僕が高校のとき、朝の8時半から『ルックルックこんにちは』というバラエティ番組をやっていて沢田亜矢子がメーンキャスターをしていた。祝日のある日、この番組を観たのが僕が沢田亜矢子を知った最初である。
アイドルとは違う知的な大人の雰囲気を漂わせた彼女のすっかり僕はファンになってしまった。
でも、当時、テレビではこの『ルックルックこんにちは』以外での彼女の出演番組を知らなかった。今ではネットなどで調べられるが、新聞のテレビ欄などでも彼女の名前は他の番組には載ってなかったと思う。当時はテレビ雑誌もなく、まだビデオは高価な時代で、我が家にはなかった。
彼女を見るには。8時半からはじまるこの『ルックルックこんにちは』を観るしかないのだが、学校は8時半から。当時通学時間は自転車で10分くらいだったが、遅刻することは間違いない。
HRが15分くらいあるので、番組開始を観たあと、自転車を飛ばせば、授業には間に合いそうである。
ある日、少し寝坊した朝、沢田亜矢子を一目見ようと思い、遅刻覚悟で『ルックルックこんにちは』を観ることにした。
そんな時間になっても学校へ行かない僕を母はうるさく急き立てたが、何とかかわして番組を観ることに成功した。
オープニングが流れて沢田亜矢子が映ると、何とその日彼女は眼帯をしていた。
流石にゆっくり番組を観るわけにもいかず、その日はオープニングだけ観ると、すぐに家を出た。
何日か経って、彼女の目のことがきになり、再び遅刻覚悟でテレビを観る。
その時眼帯はしていなかったので、ほっとして学校に行ったのを憶えている。
学校でももちろん先生には叱られた。
まさか沢田亜矢子を見るために遅刻したとは言えず、単に寝坊しましたと答えた。
夏のテレビ番組で初期のアルツハイマーを疑われた沢田亜矢子
治療が可能なのかどうかはわからないが、このまま引退というのはとても残念に思う。