【突発性難聴☆闘病記録】(9)
★2008年4月22日(火)★
<治療開始11日>
今日もいいお天気だった!
最高気温は25度。
耳鼻科受診の日なので、
家事を済ませ、11時半頃、森山耳鼻科(仮名)に行った。
自宅から徒歩2、3分なので、非常に便利。
受付を済ませ、雑誌を広げると、
すぐに、聴覚検査のために呼ばれた。
この検査も4回目になる。
「ちゃんとできるかなぁ・・・」(不安がいっぱいの私)
森山耳鼻科の看護師さんは、
どの方も、言葉遣いがきちんとしていて、
笑顔で、感じがよく、
森山先生の、スタッフの教育の良さを感じる。
私語もなく、きちんと仕事がなされ、
クリニック全体がいい雰囲気。
初診のとき、患者さんの多さに驚いたが、
やはり、人気の耳鼻科のようだ。
看護師さんの案内のもとに、
無響室に入り、
ヘッドホンをつけられ、ボタンを渡される。
「では、右側から始めますね」
「はい」
目を閉じて、
聴こえてくる音に集中する。
今日こそ、正確にデーターを取っていただかなければ、と思っていたので、
「今、この音は・・・検査の音かな?どうかな?」・・・と迷うときには、
ボタンを押さないことに決めていた。
悪い結果が出ても、それが真実なら仕方ないことだから。
5、6分くらい?して、ドアが開き、
「では、次は左側です」と声をかけられた。
「はい」
目を閉じて、音に集中する。
小さな、小さな音が・・・
かすかに、聴こえているような、聴こえていないような・・・
やっぱり、私はこの聴覚検査が苦手だ。
いくら注射が痛くても、血液検査の方がいい。
正確に結果が出るから。
「はい、終わりましたー」
「・・・ちゃんと検査ができたかしら?
今日はボタンを押す回数が少なかった気がして・・・」
何回やっても、音を聴き入れる要領がつかめず、
ボタンの押し方も下手で、
聴覚検査のデーターを信じれない私。
「・・・(笑)・・・先生から説明がありますので、
中待合でお待ちくださいね」
10分くらいして、診察室に呼ばれた。
「きっと、悪い結果だわ~」・・・ドキドキしながら入った。
森山先生は検査結果を見ながら・・・
「あ~今日は大分良くなっていますねー」
「えっ!?そうですか?」
「そんなことないでしょ!」(心の中で叫ぶ)
私には、その結果がどうしても信じられない。
逆のことを想像していたので・・・
「ほんとですか」
先生は、カルテに綴じた聴覚検査結果を私の方へ向けて、
聴覚曲線の説明を始められた。
「今日の結果はオレンジ色で示しています。
これがそうなのですが、ほとんど正常に近いです。
この前3回は、高音が非常に悪かったのですが、
今日は、その高音も、ここまで改善されています・・・」
自分が思ってもいない結果に驚く。
「えっ・・でも・・・外出中に・・・
デパートなどでは、夫の声が聞き取りにくいのですが・・」
「そうですか・・・?」(不思議そうに・・・)
「1週間前の日曜日、13日に外出中は聞こえにくくて・・
1週間、お薬を飲んで、
20日の日曜日は改善されているかな~と思ったのですが、
やはり、外では、右側からの声が聞こえにくかったのですが・・・」
先生は、そのことをカルテに記入しながら、
「そうですか? 聞こえるでしょう・・・」
「そう言われても、聞こえないのに・・・」(心の中でつぶやく)
「耳鳴りはどうですか?」
「はい、今もグゥワングゥワンしています。
最近は、鈴のようなリンリンも混じって・・・・・」
「そうですか。聴覚は良くなっていますよ。(また言われた)
耳鳴りがなければ、
薬を止めてもいいくらいですけど・・」
「でも・・外では、雑音があるためか、
聴こえにくいのですが・・・」
「聴こえているはずですけどね・・・」
「そんなことを言われても・・・」(心の中の声)
「私、聴覚検査に慣れなくて、
ボタンの押し方がまずいのではないかと思って・・・」
「いえ・・大丈夫です。
少々間違って押しても、おかしなことにはならないですから」
あくまで、その検査結果を信じておられる先生。
「私、よくわかっていないのになぁ」・・・と思いながらも、
それ以上は、言えない立場にあった。
先生は、自分の診断に自信があるようだ。
「えっと、では、プレドニン(ステロイド)は減らしましょう。
明日から、4日間は、朝1錠飲んで、
それ以降は、中止します。
胃薬もいいでしょう。
耳鳴りの薬だけを続けてください」
私の訴えも無視され、
先生のペースで話される。
「次は・・・26日か28日・・」
「土曜日は患者さんが多いから、28日にお願いします」
ほんとに聴覚検査の結果は良いの?
正しく検査されているの?
半信半疑で、病院を後にした。
階段を下りながら、
「もう1軒、他の病院で診てもらったほうがいいかしら?」
そんなことを考えていた。
薬局に行き、お薬を受け取る時、
薬剤師さんが優しく声をかけてくださった。
「耳鳴りはよくなりましたか?」
「それが・・治らないんですよ。
聴覚検査の結果はいいみたいなのですが、
場所によっては、聴こえにくくて・・・」
「耳鳴りは、気分的なものもありますから、
気になさらない方がいいかもしれませんね」
「そうですね・・・ありがとうございます」
≪今日処方された薬≫(7日分)
★プレドニン錠5mg 1日1回 (朝1錠)<4/23~4/26>
(炎症を抑える薬)
★メチコバール500 1日3回 毎食後(朝1錠 昼1錠 夕1錠)
(ビタミンB12。末梢神経の働きを正常にする薬)
★アデホスコーワ顆粒10% 1日3回(朝1包 昼1包 夕1包)
(血液の流れをよくする薬)
午後からはアイロン掛けなどしていたが・・・
ふと、気づいたこと。
ん??気のせいか・・・
耳鳴りの音が、少し静かになっているかもしれない。
もしかして・・・これって、良くなってるの~?
それとも、この耳鳴りの音に私が慣れたの~?
明日になって、また「ガンガン」するかもしれないな。
今の不安は・・・
先生の診断(聴覚検査結果)と、
私の症状に、くい違いがあるので、
突発性難聴以外に、
なにか他の病気が潜んでいなければいいけど、ということだ。
【突発性難聴☆闘病記録】(8)
★2008年4月20日(日)★
<治療開始9日>
今日の広島は快晴だった。
最高気温も25度近くまで上がり、初夏のようなお天気。
突発性難聴の治療は、
初期の段階が大切なので、
今は、お出かけもガマン、ガマン・・・
・・・といいながら、
夕方から、夫と、ちょっと外出。
ご飯(イタリアン)を食べて、お買い物して帰宅。
毎日、家の中で過ごしていたためか、
外出時に、ちょっと異様な感覚に襲われた。
太陽光線に目がかすみ、頭がボーっとして、
長期の入院などで、久しぶりに外に出たときみたい。
これって・・・他の神経まで侵されているのでは?って心配になった。
22日が次の受診予定なので、その時に先生に尋ねてみよう。
右耳の耳鳴りは相変わらず続いている。
安静時には、
「ジ~ン、ジ~ン」「「キ~ン、キ~ン」とゆっくりした耳鳴りで、
会話したり、動いたりすると、
「ジン、ジン」「キン、キン」と耳鳴りが激しくなる。
音も大きくなり、
自分でその音をうるさく感じ、手で耳をふさいでしまう。
「ねぇ、この音、あなたに聞こえないの?」
「全然、聞こえないよ・・・」
「こんなにうるさく響いているのに?」
「全然、わからない・・・」
「不思議・・・」
今日は、鈴のような「リン、リン、リン」という高音も混じり、
ますます、複雑になった。
1週間前、外出中に、
右側から夫が声をかけると周りの雑音で聞こえくかった。
この1週間、ステロイド治療を続けてきて、
少しは効果が出ているかなーと期待していたのに、
今日も、外出中は、やはり聞こえにくかった。
何度も聞き返した。
1週間前と比べ、ぜんぜん、回復していない。
ショック!!
家の中での会話はほとんど支障ないのに、
外で聞こえにくいのは何故?
そして、電話の声が聞こえないのは何故?
4月3日、突然聴こえなくなったのだから、
ある日、突然聴こえ始めたらいいなぁ・・・
★2008年4月21日(月)★
<治療開始10日>
今日の最高気温も24、5度で、昨日と同じ初夏の陽気。
休日明けは、お掃除やお洗濯が待っている。
それを完全にやりたいのが私。
手抜きすることができない。
お布団を干したり、シーツを洗ったり、
マット類も全部洗った。
耳鳴りがガンガンしているのに・・・。
どうして、自分の体を酷使するのだろう。
昨日ごろから、
私のこの病気は治らないような気がしてきた。
少しずつでも良くなっていれば、希望がもてるのに。
11時過ぎから、近所の内科(家庭医)受診。
先日(8日)、耳鳴りのことを一番にこの先生に訴えて、
診察の上、薬(抗生物質)を処方されたので、
その後の経過(耳鼻科受診)と、診断された病名、
耳鼻科でもらっている薬名を伝えておこうと思った。
「12日に森山耳鼻科(仮名)に行き、
聴覚検査の結果、『突発性難聴』と診断されました」
「えっ・・・・・そうですか」(かなり驚かれた)
私が、最初に、この症状を話したとき、
この内科の先生は、
「突発性難聴」を推測できなかったのか・・・?
私は、そのことに驚く。
あの日、抗生物質を出されたけれど、
あれで、治ったと思っておられたのか・・・?
ま、耳鼻科の症状がありながら、
早く、耳鼻科受診しなかった私が一番悪いのだけど・・・。
「森山先生から、突発性難聴は、
ストレス、寝不足、過労に注意するようにと言われているのですが、
夜、眠れなくて・・・困って、
以前いただいていた『セルシン』を2錠飲んだのですが・・・」
「あ、そうですか・・・」(先生はまだ動揺している)
「耳鼻科の先生は、
眠りが浅くなるような薬が入っているからでしょう、と言われるのですが、
どのお薬が該当するのですか?」
「この中からでしたら・・・プレドニンだと思います」
「そうですか・・・」
「セルシン2mgは、安定剤の中では弱い薬なので、
1回に2錠飲まれてもいいですよ。
ただ、集中的に飲まれて、
あとあと、それが習慣になると困りますねー」
「セルシンを飲むと、調子がいいようなので、
しばらく服用したいのですが」
私にとっては、今が大事。
夜、しっかり睡眠を取るためにもお願いした。
「では、今日は、追加でセルシンをお出ししましょう」
≪今日処方された薬≫
★セルシン錠2mg 1日1回 就寝前2錠
(安定剤)
夫の花粉症のお薬も処方していただき、帰宅。
内科の先生に事情を報告して安心した。
先生は、私が突発性難聴になるなんて
思ってもおられなかったのかもしれない。
だから、「すぐに耳鼻科に」と勧められなかった。
耳鳴り、難聴という症状はあなどれない。
これからは、そういう症状の患者さんには、
「すぐに耳鼻科に・・・」と言われるだろう。
今回の私のことが先生の教訓になりそうだ。
そういえば、6、7年前、食欲がなくて通院していた時も、
毎日点滴ばかりで、
「ACTH単独欠損症」を見抜いていただけなかった。
そのことを、また、思い出した。
午後は、ゆっくり横になっていた。
幸せな時にはありがとう。
苦しい時には力をください。
淋しい時には聞いてください。
いつも
地球のすべての人が幸福で
平和でありますように。
~瀬戸内寂聴「生きることば」~
☆写真は今我が家に咲いているビオラの一輪です☆
★2008年4月19日(土)★
<治療開始8日>
今日も、一日中、家で過ごした。
お天気は晴れ


4月3日(木)、夜、突然、耳鳴りの症状が出て、
4月8日(火)に、内科(家庭医)に相談。
他の薬をいただく日だったので、そのついでに耳鳴りのことを話した。
耳を簡単に診察され、
「炎症があれば、これで治りますから・・」
と、抗生物質を処方される。
「気になるようでしたら、耳鼻科受診を・・・」とアドバイスを受けた。
でも、その日、すぐには耳鼻科に行かなかった。
今、これが一番の後悔となっている。
・・・というのも、
私の場合、耳鳴りが優先して、
片方の耳が聞こえているため、『難聴』に気づくのが遅かった。
4月12日(土)、森山耳鼻科(仮名)受診。
症状が出てから、10日経っている。
不安をいっぱい抱えての初診。
軽度の「突発性難聴」と診断を受けた。
それから、1週間が過ぎた。
この1週間を振り返って、
最初の症状が改善されているとは思わない。
12日(土)~プレドニン 1日3回(朝昼夕) 2錠ずつ服用。
↓5日間
17日(木)~プレドニン 1日2回(朝夕) 2錠ずつ服用。
↓2日間
19日(土)~プレドニン 1日2回(朝夕) 1錠ずつ服用。
↓
今日(19日)から、プレドニンが1日2錠に減った。
ステロイド(プレドニン)は長く続けるお薬ではないことは知っているし、
その副作用が気になるものの、
突発性難聴を完全に治したいために、
自分でも苛立ちが始まる。
この病気は、発症1ヶ月間が治療の目安と聞いている。
ネットで体験者の治療を見ると、
入院、点滴等している人も多い。
私は、今の治療で最善なのだろうか?
ふと、不安がよぎる。
今、テレビをつけていない。
静かな空間のなかで、
右耳からは、「ジ~ン、ジ~ン」「キ~ン、キ~ン」という耳鳴りがしている。
一人、静かに黙っていると、
耳鳴りの音が、少し、小さくなったのかな、と感じたり・・・。
(良くなっていると、嬉しいのに)
これから10日間余りが、私に残された大切なとき。
治療の出だしは遅かったけれど、
治る見込みのある期間が10日間余り残っている。
できるだけ安静にして、
自分の体を大切にしたい。
一生、悔いを残さないためにも・・・。
今、我が家の“ガーデンシクラメン”が満開です♪
6、7年前から育てているガーデンシクラメン。
毎年、夏越をして、
春にはきれいに咲いています。
★ガーデンシクラメン★花言葉★
「はにかみ」「思いやり」「内気」「遠慮」・・・
☆☆==☆
☆==☆
☆==☆
☆
≪2008年度成長日記≫
★2007年12月17日(月)★
夏越したシクラメンに、小さなつぼみがのぞきました。
写真には写っていないのですが、
根元にも、たくさんのつぼみがあります。
(当日のブログに紹介しています)
★2007年12月22日(土)★
5日後、その一つのつぼみが開きました。
感激!!
★2008年3月10日(月)★
順調に育っています。
こんなにたくさん花が咲きました。
★2008年4月1日(火)★
あふれるように咲いています。
つぼみもたくさんあり楽しみ~♪
★2008年4月19日(土)★
今が満開かな・・・?
毎日、鮮やかな赤色に癒されています・・・
☆☆==☆
☆==☆
☆==☆
☆
我が家には、ガーデンシクラメンが3色あり、
(苗を植えつけた年はバラバラですが・・・)
それらも今、きれいに咲いています。
また、後日、ご紹介しますねー
【突発性難聴☆闘病記録】(6)
★2008年4月18日(金)★
<治療開始7日>
今日は、一日中、家でゆっくりしていた。
お天気は曇り時々晴れ
。
耳鳴りの方は、相変わらず24時間鳴っている。
「どんな音がしますか?」と医師からも聞かれるけれど、
その説明がなかなか難しい。
安静にしているときは、
「ン~ン、ン~ン」「ジーン、ジーン」「キーン、キーン」
の入り混じった音が鳴っている。
掃除機をかけたり、
会話をした後・・・
その大きさが増してくる。
今通院している森山耳鼻科(仮名)では、
一度も「安静にしてください」とは言われていない。
注意することは、
① ストレスに気をつけるように。
② 寝不足にならないように。
③ 過労に気をつけるように。
この3点なので、
それについては、私も神経質になっている。
家族が心配して、「安静に・・・」というので、
お買い物も夫に頼み、家でゆっくりしているが、
熱があるわけでもなく、
耳鳴りの症状だけなので、少しは動いて気分転換したい。
(体重38kg→39kg)
騒音のある場所でなければ外出もいいと思うのだけどな。
今日は、姉と妹と電話でおしゃべりした。
身内なので、いくら話しても疲れない。
むしろ、気持ちが明るくなり、うれしかった。
(多少、耳鳴りは大きくなってもネ)
いつもなら、晩御飯の仕度が面倒なのに、
今日は、私自身が家庭料理を食べたくて(お弁当は飽きた)、
なんと、ご馳走を作っちゃいました!
もう少ししたら、
「今日は何を買って帰ろうか?」って、
夫が電話してくるはず・・・
でも~今日はOKでーす。
今、私の一番のストレスといえば、
カープのことかな?
今日も巨人戦で負けてしまった。
今年は、黒田投手と新井選手がいなくなったけれど、
外人選手の補充もあり、
もう少し期待できると思っていたのに・・・
大竹投手もダメみたい。
悔しいので、カープのことは考えたくない。
・・・ということで、
今日の耳鳴りの症状は、まずまずでしたー。
明日も気ままに過ごしたいと思います。
一輪のバラが咲いた。
まるで、今の私を励ますかのように・・・。
昨年、苗を購入して鉢に植え替えていたミニバラの木が、
冬を越してこんなに元気に成長している。
下の写真の左側(↓)に、
小さくポツンの見える赤い一輪のバラが上(↑)の写真。
(今朝、携帯で撮影)
☆★==体験==★☆
人間生きていれば、嬉しいこと、悲しいこと、いろいろなことに出遭う。
なかには避けたいこと、経験したくないこともある。
とくに何か辛い出来事に遭遇したり、
不本意な状況におかれたりしたときには、
なぜ自分だけがこんな目に遭わなければならないのかという思いを抱く。
そうして、みずから心を暗くし、
ときに自暴自棄に陥ることもある。
それは人情のしからしむところで、一面致し方ないことであろう。
けれども、そのような意に染まない経験も、
また日常の取るに足りない些細な体験も、一つとして無駄なものはない。
さまざまなことを経験すればするほど、
それが心の襞(ひだ)となって、人間としての深みと幅が増していく。
そして人生はより豊穣(ほうじょう)なものになっていくのである。
どんな体験にも貴重な教えが含まれ、得られるものがある。
今のこの体験をかみしめ、味わっていこう。
そういう思いを定めれば、
一つひとつの体験がまた違った意味をもって見えてくるのではあるまいか。
~PHP5月号「心をつなぐ言葉、遠ざける言葉」~
【突発性難聴☆闘病記録】(5)
★2008年4月17日(木)★
<治療開始6日>
※<今後、近所の耳鼻科を『森山耳鼻科』(仮名)と表示します>
今日は、森山耳鼻科の受診日だった。
12日(土)・・・初診
14日(月)・・・再診(右耳では電話の声がまったく聴こえないことを報告)
17日(木)・・・本日、3回目の受診
午前11時前、森山耳鼻科着。
自宅から徒歩3分。
雨のせいか、待合室に、患者さんは2、3人程度。
すぐに、診察前の聴覚検査のために名前を呼ばれる。
看護師さんともちょっと馴れてきて、
笑顔で会話ができた。
電話ボックスのような無響室?に入室して、
ヘッドホンをつけられ、
ボタンを渡される。
「では・・・始めますね。
いつものように、音が聴こえたらボタンを押してください」
看護師さんは、無響室から出て、
検査を始められる。
小窓越しに看護師さんが見える。
私は緊張していた。
なぜならば、この検査データーに基づいて、
私の今の症状を医師が診断されることになるから、
ボタンを押し間違えると、データーが違ってくる。
小さな、小さな音を聴き取るという、緊張の時間。
目を閉じて、音を聴き取ることに集中した。
いろいろな大病を経験し、
さまざまな検査を繰り返してきた私だけれど、
この聴覚検査は苦手だ。
いまだに自信がない。
検査が終わって、
「中待合でお待ちください」
「はい」
診察室から、子供の泣き声が聞こえていた。
何の病気なのかしら?かわいそうに・・・
でも、『おかあさーん!おかあさーん』という男の子の声はかわいいなー、
私の息子なんて、
今は大人になって、メールの返事もすぐにはこないのに・・・。
そんなことを考えながら、数分待つ。
その男の子の次に私が呼ばれた。
先生にとっては、たくさんの患者さんの中の一人の私。
診察室に入ると、
先生は、私がどんな症状で通院しているか、カルテで確認しておられた。
(まだ、3回目なので)
ちょっと沈黙があったので、
「先日は、お忙しい時間に、
新幹線に乗っていいかどうか、お電話しましてすみませんでした」
「あ、いえ、いえ・・・」(カルテを見ながら)
「実はあの日、家族の反対もありまして、結局、横浜行きは中止して、
H病院の方へ行ってまいりました。
『内科を待つ間に、耳鼻科を受診してきてください』という看護師さんの指示があり、
耳鼻科と内科内分泌科の診察を受けてまいりましたが、
この聴覚検査のデーターはH病院からあずかってきたものです」
私はH病院のデーターのコピーを渡した。
先生は、
「あ、そうですか・・・」
H病院のデーターに目を通しながら、
「この結果は・・・変ですねー。
このデーターだと、ぜんぜん聴こえない人のレベルになっています。
当院で検査したデーターがこちらですが、
まったく異なっていますね」
カルテに綴じた聴覚検査のデーターを私に提示しながら、
説明が始まった。
「この3本の線のこの色が12日の結果で、
こちらが、2回目、今日のが、この青い色で示しています」
グラフに示されている聴覚曲線を見ながら説明を受けた。
ほんとだ、H病院の結果とは全然違う。
「当院で検査した結果では、そんなに異常は出ていません。
健康な人は、このあたりからこのあたりで(10~20㏈)?で、
貴女は、右耳に少し異常が出ていますが、
ほとんど正常値に近いのですけどね・・・」
「そうですか・・・・・・・(わかったようなわからないような?)
でも、電話の声は右耳ではまったく聴こえないのですが、
それはなぜですか?」
「・・・・それは・・・ちょっとわからないですね」
そして、先生ご自身の手で、
私の左耳(正常)をふさいで、
「今、私の声が聞こえますが?」
「はい、ちょっと小さめですが、ちゃんと聞き取れます」
「今、左耳(正常)を使わずに右耳(異常)だけで聞いたことになります。
それだけ聞こえたら、大丈夫なんですけどね・・・・」
「そんなことを言われても・・・・」なんて思いながら、
自分でもよくわからなくなってきた。
「日常の会話では、4000ヘルツまでの音を多くふくみ、
雑音は、主に高・低周波が多いと言われています。
生活していく上では、雑音に対して、聴覚の感度は低く、
コミュニケーションに対しては、感度が高いほうが望ましいのです」
「・・・・?・・・・?」(だんだん、話が専門的になり、よくわからなくなった)
「貴女の場合、この高音に対してが、非常に悪く、
これは、以前からそういう傾向にあったのか・・・?
そのために、今、耳鳴りがしているのか・・・
・・・この高音のために耳鳴りがしているとすれば、
これは、ちょっと治りにくいかもしれません」
「そうですか・・・・・生涯ですか?」
「そうですね・・・でも、だんだん、慣れてくるものですよ」
「えっ!?そんな問題ではないでしょ!」って心の中で叫んだ。
でも、耳鼻科を受診される患者さんの中には、
非常に重篤の方もおられ、
先生はそんな方をも診ておられるのでそのように言われたのであって、
私程度だったら、いいほうだと解釈したほうがいいのかとも思った。
「耳鳴りはどうですか?」
「相変わらず、しています」
「ずっとですか?」
「はい、一日中です。
朝、起床時はちょっと静かみたいですが、
会話が始まると、耳鳴りが大きくなります。
昨日は、友人からの電話があったりして、疲れたのか、
その直後から、すっごく大きく『ガンガン』耳鳴りがして、
めまいの症状もでたりしました・・・」
「そうですか・・・」(深刻そう・・)
先生の顔色を見ながら、一喜一憂する私。
「症状が出てから、もっと早く診てもらえばよかったと後悔しています。
10日目に来ましたので・・・」
「いえ・・・そんなことはないですよ」
相変わらず、楽天的な先生。
「まだ、2週間は、治る見込みのある期間ですから、
もう少し、薬を続けてみましょう」
「治る見込みのある2週間」という言葉が非常に嬉しかった。
ガンバロウと思った。
「よろしくお願いいたします」
「えっと、プレドニン(ステロイド)のほうは、
H病院の内分泌科の先生は、どう言われましたか?」
「あ、重なっても大丈夫と言われました。
森山先生の言われるように飲んでくださいとのことです」
「そうですかー。
じょじょに、ステロイドは減らしていきます。
今日、明日は、一日、2回朝夕、プレドニン2錠を飲んで、
次の日からは、1錠に減らしましょう」
「はい、わかりました」
「次は・・22日の火曜日に来れますか?」
「はい、大丈夫です。 ありがとうございました」
今日の診察は、そんな感じで、
いつもより、森山先生と意思の疎通ができた気がした。
H病院の耳鼻科の先生も、
この森山先生のことをご存知で、
「とてもいい先生です」と言われていたので、
私自身、すごく安心した。
医師と患者の出会い。
不思議なご縁でつながっているけれど、
今後は、森山先生を信頼して、治療に専念したいと思う。
≪今日処方された薬≫(5日分)
★プレドニン錠5mg 1日2回 (朝2錠 夕2錠)<4/17・18>
★プレドニン錠5mg 1日2回 (朝1錠 夕1錠)<4/19・20・21>
(炎症を抑える薬)
★メチコバール500 1日3回 毎食後(朝1錠 昼1錠 夕1錠)
(ビタミンB12。末梢神経の働きを正常にする薬)
★アデホスコーワ顆粒10% 1日3回(朝1包 昼1包 夕1包)
(血液の流れをよくする薬)
★セルベックスカプセル50mg 1日3回(朝1個 昼1個 夕1個)
(胃の粘膜を丈夫にする薬)
☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★
昨夜、妹から 『お守り』が届いた。
私の病気平癒を祈って、お参りしてくれたみたい。
その他、私の気持ちが和らぐように選んでくれた品々、
メッセージカードも入っていて、すっごく嬉しかった。
なんて優しい妹なんだろう!
すごく元気が出たよ!
ありがとう!!!!!
右乳癌を宣告され、乳房温存療法手術のとき、
右乳癌が再発したとき、
右乳房全摘出手術をするとき、
肺癌(左)の手術をするとき、
ACTH単独欠損症の診断を受けたとき、
いつも、どんなに忙しくても、
どんなお天気でも、
どんなに駐車場を待たされても、
一番に私の病気を心配し、優先して、
お参りし、『お守り』を送ってくれる妹。
私が望めば、
いつでもすぐに東京から帰ってくれる妹。
そのお陰で、私はここまで元気に生きてこれた。
癌も克服できた。
妹に、お礼の電話をしていて、
ポロポロ涙が出て仕方なかった。
「早く治ってね」と妹はしきりに言った。
突発性難聴は、『会話』が悪影響すると知っているので、
妹は手短に切ろうとするが、
私は、話したくて・・・・
昨夜、泣いたためか・・?
ステロイドの副作用のためか・・?
今朝は、顔がむくんでいた。
今日、薬局でお薬を受け取る時、
「もう、ステロイドの副作用は出てくるのですか?」と尋ねたら、
「いえ、まだ5日間なので出ないと思いますよ」
「そうですよね・・・
なんだか、顔がむくんできたような気がして・・・
安静にして、楽に過ごしているから、太ったのかしら?(笑)」
そんな冗談も言えるようになった。
これからの2週間が、私の一生にかかっている。
耳鳴りや難聴が、生涯残るか、改善されてくるのか・・・
非常に大切な時だ。
穏やかに、穏やかに、過ごしていきたい。
【突発性難聴☆闘病記録】(4)
★2008年4月16日(水)★
<治療開始5日>
今日の広島は、一日中、雨だった・・・
昨日、H病院に行っておいてよかった。
私の性格では、こうしたことがストレスに繋がると思うから・・・。
気になることは、早く済ませた方がいい。
昨夜、就寝時、耳鳴りが静かだった。
病院に行って、疲れているはずなのに、
「なぜ?」って不思議なくらい。
いい方向に向かっているのかと夫と喜んだ。
耳鼻科のセカンドオピニオン、
および、内分泌科の担当医にお会いしたことで、
精神的に落ち着いていたのかもしれない。
≪セカンドオピニオンとは?≫
患者が現在治療している病院での診断や
治療方針について、他の病院の医師に意見を聞くこと。
そして、Blog Friend から、
温かい言葉をかけてもらったことも、
すごく励みになり、うれしかった。
毎朝、起床時は耳鳴りも静か。
家族との会話が始まったとたんに、耳鳴りが強くなる。
今日、改めて、気づいたこと。
それは・・・
外出や家事の体力的な疲れより、
人との会話が一番疲れ、
耳鳴りに悪影響のような気がする。
やはり、耳にさし障るのだろうか?
一人の行動だと黙っているので疲れない。
耳に響くこともなく、耳鳴りも静か・・・。
今日は会話が多かったからか、
午後4時ごろから、
耳鳴りが「ガンガン」「キーキー」大きく響き、
頭が痛く、めまいのような症状も出て、
立ち上がると、体がフラフラした。
視力も落ちたかな、と感じるほどの疲れ・・・。
この突発性難聴は、入院治療がいいことがよくわかった。
静かに黙って、安静にしているのが一番の治療かもしれない。
どんなにいいお薬を飲むよりも・・・・。
プレドニンなどのステロイド治療をしても、
会話で疲れると、一向に良くならないことを感じている。
明日は、近所の耳鼻科に行くことになっている。
再び、聴覚検査等されると思うが、
ひどくなっているように思えて仕方ない。
今日の夕方からの耳鳴りは、
この2週間のなかで、もっとも重い症状だった。
今が一番大切な時なのに・・・。
今日は、一日中、一歩も家を出ないで、
夫に買い物等、頼んだ。
昨日、病院に行く途中、
ふと、目に入った“3つ並んだタンポポの花”。
3人姉妹の私は、
「まるで私たち姉妹みたい~♪」って、思わず携帯で撮影した。
先日、突然、突発性難聴に襲われた私にとって、
今の不安な気持ちを和らげるように・・・と、
神様からのプレゼントのように感じた。
☆★=試練の中で=★☆
人から慰めてもらえる試練もあれば、
人知れず苦しまないといけない試練もあります。
そのいずれの場合も苦しいことに変わりないのですが、
そのような時こそ、
「主がいつもより、いっそう近くにいてくださる」と信じることで、
どれだけ救われたことでしょう。
聖パウロもいっています。
「神は、耐えられないような試練にあなたがたを遭わせることはなさらず・・・・・
試練と共に、抜け出る道をも用意してくださるのです」
主イエスは、今日も、試練の中にある私たちを、
優しくその胸に抱いていてくださるのです。
~渡辺和子「目に見えないけれど大切なもの」~
渡辺和子さんファンの私は、
昨日も病院で順番を待っている間に、この本を読んでいた。
昨日の気持ち、今の気持ちを表しているようで、
戸惑いの日々の今・・・抜粋しました。