今年は伊勢湾台風から60年目にあたるそうだ。
1959年、9月26日に潮岬に上陸した台風16号は。紀伊半島から東海地方に甚大な被害を及ぼした。伊勢湾沿岸の被害が特に大きかったため、『伊勢湾台風』と呼ばれている。犠牲者は5,098人(死者4,697人、行方不明者401人)にのぼったそうだ。
母が若い頃、伊勢湾台風の被害に遭っている。
当時、母が住んでいた名古屋の家の2階。窓ガラスを強風が叩きつけ、ガタガタと大きく動く。母は懸命に窓を押さえていたが、あまりにも風が強く、いつまでも押さえておけないと思い、窓から手を離した。次の瞬間、風で窓ガラスが割れて、後ろの壁に突き刺さったそうである。手を離してすぐに窓の近くから離れたのが幸いしたが、母は一歩間違えれば大けがを負っていたところである。
その後も母は台風を恐れる。台風が近づくと窓の雨戸を全部閉める。
以前、出窓のために雨戸がない窓を心配して、マットレスを立てかけると言い出した。
「今時の窓ガラスは簡単に割れないから」と言って、さすがにマットレスを窓に立てかけることはしなかったが、母にとって伊勢湾台風の記憶はあまりにも怖かったのだと思う。