旅に目的が必要かどうかは、動機の持ち方次第というのも禅問答のようではありますが、まあ、
能書きは垂れてみると見栄えと外向きな説明は容易になります。
御託を並べるのは、もちろん気恥ずかしさがあるからなので、目的は簡単なのです。
現存天守詣。
築城時の姿をそのまま留めて今に至る天守閣を持つ城跡が、日本には12を数えます。
弘前、丸岡、松本、犬山、彦根、姫路、松山、宇和島、高知。
この9つは私も彼女も一緒に、又は各々に参ってきました。
残る3つを、今回の旅路で繋ごうとしています。
そして今日、5月1日。
温泉に宿をとったにも関わらず、こんなに早いチェツクアウトは珍しいというの8時半に玉造温泉・長生閣を出発したのも、この目的を果たすためです。
9時過ぎには10番目となる城へ。

お堀と島根県庁の向こう。

見上げる先に天守が見える、平山城は近年国宝指定された、黒壁が引き締まった印象の松江城です。

平山城らしく、広い石段をいくつかの囲いに沿って曲がりながら登ります。
戦時に攻め方を上から射抜くか撃ち抜こうという視線を感じるのがお約束。

天守間近に来れば、石落としも覚悟しましょう。

中に入れば、今度は籠城方。

僅かな隙間から、迫る敵を目にした時。
城の堅固を信じれども、貯蔵で繋げる時間は限られ、援軍による解放がなければ、待っているのは暗い未来。

というような妄想も持ちつつ、天守最上階から眺める松江の街は、宍道湖を傍らに整然と美しく見渡せるのでした。

さて、朝を急いだのは今日中にもう一つ現存天守を求めたからです。
そこへ向かう前に、安来の名勝、足立美術館も立ち寄ります。

お庭が美術品です。
よく行き届いた手入れはもちろん、
白砂青松、阿波の石の配置に、借景の山や滝がまた効いています。
そうしているうちに時はたち、南へ車を走らせる、岡山県に入ります。

車を途中に置き、八合目あたりの登城口にはバスでしか入ることができません。
そこからでも、それなりに急な、ほとんど登山路とも言うべき道を、みんな並んで歩きます。

標高は470メートルになると案内図に書いています。
まさしく山城の代表です。
備中松山城。

二層の城内は立派な木材で組み上げられています。

かつては天守以外にも、10を越す櫓が尾根のあちこちに立ち、侵入者を見張っていたそうです。

巨大な露出した岩盤を使って躯体を支える石垣の構造は、他の城で見たことがありません。
現存12天守の11番目となる城は、
山という自然の威力を最大に生かし、
戦国の世をまたいで形をつないできた、
大いなる建造物でありました。
能書きは垂れてみると見栄えと外向きな説明は容易になります。
御託を並べるのは、もちろん気恥ずかしさがあるからなので、目的は簡単なのです。
現存天守詣。
築城時の姿をそのまま留めて今に至る天守閣を持つ城跡が、日本には12を数えます。
弘前、丸岡、松本、犬山、彦根、姫路、松山、宇和島、高知。
この9つは私も彼女も一緒に、又は各々に参ってきました。
残る3つを、今回の旅路で繋ごうとしています。
そして今日、5月1日。
温泉に宿をとったにも関わらず、こんなに早いチェツクアウトは珍しいというの8時半に玉造温泉・長生閣を出発したのも、この目的を果たすためです。
9時過ぎには10番目となる城へ。

お堀と島根県庁の向こう。

見上げる先に天守が見える、平山城は近年国宝指定された、黒壁が引き締まった印象の松江城です。

平山城らしく、広い石段をいくつかの囲いに沿って曲がりながら登ります。
戦時に攻め方を上から射抜くか撃ち抜こうという視線を感じるのがお約束。

天守間近に来れば、石落としも覚悟しましょう。

中に入れば、今度は籠城方。

僅かな隙間から、迫る敵を目にした時。
城の堅固を信じれども、貯蔵で繋げる時間は限られ、援軍による解放がなければ、待っているのは暗い未来。

というような妄想も持ちつつ、天守最上階から眺める松江の街は、宍道湖を傍らに整然と美しく見渡せるのでした。

さて、朝を急いだのは今日中にもう一つ現存天守を求めたからです。
そこへ向かう前に、安来の名勝、足立美術館も立ち寄ります。

お庭が美術品です。
よく行き届いた手入れはもちろん、
白砂青松、阿波の石の配置に、借景の山や滝がまた効いています。
そうしているうちに時はたち、南へ車を走らせる、岡山県に入ります。

車を途中に置き、八合目あたりの登城口にはバスでしか入ることができません。
そこからでも、それなりに急な、ほとんど登山路とも言うべき道を、みんな並んで歩きます。

標高は470メートルになると案内図に書いています。
まさしく山城の代表です。
備中松山城。

二層の城内は立派な木材で組み上げられています。

かつては天守以外にも、10を越す櫓が尾根のあちこちに立ち、侵入者を見張っていたそうです。

巨大な露出した岩盤を使って躯体を支える石垣の構造は、他の城で見たことがありません。
現存12天守の11番目となる城は、
山という自然の威力を最大に生かし、
戦国の世をまたいで形をつないできた、
大いなる建造物でありました。