所沢の西の端にある比良の丘へひまわりを見に行って来た。比良の丘には駐車場がないので、さいたま緑の森博物館で車を停めて比良の丘へと向かう。
案内所を右手に見て、奥に進む。
15分ほど山道を歩く。
視界が開けて見えるのが比良の丘。ひまわり畑があるのは比良の丘南農場。
比良の丘は標高155mあり所沢で最も高い場所である。
所沢の西の端にある比良の丘へひまわりを見に行って来た。比良の丘には駐車場がないので、さいたま緑の森博物館で車を停めて比良の丘へと向かう。
案内所を右手に見て、奥に進む。
15分ほど山道を歩く。
視界が開けて見えるのが比良の丘。ひまわり畑があるのは比良の丘南農場。
比良の丘は標高155mあり所沢で最も高い場所である。
仕事で関西に1週間ほど滞在することになった。
ちょうど高校野球のシーズンであり、付近のホテルは野球関係者の予約でいっぱいで、なかなか宿が見つからなかった。
空き家になっている親戚の家があることを思い出し、その家を借りることにした。
そこには遠い親戚の高齢の女性が住んでいたが、首を吊って自殺していた。事故物件のためになかなか売却できず、1年経った今も空き家のままである。
女性の家族はすでに他界していたが、その家の近所にひとり暮らしをしている僕の従弟が鍵を管理していて、メールで連絡すると、時々掃除はしており、いつでも泊まれるとのことだった。
従弟のマンションで鍵を受け取り、件の家までやって来た。当日、夕食は外で済ませたので寝るだけである。
従弟から客間の押し入れに布団が入れてあるので自由に使っていいと言われていた。
玄関に入り、灯りを点ける。築50年ほどの家だが部屋数は多く、1階にはダイニングキッチンの他にバス、トイレ。洋室がふた部屋、和室がふた部屋、2階は和室、洋室がひと部屋ずつ。最低限の家具は残されていた。
1階の和室のひとつが客間となっており、8畳ほどの広さがあった。キャリングケースを客間に置き、エアコンをつける。エアコンがあったのは有難かった。風呂を沸かして入り、その日は布団を敷いてすぐに寝ることにした。
首を吊ったのはどこの部屋だったのだろう…
そんなことを考えながら眠りにつく。
異変はその夜に起こった。
深夜、廊下を誰かが走る音で目が覚める。小さな歩幅でバタバタと廊下を何度か往復している。驚いて飛び起き、灯りを点けてそっと戸を開けて廊下を伺う。部屋から漏れた灯りが小さな男の子が廊下の突き当りの洋室へと入って行くのを照らしていた。
近所の子供が忍び込んだのだろうか。客間を出て、うす暗い廊下を洋室へとゆっくりと歩いていく。
部屋の中へ入り、真っ暗な部屋のスイッチを手探りで探す。
灯りを点けるが、部屋の中には誰もいなかった。
変だな?確かにこの部屋に入ったと思ったが…
一応、他の部屋も探したが、子供は見つからない。
夢でも見たのだと思い、寝床に入った。
次の夜
客間で寝ていると、今度は同じ部屋の中で誰かの気配を感じて目を覚ます。体は起こさず、うす暗い部屋を見渡す。窓の横に誰かが立っているのが見えた。
窓灯りで、顔の半分をうっすらと照らしている。
自殺したはずの年老いた女性だった。
驚いたが、恐怖で体が動かない。不思議と身の危険は感じなかった。
「ごめんね」女性はか細い声でそう話した。
女性が話す方を見ると部屋の反対側に男の子がいるのが見えた。3歳くらいだろうか。恐らく昨日見かけた子供だ。
「ママ」
男の子は悲しそうにそうつぶやく。
怖くて布団の中に潜り、じっとしていた。
どれくらい時間が経っただろうか。布団からゆっくり顔を出すと、二人の姿は見えなくなっていた。
部屋の灯りを点け、その夜は一睡もできずに朝を迎えた。
さすがに気味が悪く、次の日は従弟の部屋に泊めてもらうことにした。
二晩の出来事を話すと、従弟は、その家で過去に起こったことを話してくれた。
夫婦は結婚してすぐにあの家を買い、男の子が生まれた。だが、3歳の時に子供は行方不明になってしまった。
警察に捜索願いが出され、夫婦もあらゆる手を尽くして探したが、子供は見つからなかった。
その後もずっと夫婦は子供の帰りを待ち続けていた。二人で住むには家は広すぎたが、子供がいつ帰って来てもいいように、引っ越しはしないで同じ家に住み続けたのだ。その後女性は心を病み、ほとんど外出もしなかったらしい。50年近くが経ち、夫が他界し、女性はあとを追うように自殺した。
悲しい一家の物語である。
あの夜見たのは母親と男の子の幽霊だっただろうか。男の子の幽霊の年齢から察するに男の子は行方不明になった時にすでに死んでしまっていたのかもしれない。
数か月後、その家は取り壊しされ、更地にされた。工事の時に庭に埋められた3歳くらいの子供の白骨死体が見つかった。恐らく行方不明になった男の子の死体だろうという事だった。
警察により捜査が行われた。
男の子を手に掛けたのは、母親である家の女性だろうということだった。育児ノイローゼだと推測されたが、真相は判らない。引っ越しをしなかったのも、子供の遺体を発見されるのを恐れ、女性が拒んだのだろうとのことだった。
子供を殺害し、庭に埋めた家で夫にも真相を隠したまま50年も暮らしたことになる。
男の子はずっと成仏できず、あの家を彷徨っていたのだろうか。
無事に天国へ行ければいいのだが…
最近ドラマを観ていて感じること。
特に必然性がなくて東京以外を舞台にしたドラマが増えているのではないだろうか。
東京が舞台であってもなんの差し障りもないが、あえて東京以外を舞台にしているドラマをよく見かけるように思う。
現在放送中のドラマ
「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」。戸田恵梨香と永野芽郁がW主演を務める交番を描いたドラマの舞台は埼玉県である。
『IP〜サイバー捜査班』佐々木蔵之介が主演を務めるサイバー犯罪のミステリードラマ。舞台は京都。京都が舞台のドラマは過去にも『刑事ゼロ』『遺留捜査』などがある。
2019年7月に放送された真木よう子と唐沢寿明主演の刑事ドラマ「ボイス 110緊急指令室」の続編、『ボイスII 110緊急指令室』
波瑠が主演、夜間救急専門の医師たちを描く医療ドラマ『ナイトドクター』
共に舞台は横浜だ。
ドラマの舞台に首都圏が多いのはスタジオ撮影に有利だということと、カメラや照明、音声などの機材や人を持って行くのにスタジオから近い方が便利だという理由なのかなと思う。
京都が舞台になっているドラマが多い理由は東映の太秦撮影所があるためだと思う。
ちょっぴり観光気分も味わえ、地方が舞台のドラマは大歓迎である。大阪や名古屋、
札幌や福岡などが舞台のドラマがもっとあってもいいと思うのだが…
仕事の食事会で遅くなり、終電近い電車に乗り込む。
吊革につかまり、混んだ列車に揺られながら、妻へこれから帰るとメールを送る。
しばらく順調に走っていた列車だったが、自宅の最寄り駅のひとつ手前の駅で止まったまま、なぜかなかなか動き出さない。
この先で人身事故があり運転を見合わせるというアナウンスがある。
SNSで検索すると、若い女性が飛び込み自殺をしたらしいとのことだった。
自宅のある駅まではたったひと駅、列車を降りて歩くことにした。
線路脇の道をとぼとぼと歩いて自宅へと向かう。
途中パトカーが止まっているのが見えた。おそらく現場の検証をしているのだろう。
やがて人気のないうす暗い街路灯が灯る住宅街を歩く。
しばらく歩くと、誰かが後ろを歩く足音がする。女性の靴のようである。
特に気にも留めず、角を曲がったときに来た方角をちらりと見る。
後ろを歩いていたはずの女性の姿はいつの間にか無くなっていた。
相変わらずうす暗い住宅街をまたしばらく行くと
ふと、すぐ後ろに誰かの気配がする。
余りにも近くに気配を感じて、驚いて振り返る。
人影はない。
立ち止まってあたりを伺うが、暗い夜道が続いているだけだ。
気のせいだと思い直して再び歩き始める。
やがて我が家のあるマンションが見えて来た。
マンションに入り、部屋を開けて中へ入ると妻が出迎えてくれた。
「ただいま」
「お帰りなさい、後ろの方だれ?」
「え?ひとりだよ」
「何言ってるの、女の人が立ってるじゃない」
見えないものの気配だけは感じることができたが、妻にはちゃんと見えているのだろうか。
「ちょっと、その人血だらけよ!」
「…」
僕は事故で亡くなった女性の霊を引き連れて帰ってきてしまったのだ。