まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

デノンとデンオン

2009-12-29 20:18:45 | 家電・道具


古いYAMAHAのスピーカーが壊れてしまい、先日買い替えました。
買ったスピーカーはDENONのSC-CX303、小型の割には低音が豊かで、高音の表現力もいい。
特に女性ボーカルは伸びがよく、破錠がない。
かつてDENONはデンオンと発音した。
2001年に日本コロンビアからハード部門が独立したときに読み方をデノンとした。
海外ではデノンと呼ばれていたことが多く、デノンの呼び方に統一したという。
でも、もともとDENONは日本電気音響株式会社の略称からスタートしたブランド名である。
だから、デンオンと発音するのが正統なように思う。
1963年に日本コロンビアに吸収合併され、ブランド名だけが残った。
僕はデノンと言われてもあまりピンとこない。
デンオンという響きの方が何となく高級感があり好きだ。
中学、高校のときはデンオンのアナログプレーヤーは憧れの的だった。
今でも数少ないピュアオーディオメーカーとして、オーディオファンに良質の製品を供給し続けている。
かつて、オーディオと言えば単品コンポが主流だった。
いつの間にか、単品コンポは少数派となり、今では量販店でも、単品コンポを揃えている店は少なくなった。
音にそれほどこだわらなくても、自分だけのコンポを組むのは楽しい作業だと思う。
僕は決して一つ一つにお金をかけてるわけではないけれど、それなりに工夫してオーディオライフを楽しんでいます。
単品コンポはそれなりに金をかける一部のマニアのものになり、僕のようにお金をかけないで多少こだわりたい人には非常に選択肢の少ない世界になってしまいました。


明日の神話

2009-12-26 15:58:54 | 芸術


去年11月、渋谷駅の井の頭線とJRの連絡通路に岡本太郎作の巨大な壁画が設置された。
仕事で乗り換えに利用した際に、その場所へ行ってみた。
足早に乗り換えを急ぐ人の流れの端で、立ち止まって携帯カメラを向ける人が数人。
巨大な壁画の全体を見るにはかなり後ろにさがる必要がある。
作品の題名は『明日の神話』
広島の原爆を描いているという。
ただ、壁画の横にはタイトルも画の説明もない。警備員が一人立っているだけだ。
この画が意味することを知らない若者も多いと思う。
以前、テレビのインタビューで日本がアメリカと戦争したことも知らない若者がいて驚いた記憶がある。
画は圧倒的な迫力がある。
縦5.5メートル、横は30メートルに及ぶ。
中央に爆発を表現したと思われるガイコツのような抽象画が描かれている。
その下2ヶ所に黒焦げになった人々が踊っている。
これは何を意味するのだろう?
ある雑誌のコラムでは遠回しな言い方で岡本太郎が原爆に美を感じたのではないかと書いてある。
その事は僕にはわからない。
でも、少なくとも中央のガイコツはグロテスクに描かれている。
もしかしたら、黒焦げにされながらも醜いアメリカに傾倒する若者を皮肉ったのかもしれない。
だとすればこの画が若者の街渋谷に置かれたことには意味があるように思う。



24日か25日か?

2009-12-25 13:08:20 | 雑学
クリスマスは24日に祝うべきか?
それとも25日か?
僕の周りでも24日派と25日派に分かれる。
25日派は正式なクリスマスは25日なので、その日にお祝いするべきだと。
イブの語源はイブニング、すなわち午後から来ています。
昔西洋の暦では日暮れと共に日付が変わっていました。
イブは現在では前夜と解釈されていますが、当時は25日のことだったのです。
つまり、クリスマスのお祝いは24日の夜に行うのが正式なのです。
ところで、サンタさんの服は何故赤いのでしょうか?
50年代にコカ・コーラが雑誌広告を大々的に展開しました。
そのときにのイラストにコカ・コーラのコーポレートカラーの赤をサンタの服の色にしたのが定着したのだそうです。


一族の悲願

2009-12-18 18:23:04 | 過去の出来事

僕の父方の一族は大阪の出身です。
かつて、大阪市内の一等地にけっこう大きな土地を持っていたらしい。
ところが、僕の曾おじいさんが大変な浪費家で、財産を全て使い果たしてしまった。


す、すばらしい・・・


土地も手放し、大阪から伊丹に移り、おじいさんの代は長屋暮らしだった。


今は亡き伯父がよく言ってました。
いつの日か、かつて一族が持っていた土地に殴り込みをかけて取り戻して欲しいと・・・
一族の本籍地はずっとかつて持っていた大阪の土地にある。
僕も結婚するまでは、大阪が本籍地でした。
一族が持っていた大阪市内のその土地には、今では何と警察署が建っています。


殴りこみをかける・・・


伯父はそう表現していたが、近代装備を備えた警察署にどうやって殴りこみをかけるのか・・・


難しいところです・・・


ひな

2009-12-14 23:19:12 | 怪談

小学校六年の冬。
クラスでニワトリの卵を孵す実験をした。箱を作って裸電球で受精卵を温める。
何日かして、今夜あたり、孵るだろうと先生が話してくれた。
卵からヒナが孵る様子が見たいと思った僕は、友達と待ち合わせて二人で夜、教室まで見に行くこにした。
うまくいけば孵る瞬間が見られるかもしれない。
ところが、友達は時間になっても待ち合わせ場所に現れない。
しばらく待ったあと、仕方なく一人で行くことにした。
当時の小学校は門も出入口も開けたまま。
でも、夜の校舎を一人教室に行く度胸がなく、用務員に事情を話していっしょに見に行ってもらうことにした。
用務員というと年配のイメージがあるが、この小学校の用務員は若い男性。
夜、見回りの途中に音楽室でピアノを弾くらしい。


薄暗い廊下を歩き、用務員室の前で止まる。
宿直しているはずなのに明かりが消えている。
ノブに手をかけるが鍵がかけられてある。


アレ? ヘンだな・・・


どうしようかと考えていると、向こうから声を掛けられた。
「こら!こんな時間に何してんねん?」
見ると、用務員のお兄さんがこちらに歩いて来る。
「ヒナが孵るとこが見られるかもしれへんから、教室に行きたいねん」
「今日孵るんか?」
「先生、今夜くらいや言うとった。怖いからついて来てーな」


二人で教室に行く。
教室の前の黒板の横に置いてある木製の箱の中を覗いてみる。一部がガラスになっていて、中が観察できるようになっている。裸電球の回りに五、六個並べられた卵にはヒビもなく、孵る様子はない。
「まだみたいやな」
そう言う用務員に、もう少しここにいたいと頼み込むと、彼は「少しだけやで」と言って、生徒の机の椅子のひとつに腰を下ろした。


彼は自転車が趣味で、今日琵琶湖へ自転車で行って来たと話してくれた。
当時、僕が住んでいたのは兵庫県伊丹市。そこから琵琶湖まではかなりある。
距離にして片道50キロというところ。
それでも一日で行って帰って来たという。
「もう遅いから帰り」
しばらくしてから、そう言われ、彼は出口まで送ってくれた。


次の日の朝、教室に入ると、箱の回りに人だかりができている。
行ってみると、箱の中の卵のひとつがほんの少しだけ割れて、中からヒナが顔を出している。
でも、ヒナはそこで生絶えていた。


チャイムが鳴って先生が入って来た。
先生が最初に発した言葉に僕は凍り付いた。
昨日の昼、この小学校の用務員が自転車ごと琵琶湖に転落し、病院へ運ばれたが、間もなく息を引き取ったという。


休み時間に、友達に昨日の夜のことを話した。
その友達はオカルトなどに詳しく、話を信じてくれるかもしれないと思ったからだ。
黙って僕の話しを聞いたあと、友達は意外なことを言った。
「道連れにされんでよかったな」
「道連れ?」
「幽霊はな、会った人を、よう道連れにして行きよんねん」


道連れ・・・


卵から出ることができずに息絶えたヒナ・・・
箱の前に行き、そっと手を合わせました。