2021秋の車旅（19日目）勝負あった

漁港の朝は早い。

夜明け前の3時半から4時半にかけて出航する。

船員が来てエンジンをかけライトが煌々と点けて準備が始まる。

出航すれば待っていた釣り人達は、思い思いの場所で竿を振るのだが中々出航しない。

間もなくエンジンが止まり、船員も引き上げた。

今日も海が荒れていて漁は中止になった。

ウキルアーを投げられるエリアは狭く、それからでは釣る場所は確保できない。

止むを得ず今日も船が係留されている隙間でふかせ釣りをする事にした。

妻にふかせ釣りを教えるから挑戦するよう勧めると、しぶしぶ承諾。

不安そうにしながらも初めてのふかせ釣りがスタート。

妻のウキは岸壁から僅か1.5ｍほどの場所に浮かんでいる。

この場所で昨日はよく釣れていたが、今日は魚影が薄いようだ。

周りも中々ヒットが出ないまま時間だけが過ぎて行く中、ぽつりぽつりとヒットして周りで3匹ほど上がったが、アタリはピタリと止まった。

そして、おしゃべりタイムになった。

話が途切れると竿を仕舞い引き上げて行く。

残ったのは妻と私ともう一人の3人だけになった。

妻は当たりも無い中、竿を出し続けていた。

私は竿出したまま椅子に座りウトウトしていた所、大きな声で「釣れている」と妻の声！！

てっきり私のウキが沈んで、それで寝ている私に告げているのかと思い、竿をしゃくり上げるが手ごたえ無し。

鮭が付いていたのは妻だった。

私がもたもたしていたので隣の釣り人がタモで掬い上げてくれた。

初めてのふかせ釣りで釣り上げたのは可愛いメスだった。

拍手喝采したのは言うまでもない。

妻も笑顔で応えていた。

それから1時間後にまたもや妻にヒットが！！

今度はオスだったが、2匹目を釣り上げた。

私は結局ボーズだった。

妻が釣り上げた2匹の鮭。

上がメスで下がオス。

両手にぶら提げ、得意満面の妻。

妻にふかせ釣りを教えた師匠の地位は一瞬にして消えてしまった。

鮭釣りの勝負は妻に完敗だった！！