まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

ある意味心に残るすごい名言

2016-01-09 23:20:12 | 映画

映画『バブルへGO』

泡洗濯機の開発中に偶然出来た洗濯機型タイムマシンに乗り、過去で行方不明になった母を探すために広末涼子演じる主人公が過去へタイムスリップするという大して内容のない痛快なだけの時間つぶしにはうってつけの作品である。
2006年のホイチョイプロ作品。バブルを知らない主人公がバブル絶頂期の1990年にタイムスリップしたときのカルチャーショックが笑える。
しかし、この映画の中には心に残って仕方がない秀逸な名言が登場する。
阿部寛演じる大蔵省の官僚がガールフレンドとのデートをすっぽかした時にガールフレンドにいい放つ言葉。

「約束はしたが、守るとは言ってない」

その後の人間関係を一切顧みない究極のその場しのぎの言い訳である。
想像を絶する発言に言い返す言葉が思い浮かばず、絶句以外のリアクションを無くしてしまう。言葉の意味すら根底から覆すような使用方法である。

もちろん、こんな名言を使う勇気はない。


スターウォーズ フォースの覚醒

2015-12-19 16:34:45 | 映画

僕の知る限り、映画が始まったときに拍手や歓声がおこるのは『スターウォーズ』くらいである。
スターウォーズの新作が10年ぶりに公開された。12月18日世界一斉公開だという。
日本では18時30分が最初の公開時間である。昼にチケットを買いに行ったが、18時30分の回は早くも売り切れ。
同じ映画館の別のスクリーンで20時30分からの回が2枚残っていたので、そちらを購入した。
夕食を済ませ、池袋シネマサンシャインへ…
前列2列目の右から3席目、それほどいい席ではないけど仕方がない。かなり首を左に向けないとスクリーンを見れない位置である。
でも、こんな時に限って首を寝違えていて、ひねると痛い…


今回の内容は初心に返ったようなよくも悪くもシンプルなストーリーではある。
エピソード6『ジェダイの帰還』から30年後という設定、ジェダイの騎士は絶えていて、伝説となっている。
ファーストオーダーと呼ばれる強大な軍事力を持つ組織が自由な社会を脅かそうとしていた。それに対抗するのがレイア・オーガナ将軍(かつてのレイア姫)率いるレジスタンスである。
デイジー・リドリーが演じる主人公のレイがフォースに目醒めるのがタテのストーリー、レイの出生の謎などは次回以降に描かれると思われる。
それに対してヨコのストーリーが赤いライトセーバーを操る強力なフォースをもつ敵、アダム・ドライバー演じるカイロ・レン。
彼の正体は映画の早い段階で分かる。
レイの味方となるのがジョン・ボイエガ演じるフィン。かれは敵のストームトルーパーでFN-2187と呼ばれていたが、殺戮を嫌い正義の側につき、ファーストオーダーと戦う。
そして、今回重要な活躍をするのが、ハン・ソロとチュー・バッカである。 

廃品回収をしていたレイは重要な情報をもったドロイドBB8と出会うことで戦いに巻き込まれていく。

フィンはスターデストロイヤーから重要な任務をもったレジスタンスのボー・ダメロンと脱出し、レイと知り合う。

 今回の悪役カイロ・レンは意外な出自である。レイとのライトセーバーで戦うことに…

おなじみのハン・ソロとチュー・バッカ エピソード4のときと同じ密輸業者に戻っている。

いくつかの謎が残ったままなので、次回作が待たれるところである。


アナと雪の女王

2014-08-10 15:26:52 | 映画

もともとミュージカルがあまり好きではない。

実写のミュージカルには2,3の例外を除いてどうしても作品に入り込むことができない。

映画というリアルな映像の中で、セリフを歌に乗せてしゃべるという非日常的なシチュエーションにどうしても違和感を覚えてしまう。

身の回りで、自分の気持ちを歌で表現している人はいない。もしいたら鬱陶しい。

演劇であれば、リアリズムとは少し違う表現方法としてミュージカルもあっていいと思う。

でも、映画ではどうだろう…

少なくとも映画で登場人物が歌いだすシーンでは僕は白けてしまう。

絵で表現するアニメではどうか。

日本では少ないがディズニーのアニメではミュージカルスタイルの作品が多い。

『アナと雪の女王』

松たかこが歌う曲はヒットし、作品の評判もいい。

だか、僕は作品としての完成度は高いとは思うが、歌が邪魔に思えて仕方がない。

ミュージカルという表現手法を無くして、もっと別の手法を使っていたら、もう少し心に入ってきたように思う。

CGの氷や雪の描写はすごいと思うし、絵も美しい。

キャラクターも日本人に受け入れやすいと思う。

ストーリーは良くも悪くもシンプルである。

アニメで登場人物に歌と踊りをさせるのは簡単なことではないと思う。

口の動き、体の動作、よく作りこまれているとは思う。

素晴らしさは認めるけど、やっぱりその世界に入っていけませんでした。


楢山節考

2013-05-19 15:39:11 | 映画

映画『藁の楯』を観た。
前半はそれなりに楽しめる映画だったが、後半は重く、気持ちが離れてしまう映画だった。
カンヌ映画祭に出品するという。
それなりに面白い映画だけど映画祭で高評価を得るにはどうだろう?


今から30年前、カンヌ映画祭でグランプリを受賞したのが今村昌平監督の『楢山節考』
姥捨て山を描いた底抜けに暗い作品である。
この作品を、僕は大学のときに観た。もう30年前なのに、衝撃的な作品だったので、いまだによく覚えている。
主演は坂本スミ子、実年齢の30歳近い上の69歳のおりんの役をこなしている。緒方拳が息子の辰平役。
坂本スミ子はこの映画のために前歯を全て抜いて役作りをしている。
舞台は江戸時代と思われる信州の小さな貧しい村。
食い扶持を増やさないために、結婚して子供を作れるのは長男のみ。次男は一生独身を強いられ、飼い殺しにされる。辰平の弟を左とん平が演じている。
そして、70歳になるとお山参りと呼ばれる、7つ向こうの山に捨てられる運命が待ち受ける。
長野は山が多く、稲作に向く平地が少ない。
貧しいがゆえに、一人が生まれれば、一人死ななければならない。
映画では衝撃的なシーンがいくつも出てくる。
妊娠しても、子供は間引きされ、途中で下されることが多い。
胎児を田んぼに捨てるようなことが平然と行われる。
村には盗みを厳しく禁じる掟がある。盗みは、盗まれる側にも生きる上で切実な問題となるため、絶対に許されない。
盗みを働いた者は女房子供といっしょに生き埋めにされる。


そして、主人公の辰平は70歳になった自分の母親を背負い、お山参りへと出発する。
険しい山をいくつも越え、やがて二人は目的地にたどり着く。
白骨がそこら中に横たわる場所に、母親を置き、雪のちらつく中、息子は村へと帰ってくる。
自分の母親を背負って捨てに行く息子の気持ちはどんなものだっただろう。
辰平は孝行息子として描かれている。おりんは自分が捨てられる運命をきちんと受け入れていたが、実際はそうでなかった事も多かったはずである。
老人を生かせておけば、全員が飢えるかもしれない、極限状態の中で生まれてきた悲しい風習である。


当時、農業の生産性が低く貧しかった長野県は、今では日本一の長寿県である。
貧しくて天寿を全うできずにお山参りに行った人たちは天国でどう思っているだろう…


大島渚

2013-01-17 23:08:20 | 映画

巨星大島渚監督逝く
心からご冥福をお祈りします。
大島渚監督作品はそれほど観たわけではないが、最初に観たのは名画座で観た『愛のコリーダ』
阿部定事件をモチーフにした作品
日本では猥褻にあたるとして論議された作品である。
僕が映画館で観たこの映画の印象は
やたらぼかしが多い
ということだった。
ぼかしが多いため、かえって猥褻感が増し、作者の意図した主題が伝わらなかったのではないかと思う。
少なくとも、日本では、ノーカットで観る機会はあまりないと思う。
本当のよさはわからないのかもしれない。


同じく学生時代に観た映画が『戦場のメリークリスマス』
男の友情や、友情以上の感情を戦場という極限状況の中で描いた異色作。
主な登場人物は全て男性
敵と味方という関係でも、友情やそれ以上の感情が芽生えるのか?
想像もできない状況下での感情を丁寧に描いている。
坂本龍一やビートたけし、デビッド・ボウイなど、それまで演技とは無縁なキャスティングも話題になった。
でも、この映画で一番印象に残ったのは坂本龍一のテーマミュージックである。


何の番組かは忘れたけど、あるトーク番組で大島渚と野坂昭如が取っ組み合いのけんかをしたことを記憶している。
何にでも一生懸命になる人だったのだなと思う。


安らかに眠ってください。