなった親戚や友達の近況を訊ねる※

 ・実在していないのに部屋の中に誰かがいるように見えてしまう※

該当項目が1つなら問題なし。2つあれば要注意。3つ以上なら専門機関での検査を推奨。
但し ※の項目が1つでも該当するなら医療機関の受診を推奨

これまで加齢による老化現象と考えられていたものが実は認知症かもしれない、と認識する機会を得ることは重要であり、専門機関などへの受診のきっかけが増えることで早期発見や予防に繋がるのだ。


「もの忘れが激しい人」と「記憶力が衰えない人」の分かれ目

2017-05-20 22:17:23 | 健康

4月21日号の『週刊ポスト』に掲載された記事。
今や予備軍を含めると860万人(12年)、65歳以上の4人に1人が認知症とされる時代である(厚生労働省推計)。
まず、「記憶」とはどのようなメカニズムになっているのだろうか?
分かりやすくいえば「記銘」「貯蔵」「検索」の3段階で構成されている。
情報はまず脳の中心部である『海馬』に一時的に保存される(記銘)。そこで1時間から1か月程度をかけて必要な情報と不必要な情報に選別し、必要な情報を大脳皮質に移し替える(貯蔵)。貯蔵された情報は海馬が取り出すことによって思い出すことが出来る(検索)。
高齢者を悩ませる「物忘れ」のほとんどは、加齢による海馬の機能低下によって、情報を脳から「検索」できなくなっている状態なのだ。
一方で認知症の場合は「検索」以外にも支障が出る。「記銘」すなわちインプットができなくなるのだ。情報が定着しない以上「貯蔵」もできなければ「検索」も難しくなる。
加齢による「物忘れ」は誰にも起こるが「物忘れ」と「認知症」は医学的には似て非なるものだ。しかし、取るべき対策には共通するものも多い。

「記憶力が衰えない人」と「物忘れが激しい人」の分かれ目はどこにあるのか。

それは遺伝的な要素より本人の生活習慣生活環境による後天的な要素の方が記憶力を左右すると言う。

具体的な項目で比べていく。

 ●「麺派の人」と「米派の人」
日々の生活で大切なのはよく噛むこと。よく咀嚼すると脳への血流が増え、栄養素を多く脳が活性化しないため記憶力が低下しやすくなる。
ラーメンやうどんなどはすすって食べるため、噛む回数が少なくなる。よく噛んで食べる米食の方が脳の活性化には有利である。
歯を失った人は認知症になりやすいのは咀嚼の回数が減ることが原因なのだ。

●「朝はパン」と決めた人とメニューを決めてない人
メニューを固定してしまうと、メニューを考えたり、調理したりするために頭を働かせる機会を削いでしまう。そうすると脳のネットワークを強化できない。食習慣だけではなく、食材や調理方法も記憶力に大きな影響を与えるのだ。

●お酒を飲む人と飲まない人
適度なアルコール摂取は動脈硬化を防ぐと言われており、適量なら飲酒は記憶にとってメリットがある。一日の適正飲酒量の目安はビールなら中瓶1本、ワインならグラス1杯、日本酒なら1合未満である。

●「営業職」の人と「事務職」の人
経理など黙々と作業をこなす事務系より営業や企画開発など周囲とコミュニケーションを取りながらあれこれ知恵を絞る職種の方が認知症になる人は少なく、歳をとっても記憶力が優れた人が多い。

●「自己中心的」な人と「おおらか」な人
『おおらかな人』は周囲の人に対応するために色々と考え、脳を使っているので記憶力を維持しているのに対し、『几帳面な人』『融通が利かない人』『自己中心的な人』は周囲とのコミュニケーションが少なくなるため、脳の活動が少なくなりやすい。

●子供と同居する人と一人で暮らす人
実は子供や孫と同居している高齢者の方が認知症になりやすい。
一人暮らしだと最低限の身の回りの世話を自分で行わなければならないので脳を使うが、面倒見の良い子供夫婦だと楽隠居させてしまう。認知症予防のためには「庭の掃除くらいして」と働かせるくらいが本人のためになる。

●女好きな人と枯れちゃった人
性欲が強いのは男性ホルモンである『テストステロン』の分泌が活発な証拠。これは性機能だけでなく、脳細胞の活動を活性化させ、認知機能改善も期待できる。このことは東京大学で実験により明らかにされている。

●7時間寝られる人と寝られない人
脳の機能低下を防ぐには睡眠も重要。ロンドン大学の実験によると7時間睡眠のグループが最も成績がいい。毎日7時間寝られないという人は30分~1時間の昼寝が有効だという。但し1時間以上の昼寝は逆に認知症の発症リスクが高まる。

未来の自分のために今からでも習慣づけできることはある。


誕生月でなりやすい病気が分かる

2015-09-05 13:46:18 | 健康

今週の『週刊現代』に興味深い記事が掲載されていた。
『誕生月で「なりやすい病気」が分かる』
というタイトルの3ページほどの記事である。

『誕生月が生涯の病気のリスクに影響を与える』と題された米コロンビア大学の研究チームによる論文が今年6月アメリカ医療情報学会の機関紙で発表された。
この論文は1985年から2013年の間にニューヨークの2つの病院で診療した約170万人の患者のデータを基にしたものである。1668種類の病気と誕生月の相関関係を検証したところ、55種類の病気について相関があると確認された。
何故相関関係があるのか?
例えば、妊婦の健康状態は季節によって変わり、そのことは胎児も影響されると考えられる。また。新生児の体内にあるアレルゲンの量も季節に左右されるため、ある種の病気の発症率が変わってくるのだ。
東京大学医科学研究所の上昌広特任教授はこの論文をこう評している。
「人間の体質や成長に、生まれた季節が関係するということは大いに考えられることです。統計的に病気の発症率を調べる方法論としてはとても有効だと思います」
今回の調査はニューヨークだが、日本にもこの調査が当てはまる可能性は高いという。
気になる内容だが、1月生まれの人は高血圧になりやすく、2月生まれは肺がんになりやすい。逆になりにくいのは11月生まれ。
喘息の発症リスクが最も高いのは9月生まれ。9月生まれは他にも中耳炎や適応障害などのリスクが高い。意外なところでは、嘔吐しやすい体質のリスクが高いのも9月生まれ。
僕は9月生まれだが、中耳炎は子供の頃何度も罹っているし、確かに嘔吐しやすい体質である。
今回の調査で「誕生月と関係がある病気」について、最も高リスクだという結果が出た誕生月がある。それは10月である。相関が分かった55の病気のうち、15の病気で最高のリスクがあり、10月生まれの人はいちばん病気になりやすいという結果になった。
ざっと挙げるだけで、風邪、急性咽頭炎、急性細気管支炎、胃の機能障害、視覚不良、近視、遠視、性的感染症など。ただ、なりにくい病気が多いのも10月である。
10月の次に高リスクなのが11月生まれ。ADHD(注意欠陥多動性障害)や急性扁桃炎、非感染性腸炎、さらには下痢になりやすい。
一方で10月から12月生まれは心臓系疾患のリスクは総じて低いという結果が出ている。逆に心臓系疾患のリスクが最も高いのは3月生まれ。他に3月生まれの人は前立腺がんのリスクも1位である。4月も狭心症や急性の心臓病などの心臓系疾患のリスクが高い月だ。
3月から4月生まれに心臓疾患のリスクが高い理由は次のように考えられている。
太陽の光を浴びないと人間はビタミンD不足になる。体内にいる時に母体にビタミンDが欠けていると血中の鉄分濃度が低くなり胎児に栄養が行きわたらない。3月から4月生まれの人は日照時間が短い季節に母親のお腹の中にいたことで、心臓や心血管系の病気に罹りやすい体質になったのである。
総合的にいちばん病気になるリスクの低い誕生月、それは5月。最も健康的な人が多い誕生月と言える。7月生まれの人も特に注意すべき病気はなく、6月、8月も低め。
総じて見ると、秋から冬にかけての誕生月の人はなりやすい病気の数が多く、春は心臓系の重病になりやすい。そして初夏から真夏の時期に生まれた人の方が病気になるリスクは低めという結果になる。

もしかしたら、誕生月の占いというのも全くのデタラメではなく、きちんと統計を取ると案外当たっているのかもしれない。